【コラム】真夏の三が日
- 2015/07/20 ● Column
フジロックに初めていく人のための連載コラム、最後は「真夏の三が日」。つらつらと4月から続けていたコラムも今回がラストです。このコラムで少しでもフジロックの魅力が伝えられていたら本望です。今までご愛読ありがとうござました。フジロックへ思いを馳せて。
もういくつ寝ると、フジロック
フジロックの開催3日間を「三が日」と称するフジロッカーも多いのではないだろうか。フジロッカー的お正月がもうすぐそこまで迫ってきている。フジロッカー各位は、すでに準備を整え、もう心は苗場に向かっているのではないか。タイムテーブルも発表され、アーティストも出そろった。あとは当日をどう楽しむかだけ。もし仮にまだ迷っている方が居るのならば、その背中をそっと押させていただきたい。
アーティストなんて、知らなくて良い
フジロックって行ってみたいんだけど、音楽わからないんだ”なんて意見をよく耳にするが、200組以上の世界各国のバンドが集結しているので、まだ無名のアーティストも山ほど参加する。その中から自分好みのバンドを見つけるのも一つの楽しみなのではないか。フジロックには、バスカーストップという、その名の通りバスキング(路上ライブ)する、観客と非常に距離の近いステージがある。そこに今年立つ誰かが、来年アリーナクラスで公演、なんてことも充分ありえるのである。新しい音楽を発見できる場所なのだ。
大規模が故の楽しみ
日本のロックフェスティバルの先駆けとしても有名なフジロック。今でこそ”フェス”という言葉は認知されているが、フジロック在らずして、日本のロックフェスティバルは無かったと言っても過言ではないだろう。フジロックが唯一無二の理由の一つは、やはり大自然の中で行われていることではないか。大規模な会場の中には、たくさんのステージがあり、ステージとステージの間には、さまざまな仕掛けがちりばめられている。昼間歩けば、川と木陰が暑さを癒してくれ、アートが好奇心と感受性をくすぐる。夜になれば、光の装飾が顔を出し、全く違った世界を創りあげる。普段の喧噪から逃れ、大自然の中にとけ込むことができるのだ。それに忘れてはいけないのが、フェスごはん。全国から応募が来ると言うフジロックの飲食ブース。選びに選び抜かれた強豪たちの店がそこかしこに並ぶのだ。つまりおいしい料理がどこにいても食べられるってこと。多少並ぶことがあるかも知れないが、お祭りのご愛嬌ってことで、食べたいものに妥協しないで欲しい。きっと後悔はしない。
田舎へ行こう!
とはいえ、楽しみだけが先行して、アウェーの洗礼を受けるかも。なんて心配している方も多いだろう。それが正しい。なめてかかると痛い目に逢う。しかしこれが中毒のように心に残り、来年こそは乗り越えてやる! と思わせるのだ。そうなったが最後、あなたはフジロックの虜なのである。こうしてフジロッカーは毎年増えていくのだ。今年で19年目を迎えるフジロックであるが、そこにルーティンや予定調和はなく、毎年新鮮な気持ちにさせてくれる。そういう意味では、フジロックも進化しているのかもしれない。さぁ迷っている暇はない。真夏の三が日はすぐそこ。田舎へ行こう! 最後に、ソウル・フラワー・ユニオンの中川氏がいつかのステージで放った言葉で、締めさせていただきたい。
『踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損損!』
それでは、苗場で会いましょう。
写真:suguta、森空
文:マルヤマリョウヘイ
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