子連れでグラスト! ?体験談インタビュー?
7月 27th, 2010

いよいよフジロックも目前。本番までのカウントダウンも一層テンションが上がりますね! フジロック情報の更新が続く中、今回は海外フェスのレポートです。
今年で40周年を迎えた世界最大規模の音楽とアートの祭典、グラストンバリーフェスティバル(以下、グラスト)に今年も行ってきました。この記念を祝福しているかのように、天気は最高。毎日のように晴天が続いたのは“mud bath”とも言われているグラスト史上、初なのではないでしょうか。
ご存知の通り、グラストはフジロックのモデルとなったフェスティバル。お客さんの層は実に広く、赤ちゃんから年配の方まで、老若男女という言葉がまさにピッタリ。ブームじゃなく、文化になるってこういうことなんだな、と感じさせられます。子供の頃に楽しんだ場所へ大人になって自分の子供を連れて行ったり、年をとってからも遊びに行けるなんて素敵ですね。
私がグラストへ足を運ぶのは今年で3回目になりますが、実はグラストで過ごす度に、いちフジロッカーとして強くなる思いがあります──「フジロックも、そこで出会える音楽のように色々な世代が楽しめるフェスティバルになっていって欲しい。」 今年で14回目を迎えるフジロックでは、最近ちびっ子フジロッカーが増えてきました。そこで今回、子連れでグラストに参加した(もちろんキャンプ)ロックなファミリーに話を伺いました。フジロックとは異なる面もありますが、何か少しでも子連れフェスの参考になれば幸いです。
ちなみに、去年fujirockers.orgでオアシスにインタビューした際、ファミリーでのフェスの楽しみ方というのも聞いているのでコチラもご覧ください。
<お話を聞いたご家族の紹介>
2008年にもインタビューをさせていただいたロンドン在住の日本人FUMIROCKさん、MARUさん、そして1歳4ヶ月のGABYちゃんです。ご夫婦は2007年、2008年のグラストに参加経験あり。そしてフジロッカーでもあります。ちなみに、「GABY」というのはミドルネームの愛称で、元ネタは「Rodrigo y Gabriela」の「Gabriela」。
※FUMIROCKさんのブログはコチラ。グラストの様子も書かれていますよ。
??まず、1歳の娘さんとグラスト参戦を決心したきっかけを教えてください。
娘は平均より成長が早く、既に歩き回っていたし体も丈夫だったので、いけると思って。ただ、直前に病気した時のためにキャンセルできるよう、チケット購入時に保険料(1人4.25ポンドなのでそんなに高くない)も払っておきました。
??準備では、どんなことにポイントを置きましたか?
子連れ参戦ということで、いろいろ入念に準備しましたよ。ポイントとしては、ずっと雨でほとんど外を出歩けないような一番最悪の場合の時を想定しました。
まず、ベビーカーは水溜りや泥を苦にしないよう車輪が大きいものを中古でゲット。前輪が1つ、後輪が2つのものです。そして、ベビーカーがダメになった時のために、背負うタイプの抱っこ紐&全身スーツ&カッパも。
そして、荷物を運びやすいように台車は車輪の大きい安定感のあるものにアップグレード。
食料は、現地で食べる物が全くなくてもいけるくらい準備。具体的には、お湯で温めることができるご飯、日持ちするパン、リンゴやバナナなどのフルーツ、ベビー用お菓子、野菜入りのピューレ全食分。
オムツは普段テープ型だけど、雨で寝かせて換えれない時のためにパンツ型も用意。外では、雨だろうが泥だろうが思い切り遊ばせてあげたかったので、毎日身体を洗えるように携帯型のお風呂を用意しましたね。結局、プールとしても大活躍でした(笑)。
あとは、雨であまり出歩けない時はテントでも遊べるように、おもちゃを多めに用意しました。
??行く前はやっぱり不安もありましたか?
最悪、途中で帰ればいいやと思っていたので、それほど大きな不安はなかったです。グラストも今年で3回目だったし。
??実際に行ってみて、どうでしたか?
