【朝霧JAM’25総括vol.1】自然と戯れながら奥深い魅力をゆったり満喫 – 朝霧JAM’25のんびり滞在記
- 2025/10/30 ● REPORT
日曜朝のスーパー・リフレッシュ・フルコース!
一番遅くまで起きていてあまり寝てないけど、「サウナで日の出見ようぜ!みんな行かないの?」と息巻いていた僕が起きないのはなかなかカッコ悪いので、5時半くらいに起床。めっちゃ眠いですが、のんびりと向かってみましょうか。
昨年のサイトQから、近場のサイトIに移動したのも嬉しいサウナサンセット。この時間帯は当日受付3000円と高価格帯に設定されていましたが、これを買うと1日フリーパスというおいしい特典付き。グループで入れる何種類かのテントサウナと水風呂、くつろぎのリクライニングシートにかけ湯、カップルで入れる本格的なサウナルームもあってなかなか楽しめます。
僕はサウナは銭湯に行ったらまあちょっと入るくらいで、正直言うと「フェスでわざわざ行くのはよっぽどの物好きなのでは?」なんて思っていたところもあったんですが、実際に行ってみると、例えばシャワーやお風呂の感覚で気軽に楽しめて、これはいい発見でしたね。木々たちのブラインドではっきり見えるわけではないですが、期間中ほぼ唯一しっかり富士山が見えた日の出のタイミングで、頭のところにちょこんと雲がかかっていたのもいい味に。雄大な自然を感じながらのサウナはとても気持ちのいい体験でした。
この時居合わせた取材スタッフがサウナ特集記事を書くみたいなので、詳しくはそちらをご期待あれ!日の出特集記事も用意してるみたいだよ!

Photo by 阿部仁知
それからぽけーっとした心持ちでぼやぼや歩いて、キッズランドのところのカフェラテ&クッキーで小休止。ムーンシャインでは、地元富士宮出身のインストラクター宮本章子さんによる朝ヨガの時間です。いろんなフェスで参加するたびに思うんですが、ヨガに参加する人はみんな見事な立ち姿で惚れ惚れとするんですよね。でも「バランス取れねえー!身体硬いー!」って感じで、できないことも笑い合いながら無理なくやるのがいい感じです。
後半では知らない人と二人一組になって身体を動かしたり、みんなで円になって後ろの人の膝に座りながら、前の人が僕の膝に座るという「そんなことできるの?」って試みでは、うまくできた時にみんなで拍手!
気持ち的に打ち解けるキャンプレクリエーションのような朗らかな雰囲気は『PYRAMID GARDEN -Beyond the Festival-』のフォークダンスを思い出したし、例えばフジロックのグリーン・ステージでは難しいであろう、この規模と雰囲気だからこその柔らかい親密さがあって心地よかったです。

Photo by 堅田ひとみ

Photo by おみそ
テントに戻って朝支度をして、ダラダラとレインボーに向かうと、ケロポンズや本門寺重須孝行太鼓保存会の皆さんも参加するラジオ体操の時間。体操おじさんこと、朝霧JAM実行委員長の秋鹿博さんの挨拶をしみじみと聞きつつ、澄んだ空気の中でみんなで体操するのはやっぱり格別です。富士山は見えなかったけど、ここにしかない体験を満喫しました。

ラジオ体操〜ケロポンズ(Photo by おみそ)
そしてすかさず、キッズたち大はしゃぎのケロポンズのライブ。即参加できるコミカルなダンスをみんなで踊るのが楽しいし、体操おじさんのちょっとぎこちない踊りも、雰囲気を和ませて心地のいい一体感が生まれた朝霧高原。
後半は、歩いてたらたまたま発見したAサイトの先輩のテントにお邪魔して、近隣のテントの人とともに遠目の振りを真似たりしながら、のんびりと過ごしていました。こういう時間がいいんですよねえ。

Photo by おみそ
日の出サウナからはじまったリフレッシュタイムのトリは、ふもとっぱらの金山温泉へ。ぼんやりとふもとっぱらを横切るように歩いて、奥地へと向かいます。遠くまで見渡せるだだっ広いフィールドはイギリスの『Glastonbury Festival』を彷彿とさせるものがあって、山の中腹の木々たちが並んでいる光景がとてもいい。こりゃあ思わず声も出ちゃいますよ。
意外と穴場なのか割とスムーズに入って温泉を満喫して、場内ではなかった自販機でモンスターエナジーを買ったりして(ごめん、日課なんで)、ピーターパン・カフェでまったり。これは会場に行かずともここに居着いちゃいますわ。場内のキャンプもとっても楽しいですが、またいつかここにも泊まってみたいな。ふもとっぱらに泊まったスタッフによる滞在記も公開予定なので、そちらもお楽しみに!

