盛りだくさんな「大将インタビュー」とくとご覧あれ!

6月 26th, 2010

盛りだくさんな「大将インタビュー」とくとご覧あれ!

たいへん長らくお待たせしました、大将インタビュー! 今年は、新たなステージの話を中心に、ヘッドライナーのブッキング裏話、最果ての地での企みなどなど、盛りだくさんでお届けします。イントロを長々と続けるのは野暮ってもの、早速、いきましょうか!

【新しいエリア 〜ピラミッド・ガーデン〜】

ーまずは、噂になっていた新しい場所について教えて下さい。

まず、新しいステージができる。場所はね、みんな見当つかないと思うんだけど、フジロックをやっている側から見て、プリンスホテルの反対側にある、ゴルフ場の9番ホールだよ。去年の夏に見た時に、もうゴルフ場はやっていないから、ここも使えるなってことになって、何をやろうかなって思ったのが最初。あまりに芝生と林が綺麗でね、フラダンスやろうってことになったのが最初だった。

で、やるにあたっては、まず名前が必要なのよ。そしたら「ピラミッド・ガーデン」って名前がでてきて、コンセプトができたんだよ。基本的には、ツアーバスで来るお客さんっているじゃない? バスが着くところってのがそっちの方で、キャンプをしたくてもキャンプサイトまで荷物を運ぶまでが大変なんだよな。じゃあ、ピラミッド・ガーデンでキャンプをやろうってことになって。ステージも作って、ワークショップがあったりして…要するに朝霧JAMのカーニバル・スターみたいな状況だよね。ヘブンのキャンドル・デコレーションをしてきてくれたキャンドル・ジュンとつい最近までそんなことを話し合っててね。インタビューが遅れたのは、ピラミッドガーデンの詳細が固まってなかったからだけど、この前の週末でだいたい決まって、発表できるところまできたからなんだ。

RIMG0039ー広さはどれくらいあるんですか?

かなり広いよ。ただ、テントの数に関しては、今年は500張まで。で、テントが張れるのはツアーバスを利用して来た人だけになる(※詳しくはこちらでご確認を)。ただ、そこは一応キャンプサイトの中になるから、基本的には、キャンプをやってる人たちが遊びに来たり見に来ることできる場所。まあ、遠いからね、どれだけピラミッド・ガーデンにお客さんが来るかわからないけどね。ただ、冬のスキー場のレストランもオープンして、トロピカルフードのレストランも作って、あとは小さなカフェでも作って、チャイを出してもらおうと思ってる。

ステージがはじまるのは午前中からかな…まずはサンディーのフラダンスチームに踊ってもらおうと思ってるの。「起きろー!」ってね。彼女たちはワークショップをやるって言ってる。だいたい夕暮れまで3バンドくらいやる予定。ジプシー・アヴァロンに出るネパールのフルート奏者で、スーニル(※ Upendra and friend plus Mr. Sunil and Babu 名義)ってアーティストがいるんだけど、チルアウトで夕方暗くなったころに出てもらおうかと思ってる。これは、美しい音色をヒマラヤみたいな山岳のイメージで聞いてもらいたいと思ってね。他にもいろんなアーティストをブッキングするけどさ、それはまた追って。ステージは、荒天の場合は中止するかもしれない。あと、夜はやらない。アーティストは全部発表するよ。

ピラミッド・ガーデンのデコレーションの内容は、言いたいんだけども…やっぱり来て見てもらいたい。ほんとに。まぁ、まず「ピラミッド・ガーデン」っていう名前を意識してくれないかな。どんなもんがでてくるのか、そこでなにが起きるのかってことをね。一回やってみないとわからないけど…もしかしたら誰もいないかもしれないし。でも、きっとびっくりするよ、「なんじゃこりゃ?」ってね。

ーステージ繋がりでもうひとつ。オレンジ・コート奥のテントが変わるってことを耳にしたんですが、メキシコ、フランスを経て今年はどこになるんです?

今年は、スペイン語圏に戻してキャバレー・フィエスタ。キューバをコンセプトにして、キューバの首都はハバナでしょう。「キャバレー・フィエスタ・ハバナ・ナイト」ってことで。基本的にはサルサとカリブの音楽で。去年も出てたウィリー(・マクニール)ってドラムの人がいて、彼がいまキューバやアルゼンチンやイタリアの人たちとサルサをやってるのね、彼らが毎日演奏して、あとはそうだねぇ・・・。

ークンビア(コロンビアの伝統音楽)?

クンビアというよりは、ハイチだな。地震があったからってことじゃないんだけども、ハイチの女性歌手でエミリって人と、あと、ビーケンって人がアコースティック・ギターで演奏するんだけど、すごくいいよ。チェックしたほうがいい。エミリは前も来たことがあるね。デコレーションもまた違ったものになるよ。

※ビーケンは来日不可となりました。(7/1追記)

ー2年前は寸劇をやってましたが、今年もやります?

