• 今週末の朝霧JAM、みんなは誰のライブが楽しみ?オルグスタッフも気になるアーティストを語っちゃいますよ。

    どうにも安定しない気候で、風邪でもひかないよう気をつけたい今日この頃。当日前の最後の連休は過ぎちゃいましたがまだ間に合う!今週末に迫った朝霧JAMに向けて、しっかり準備していきましょうね。

    先日の記事では、ロックンロール・ドリーム溢れるライター三浦孝文が10組のアーティストの魅力を紹介しましたが、まだまだ気になるアーティストはいっぱい。今回は第二弾ということで、そわそわした気持ちのオルグスタッフ4名がそれぞれの視点から気になるアーティストを紹介します。時間被りも多いのでみなさんを悩ませちゃうかも?いやいや、そんな贅沢なわくわくを携えて、朝霧の地へ向かおうではありませんか。

    アーティスト紹介記事第一弾はこちら!HIATUS KAIYOTEやGLASS BEAMS、忌野清志郎 ROCK’N’ROLL DREAMERSなど10組をピックアップ!
    朝霧JAMならではの出演陣、堪能するまたとない音楽体験

    ゆるい自然と緊張感ある音のギャップを感じたい

    今年の朝霧JAMへ参加を決めた理由は、ZAZEN BOYSの初出演だ。SMASHが制作する音楽フェスに向井秀徳氏が出演するのはなかなか珍しいのだが、今年のフジロック前週に開催された『PYRAMID GARDEN -Beyond the Festival-』でのKIMONOSでの出演に続き、ZAZEN BOYSとして朝霧JAMに出演するのは想定外だった。

    富士山 × ザゼンの組み合わせって、なんか神々しくない?と面白がってしまう自分がいる。のどかな自然の中、MATSURI STUDIOでビシビシに鍛え上げられたセッションを繰り広げるそのギャップ、どんなものか感じてみたいと思うからだ。昨年、アルバム『らんど』を発売し、収録楽曲のライヴアレンジも多様な変化を見せた頃。フェスで観るにはちょうどいいタイミングなのではないだろうか?戦争の悲惨さを歌ったいまのザゼンを代表する1曲“永遠少女”、この歌が響いているときの朝霧高原は、富士山は、どんな顔をしているのだろうか。非常に興味深い。

    MATSURIといえば、せっかくの朝霧JAM、お祭り感あふれるバンドでお酒片手に踊りたいなあと思う。みなさんご存知YOUR SONG IS GOODは、絶対にノリノリに楽しませてくれる、お祭り番長。今年のフジロックにも出演しているが、時間帯が夜のピラミッドガーデンだったこともあって、見逃した人も多いだろう。ならそのぶん、朝霧で!大きな大人も小さなお子様も一緒になって、わいわい騒いでいる姿がすでに目に浮かぶ。

    そして、最終ラインナップで発表された柴田聡子(BAND SET)。その会場の空気を集めて循環清浄していくような歌声と世界観は、標高の高い会場にぴったりだと思うし、どう響くのか楽しみだ。岡田拓郎、海老原颯、谷口雄など錚々たるメンツが集まるバンドメンバーにも注目している。

    ほかにもGLASS BEAMSやANNIE & THE CALDWELLS、Anthony Naplesなど海外勢も気になって、2ステージなのに体が足りない予感。この秋も新しい音楽とたくさん出会えそう。(梶原綾乃)

     

    またとない環境で楽しむ極上のパーティー!

    僕が今年の朝霧JAMのラインナップで気になっているところといえば、柴田聡子(BAND SET)から忌野清志郎 ROCK’N’ROLL DREAMERSにいたるレインボー・ステージ最終盤の流れ。ゆったりとご飯を食べてワークショップでもしながらずっとレインボーにいてもいいくらいなのだが、そうはさせてくれないから面白い。一番派手なその流れとはある意味対極にあるけど味わい深いカーニバル・スターの魅力は発表記事でも触れたところだが、クラブや野外レイヴのフィールが溢れるパーティーアクトたちを今回は掘り下げてみよう。

    当然ながらANTHONY NAPLESやDJ SPINNA、もうちょっと広く捉えるならD.A.N.なんかもそうだが、まずはDJコレクティブFULLHOUSEを紹介したい。本拠地のCIRCUS Osakaは僕の馴染みのクラブ。そこでNia Archivesを初来日のタイミングで呼んだり、世間で話題になる前から海外のアップカミングなDJをブッキングする感度の高さも信頼がおけるところで、「大阪に、日本にFULLHOUSEあり!」ってな具合にどんどん存在感を増してきた。今年のフジロックで日曜日朝方のレッド・マーキーを盛り立てたのも記憶に新しく、その時の写真を見るだけでもフロアの幸福感は伝わってくるだろう。個人としてもフジロックに出演しているSAMOをはじめとして、10人の個性豊かなクルーが織りなすDJプレイは、ムーンシャイン・ステージをさまざまな情感が溢れる至福のパーティー空間に変えてくれるだろう。

