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     英語圏以外の情報が黙殺されがちなマスメディアのなかで、こと音楽を伝えるメディアにおいてはそんな傾向が顕著だと思う。毎年、日本ではまったく知られていないような非英語圏のアーティストが何組も出演するのがフジロック・フェスティヴァル。国内の他の大規模なフェスティヴァルを見渡してみても類を見ないほどだ。そして、それこそがフジロックに毎年新鮮な印象を与えているのだと思う。僕にとってはまたとない貴重な機会であり、醍醐味の重要な部分でもある。

     とくにUKやUSロック好きのフジロック未体験の友人には、決まって「是非行ってみるといい。音楽観がグンと広がるから」と薦めている。あの期間にあの場所を共有できないのは残念で仕方ないし、世界中には本当にいいバンドが履いて捨てるほどいるのだ。

     何を隠そう僕自身、中学生のときにマンチェ・ムーヴの洗礼を受け、高校時代はクリエイションや4AD、ワン・リトル・インディアン、ラフ・トレードやチェリー・レッドといったUKインディーズのレーベルコンピの12インチ盤やブートのライヴテープを買うほどのUK好きだった。当時は洋楽インディーズの情報は今ほど豊富ではなくて、『INFO ROCK』というフリーペーパーが唯一密な情報源だったり、その後メジャーになっていったUKやUSのバンドも、本国ですらまだインディチャートやカレッジチャートでしか目にすることのなかった時代だ。

     その後アシッドジャズやレアグルーヴ・リヴァイヴァルの虜になって、古いジャズやソウル、ファンク、ブラジルやラテン、スカやレゲエを熱心に聴くようになって数年経ったのだけれど、まだまだオアシスやブラー、レディオヘッドといったブリットポップ・バブルの勝ち組の動向も気にはなる、それがちょうど1999年や2000年といった時期だったと思う。

    040414fermin2169.jpg  そして、ひょんなことからこのサイトのスタッフとして参加した最初の年、2001年が、今から思うと象徴的な年だったような気がする。オアシスなんてどうでもいい、そう言っておきながら、復活ニューオーダーは気になる。でもその年印象に残ったアクトはなんといってもパティ・スミスであり、ホットハウス・フラワーズコールドカットだったのだけれど、未だかつてないほどの音楽体験になったのは、クロージング・アクトのフェルミン・ムグルサ・ダブ・マニフェスト。バスク人をフロントマンにした多国籍バンドだった。

     まず、スカやラテン、ダブ、ジャングル、パンクにバスクのフォークロアが混沌とした本当の意味でのミクスチャーを、とことん明快にポップにポジティヴに演奏してしまうアーティストが、自分と同じ時系列にいることの新鮮な驚き。世界には伝えられていないだけで、本当に面白くてもの凄いアーティストが存在する。そして、そんなバンドのライヴを日本にいて体験できるのだから。なにより理屈抜きで楽しい。その、理屈じゃない部分でこみ上げてくる楽しさは、本当にこれまで経験したのとはまったく違う次元のものだったと思う。(あのとき、みんなで手をつないで大きな渦になってぐるぐると回っていた人、覚えてますか?)

     2002年に元マノ・ネグラマヌ・チャオがフジロックに出演して以来、ようやく日本でもスペイン語圏の音楽シーンの求心的な存在としてマヌ自身と、それを取り巻くシーンの盛り上がりが認知されるようになった感があるけれど、そのマノ・ネグラが活躍した80年代後半から90年代半ばにかけて、時を同じくしてシーンを牽引し、バスクを基点に独自のネットワークを築いていたのがフェルミン・ムグルサその人であり、フェルミンの以前のバンドであるコルタトゥやネグ・ゴリアックだった。マヌとフェルミンはマノ・ネグラとネグ・ゴリアックでともに中南米をツアーした経験があるし、フェルミンのソロ1作目『Brigadistak Sound System』では共演、昨年も二人のプロジェクトとしてツアーを行っている。

    040417fermin0834.jpg  やはり2002年にフジロックに出演したイタリアのバンダ・バソッティともその当時から親交のあるフェルミンが、そのバンダ・バソッティが主催するストリート・ビート・フェスティヴァル04に参加すると聞いてイタリアに飛んだのがこの四月。 フィレンツェを皮切りに ボローニャボルツァーノミラノとツアーした四日間のレポートとローマでのフリーコンサートの模様は各リンク先是非見てもらいたい。ダブ・マニフェストからメンバーを大幅に入れ替え、新たにフェルミン・ムグルサ・コントラバンダとして、多国籍混成チームから地元バスクとスペインのミュージシャン中心になっているのだけれど、トリキティシャ(バスクの伝統的なアコーディオン)を"ロック"に掻き鳴らすシャビと、キュートでエキゾチックなソルクンのコーラスが印象的。もちろん、あの底抜けにポップでアジテートでハッピーなサウンドはそのままだ。

     ちなみに、フェルミンの歌はすべて母国語であるエウスカラ(バスク語)で歌われる。地図にない国エウスカディ(バスク)について、詳しくはやはり前述のローマのリンクで触れているのでそちらを読んでいただきたいのだが、キーワードとしてはスペイン内戦、ゲルニカ、フランコ独裁、分離独立、ETAが上がるだろう。ヘミングウェイの『日はまた昇る』に描かれる有名な牛追い祭り、サン・フェルミン祭が盛大に行われることでも有名だ。また、17世紀の宣教師フランシスコ・ザビエルや名プロゴルファー、セベ・バレステロスがバスク出身だというから、実は日本とも馴染み深い"国"といえるかもしれない。ついでにリーガ・エスパニョーラの強豪レアル・ソシエダとアスレチック・ビルバオが、それぞれバスクにあるチームだ。

    040417fermin4089.jpg  今年はフェルミンだけじゃなくて、同じバスクのアトム・ルンバやベルギーの新世代ジプシーバンド、シンク・オブ・ワンも要注目。今年もフジロックに行く人も、そして今年初めてフジロックに行く人も、あの場所にいることがすでに貴重な機会なのだから、是非是非これまで自分の知らなかった音楽にも積極的に触れて欲しい。必ず発見があるのがフジロックという音楽フェスティヴァルだと思う。そんなチャンスをみすみす逃してしまうのは、もったいなさすぎる。2002年にマヌ・チャオやバンダ・バソッティのステージを見逃した人は、痛いくらいわかるだろう。今年はそんな人が一人もいませんように。

     ※尚、フジロックに先駆けてフェルミン・ムグルサ・コントラバンダを体験したい人は、25日に東京ベースメント・バー、また27日にはDOBERMANやWhat's Loveとともに川崎クラブチッタに出演予定なので、詳細はこちらをチェックしてください。

    written by ORG-ken


    photos by ORG-hanasan. The copyright of the photos belongs to Koichi "hanasan" Hanafusa. They may not be reproduced in any form whatsoever.

    album info :

    "イン-コミュニケーション"
    "FM 99.00 Dub Manifest"
    "大声で言え!"
    フェルミンが在籍した伝説のバスク・バンド、NEGU GORRIAKの代表作
    "Kortatu"
    NEGU GORRIAKの前身で、バスクで初めてバスク語で歌い始めたバンドで、中心人物はもちろん、フェルミン。

    (July 16, 2004)
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    (February 18, 2005)
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