• Räfven(レーヴェン)同行紀・後編


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    3日目:カフェ・ド・パリ〜アヴァロン〜場外

    日曜は、昼間のカフェ・ド・パリからで、集合は10時20分だった。相変わらず、「疲れた」とは言わないメンバーだが、暑さと湿気にはさすがに、「参った」と漏らしていた。楽屋として用意されたテントもサウナと化しており、5分と居られたものではない。そのくせ、カフェ・ド・パリは、開演までに十分な時間をとるステージ。ライヴまでは、2時間弱ほどの待ちがあるから、外も暑い、日陰のはずのテントも暑いとなっては、たまらない。自然と口に出たのが、次の言葉だった。

    「シャワーがしたい!」

    ……この言葉が、川とレーヴェンを引き合わせることとなった。素っ裸で飛び込み、はしゃぎ回る絵面は衝撃で、「誰よりもフジロックを満喫しているのが『出演者』だった」という事実を思い知らされた。彼らはギリギリまで川におり、楽屋へと戻ってきたのが開演の10分前だった。ライヴで汗だくになったあとは、お察しの通り。再び、リフレッシュした状態のままバスに乗り込み、オアシスのJ-WAVEブースへ再訪すると、そこにいたのは、日高正博大将だった。大将のレーヴェン評を本人たちが後ろで聞くというシュールな光景のあとは、お約束の生ライヴを行った。ホテルに戻ってつかの間の休憩をとり、17時30分、ジプシー・アヴァロンに向けて出発した。

    アヴァロンは、柵がないこと、後方までなだらかな丘が続いていること、そして、公式では最後のステージだったこと、これらすべての要素が演出となっていた。最後の曲となったのは、“ヘイ・ヘッレ”。ホワイトに続いて、オーディエンスのコーラスを誘い、メンバーが奥に消えても止むことはなかった。泣き、笑い、様々な感情が入り交じったこのステージが、ベストのライヴだったように思う。

    20時50分にホテルへと戻り、夜に備えて睡眠をとる。23時30分の場外岩盤は、非公式ながら、フジロックでは最後のライヴとなる。このライヴは、目の前に慣れ親しんだカドヤがあるからなのか、テントの枠組みにぶら下がったりと、やりたい放題だった。その後のサイン会は長蛇の列となり、当初の予定をオーバーすることは確実だったが、「全員と触れ合いたい」というバンドの意向で、最後のひとりになるまで、握手と、サインをした。4日間にわたるタイトなスケジュールを走破し、完全フリーとなった彼らがやることといえば、「スコール!(乾杯!)」だ。引き寄せられるようにカドヤへと向かった彼らは、打ち上げを兼ねた飲み会を開催し、日が昇ってもなお飲みに興じていたのだった。

    フジ後:渋谷

    翌日は、11時に苗場を発ち、そのままホテルへとチェックイン。18時からは、タワー・レコード渋谷店へ出向いて、チャラン・ポ・ランタンとの合同サイン会を行ったりと、慌ただしいものだった。翌日は、雑誌の取材を受けた後に、「Drink ‘Em All」と「Balkanbeats Tokyo」の合同イベントで遊び、そこで、レーヴェンを見て結成したバンド、マウントヒルズ・オーケストラのライヴを見ることとなった。レーヴェンのカバーが飛び出すと、いてもたってもいられなかったのだろう、キツネたちは楽器を借りて演奏し、大騒ぎに拍車をかけたのだった。

    最後に

    レーヴェンはよく、「フェスだから楽しい」という表現をされるが、それは間違い。「フェスでも楽しい」のだと思う。「飲める・喋れる・遊べる」という、ありえないオプションを背負い、向こうから近づいてくるなど、生活の一部として染み付いてなければできないことだ。フェスでは、持ち時間の関係で、どうしても新曲やニューアルバムを中心としたセットとなってしまう。12年に渡る活動の歴史を一度に楽しめるセットは、「単独」でしか感じられない。断言しよう。今回のツアーは、全体的には楽しい。でも、最後には、楽しいだけではない感情が生まれてくるはずだ。是非とも、足を運んでほしい。

    ※Räfven(レーヴェン)同行紀・前編


    公演詳細

    ■東京
    2015/10/8 (Thu) Shibuya CLUB QUATTRO
    OPEN 18:30 START 19:30
    前売り:¥5,800

    お問い合わせ
    SMASH 03-3444-6751
    HOT STUFF 03-5720-9999

    ■大阪
    2015/10/9 (Fri) Umeda CLUB QUATTRO
    OPEN 18:30 START 19:30
    前売り:¥5,800

    お問い合わせ
    SMASH WEST 06-6535-5569


    ライブ写真:JulenPhoto
    文:西野タイキ

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