【フジロック21】気になるゲストが登場する3日間、アトミック・カフェ トーク
- 2021/08/14 ● from fujirockers.org
フジロックにはいくつかの「フェス内イベント」があり、2011年からおこなわれているアトミック・カフェは今年もジプシー・アヴァロンで開催される。
今年の1日目はウーマンラッシュアワーの村本大輔。次々と炎上を繰り返す芸人としてフジロックで何を語るのか。「THE MANZAI」以外ではテレビで観ることもないけど、全国各地を回って培った現場力を目撃する場になることでしょう。
2日目は小泉今日子と上田ケンジ。史上最強のアイドルとして80年代から活躍してるキョンキョン。司会の津田大介氏が初めて買ったレコードは彼女の「渚のはいから人魚」でもあるわけで、キョンキョンの初苗場降臨がアトミック・カフェというのもふさわしいステージといえましょう。上田ケンジはKENZI&THE TRIPSやthe pillowsを経てプロデューサーやスタジオミュージシャンとして活動をし、小泉今日子とのユニット「黒猫同盟」でトークの後、フレンチポップスな世界を繰り広げてくれることでしょう。
3日目は経済思想史研究者・斎藤幸平。環境危機の時代に解決策はあるのか。マルクスにヒントがあるというが、我々の世代にとっては今さらマルクス? と思うけど、気鋭の学者に耳を傾けてみてはどうだろうか。
3日間の司会を務める津田大介氏からのメッセージです。
コロナ変異株感染拡大、緊急事態宣言下でも五輪は強行されました。
他方で専門家と決めた感染対策を遵守し、逆風のなかでも耐え忍んで抑制しながら活動することで昨秋以降大きな感染源とはなってこなかった音楽業界に対して「自粛はしろ。補償はしない」と政府は一貫して冷たい態度をとり続けました。
十分に感染対策を施したうえで観客の皆さんもそれに協力し、クラスターを発生させずフジロックを終了させることがいまは何よりも重要です。フジロックが無事に開催できることは、文化の灯を消さないという点でも、五輪のためにご都合主義、場当たり的なコロナ対応しかしてこなかった政府に対するサイレントプロテストという点でも大きな意味があります。
今年はアトミック・カフェがフジロックで復活して10年という節目を迎えることになりました。節目ならではの最強ゲストもそろいました。普段のAvalonとは違う場所での開催になりますが、それも含めて「10周年の特別なアトミック・カフェ」ということで、皆さん会場一番奥にあるAvalonまでお越しいただければ幸いです!
(2021/8/19追記)
フジロック出演を辞退しました。インタビューを受けた4月、コメントを出した7月下旬から新型コロナウイルスをめぐる状況は大きく変わりました。近隣の医療機関の状況や、新潟市内の音楽教室でマスクをしていた子供たちにクラスターが発生したこと、抗原検査がPCR検査で陽性となる患者の59%(米疾病対策センター)〜42%(NFL所属医師らの調査)を見落とすと発表していたことなどから、熟慮のすえ申し出ました。
僕が辞退を決めた段階で、新潟県のコロナ病床の稼働率は106%でした。もともと、コロナ禍で興行や芸術業界が割を食ったことは確かですから、最大限尽力したいという気持ちがありました。ゲストをお呼びする以上、司会である自分が一抜けするのはいかがなものかとも悩みました。
僕の盟友であるジャーナリストの竹田圭吾は、「メディアは世間の空気を調整する装置であるべき」が持論でした。参加者・出演者の一人ひとりが自分ごととして今回の事態を鑑み判断するきっかけを、自分の「進退」を通じて提供しなければ、ジャーナリスト/アクティビストとして欺瞞になると考えました。
辞退の申し出を受け入れていただいた主催者・事務局のみなさんに感謝しています。
これから参加する多くの方に、そして参加を断念した全ての方に、こちらのインタビューを読んでいただければと思います。
https://www.festival-life.com/85475
津田大介氏インタビュー(前編)〜音楽好き少年がフジロックにハマるまで〜
http://fujirockers.org/?p=15609
津田大介氏インタビュー(後編)〜アトミック・カフェの8年を振り返る〜
http://fujirockers.org/?p=15625
Text by イケダノブユキ