雨が降らなかったから最高!
??1歳の娘さんとキャンプ5泊って結構大変そうですが、そのあたりは?
特に大変ではなかったですよ。天気も良かったし。むしろ普段よりリズムができて良かったです。あと、GABYはアウトドア大好きなので、終始ご機嫌でしたね。
キャンプサイトは、ピラミッド・ステージやアコースティック・ステージに近いファミリー専用を利用しました。
??意外に大丈夫だったことはありますか?
全ての面において、意外に大丈夫でした。
水曜はピラミッド・ステージでワールドカップのイングランド戦中継があり、それ目当ての人で入場の時すごく混んでたんです。会場に近い駐車場だったのに、炎天下の中で5時間くらい並び、さすがにGABYも途中で機嫌が悪くなったのでオムツを替えるために列を外れようとしたら、オムツ交換の間、後ろのおっちゃんが代わりに台車を押してくれたんです。おかげで順番を飛ばされずに済みました。
??どんな風に過ごしましたか?
とりあえず、子供のペースを崩さないことが大事です。しっかり遊ばせて疲れさせ、夜スムーズに寝かせることで自分達がヘッドライナー級をゆったり楽しめるようにする、ということに重点を置きました。
まず、午前中はテントで遊ばせ、午後は会場を歩き回り、夕方またテントに戻って水遊び。この後、寝巻きに着替えさせて、ステージを観たり、自分達の晩ご飯を食べたりしつつ、移動しながらベビーカーにて寝るのを待ちます。寝てしばらくしたら耳栓をセットし、レインカバーをかけて防寒&防音対策を取り、あとは自分たちの時間。
まぁ、ぼちぼち観れたらいいかな、というスタンスで望んだので、特にストレスなく過ごすことができました。
子連れの人たちは結構いたけど、中には無計画に子供を引っ張りまわしたせいで肝心のヘッドライナーあたりで子供が眠くなってぐずりだし、結局テントへ戻らざるをえない、という最悪パターンにはまっている人たちもいましたね。
??グラスト中、GABYちゃんの反応は?
終始ノリノリでご機嫌でした。キッズフィールドでは、年上の子に混じってクッションの滑り台で遊んだり。ここはかなり広くてアトラクションがたくさんあり、子供を見守るスタッフもちゃんといて安心しました。
名前の元ネタになっているRodrigo y Gabrielaの時は、「あれが君の名前の由来なんだよ」と教えてあげたかったけど、既に夢の中だったので睡眠学習ということで(笑)。グラスト以来、というか、その前にテレビでやってたグラストのドキュメンタリーを見せて以来、音楽が鳴り出すとすぐに体を横に揺らすようになりましたよ。
??初の子連れグラストの感想は?
晴れたせいもあるけど、特に苦労したことはなく、思っていたより全然楽しめました。周りの子連れを見ても、音楽にのったり、騒いだり、親子揃って楽しく過ごしていました。
??来年も行きますか?
もちろん!
??子連れフェスを考えているフジロッカーの皆さんにひとことお願いします
自分達の経験からだと、「基本的に子供優先でスケジュールは全て子供次第」、ということを肝に銘じておけば十分楽しめると思います。
逆に、親がやりたいことを優先して子供をないがしろにしてしまうと、子供の機嫌が悪くなって逆効果になり、親子共にストレスがたまって楽しめないんじゃないかと。
お子さんに音楽や自然を生で感じてもらう良い機会だと思うので、ぜひ楽しんできてください!
——————————
FUMIROCKさん、MARUさん、ありがとうございました。1リットルのペットボトルをしっかり持って飲む、可愛いらしさの中にたくましさが光るGABYちゃんがとても印象的でした。1歳でグラストデビューなんて羨ましい限り。またグラストで成長した姿を見せてください。次回またお会いできるのを楽しみにしています!
reported & interviewed by org-riko
photo by org-riko