岩盤presents アーティスト情報vol.1
3月 17th, 2010

さて、GANBANからフジを楽しむためのおすすめアーティスト情報が到着。スタッフであるDeppaが、自身でDJをこなし同じく GANBANスタッフの!sobeを直撃取材。今回は第1弾で発表されたBoys Noizeについて語っています。エレクトロ好きにはもちろんのこと、「そろそろ予習でも始めるか?」と考えてるあなたも必見です。
Deppa : さぁ、第一回目となる今回はGAN-BAN NIGHTのスタッフとしてアーティストと一緒にツアーに出てDJもこなしている岩盤の店長磯部(aka !sobe)に今年のフジの気になるアーティストについて話を聞いて行きます。完全に社長が聞き耳を立てているという状況ですが、気にせず行きましょう。早速だけど!sobe的に今回の出演アーティストの中で特に気になるアーティストは誰ですか?
!sobe : 今年はいつも以上に豪華なラインナップが発表されてますが、個人的に気になるのはやっぱりダンスミュージック系のアーティストです。LCD SOUNDSYSTEMとかMASSIVE ATTACKとか・・・
豊間根 : LCDとMASSIVE ATTACKの話はやめてよ。
Deppa : いきなりどうしたんすか?
豊間根 : LCDとMASSIVEはオレのバンドだから。!sobeはほら、Boys Noizeの話しろよ。
!sobe : え?
豊間根 : !sobeはBoys Noize。
Deppa : オレのバンドとか全くよくわかりませんが、記念すべき第1回から社長命令によってBoys Noizeに決定。Boys NoizeはGAN-BAN NIGHTの顔と言ってもいいもんね。特に!sobeはツアーにも同行してるし。じゃあ手始めに彼のプロフィールから聞かせてください。
!sobe : はい・・・。本名はAlexander Ridhaといって、ドイツ出身の27才のプロデューサーです。まだ若いんですけど、高校時代からトラック作りを始めたそうなのでキャリアは長いですね。最初はKid Alexという名義で活動していましたが、その後Boys Noize名義で活動を始め、フランスのJusticeやDigitalismと時を同じくしてディストーションサウンドを全面に押し出したダンストラックで注目されはじめました。
豊間根 : 眉毛がつながってるんだ。
Deppa : ・・・えーと、2006年くらいだっけ?
!sobe : そうですね、ただ2005年には自分のレーベルからリリースしてます。ちょうどその頃Justiceが「Waters of Nazareth」を、Digitalisamが「Zdarlight」をリリースしていたりと、所謂エレクトロシーンが盛り上がり日本のクラブシーンでも注目され始めた時期です。
Deppa : 単なる音楽ジャンルとしてでなく、あの頃はファッションにもすごい影響してたよね。そのまま日本でも話題になって来日公演も実現しました。
!sobe : GAN-BAN NIGHTだけでも3回出演してくれています。その他には2007年の朝霧ジャムでもプレイしました。
豊間根 : その前の年の朝霧ジャムはJusticeとErol Alkanが出てるんだよ・・・すげぇよな?
!sobe : そうです。GAN-BAN NIGHTへの初出演が2008年の3月で、その年の秋に幕張メッセでやったGAN-BAN NIGHT’08が2回め。それと昨年の11月で計3回出演してます。
Deppa : お世話になってますなぁ。毎回!sobeは彼のすぐ側でプレイを見ていると思うんだけど、彼のステージはどうですか?
!sobe : 毎回思うんですが、彼がDJでプレイすると他のアーティストの曲もBoys Noizeの曲のように聴こえてくるんですよ。
Deppa : どーゆーことよ。
!sobe : DJなのでもちろん他のアーティストの曲をたくさん使うんですけど、一見意外な選曲もよく聴いてみると繋いだ曲同士の共通する部分が見えてくることがよく有るんです。もちろんそれがBoys Noizeの曲とも繋がるわけで、全体的に見るとやっぱり彼にしか作り出せないステージになってるんです。そういう意味でDJの僕としてはすごく気づかせてくれる事が多いステージっていう印象です。
Deppa : なるほど、でもそこらへんの凄さって僕みたいなDJなんてやった事も無い素人にはなかなかわかりにくい。クラブミュージック初心者でもBoys Noizeって楽しめるもんなの?
