• 【日高代表 緊急インタビュー 前編】開催直前!大将が伝えたい、21年目のフジロック注目ポイント


    フジロックの主催者である、スマッシュ日高正博代表にインタビューしました。きっかけは、グラストンベリーフェスの取材で訪英していたフジロッカーズ・オルグ主宰の花房浩一と、同じく訪英していた日高代表が、ロンドンで交わした会話でした。

    日高代表「7月の頭に(オルグの)スタッフに話をしたい。今回のフジロックで企画しているクロージング・バンドのことなど、多くの人に伝えて欲しい。」

    ということで、7月某日、オルグのスタッフ3名で話を聞きに行って来ました!

    今回のインタビューは「大将が伝えたい、21年目のフジロック注目ポイント」と「大将に聞く、今年の出演者&楽しみ方」の二本立てでお送りします!

    ─ 今日は、多くの人に伝えたいことがあるということで、お話を聞きに伺いました。

    日高:今日、フジロッカーの皆さんに聞いてもらいたい事があります。みんなに見て聞いてもらいたいあるバンドのこと。もうひとつは、一部エリアにデザインの変更があるということです。

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    今までのフジロックに無かった純粋なカントリー

    日高:まず見てもらいたいのは、今までのフジロックに無かったような、アメリカの本格的なカントリー・ミュージックのバンド。ウェスタン・キャラバンっていうんだけど。

    WESTERN CARAVAN

    WESTERN CARAVAN

    ─ ラインナップ第一弾で発表された、アメリカの8人組カントリー・バンドですよね。

    日高:去年、久々にアメリカに行ったのよ。ブロードウェイにアメリカのミュージシャンと一緒に食事に行って、そこで演奏していたバンドが、彼らで。すっごくいいカントリー・バンドだったんだよ。元クリーデンス・クリアウォーター・リバイバルのジョン・フォガティ(※1)のようなカントリー・ロックンロールのバンドは出たことがあるけど、今回は純粋なカントリー・ミュージックだね。

    (※1)ジョン・フォガティ … アメリカのカントリー・ロックミュージシャン。元クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル(以下CCR)のヴォーカル兼ギタリストで、ソロとして2010年にフジロック参戦。

    日高:一言でカントリーって言っても、州ごとにタイプが違うから、非常に幅広いんだよね。アメリカにおける、いわゆる「カントリー・ミュージック」っていうのは、ヨーロッパやアメリカから伝わって来たようなフォーク的な音楽や民謡なんだよ。スコットランドやアイルランドの音楽がやって来て、それがあっちこっちに散って行ってブルー・グラス(※2)っていう形になるんだけども。みんながよく西部劇で「てぃーたか♪てぃーたか♪」とか踊ったりとかしてるイメージ。だけど、ウェスタン・キャラバンはそういうタイプではない。
    テキサス風だから、もうちょっとロック寄りだね。

    (※2)ブルー・グラス … スコットランドやアイルランドの伝統的音楽をベースにし発展を遂げたアコースティック音楽。演奏にはギター、フィドル(ヴァイオリン)、マンドリン、バンジョー、ドブロ(リゾネーター・ギター)、ウッドベースなどの楽器が使われることが多く、現在の各種カントリーミュージックのベースとなったと言われている。

    日高:テキサス風のカントリー・ミュージックに、あとはテキサス州の隣のルイジアナ州ニューオリンズの感じもある。ニューオリンズはフランス語圏。だから中にはフランス語の曲もあるわけ。”Voyage To The Bottom Of The Bottle”っていう曲ね。

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    Western Caravan “Voyage To The Bottom Of The Bottle”

    日高:ヴォーカルは、アメリカでものすごく有名なカントリー・ミュージシャン、ドワイト・ヨーカム(※3)に似たタイプかな。で、バンドの編成は、フィドル(ヴァイオリン)2人と、かっこいいギター、ホーン・セクション、ドラム、ヴォーカル。今までフジになかったタイプのバンドだから、ニューヨークでこのバンドを見た瞬間、フジロックに出てもらおうって決めたんだよね。けど彼らは、フジロックなんて知りもしない。なぜならアメリカから出たことないから。反応としては「え?日本に行けるの!?」みたいな感じだった。で、その場でフジロック出演が決まったと。

    (※3)ドワイト・ヨーカム … グラミー賞2回受賞、21回のノミネートを果たしている、アメリカ、ケンタッキー州出身のカントリーシンガー。1986年のデビュー以降、現在のカントリー市場のメインストリームには目もくれず、カントリーのトラディショナルなスタイルを貫き通している。

