朝霧JAMもうひとつのメインイベント?「サウナ サンセット」の魅力に迫る!
- 2025/11/06 ● REPORT
今年、朝霧JAMでサウナ入ったひとー?
この呼びかけに、いったいどれほどの手が挙がることでしょう。きっとまだまだその存在に気づいていない方も多いのではないでしょうか。朝霧JAMにはサウナがあります。その名も『サウナ サンセット』です。オフィシャルのホームページにも記載されています。実は、今年で3年目となります。

Photo by takuro watanabe
筆者はもともとサウナ好きなこともあり、ライブそっちのけで毎年入っています。ライブよりサウナを優先するなんて!朝霧に来るお客さんであれば、そんなことを言う人も少ないとは思いますが、とにかく自由を感じられるのがフェスの醍醐味。サウナ サンセットも、普段ではなかなか味わうことのできない特別な空間であることは間違いありません。今年入った人も、入らなかった人も、これを読めばきっと、来年の持ち物リストに「水着」が加わるはずです。
朝霧の夜明け、流離うサウナ
僕は今年、3回サウナ サンセットを利用しました。というのも、本来は1回800円〜2800円(当日受付は1000円〜3000円、時間帯によって料金設定が異なります)なのですが、開催期間の2日間入り放題サブスクプランを急遽用意してくれたのです(わがままに応えて頂きありがとうございました)!

Photo by takuro watanabe
そのプランを積極活用して、1日目の午後と深夜、そして2日目の早朝に利用しました。時間帯によってサウナがまったく違う表情を見せるのは、アウトドアサウナの醍醐味のひとつです。土曜午後は、始まったばかりのライブの歓声を遠くに感じながら。深夜は、霧深い中で幻想的な焚き火の灯りを見つめながら。

Photo by takuro watanabe
そして、なにより心を掴まれたのが早朝のサウナ体験です。朝一にも関わらず、ストーブにはすでにしっかりと火が灯り、テントサウナ内は抜群のコンディション。一杯のロウリュが、まるで“目覚めの音”のように響き、湿度が一気に高まります。昨日はしゃぎすぎて痛めた喉に、熱と蒸気が優しく沁みていく。飲みすぎた酒が体から抜け、高原の朝の冷気で固まった肩や腰が軽くなるのを感じます。

Photo by takuro watanabe
滝汗状態で外に出れば、待っているのは富士山伏流水かけ流しの水風呂。申し分なくキンキンに冷えています。思わず声が漏れるほどの心地よさ。こんな目覚めは、サウナ サンセットがあればこそ。その爽快な一日の始まりを抜きにした朝霧JAMを、僕はもう想像できません。

Photo by takuro watanabe
リクライニングチェアに体をあずけると、雲の切れ間から朝日が顔を出しました。厚手のダウンやブランケットではなく、水着姿で上半身裸のまま迎える朝霧の夜明け。そんな光景を、数年前の自分はきっと想像もしていなかったはずです。

Photo by takuro watanabe
朝日が僕らを優しく照らし始めます。周りにいた友人たちも、同じように目を細めていました。

Photo by takuro watanabe
「フェスのサウナ」としての3年目
そんな特別な体験を生み出しているのが、「サウナ サンセット」を運営するチームです。今年で3年目を迎えたサウナ サンセット事務局の代表鈴木さん(以下鈴木)に、これまでの手応えと今後の展望を伺いました。

サウナ サンセット事務局 代表 鈴木さん
──今年で3年目となりますが、今までのお客さんの反応はいかがでしたか?
鈴木:3年目を迎え、リピーターの方も増えている印象です。「サウナのために来てます!」とか、「サウナエリアの近くにキャンプサイトを設営しました!」といった声もあり、一定の満足度は達成できているのかなと思います。今年は場所を移動できたこともあり、より多くの方の目に触れるようになりました。「サウナがあるのを初めて知った」という人も多く、来年はその方たちがまた戻ってきてくれるように告知にも力を入れたいです。
──場所が変更になった経緯や狙いを教えてください。
鈴木:静岡県条例の変更で、規制が緩和されて囲いが不要になったことで、場所の自由度が上がったんです。これまでキャンプサイトBの一番奥地だったため、どうしても“知る人ぞ知る”存在でした。今回管理棟に近づけたことで、ふらっと立ち寄る方が増えました。前の場所が静かでよかったという声もありましたが、「近くなって嬉しい!」という声のほうが圧倒的に多かったですね。

※黄色の丸で囲った最奥地QサイトからIサイトへ場所が移動となりました
──ほかに改善した点はありますか?
鈴木:昨年はサウナ待ちが発生してしまったので、今年はサウナテントを大幅に増設しました。全部で10基設けました。おかげで“入りたいのに入れない”という状況はほぼなく、常にどこかのサウナに入れる状態を実現できました。温かいかけ湯を設けたり、サウナのバリエーションを増やしたりと、より快適に過ごせるよう改良しています。また、今年は初めてオリジナルTシャツや温泉タオルなどのグッズも制作しました。今後は販売にも力を入れていきたいですね。

Photo by サウナ サンセット

Photo by takuro watanabe

Photo by takuro watanabe
──反省点もあれば教えてください。
鈴木:人気枠の即完を防ぐために導入した時間帯別価格(ダイナミックプライシング)は、思うように機能しませんでした。また、オロポやブルポの販売も伸びず、在庫が余ってしまって。管理棟売店との棲み分けや導線作りなど、次回に向けて改善したいと思っています。SNS(Instagram・X)を始めたばかりなので、こちらも今後はしっかり運用していきたいですね。

Photo by サウナ サンセット
──来年以降の展望を教えてください。
鈴木:朝霧JAMから始まったサウナ サンセットですが、来年は他のキャンプインフェスにも展開していく予定です。「フェスのサウナといえばサウナ サンセット!」と呼ばれる存在を目指して、これからも挑戦を続けていきます。

サウナ サンセット事務局のみなさん
サウナ サンセットが生み出すのは、単なる「温浴空間」ではありません。そこには、音楽フェスが持つ「自由」と「共鳴」が確かに息づいていると感じました。テントの中で蒸気に包まれ、火と水と風のあいだを流離(さすら)う。気づけば、心と体が自然のリズムに溶けていく。来年、あなたもぜひ「朝霧の夜明け」を水着で迎えてみてください。きっとその瞬間、フェスの新しい楽しみ方が見えるはずです。

Photo by サウナ サンセット
鈴木さんの最後の言葉に、サウナ サンセットが苗場に誕生する未来を想像してしまうのは筆者だけでしょうか?サウナがあれば、あの大行列を作るお風呂渋滞の緩和にも繋がるかもしれません。
フジロックでも、サウナ サンセットに入りたいひとー?
朝霧でサウナ サンセットを体験した人ならば、両手を挙げて賛成してくれるはずです。
Instagram:@sauna_sunset
X:@sauna_sunset
取材協力
・サウナ サンセット 代表 鈴木さん
・信州サウナ同盟 勝又さん
・JAPAN SAUNA FESTIVAL 代表 中村さん
Text by takuro watanabe