あれは疲れたからもうやらない。3日間でそれぞれテーマ考えて、メキシコで西部劇やろうってことになって。じゃあそこに西部劇で拳銃で打ち合う時に、日本の映画のヒーローをぶつけようってことで、椿三十郎と座頭市、それから木枯し紋次郎をやったんだけど、やったら忙しくって。振り付けもしなきゃいけなくてさ、こう切ってこう切るとか、台詞だとか用意して…本当に疲れたから、去年「やらない」って言ったの。

その近くに、小屋の中でトリップできる映像を流してた場所があるんだけど、今年はそこに綱渡りの人が出る。50mの綱の上を走り抜ける人で、ワールド・レコードのタイムを持ってんだよ。で、DVDで見たんだけど、今年の正月番組にでてるんだよね。所ジョージと徳光さんの司会のやつで。彼は、7月は日本のサーカスに参加してて九州を回ってるんだけど、フジロックの時だけ抜けて苗場に来る。3日間やるよ。

あとは、木曜日の前夜祭に来る人は、いつもと違ったことをやるから見たほうがいいよ。三国音頭やって、大抽選会が終わってから、花火があがる前の5分間が今までとは全然違う。「何だこれ?」っていうのがあるから、凄い楽しいと思うよ。あっと言う間の、ほんとに「パッ!」と咲いた花びらというか、「綺麗だな」っていうような短いことだから、見逃しのないように。オアシスエリアにいればわかるよ。木曜はテント張ったりして忙しいと思うんだけど、もしよかったら前夜祭のそこだけでも遊びに来てちょうだい。

あとはね、去年金曜日にオールナイトフジができなかった。大雨で増水して、ところ天国とホワイトの間の橋が渡れなくなりそうになってね。今年はもっと頑丈で大きな橋を架けるから、去年までの橋とはエラい違うよ。だから、ところ天国の場所がもうちょっと山沿いに移動する。去年は、増水の中お客さんが足洗いに行ったりして…俺も止めたからね。もうダーッと流れてるから危ないんだよ、1回突っ込んじゃったら終わりだからね。

富士映劇では、今年も『男はつらいよ』を上映しようと思ってる。他には、清志郎くんのドキュメンタリーだとか、ジュリアン・テンプルが撮ったドクター・フィールグッドのドキュメンタリー『オイル・シティ・コンフィデンシャル』とか。あとはドン・レッツって知ってる? ザ・クラッシュのツアーについて回ったDJの人で、ベテランなんだけど、彼らが記録したストラマーヴィル、ジョー・ストラマー自身の映像もある。あとは、『ソウル・パワー』かな。実は俺ね、70年代に映画館で観てるんだよね。これは是非見て欲しいんだ。映画に関しては、また案内がでるよ。で、ちょっと映画の時間が長くなったから、上映は23:30くらいからになる。ちなみに、映画の上映は金曜と土曜だけだよ。

【アーティスト話 〜ヘッドライナー裏話〜】

金曜日…ミューズは、前回出演してもらった時は2番目だった。ヘッドライナーでも申し分なかったんだけど、大先輩のザ・キュア−が決まってたからね。で、ちょうどミューズを決めた頃に、フー・ファイターズのデイヴ・グロールから、「レッド・ツェッペリンのジョン・ポール・ジョーンズとバンドを組んでるから、それでできないかな」って話があったのね。

土曜日は…ジョン・フォガティって多分知らないと思うんだけど、クリアデンス・クリアウォーター・リバイバル(CCR)の人だよ。まぁ、俺の世代で、最高のバンドで最高の歌手なんだよ。70年代前半に1回だけしか来てなくて…武道館かな。俺は見に行けなかったんだけども。個人的な思い入れもあるんだよね、「えぇ、この曲がそうなの?」っていう感じで、みんなも知ってる曲のオンパレードだから、是非、若い人にも見てほしいんだよね。聞いたことないけれども、お父さんお母さんの時代の音楽かもしれないけど、それを見られる、出会いがあるってのがフェスティバルの豊かさや面白さなんだよ。いつも自分が聞いてるものばっかりじゃないっていうのがね。だから、ジョン・フォガティは見に来てよ。時間的にザ・クロマニヨンズあたりとは被るかもしれないけどね。でも、とにかく見て欲しい。

ロキシーはね、酒を飲んでる時に思いついたんだよ。たまたまイギリスの友達と話をしてたら、2〜3週間前にフィル・マンザネラ(ロキシーのギター)と会ったって話になってね。「彼らがロキシーを再結成したんだよ」って聞いたから、「あるかな?」って思って聞いてみたのね。そしたらやってみようっていうことで。まあ70年代からのアーティストだけど、ブライアン・フェリーの髪の毛がなびいて…風が吹けばいいなって感じで。まあね、曲はいっぱい有名なのがあるからね。”アバロン”とかね。