    ─ 今までのフジロックに無かったタイプの音楽が聴けるなんて、それはすごく楽しみですね。

    日高:アメリカの音楽のルーツだから、是非みんなに見て感じて欲しいなと思うのね。出演するのは、苗場食堂とフィールド・オブ・ヘブン。僕も個人的に見たいから見に行くよ。

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    ▼ウェスタン・キャラバンのFUJI ROCK FESTIVAL’17出演日及び出演ステージ
    7/28(金)22:30〜 苗場食堂
    7/29(土)13:40〜 フィールド・オブ・ヘブン

    21年目のフジロック、最終日クロージングを務めるのは

    日高:2つめは、去年から始めたG&G Miller Orchestra(グリーン&グレン・ミラー・オーケストラ)。俺はジャズが好きだし、スウィング・ジャズも大好きだから。スウィング・ジャズの王様と言ったらグレン・ミラーだよね。その名前をいただいたバンドだよ。

    ただ、スウィング・ジャズだけだとお客さんに今ひとつ馴染みがないから、去年はザ・ビートルズの曲や忌野清志郎くんの曲とかを、日本のミュージシャンに出てもらって歌ってもらったんだよね。今年は日曜の夜、ビョークが終わった後にやる。

    FRF 20th SPECIAL G&G Miller Orchestra | Photo by 森リョータ

    FRF 20th SPECIAL G&G Miller Orchestra | Photo by 森リョータ

    ─ それはクロージングということでしょうか?

    日高:そう、クロージング。グランド・フィナーレだね。で、バックバンドは去年と同じでビッグ・ウィリー(※4)が入って、リズムセクションとホーンセクションが入ってやるんだけど、内容は”エルヴィス・プレスリー”でいこうと思って。プレスリーっていっても、今の人はあまり知らないかもわからないんだけど。

    (※4)ビッグ・ウィリー … ビッグ・ウィリーことウィリー・マクニールは、伝説のスカバンド、ジャンプ・ウィズ・ジョーイのドラマー。バンドは1999年の活動休止から約17年の時を経て昨年再結成。同年のフジロックに初参戦を果たした。ちなみに、ウィリーはパレス・オブ・ワンダーのステージに”ビッグ・ウィリーズ・バーレスク”のバンドリーダーとしてほぼ毎年出演している。もはやフジロックの住人と言っても過言ではない存在。

    ─ 知っていても「名前だけは知っている」ぐらいかもしれないですね。

    日高:そう。でも、曲聞けばわかるよ。もうあんなカッコイイ人、いないからね。ただ今回は、彼の後期の、カラーの派手なジャンプスーツを着ていたプレスリーではない。ブルースギターを鳴らしていた、若いころの曲をやってもらおうと思って。実はプレスリーってブルースギターも上手いんだよ。それで、見つけたシンガーは”アービー・ガスコン”(※5)。

    アービー・ガスコン … アメリカのモノマネ役者。

    (※5)アービー・ガスコンが歌う若き日のエルヴィス・プレスリー

    日高:それで、今回は最初から最後まで全曲プレスリーの曲。アレンジから照明の当て方から、曲順も含めて、全部俺が全部決めていくつもり。当時の光景や曲は全部俺の頭の中に入ってるからね。

    ─ つまり、当時のプレスリーに近いライヴを見れるという感じなんですね。

    日高:そう、それを頭に置いてね。ちなみに、プレスリーの曲で”Jailhouse Rock” (邦題:監獄ロック)っていうのがあるんだよね。そのビデオクリップを見れば、マイケル・ジャクソンが何をやりたかったか、よーくわかるよ。ものの見事にコピーしてんだから。檻の中で歌って、外に出て、ダンスしてっていうのをね。

    エルヴィス・プレスリー “Jailhouse Rock”

    日高:日曜の夜のグリーンステージは、本当にグランド・フィナーレ。是非聞きに来て欲しいよね。

    今年のルート17は、いつもとちょっと違う

    ROUTE 17 Rock’n’Roll ORCHESTRA | Photo by 古川喜隆

    ROUTE 17 Rock’n’Roll ORCHESTRA | Photo by 古川喜隆

    日高:あとは、今年6年目になるルート17・ロックンロール・オーケストラ。去年までは俺が曲とか全部プロデュースしてきたんだけども、今年からスタッフに任せてみることにしたんだよ。

