• 今年の賑やかし枠&日高大将レコメンド枠は、フィンランド発の”異端児”ロックバンド、US(アス)!!!


    気がつけばもうじき7月!みなさんフジロックの準備は進んでますかー? 出演アーティストのステージ割り、そして残念ながらキャンセルとなったシザに代わる金曜日のヘッドライナーとしてザ・キラーズも発表され、残りはタイムテーブル・・・といったところですが、ぼちぼち出演アーティストの予習を始めてるよ〜なんて方も多いのではないでしょうか? そこでチェックを忘れちゃいけないのが、そう、フジロック名物の「賑やかし枠」と「日高大将レコメンド枠」です! これらの枠に、今年は一体誰が入るのか、気になりますよね!

    そのアーティストを発表する前に、まずは「賑やかし枠」と「日高大将レコメンド枠」ってなんぞや?という方向けの説明を。まず「賑やかし枠」とは、苗場の数々のステージにまるでジプシーの如く上がりまくり、文字通りオーディエンスを賑やかすアーティスト枠のことです。過去出演したアーティストで言うとレーヴェンオンダ・ヴァガなどが代表的なところですね。
    一方「日高大将レコメンド枠」は、大将自ら世界各国を周り、その国々で見つけた良質なアーティストに、大将が直接声をかけ日本に呼んだ、大将激推しのアーティスト枠です。2017、2018年のフジロックに出演したウェスタン・キャラバンが記憶に新しいかなと思います。

    そして、それら2つの枠を両方今年務めるのが、フィンランド出身の5人組ガレージ・ロックバンド「US(アス)」です! メインヴォーカルでありソングライターでもあるテオ・ヒルヴォネン(Vo/Gt)とパン・ヒルヴォネン(Hmc)のヒルヴォネン兄弟に、マックス・ソメルヨキ(Gt/Vo)、ラスムス・ルオナコスキ(B)、レーヴィ・ヤムサ(Dr)らで編成された彼ら。ちなみに「US(アス)」というバンド名の名付け親は、フジロッカーにはお馴染みのギャズ・メイオールです。そんな彼らの注目ポイントは主に4つ!

    Point 1. 日高大将が新たに立ち上げたレーベル『Rexy Song』が、初めて日本国内のマネジメント契約を結んだ洋楽新人バンドである!


    Point 2. 日高大将やロンドン出身の某有名ロックバンドの ⚫️⚫️⚫️・⚫️⚫️⚫️ も惚れ込んだ、オールドスクールなロックンロール・サウンドが最高!


    Point 3. 昨年は全英で65回のライブをこなし、同年のグラストンベリー・フェスティバルでは合計9本のライブを務めており、場数と大舞台での経験も十分!


    Point 4. フジロック出演に併せて、日本での初単独公演も決定!!!!

    では、これらアスの注目ポイントから、ひとつずつ詳しく紹介していきます!

    US(アス)

    US(アス)

    日高大将のレーベル『Rexy Song』と日本国内のマネジメント契約を結んだ初めての海外新人バンド!

    『Rexy Song』とは大将が2018年に立ち上げたレーベルで、60〜70年代テイストのオーセンティックなロックンロール、ブルース、R&B、ブギーなどをハードにプレイするアーティストと主に契約を交わしています。そして、これまでにTHE ALEXXバンダ・バソッティインタラクティーヴォら、いずれもフジロック出演経験のあるアーティストの作品がリリースされてきました。

    しかし、今回のアスの契約は非常にスペシャルなもの。なぜなら、彼らは『Rexy Song』が初めて日本国内のマネジメント契約を結んだ洋楽新人バンドだから!つまりは、それほど大将が惚れ込んでいる新人バンドということです!

    USxRoxySong

    彼らの最大の魅力はオールドスクールなロックンロール・サウンド!