そこまでいって、「ちょっと待てよ?」と。ジョン・フォガティからロキシーじゃオールド・スクールすぎるかなと思ったのね。で、去年、メッセで11月にイベント(エレクトラグライド・プレゼンツ・ワープ20)をやった時に出てもらった、クリス・カニンガムのライブが頭の中に凄い残ってたから、「これあるんじゃないかな?」って思ってスペシャル・ゲストにした。本来は土曜日にはスペシャル・ゲストは出さないんだけど。ビジュアルと、ライティングのショウを夜中にやりたいっていうことで今年だけ。だから、土曜日のタイムテーブルは、全体的に通常よりもだいたい1時間くらい繰り上がるよ。

【アトムス・フォー・ピースとワン・デイ・アズ・ア・ライオン】

で、日曜日なんだけど、マッシブ・アタックは夜に出て欲しいなって思ってて、前から話をしてた。あとは、トム・ヨークがね、5月の頭のコーチェラに出たという話は聞いてたんだよ。1回だけのプロジェクトだったんだけど、だめもとでオファーしてみたの。昔、レディオヘッド側からやれないかなって話があって、スケジュールが合わなくてダメになったことがあったんだよ。で、今回マネージメントに聞いたら、興味があると。ただ、非常に悩んだみたい。というのは、アトムス・フォー・ピースでは、コーチェラの1回だけしかライヴをやらないって決めてたからね。決定までは時間がかかったけどね、やっぱり彼自身としてはフジロックでやってみたいということだったんだけど、1回きりの予定だったから、バンドではどうしても都合がつかないと。それで、「トム・ヨークとしてのアコースティックでいいかなぁ?」って言ってきたんだよ。もちろん、こっちは「それでもいいよ」ってね。レッド・ホット・チリ・ペッパーズが丁度フジロックの時期にレコーディングしてるんだよね、ベースがフリーだから無理かなって。そしたら突然、「バンドで出来る」っていう情報が入ってきて、急遽バンドでの出演が決まったんだ。

ー突然ですか?

まあね、ひとついえるのが、コーチェラのあとに1回ばらしてるわけだろ、バンドだけじゃなくって、クルーも照明も音響もみんなバラバラにして。ああいうバンドってのは、「はい、じゃあ集まって1日リハーサルをやりましょう」っていうもんじゃない。ライティングや音響やリハーサルを重ねてライヴに臨むんだから。で、俺が感じたのは、本当にやる気だったんだな、ってこと。はっきり言えば、2ヶ月先のチリ・ペッパーズのスケジュールが1週間空いたなんてさ、俺にいわせりゃ違うだろってのがあるもんね。俺はチリ・ペッパーズとは仲がいいけど、そっちとは話を一切していないし、聞いてもいない。彼らがやりたかったから、チリ・ペッパーズのマネージメントに話を通して、時間をわざわざ空けてくれたんじゃないかと思うよ。都合つけてくれたんだよ、きっと。トム・ヨーク自身がこのバンドでフジロックに出るためにね。嬉しいことだよね。彼がどういうパフォーマンスをするか、いろいろと悩んで、やっぱりこのバンドでやりたいって思いがあったんだと思う。

ーなるほど…凄い話だ。

急遽と言えば、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのザック(・デ・ラ・ロッチャ)が言い出したのが、新しいバンド(ワン・デイ・アズ・ア・ライオン)でライヴをしたいと。で、始まったばっかりなんで、「まずは小さなところでやりたい」ってね。それは最初フジロックじゃなかったんだよ。だったら、レッド・マーキーとかホワイト・ステージとか、「フジのちっちゃいステージに出ない?」って伝えたらのってきてね。それで決まった。

ーまだ何回もライブをしていないですよね。

コーチェラの1回だけしかやってない。今のところ決まっているのはフジと、その後の日本公演ぐらいだよね。

【アーティスト情報その2】

ナラシラト・パン・パイパーズは衝撃的だったんですけど、なにで知ったんですか?

これはね、去年かな、ソロモン諸島から招待状が届いたんだよ。オセアニアにある群島だよね。「オセアニアの音楽を集めてちっちゃなフェスティバルをやるんで、見に来ませんか?」って招待状が来て、俺は行けなかったから、うちの人間を行かせて。俺はそういう音楽大好きだから、是非やってもらおうってことで。

ーサード・アイ・ブラインドは初年度の天神山以来で、当時のことを知ってるアーティストですね。

うん、97年か、俺も覚えてるな…。彼らは同じ場所(天神山)だと思ってくるんじゃないかな。彼らの時は雨風はあったんだけど、嵐というほどではなかったね。その付近からだんだんと強くなりだして、ピークは、ザ・ハイロウズとフー・ファイターズあたり。

ー今年は97年組の出演者が結構いますね。ザ・クロマニヨンズに、ザックに、フリーに…違うバンドで出てる。そういう意味でも面白いかも。

そうだね。あとは…ルーキー・ア・ゴーゴーはいま一生懸命調整している最中。木道亭もほとんど決まって、苗場食堂もほとんど決まったかな。キャバレー・フィエスタとピラミッド・ガーデンがまだちょっとかかるかな。期待しててね。