fujirockers.org'10

THE ROOSTERS結成30周年。ライヴ映像上映会＆スペシャル・ライヴ! @渋谷DUO

　2004年7月31日。THE ROOSTERS（以下、ルースターズ）が苗場で正式に解散してから6年。今年、バンドは結成30周年を迎える。昨年12月29日には『BREAK LOOSE 2009』と銘打った一夜限りの再結成ライヴを開催、今年4月にはDVD『IN THE MOTION』（監督は今夜のスペシャル・バンドのベーシスト、渡辺圭一!）を発売するという。DVD発売を記念して、2010年3月19日、渋谷DUOにて特別な夜が用意された。『ONE NIGHT THE ROOSTERS MOVIE&LIVE』。年末のライヴを完全収録したフィルム上映会と、ルースターズを愛してやまないミュージシャンによるスペシャルライヴが開催される。一度は、もう二度と観られない…と思っていたバンドが、こうやって30周年を迎えていること、そして、それをたくさんの人とともに祝えることがうれしい。

　まずはオープニング・アクトを務めるクロワニのライヴから。司会のスマイリー原島さんいわく「ルースターズのDNAを受け継ぐバンド」。無口でクール、無駄のない佇まいはそう言われるに相応しい。”Let’s ROCK”と”Sitting On The Fence”のカヴァーがはまるのはもちろんのこと、オリジナルの2曲もがっつり衝撃を残す。短い出番だったにもかかわらず、強烈な印象を場内に残していった。

roosters2

　続くはVo&Gu近藤智洋（GHEEE,ex.PEALOUT）、Ba.渡辺圭一（HEATWAVE）、Gu.ヤマジカズヒデ（dip）、Dr.クハラカズユキと、そうそうたるメンバーが顔を揃えたスペシャル・バンドの登場だ。ここまでは、ただ「スペシャル・バンド」と呼ばれていたのだが、当日にバンド名が決まった模様。紹介された名前は「バリウム・パピルス」（後に短縮して「パピルス」になったらしい）。これ、ルースターズの曲名”バリウム・ピルス”が、間違えてセットリストに「パピルス」と書かれていたのが由来だとか。笑いがもとになった、かわいらしい雰囲気のバンド名とは裏腹に、ライヴは真剣勝負。ルースターズを本気でリスペクトするミュージシャンの集合体だけあって、歌にも演奏にも愛がこもっている。セットリストも、盛り上がらない方がムリ! 観ている方も演奏する方もツボな曲がズラリ。座席アリの会場だったのだが、原島さんの「立っちゃっていいですよ」の声に、ひとりふたりと立ち上がり、最終的には全員総立ちとなった。あっという間の30分。まるでルースターズの復活を観たような充実感と興奮。それぞれの形でフジロックのステージを経験しているメンバーだけに、こんな強者が集結したこのバンドがもしも苗場で観られたら……、と思わず期待と想像を膨らませてしまう。もしも実現したら、こんなに素敵なことはない。

パピルス　セットリスト
1. FADE AWAY
2. GET EVERYTHING
3. バリウム・ピルス
4. CASE OF INSANITY
5. ニュールンベルグでささやいて
6. C.M.C.

roosters3

　パピルスの作った熱い空気が残るなか、お待ちかねの時間がやってきた。昨年末のルースターズ再結成ライヴ『BREAK LOOSE 2009』をそっくりそのまま見せてしまおうという大胆企画。DVD『IN THE MOTION』には入らなかった曲も、ここではすべて観られるという。当日行けなかったファンにとっては本当にありがたいことだ。
上映が始まってみると、ただ「映像を見る」という感覚ではない。150インチのスクリーンとライヴPAシステム、迫力あるカメラワークで、本当に目の前で演奏が繰り広げられているようだ。ライヴ特有の熱気が会場を包む。画面を見ているだけなはずなのに汗がふき出してきた。
　このド迫力の映像はこの後、仙台、札幌でも上映会が決定している。今回見逃した人は、絶対行った方がいい。実際に観に行きたかった……という思いと、ここで観られて良かった! という思い、両方が押し寄せてくるけれど、結局「観て良かった!」が勝つこと間違いなしだから。