!sobe : そうですね、Boys Noizeの特徴としては良い意味でのポップ感が強いってことです。
彼の作品を聴いてもらえればわかりますが、すごくメロディアスですし曲の構成も所謂ダンスミュージックの常識から外れた部分が多く有ります。
Deppa : じゃあキャッチーなんだね。
!sobe : いや、キャッチーとも違うんですけどね。これは彼が来日した時に話てくれた事なんですけど、彼本人は自分の曲をエレクトロだとは思ってないらしいんですよ。
例えばJusticeのヒット曲の「D.A.N.C.E.」を考えてみると、あの曲は素晴らしいんですがフロア向けではないんです。ラジオフレンドリーというかお茶の間フレンドリーというか。でもあのJusticeの大ヒットでそういった曲も全てひっくるめてエレクトロという世の中の認識になったと思うんです。
それ自体間違ってないし悪い事でもなんでもないんですが。
Deppa : なるほど。そしたらBoys Noizeの音楽と今話してくれたようなエレクトロとはどう違うの?
!sobe : 一言で言うとフロア向けか否かって事です。実際彼のシングルは全てアナログレコードでもリリースされますし、それはイコールDJへのアピールであるわけです。フロアにいる人たちを踊らせる事を第一義的に作るのがBoys Noizeの楽曲で、Justiceの作るエレクトロとの一番の違いはそこだと思います。
Deppa : なんだか深いね?。
!sobe : いやいや、単純にBoys Noizeのステージは誰でも楽しめるし、気づいた時には汗だくになるまで踊らされちゃうよって事です。
豊間根 : そうだよ。!sobeは人間が浅いんだから深いわけがない。
!sobe : ・・・。
Deppa : それではもう少しBoys Noizeの事を教えてください。さっきも少し話が出たけど彼はレーベルもやってるよね?
!sobe : はい。その名もBoysnoize Recordsです。昨年の6月のGAN-BAN NIGHTに出演してくれたShadow Dancerをはじめとして、多くの人気アーティストが所属する注目レーベルです。自分の名前をそのままレーベル名にするというのは珍しいんですが、自分の認めた音をリリースしたいっていう彼の気持ちがこういうところからも感じられる良心的なインディーレーベルです。
Deppa : その他にはどんなアーティストがいるの?
!sobe : Daft Punkを彷彿とさせるデビューシングル「Skip School EP」がお店であっという間に売り切れたStrip SteveやDjedjotronic、最近最も印象的だったのはミニマルやトライバルの要素を取り入れたサウンドを聴かせてくれたD.I.M. & Taiとか。
Deppa : え?2番目に言ったの何?
!sobe : Djedjotronicです。
Deppa : え?
!sobe : ジェッジョトロニクです。聞こえてるくせに。
Deppa : はい。そして今挙げてくれたStrip Steve、D.I.M.、そしてでぃじぇでぃじょとろにくの3組が一挙に出演するのが5月のGAN-BAN NIGHT。宣伝も忘れずに入れないと・・・ほら、社長がにらんでるから。
!sobe : Djedjotronicですけど・・・GAN-BAN NIGHTはゴールデンウィーク初開催なんですよ。東京はWombで連続2Days。5/2がこのBoysnoize RecordsをフィーチャーしたGAN-BAN NIGHT、5/3はSoulwaxのRadio Soulwax ツアーでDJを務めたRitonをフィーチャーしたGAN-BAN NIGHTを開催します。そしてさらに5/4にはBoysnoize Recordsの3組とRitonを一晩で体験できるGAN-BAN NIGHTを大阪のOnziemeで開催します。
Deppa : 3夜連続!すごい濃い内容ですね。個人的には社長の老体が心配ですが・・・それはさておき、Boys Noize本人の出演は無いけど、苗場のステージの予習にもなるのかしら?
!sobe : さっきも話した通り、Boys Noizeは自分のレーベルに相当なこだわりをもってますから、間違いないと思いますよ。
Deppa : 予習と言えば、フジロックの前にこれは聴いておいた方が良いというオススメの作品を教えてください。
!sobe : はい、まずはなんと言っても彼の最新アルバムである「Power」をオススメします。彼のセカンドアルバムですが、普段ダンスミュージックを聴きなれない人でも楽しめる内容になっていると思います。
Deppa : DJにもオススメできるアナログとかは?
!sobe : これも最新シングルになりますが、「Transmission」のリミキシーズです。Part 1とPart 2の2種類ありますが、それぞれにTurbo RecordingsのTiga、Ed BangerのMr. Oizo、そして5月に来日するDjedjotronicと人気アーティストのリミックスバージョンが収録されています。どのリミックスもそのアーティストのオリジナリティーが出ていて面白いので是非フロアでプレイして欲しい内容です!
Deppa : でぃじぇでぃじょとろにくね。
!sobe : Djedjotronicです。
さすがGANBAN。なんだか初回からとても濃ゆい会話が展開されてますね。やっぱり野外フェスには踊れる音楽ってとっても重要ですよね。みなさん、是非是非チェックしてみて下さいね。それでは第2回をお楽しみに!