Photo by 阿部仁知

Photo by 阿部仁知
会場に戻ると、ちょうどアニー&ザ・コールドウェルズが演奏しているレインボー・ステージ。朝っぱらから思いっきりリフレッシュしちゃったもんだから、パワフル&グルーヴィーなパフォーマンスに身体も動く動く。こりゃあ楽しい。日曜朝のリフレッシュは来年もリピート確定です。
身支度のためにゆったりテントに戻る傍ら、鬼の右腕のなにやらとんでもないパフォーマンスもチラ見。かなりハードなサウンドに、一目で持ってかれる出立ちに…。な、なんだったんですかあれは?あまりちゃんと観られなかったんですが、みんな口々にヤバいヤバいと言ってて一層気になってます。別のレポートを待つとしましょう。

ANNIE & THE CALDWELLS(Photo by 小林弘輔)

鬼の右腕(Photo by 宮田遼)
そして今回僕が一番楽しみにしていた柴田聡子のバンドセット。先日神戸の『MASHUP FESTIVAL kobe』で弾き語りを観た時は、ざっくりと指弾きするエレキにUSインディーフォークの色合いを強く感じてグッときたものですが、岡田拓郎や谷口雄などの精鋭が集ったバンドセットでは、彼女のもつメルヘンチックでファンタジックな魅力がこれでもかと広がる演奏を全身で感じました。
小気味よくダンサブルで、決して大袈裟ではなく程よい塩梅で織り交ぜる、ジャズやファンクのエッセンス。その中に日常をふと呼び起こすSSWらしい詩情が滲んでいるのが印象的な、あらゆる方面から噛みごたえのある贅沢なバンドセットを、レインボーの聴衆も気ままに楽しんでいる様子です。
とりわけErykah Ver.アレンジ(多分エリカ・バドゥのことだよね)の“ワンコロメーター”には度肝を抜かれました。ケロポンズみたいにいくらでも楽しくキャッチーにできるキラーチューンなのに、ダブの真髄をこれでもかと表現するゆったりと腰を据えた演奏で、ちょっと不穏でアンニュイな雰囲気にしびれちゃいました。でもそれがワンコへの気持ちを通した生命への畏敬のように響いていて、ここにいたちびっ子たちも一味違う楽しみとして記憶に残ったことでしょう。
ちなみに曲ごとにぶっきらぼうに言っていた「せんきゅう」を、このあとしばらく真似ていたんですが、僕ではかっこよく決まりませんよ聡子さん。あなた独特の柔らかい情感をたっぷり堪能させていただきました。

柴田聡子(Photo by 堅田ひとみ)
無理なく悔いなくゆったり満喫する日曜日の午後
いい気分で歩いていると、田島貴男(Original Love)のあの曲が聞こえてきたので、道ゆく人と口ずさみながらムーンシャインに。兵庫の『ONE MUSIC CAMP』で観たバンドセットでも思ったものですが、奔放にその場のフィールをつかまえて、初見の人もがっつり掴む貫禄のステージングには、スタイルは違えどライクディランな挑戦者の気概をヒシヒシと感じます。
僕はというとあまり寝てないテンションも相まって、仲間たちに「ええ日やなあ!」とか雑に絡んでたのは今思い出すと小っ恥ずかしいですが、こんなに気持ちがいいと口をついて出ちゃうんだなって。そう、IT’S A BEAUTIFUL DAYなんですね。

田島貴男(Photo by エモトココロ)
さてさて、朝霧JAMのZAZEN BOYSなんて最高に決まってますが、『MASHUP FESTIVAL kobe』でも観たし、愛が溢れる取材スタッフに託してそのままムーンシャインでリアル脱出ゲームに取り組むことに。
レインボーとムーンシャインを横断するマーケットエリアを中心に、会場を歩き回りながら謎を解いていくウォークラリーみたいな体験は、なんで今までなかったんだってくらいフェスとの相性抜群!「これは一瞬でわかるでしょ」と茶化してると別の問題で「こんなのもわからないんですか?」と返ってきたり、何人かで和気藹々と楽しめるのがいいですね。
チェックポイントで立ち寄るお店で「ここは本も売ってるんだ!」など色々発見もあって、自然とお買い物につながるのもとてもいい仕掛けです。昨年はブースだけで完結するものだったそうですが、パワーアップした今年のリアル脱出ゲーム。始めたのが遅かったので全クリとはいかずちょっと心残りですが、来年は真っ先にブースに行こうと思うのでぜひ一緒にやりましょうね!