    ただ、1,2曲だけ意見を言ったね。チャック・ベリー(※6)。彼はロックンロールの父みたいな人だから。彼もカントリー・ギターなんだよね。だから、チャック・ベリーの曲と、あともう一曲。俺が考えた曲と彼らがやりたい曲、ちょっと話したら一緒だったから、それやろうと。これは本当にバカなことを思いついたから。これは、今は敢えて言わない。行けばわかる。「なんて、日高はバカなこと考えるんだ?!」っていうのがわかるから(笑)。

    (※6)チャック・ベリー … ロックンロールの元祖であり「ロックの神様」とも呼ばれているアメリカのギタリスト。あのザ・ローリング・ストーンズのメンバーや元ビートルズのジョン・レノンも彼を敬愛し、今もなお色々なミュージシャンに影響を与え続けている。今年3月18日に死去。

    ─ それは気になりますね。せめてヒントだけでも・・・。

    日高:いや、それは見てからのお楽しみだな(笑)。

    ワールドレストランが無くなる訳はそして、そこにできる新しい施設とは

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    日高:ワールドレストランエリア(※7)ってあったじゃない?そこが無くなります。そして、苗場食堂のステージがこれまでより大きくなります。

    (※7)ワールドレストランエリア … レッド・マーキーの後方、苗場食堂の隣に昨年まで設置されていた、世界各国の料理が堪能できるフードエリア。

    ─ ワールドレストランが無くなるのは、どういった経緯なのですか?

    日高:ワールドレストランに『クインシーバ』っていう店が出てたじゃない?そこの店長で、ワールドレストランの責任者でもあったソロモン(※8)が「20年経ったんで引退したい」って言っていて。もう1年目から付き合ってるし、俺の友達だからね。

    (※8)ソロモン … ワールドレストランにある、エチオピア料理”クインシーバ”の店長であり、ワールドレストランの総責任者。1997年の初回フジロックから、20年に渡りずっと出店を続けていた。
    ▼2012年及び2015年に行われたソロモンのインタビュー
    http://fujirockers.org/12/?p=2154
    http://fujirockers.org/?p=9033

    ─ 20年の付き合いでの引退、寂しくなりますね。引き止めたりしなかったんですか?

    日高:そりゃ、やりたいことはいっぱいあったよ。でも、でも俺、長いタームでの目標は考えてないんだよ。俺にとって一番大事なのはね、バカなことを夢見ることなんだよ。こんなことできたら、いいなあって。空いてしまった空間をどうしようかと考えたけど、この林のエリアを使って、綺麗な空間をお客さんに提供しようと思ったんだ。そこを”ブルー・ギャラクシー”っていう名前にしたんだ。施設を作るときは、名前がいつも先だから(笑)。

    OASIS内ワールドレストランエリアが新たに「BLUE GALAXY」として生まれ変わる

    OASIS内ワールドレストランエリアが新たに「BLUE GALAXY」として生まれ変わる

    で、ピラミッド・ガーデンのデザインやってもらってるCandle JUNEに「ブルーの銀河のイメージで、ここをデコーレションしてくれ」とお願いしたんだ。お客さん用にちょっとしたテーブルも用意して、そこに座って飲んだり食べたりできるようにもした。で、そこにはね、18メートルぐらいある、でっかいブルーで作った大きいテントを持ってきます。テントというより屋根だね。

    そこで、俺の友達のジム・ウェストと、FMラジオのJ-WAVEでMCもやってるワールド・ミュージック系音楽評論家のサラーム海上、2人で交互にDJをやってもらおうと思って。ジムは、「よくこんなの持ってるな」っていうぐらい古い60年代70年代のレコードをたくさん持ってるし。

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    ─ 食事もDJも楽しめる、また新しい場所できるわけですね。今から楽しみです。

    日高:あと前夜祭の日、レッド・マーキーでのライヴが終わったあと、24時から1時間ぐらいブルー・ギャラクシーでジムが50~60年代のアメリカのロック&ポップスでDJやります。金曜日から日曜日は、ジムとJ-WAVEでMCもやってるワールド・ミュージック系音楽評論家のサラーム海上が中近東やアフリカのダンスミュージックを中心に回します。金曜日から日曜日に関しては夜中過ぎまでやるので、是非見に来てください!

    (後編につづく)


    日高社長からのメッセージ、いかがでしたか?情報が少ないウェスタン・キャラバンや、新エリアについてなど、今年のフジがより楽しくなること間違いなしの内容でした。次回の後編では、今年の出演アーティストについて、日高社長が考えるフェスティバルの楽しみ方など、フジロックの裏側に迫ります。次回もお楽しみに!

    Interview & Text by 若林修平、梶原綾乃
    Photo by Sora Mori

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