    気になるそのサウンドは、大将が目をつけただけあって、オーセンティックな60〜70年代のガレージロックやパンクロック、そしてサイケデリックロックの匂いが漂う古き良きロックンロール。今年5月にリリースされたデビューアルバム『Underground Renaissance』は全11曲31分と非常にコンパクト。収録されたどの曲も疾走感があり、メロディは非常にキャッチー。加えて、彼らの迸る熱量も存分に感じられる、とにかく中毒性が高い楽曲揃いのアルバムに仕上がっています!

    誤解を恐れずに言うならば、まるでオアシスの『Definitely Maybe』やアークティック・モンキーズの『Whatever People Say I Am, That’s What I’m Not』のような、デビューアルバムにしてマスターピース感を感じさせるオーラを放ちつつも、同時にレディオヘッドの『Pablo Honey』やヴァンパイア・ウィークエンドの『Vampire Weekend』のような、完成度は極めて高いけれど、どこか未完成で伸び代があるようにも感じさせる──それら両極の要素を持つアルバム、といったところでしょうか。

    そんな彼らのデビューアルバム。まだ聴いていないフジロッカーの中には「最初どの曲から聴けばいいんだろう?」って方も、きっといると思います。個人的にはアルバムを頭から通して聴くのが1番のオススメではありますが、「最初に聴くならこの曲!」を敢えて1曲挙げるとするなら、1曲目の “Night Time” です!
    この曲は、まるでドクター・フィールグッドを彷彿とさせる疾走感のあるガレージ&パンク色の濃いパブロックで、そこに漂う雰囲気はオーセンティックなロックンロール・サウンドそのもの。ミッシェル・ガン・エレファントなどに代表されるような、人間臭さや泥臭さのあるロック・サウンドが好きな人はタマらない1曲になっています!

    では、何故彼らがメインストリームと逆行するようなオールドスクールなロック・サウンドを鳴らすようになったのか?一体どんな音楽をルーツにし、フェイバリットとしてきたのか?次はそこの部分に触れていこうと思います。

    彼らのサウンドがオールドスクールなロックンロールである理由

    世界中にいる大半のアーティストは “誰か” に影響を受け、それを自分たちの音に昇華させて自らの作品をクリエイトしています。例えば、オアシスのギャラガー兄弟にとってのザ・ビートルズやセックス・ピストルズ、ザ・ストーン・ローゼズであり、レッド・ホット・チリ・ペッパーズにおけるザ・クラッシュやファンカデリック、スライ&ザ・ファミリーストーンのような存在ですね。

    この点に関しては、ヴォーカルのテオがイギリスの某音楽メディアで公言しており、そこでザ・リバティーンズやザ・ビートルズ、ドクター・フィールグッドにウィルコ・ジョンソン、マディ・ウォーターズなどの名前を挙げていました。UKロック史を彩ってきたロックバンドたちに加えて、ロックのルーツにあるブルースやフォークなどにもアプローチする──そんな音を聴いて育ってきた彼らだからこそ、あんな最高にシビれるロックンロールを鳴らせるんだなと感じます。

    そんな彼らの音楽経験や体験が分かりやすく反映されているのが、アルバム中盤に収録されている “Paisley Underground” です。60年代ガレージロックや70年代パンクロックを感じさせつつも、タイトルの “ペイズリー・アンダーグラウンド(80年代前半から中盤にかけてLAで起きたサイケデリックムーブメント)” を体現した80年代のサイケデリックロックっぽさも感じられるサウンド。先ほどご紹介した “Night Time” もそうですが、この曲もまた非常にライブ映えしますし、特に彼らが出演するレッド・マーキーにはピッタリ!

    ザ・リバティーンズお墨付き!!?