Photo by HARA MASAMI(HAMA)
謎解きをしながらムーンシャインでゆったり眺めていたのが、パール&ザ・オイスターズ。シンセポップの滑らかな響きは、どこか懐かしくて新しいレトロフューチャーの趣を感じます。煌びやかで可愛らしいサウンドメイクで、細野晴臣の“恋は桃色”も日本語ヴォーカルで披露。ご飯を食べたりしながらがっつり観るでもない過ごし方をしていましたが、幸せな雰囲気に包まれたムーンシャインのひとときでした。

PEARL & THE OYSTERS(Photo by 堅田ひとみ)
そろそろ日も暮れていく日曜日の終盤。3人の立ち姿そのものが芸術作品のようだった目玉のグラス・ビームスをちょこっとだけ観ていると、なにを思ったか「サウナに行こうぜ」という話になり、仲間たち何人かで行くことに。どんな取材チームだよって感じですが、しっかり観て撮ってる仲間に任せて、適材適所で楽しく取材するのもオルグらしさってことで。そして変に焦らずそういうことができるのも、朝霧JAMの雰囲気なんですよね。
僕は無理なくほどほどに楽しんでいましたが、サウナ好きの仲間たちはスタッフさんのご厚意でかなり暑い温度にも挑戦して、ひーひー言ってました。サウナも奥が深いなあ。僕も大阪で色々行ってみたいのでまた誘ってくださいな。

GLASS BEAMS(Photo by 堅田ひとみ)

Photo by エモトココロ
そしてサウナ上がりでぼやぼやと準備をしてからCARNIVAL STAR ALL STARSの賑わいを横目にレインボーに向かうと、忌野清志郎ROCK’N’ROLL DREAMERSの最終盤。ちゃんと観られたのはゲストも勢揃いした最後の“イマジン”と“雨上がりの夜空に”くらいでしたが、その光景がどこまでもピースフルに輝いていて、声を挙げながらもじっくり噛み締めながら、朝霧高原を包み込む情感に浸っていました。いつまでもここにいたかったなあってくらい素敵な時間で、きっと居合わせた多くの人にとってそうであるように、この瞬間が僕の今年の朝霧JAMのハイライトでした。

CARNIVAL STAR ALL STARS(Photo by 宮田遼)

忌野清志郎ROCK’N’ROLL DREAMERS(Photo by 白井絢香)
日曜日で帰る人たちとお別れの挨拶をしたりしながら、気持ちのいい余韻を胸に戻ったキャンプサイト。いよいよ名残惜しくも最後の夜、オーバーナイトの時間です。別サイトから遊びに来た先輩たちなどを交えてしっぽりと。みんな寝不足や疲れでよくわからないテンションになっていますが、それもまたキャンプ生活ならではですよね。
少し込み入った打ち明け話や人生相談のようなことも飛び交い、焚き火の処理をした後もピラミッド・ガーデンの『WEDDING PARTY Beyond the life』でいただいたキャンドル・ジュンさんのキャンドルの火を眺めながらぼやぼや話したりしながら、長くて短い夜は静かに過ぎていきました。

Photo by 堅田ひとみ
翌朝も灯っていたキャンドルを感謝の気持ちで消して、週明けの月曜日は後片付け。駐車場まで荷物を運ぶのも一苦労ですが、協力しながらテキパキと運べました。たまに小雨が降ったりしつつ、それほど雨にも当たらなくてよかったです。土砂降りの中での設営や撤収を経験しているという先輩もいて、そういう洗礼はまたの機会できっと…。
ちなみに普通の旅行用キャリーケースはぼこぼこの砂利道にまったく適さないので、次回はゴツいタイヤのやつを用意しよう。って前回も思った気もするんだけどなあとか思いつつ、朝霧高原を後にしました。
帰路は仲間の車に乗せてもらえたので、毎度恒例のさわやかに寄ったり(祝日ではないからなのか40分待ち程度で済みました)、名古屋でスーパー銭湯に寄ってベトコンラーメンを食べたり。名古屋がスーパー銭湯文化なこともはじめて知ったし、移動も含めてまるっと楽しんだ朝霧JAMの3日間でした。

Photo by 阿部仁知
本当はもっとやりたかったこともいっぱいあるんだけど、そういうことも気にならないくらい充実していた今年の朝霧JAM。キャンプ生活で、憧れの先輩や頼もしい後輩たちからいろんなことを学んだし、できることできないことがそれぞれあって助け合いながら過ごす中で、自分の日常を省みたり、「こういうことができるようになりたいな」「明日からも頑張っていきたいな」なんて活力が湧いてくる体験でした。
きっと明確に言葉にしないまでも、ここで過ごしたみんなはそれぞれ似たようなことを感じていると思うし、そんな持ち帰った財産をあたたかく感じながら、この滞在記を締めくくることとします。それぞれの日常をなんとかやっていきながら、また来年の秋に朝霧JAMでお会いしましょう。

Photo by エモトココロ
Text by 阿部仁知
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