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音出しまで後1日 [1997.7.24]
おそらく、ホームページを見ている人たちも、こちらから送り出している写真やレポートを見て興奮しているんだろうけど、実をいうと、情報を送り出しているこちら側も興奮している。なにもなかった緑の土地に少しづつテントが出来て、ステージがそのかたちを見せてくる。骨組みだけだったステージに、照明器具がつけられ、その次はスピーカーだ。片側だけで約50本のスピーカーが徐々に積み上げられていく光景は、やっと始まるんだという実感を現場の人間にもたらしてくれる。まずはステージ向かって右が、そして、今度は左... メイン・ステージだけではなく、サブ・ステージの方も同じように進行している。
セカンド・ステージの反対側にあるダンス・テントでは昨日はなかったスピーカーが四隅に設置され、照明器具もおかれている。おそらく、明日になれば、全て準備万端。19:00に開場されると、ここで音楽が流されることになるんだろう。ん〜、ワクワクしてくる。
世界の料理を楽しんでもらおうと用意されているレストラン・エリアには6軒の店が入るようだ。すでにこのホームページで紹介しているソロモンのクイーンシーバ(エチオピア料理)、ジェインの1066(英国料理)、そして、鈴木邦男さんのベーレン(ドイツ料理)の他にも割烹ひら山、イタリア料理のFLAG、インド料理のGreat Punjabといった店が名前を並べている。スマッシュの身内で、"Let's Get Together" Boardで知り合った仲間が22日に集まって料理を食べて酒を飲んだクイーンシーバのソロモンも汗だくになってテントの準備。(待てねぇよぉ!はやく食いたい!)一方、フリーマーケットのエリアに行くと、こちらもいろんな店の出店準備が始まっている。なにが売られるのかまだまだわからないけど、アイスクリームとか、ホットドッグとか、そんなものの書かれたメニューがちらりと顔を覗かせている。ここもいろんな人でいっぱいになるんだろな。
午後になると、スマッシュ・ロンドンのスタッフが続々と現地入りしてきた。会場のドキュメントを撮影するスタッフやダンス・テントのデコレーションを作るスタッフ... アレックス、ゴードン、ヒューゴといったお馴染みの顔が姿を見せ、明日はまた数人が入ってくる。その中には完全○秘のゲストDJが数名いるのだが、残念ながら、その名前はここでは明かせない。まぁ、開けてビックリ玉手箱ってな感じだと思っていてちょうだい。なんか「ぎょぇ〜」って声が聞こえてきそうなんだが、期待を裏切ることは絶対にないから。
それから本部に帰る途中で壮大な富士山の姿に、また、感動。刻一刻と姿を変えていくこの山は、やはり日本一の山だとつくづく思う。一日中富士山を見ていても全然飽きることがない。なんでも同じ場所から毎日同じ時間に富士山の写真を撮っているおばさんがいるという話を聞いたことがあるが、その気持ち、痛いほどわかる。この神秘の山を見ながら26日から数多くのミュージシャンが演奏するのだと思うと、またワクワク。台風の影響で富士山が見えなくなったら可哀想だとも思うけど、いつも姿を変える富士山とミュージシャンのドラマがここで生まれるかもしれない。
会場の外にはもうテントができているのは前回のレポートにあったとおり。どんな人たちが来ているんだろう、彼らに会いに出かけていった。夕方5時頃に行ったのだが、その時で約20人ぐらいもいただろうか。入口のすぐそばには京都から来た10代の4人組がいて、しきりにRATMの話で盛り上がっている。彼らはテントを持ってきているのだが、会場内でのキャンプ・サイトのチケットのことは知らなかったという。神奈川県から原付でやってきたのも同じ年代の二人組。彼らはテントもなくて、寝袋もなし。夕方になると夜露が降りてくるし、むちゃくちゃ寒くなるのに... いったいどうするんだろう。その隣にはロッキン・オンを読んで知り合った女性達が3人組できている。
年齢は16才から23才で、出身地も神戸、愛知、岐阜というから面白い。このフェスティヴァルがきっかけで年齢も住んでいるところも違う彼女たちが知り合いになり、なにかをここで共有するのだ。つくづく「フェスティヴァルはもう始まっている」という実感を持つことができる。ただ、この寒空の下、台風もやってきているというのに、こんなに無鉄砲でいいのかしらんとも思うのだが、若いときには(年をとっても)そんなことの一つや二つ経験するのもいいだろう。仙台から来た二人に大分から来た二人が一緒に4人組のグループを作っていたり、福岡から来た二人組の女の子もいる。そして、なんと22日にここにやってきて寝袋に入って、「いやぁ、昨日の夜は寒くて死ぬ思いをしましたよ」と語っていたのが新宿のヨシハラ君。「ボク、一番乗りしたんですよ」と嬉しそうだ。会場の中は自由に歩けるし、ずっとステージ前に陣取っているなんて不可能なんだから、こんなに早く来なくてもいいのにと思うのだが、こういったフェスティヴァルを全く経験していないから、それも仕方がないだろう。それよりも彼らがただの"コンサート"では体験できないなにかをここで得てくれれば、それでスタッフは大感激だ。
さて、本部に戻るとスタッフ用の食事が用意されている。ここで食事を作ってくれているのはオオタさんとカスガイさんの二人。彼らは東京の西麻布にあるショット・バー「ル・バール西麻布」(港区西麻布4-10-16 電話番号 03-3402-2422)
からやってきて、スタッフが現地に入ってからずっと彼らの世話をしてくれている。ちなみに、今日の昼御飯はちらし寿司と冷やし中華のセットでスープ付き。夜は親子丼かイカ明太子丼のいずれかとサラダ、味噌汁といった具合だ。仕事の流れがあるので数多くのスタッフが行列を作って食事をとるのだが、この時の二人を見ていると、てんやわんやで可哀想なほど。でも、いい人達だよ。チャンスがあったら、彼らの働いているお店にでも顔を出してくれると嬉しいな。
食事の時間が終わると徐々に暗くなってステージでは照明のチェックを始めている。残念ながら、今日はまだ音を出せないので、照明のチェックが重点的に行われ、明日はいよいよサウンドのチェックだ。セット・チェンジに流す音楽の担当はワッシ(hana)と大将のよう。(会場に来る前の日に突然言われてビックリ!)なにが流れてくるか... 正直言って、今、気分は完全にレイドバックして、このレポートを書くときに使っているBGMはリトルフィートやオールマン・ブラザーズやCSN&Yなんて昔の音楽ばっか。他はボブ・マーリーやリコ・ロドリゲスといったレゲエ関係で、気分は完全にフェスティヴァル・モードだ。
さぁて、明日の夕方にはこれをチェックしている人と会えるんだろうなと思うと、またワクワク。忙しい明日のために、今日こそはのんびりと寝たいんだけど、そうもいかないだろうな。
ONE LOVE!
1997.7.24 Reported by hana
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