    続いて取り上げるのは、Yaffleとのプロダクション設立や、宇多田ヒカルのフィーチャー、ロンドンでの活動や、最近ではさいたま市長選挙への出馬など、多方面で活躍するNariaki Obukuro(DJ)。僕はというとフジロック18のライブセットはみずみずしい記憶として印象に残っていて、DJを体験するのははじめて。ロンドンのジャズミュージシャンたちと一緒にセッションをしながら作ったという最新作『Zatto』も評判で、本人の楽曲を織り交ぜるのかも若干気になるところだが、今回はまた違った才能の片鱗が見えてきそう。MCをつとめるJ-WAVEの長寿音楽番組『Flip Side Planet』での選曲にも定評のある彼が、どんな風に朝霧JAMの景色を描いてくれるのかが楽しみだ。

    そしてDJアクトとは少し趣向は変わるが、“スペースエイジ・ジャズポップ”で注目を集める、LA拠点のフランス人音楽デュオのPearl & the Oystersも気になるところ。星野源、細野晴臣、KhruangbinのローラやNewJeansのヘインからも支持を受け、フジロックでも人気のGinger Rootとの全米ツアーを経てワールドツアー中と聞けば、パーティー好きの諸君もビビッとくるに違いない。先週細野晴臣の“恋は桃色”のライブカバー映像も公開され、その柔らかい愛らしさにうっとりとしたので、朝霧での演奏も期待したい。JujuとJojoが奏でる、どことなくレトロで懐かしい遊び心溢れるハーモニーにじっくりと浸るのもよし。遊んで、感じて、気ままに楽しんで、素晴らしい環境の中でここにしかないバイブスを感じようじゃないか。(阿部仁知)

     

    朝霧のピンと張ったきれいな空気に音楽を混ぜよう

    今年の朝霧は最高の予感がする。大好きなアーティスト達をあの富士山のふもとで見られると思うとワクワクが止まらない。早く朝霧に行きたい。私の好きなアーティストを紹介していこうと思う。

    まずはD.A.N.を紹介しよう。曲の中でエレクトリック・チェロやハープを使用するなど奥行きのある音と、目をつむるとどこまでも行けそうなサウンドが魅力的なこの3人組。15年のROOKIE A GO-GOから始まり、DJセットJinyaの出演も含めフジロックには何度も出演しているので、記憶に残っている人も多いだろう。22年にライブ活動を休止するも、デビュー10周年の今年2年半ぶりに活動再開し、8月の初の日比谷野音ワンマンも大盛況。17年以来2度目となる朝霧JAMで、D.A.N.はどんな光景を描いてくれるだろうか。じっくりと耳を澄ませて聞くもよし、浮遊感のあるサウンドに体を任せて踊るもよし。宇宙に来てしまったかのような、無重力になってしまう彼らの音楽をぜひ体感してほしい。筆者のおすすめ曲は“SSWB”と“Native Dancer”で、朝霧JAMの空気と一体化したライブが楽しみ。12月には東京と大阪で単独公演も決定しているので、こちらもぜひチェックを!

    続いて紹介したいのはフジロックでもお馴染み、全国の子ども達と保育園・幼稚園で大人気のケロポンズ。ケロちゃんとポンちゃんの2人組がカラフルな衣装で元気いっぱいに体操を踊り、代表曲“エビカニクス”では、会場の子ども達が「エビ!カニ!エビカニFoo!」と盛り上がること間違いなし。ちなみに保育士をしている筆者は、週5で“エビカニクス”を全力で踊り汗だくになっていて、保育園では鉄板中の鉄板の体操。大人も踊っているだけでパワーが湧いてくる。他にも“ひっつきもっつき”や“アキレスケンタウルス体操”などもやってくれるのでは。どの曲もすぐに真似て楽しく参加できるし、2人の軽快なやりとりを聞いているだけでも自然と笑ってしまう。ラジオ体操とともに朝から元気に体を動かして、爽やかに朝霧JAMの2日目を始めましょう。お子さんがいる方はもちろん、目を覚ましたい方も元気に踊りたい方も全員集合!曲や振付を知らなくても足を運んでみてほしい。平和と幸せでいっぱいの空間が広がっているはず。