    先述でメンバーのルーツやフェイバリットにザ・リバティーンズ(以下リバ)がいることを記しましたが、実はここにひとつドラマがあって、そのドラマはアスのメンバーたちにとってターニングポイントとなりました。

    それは『Underground〜』のレコーディング完了から遡ること数日前のこと。彼らは、リバ所有のライブハウスでライブを行っていました。そこでたまたま彼らのライブを観ていたのが、なんとリバのカール・バラー(Vo/Gt)だったんです!ライブを観たカールは、彼らを気に入り、メンバーたちを同じくリバ所有のスタジオ『The Albion Rooms』に招待しました。

    スタジオ『The Albion Rooms』紹介動画(11分11秒あたりからがスタジオ紹介部分)

    カールに気に入られ、スタジオに招待されるだけでも凄いことですが、見学だけで終わり・・・ではなかったんです。なんと、このスタジオでレコーディングができることになってしまうという急展開に!さらに驚くべきは、数日後に改めてスタジオに訪れた彼らがたった1日足らずでデビューアルバム全曲のレコーディングを終わらせてしまうんです!『Underground〜』がたった1日でレコーディングされ、計31分のコンパクトな作品になったという、これら事実からも、アルバム全体に感じる疾走感がいかにリアルだったかが伝わってきます。

    こうして、UKロック・コミュニティのど真ん中へあっという間にコネクトしていったという逸話を持った彼ら。そんなところもまた、昔ながらのロックバンドっぽさがあり、ロックリスナーにはたまらないポイントです!

    そんな気になるライブをフジロック+αで体験せよ!

    日高大将とカール・バラーが認めたアスの楽曲とライブパフォーマンスですが、フジロックオフィシャルサイトにあるアーティスト紹介文にもある通り、「2023年には全英で65回のショウを敢行」と記述されているので、まず場数的には問題なし!
    加えて、同年のグラストンベリー・フェスティバルでは計9ステージを務め上げたということで、大舞台の経験という点も問題なし!ちなみに、この時のステージを観たイギリスの音楽誌『MOJO』の記者は彼らのライブを観て、こう彼らを称しています。

    「ドクター・フィールグッド・スタイルのパンク・ブルースに全盛期のラモーンズの気迫が相俟っていた」 ── 英MOJO誌

    2022年グラストンベリー・フェスティバルでのライブ映像(編集版)

    このグラストでのライブ動画を観て・・・高まってきませんか?

    「早くフジでアスを観たいっ!!!!」

    ということで、ここからは今回の来日での彼らの出演ステージを見どころ含め、紹介していきたいと思います!

    7月26日(金) GREEN STAGE

    ROUTE 17 Rock’n’Roll ORCHESTRA (feat. トータス松本、TOSHI-LOW、後藤正文、GLIM SPANKY、US)

    まずは、彼らの日本お披露目となるフジロック初日のグリーン・ステージです。初来日、初ライブがフジロックのグリーンというのは、なかなかハードル高めではありますが、彼らのオーセンティックで疾走感あるサウンドは、グリーンでもオーディエンスを引っ張っていけるはず!あと気になるのは、ROUTE 17で一体何を歌うのか、ですよね。名刺がわりに『Underground〜』からの曲を歌うのか、もしくは彼らのルーツにある60〜70年代ロックバンドのカバー曲か、それとも他の何かか・・・この辺は色々妄想を広げながら待つことにしましょう!

    ROUTE 17 Rock’n’Roll ORCHESTRA (feat. 仲井戸“CHABO”麗市、甲本ヒロト、奥田民生、トータス松本)  | Fuji Rock Festival ’18 | Photo By 粂井 健太

    ROUTE 17 Rock’n’Roll ORCHESTRA (feat. 仲井戸“CHABO”麗市、甲本ヒロト、奥田民生、トータス松本) | Fuji Rock Festival ’18 | Photo By 粂井 健太

    7月26日(金) THE PALACE OF WONDER - CRYSTAL PALACE TENT
    US(band set)

    深夜のパレスという独特な空気の中でのライブ体験は唯一無二。加えて、ここは「ルーツミュージック系のバンド」や「オーセンティックなロックンロールバンド」が抜群に映え、活きるステージです。今回の初来日のステージで、実はここが一番彼らのサウンドを堪能できるのかも!?