    そしてなんといっても最も楽しみなのが、今年の朝霧JAMの開幕を告げるYOGEE NEW WAVES。私が世界で一番愛するバンドだ。ライブではロックンロールで熱くなってしまう曲から深く海に潜るようなゆったりとした曲まで、さまざまな曲を演奏する彼らだが、フジロックにはソロ出演も交えながら14年17年21年に出演し、朝霧JAMは17年と22年に続いて3度目の出演。10年間程彼らのライブを観ているが、彼らの歌には心臓をぎゅっと掴んで離さないような、ものすごい力がある。そして、限りない愛を持った角舘健悟(Gt / Vo)による歌の世界に、みんなも浸かってみてほしい。早めに会場に到着し、テントを設営してすぐにレインボー・ステージで会いましょう。最高の幕開けが待っていますよ。(おみそ)

    シンガーソングライターの歌声に想いを馳せる穏やかな時間

    朝霧JAMまであと4日。天気予報を3時間おきに見ることはルーチン化しており、毎日欠かさず快晴祈願を行っている。ここまで天気に左右されている人間も珍しいだろうと自分自身に呆れつつも、当日までお天道様に祈りつづけようと思う。

    さて、今年の朝霧も豪華な面々が出揃った。どれも見逃したくないアーティスト達ばかりだが、とくに私が注目しているのは個性豊かなシンガーソングライターだ。2009年よりソロ活動を開始した竹原ピストルは、まるでサウナーのような見た目で笑顔がまぶしい男性。だが、歌唱をはじめると一変。アコギ一本のシンプルな弾き語りと魂の歌声でオーディエンスを圧倒する。現代に生きる若者の背中をそっと押すような応援曲“よー、そこの若いの”はもちろんだが、私的にはあの名曲を竹原なりの解釈で歌い上げる“Amazing Grace”を聴きたい。心の底から絞り出すような「あなた」への愛と絶望…メロディにのって山々に響き渡っていく瞬間を目撃したとき、私は何を感じているのだろう。

    フジロックにも多数出演のBIGアーティスト、田島貴男(Original Love)。実は、彼はバンド活動と並行して『ひとりソウルツアー』を毎年開催している。テナーサックス、エレキギター、タンバリンなど楽器を自身で操り、ループマシンで録音しながらリズム隊を生み出すという、私を含めた常人には理解できない芸当をやってのけるのは見事。朝霧でも変幻自在なパフォーマンスを観たいと思うし、ジャジーでセクシーな歌声を聴けるのが楽しみだ!あ、これは個人的なお願いです。“接吻”やってください。ギターとサックスを交互に奏でる田島を観ることができそうだし、そこにオーディエンスの合唱が乗ってくることで、気持ちのいいグルーヴを生み出しそうだから。

    さて、どんどんいきましょう。東京・吉祥寺を中心に活動する4人組バンド、グソクムズ。たなかえいぞを(Gt / Vo)は、テレビドラマやCMにも時折出演していることから、「あれ!この人見たことある!」という方も一定数いそうだ。朝霧では、爽やかな風が吹き抜けていくような“道の途中”、感動的なMVで私が泣いてしまった“離れていたって”を聴きたい。心がふわりとあたたかくなる楽曲たちは、富士山麗の自然と綺麗に混ざりあっていきそうだ。

    オーストラリア出身のシンガーソングライターで、朝霧JAM前日に初の単独来日公演も控えるアンジー・マクマホンは、個人的に今回一番観たいアーティストだ。アンジーのパフォーマンスは美しく荘厳、それでいて力強い。彼女の歌はレインボー・ステージのオーディエンスの心を捉えるだけでなく、森を超え、山を越えて、自然へ溶け込んでいくだろう。

    Rolling Stone Japanのインタビューによると、アンジーはゆっくり進む(move slow)性分だという。それは自身のうつ病や不安障害と向き合ってきた証であると思うし、自分という存在を愛して進もうとするアンジーの決意であって、同じ苦しみを抱える人へのやさしいエールだとも捉えられる。ありがとう、アンジー。私ももう少し自分を受け入れてあげようかな。“Letting Go”の歌詞「It’s okay, it’s okay Make mistakes, make mistakes」の精神で生きていけるように、都会の喧騒を忘れられる朝霧では、心穏やかに過ごしてみよう。(YAMAZAKI YUIKA)

     

    本当に多種多様なアーティストが勢揃いの今年の朝霧JAM。サウナや温泉、ワークショップにも参加したいのに、いろいろ迷っちゃいますよね。でもゆったりした時間の中でライブを観たり観なかったり、アクティビティを体験したりしなかったりしながら、どう過ごしてもすべてに充実感があるのが朝霧JAMの不思議な魅力。さあ、あの素晴らしい光景を想像しながら、今週末朝霧の地でお会いしましょう。

    Text by 梶原綾乃、阿部仁知、おみそ、YAMAZAKI YUIKA
    Photo by fujirockers.org

    今年の朝霧JAMの記事はこちら!当日が楽しくなる内容が盛り沢山なので、ぜひ向かう道中などで読んでみてくださいね。元気に朝霧で会いましょう!

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