    Photo by Yusuke Baba(Beyond the Lenz)

    Photo by Yusuke Baba(Beyond the Lenz)

    7月27日(土) GAN-BAN SQUARE supported by FEVER-TREE

    US (Acoustic Set)

    「独特な空気」で言うなら、GANBAN SQUAREでのライブもある意味特別かもしれません。ステージセットは至ってシンプル。特別シンボリックな装飾があるわけでもなく、あっても「GANBAN SQUARE」のタイトルロゴぐらい。そんな中で行われるのは彼らのアコースティック・セット。バンドセットから感じられる熱量と疾走感に対して、アコースティックは一体どんな様相を見せるのか、バンドセットを観てハマった人はこちらを観て比べるのも一興かもしれません。

    Timephazer+ (Daigo Sakuragi “D.A.N.”) | FUJI ROCK FESTIVAL ‘23 | photo by 小林弘輔

    Timephazer+ (Daigo Sakuragi “D.A.N.”) | FUJI ROCK FESTIVAL ‘23 | photo by 小林弘輔

    7月28日(日) RED MARQUEE

    US(band set)

    深夜のパレスも良いけれど、やはり「フジロックでライブを観た!」実感をダイレクトに味わえるのは、メインステージ(レッド・マーキー)ですよね。レッドの、アーティストとオーディエンスとの距離感や、絶妙に音が篭るあの感覚、そしてエリア空間に渦巻く爆音サウンド。これら全てが合わさったレッド・マーキーのライブ体験もまたここでしか味わえないもの。あーやっぱりここも見逃せない!

    KING GNU | FUJI ROCK FESTIVAL ‘18 | Photo by 木場ヨシヒト

    KING GNU | FUJI ROCK FESTIVAL ‘18 | Photo by 木場ヨシヒト

    7月30日(火)| “FUJI ROCK SPECIAL” US | 東京 WWW X | 19:30〜

    US(band set)

    みなさん、フジロックでアーティストのライブを観て「フジロックのステージめっちゃ良かったから、これは単独でも観たいなー」なんて思うことはありませんか?そんなあなたに朗報です!単独公演もやっちゃいます!会場は東京渋谷にあるライブハウスWWW X。キャパ約600人のこの会場は、キャパよりもいい意味で狭く、よりライブハウス感が感じられる会場で、ロックンロールの熱いライブを体験するにはSO GOOD!セットリストに関しては、持ち曲こそまだ少ないものの、未発表曲だったり、彼らのルーツを感じられるカバー曲(海外ではジーン・ヴィンセント&ヒズ・ブルーキャップスやスライ&ザ・ファミリーストーン、母国フィンランドのアーティストなどの曲をカバー)もあったりと、アスの魅力を120%味わえるものとなっていること間違いなし!

    単独公演の詳細はこちら

    US | 東京 WWW X | 2024/07/30

    ということで、今年の注目新人アスについて紹介しましたがいかがだったでしょうか?ノーマークだった方には興味が、最初からマークしていた方にはより興味が湧いてくれたら幸いです!以下に試聴枠(Spotify、Apple Music、Amazon Music)を設けましたので、ここからみんなで『Underground Renaissance』を聴きながら、来たるフジロックに向けてテンション上げていきましょう!

    text by 若林修平

    USのデビューアルバム『Underground Renaissance』を試聴しよう!

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    Amazon Music

    US(アス)単独公演情報

    “FUJI ROCK SPECIAL” US
    US(アス)

    2024年7月30日(火)
    東京 WWW X
    開場 18:30 / 開演 19:30

    <券種>
    スタンディング ¥6,500(ドリンク代別)

    <チケット販売>
    ▼オフィシャル先行(抽選)
    6月18日(火)17:00 〜 6月27日(木)23:59
    イープラス先行:https://eplus.jp/us/
    ▼一般発売日
    7月6日(土)10:00 〜
    イープラス: https://eplus.jp/us/
    チケットぴあ: https://w.pia.jp/t/usband/
    ローチケ: https://l-tike.com/us/
    岩盤: https://ganban.net/
    ※お一人様4枚まで
    ※チケットは、紙と電子チケット併用
    ※未就学児入場不可、小学生以上チケット必要

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