フジロックの森プロジェクトカレンダー販売!
- 2019/07/24 ● News
フジロックの森プロジェクトからカレンダーが販売されます(Officialグッズ売り場ー場外、オフィシャルショップ岩盤 GAN-BAN、ところ天国、越後湯沢駅などで購入できます)。フジロックの森って何?と思われる方もいるかもしれません。このプロジェクトの活動目的は、苗場の自然(森)と音楽の共存です。具体的には、フジロックの会場=観光資源を、森林伐採などをせずに整備するためにボードウォークを作成する活動や、間伐材を紙にしてオフィシャルガイドブックやこのカレンダーなどを作成しています。
フジロックの数ある特徴に国内外のアーティスト達による素晴らしいライブは勿論のこと、自然の中で3日間過ごすという点が上げられると思います。パックされたライブ会場にはない自然(文字通り木に囲まれた会場でのライブ)、そして自然の中だからこそ起こるハプニング(突然の豪雨など)こそが醍醐味であることは間違いないと思います。例えば、2013年のナインインチネイルズでは豪雨がライブを演出していました。これは、昨年の鼓動の演奏においても同様で、海外から来た来場者が雨が彼らの良さを引き出していたと語っていました。考えるとキリがないほどに“自然”と“フジロック”は密接に関係しているといえます。ライブだけでなく、時刻や天候によって景色が大きく変化し、圧倒されることもしばしば。私は初めてフジロックへ来た時に、橋を越えて木の合間から見えて来たホワイトステージに感動した覚えがあります。そして何よりボードウォークを歩くことで非日常に近い感覚を得ることができます。このような自然の中でフジロックを楽しめるのは、フジロックの森プロジェクトとボランティアの皆さんが陰ながら支えていると言っても良いでしょう。
今回のカレンダーの特徴として、1)2019年7月から始まり、2020年8月で終わるフジロックが区切りになっている点、2)フジロックの会場の写真が写っている、そして3)シールが封入されているなどです。またこのカレンダー、LPジャケットサイズというのも大きなポイントです。しかもホンモノのレコードよろしく、カレンダーはご丁寧に厚紙「ジャケット」に収納されています。フジロッカー的な1年が終わったら、捨てないで、アナタのレコード棚にコレクションできちゃいます。
このような他にはないカレンダーの特徴の中でも、特に注目すべき点は、会場の写真とひっそりと記入されているフジロックおよび朝霧JAMの日程ではないでしょうか。このカレンダーの写真を見ているといつでもフジロックを思い出すことができるし、郷愁にも浸ることができます。そして(少しだけ?)また行きたいなぁと思うことができます。“フジロックロス(フジロス)”という言葉をよく耳にします。終わってしまった後の悲しさ、でも終わって少しホッとしていたりもして。前夜祭も入れると5日間もいるわけですからね。キャンプをそれだけするのもナカナカないですし。
各月のカレンダーの写真から想像出来るフジロックエクスプレスの記事やフジロック関連記事をもとに、フジロックの出来事を紹介したいと思います。人それぞれに思い出もあるでしょう。今回は、筆者の選んだ状況や体験からワンシーンをご紹介します。お付き合いくださいませ。
7月
キャンプサイトの写真です。そしてカレンダーにはフジロック’19開催の日にひっそりロゴが印刷されています。毎年キャンプを楽しみながらフジロックに浸る人も多いようです。かく言う私もキャンプをしながら音楽がいつでも聞こえてくる状況を楽しんでおります。昨年度のキャンプサイトは台風の影響を受けてテントが倒壊したり色々ありました。不安があれば、キャンプサイトのよろず屋へ相談へ行きましょう。テントの立て方などにもアドバイスをしていただけるはずです。
8月
これは前夜祭の写真ですね。Fujirockers.org代表・花房の前口上が終わった後の写真でしょうか。前夜祭が一番楽しい!と言う話もよく耳にします。始まる前のワクワク感がたまりませんね。そして写真の下部にはDj Mamezukaが写っております(小さいのでわかるかな..)。例年、前夜祭で盆踊りを踊って(全然うまく踊れませんが)、写真のレッドマーキーでのライブが始まるとDj Mamezukaの流す曲で異常なほどに気持ちを盛り上げ、前夜祭で演奏するアーティストに過剰なまでに声を上げています。盆踊りにて、太鼓を打ち鳴らしている苗場の金六さんにお話をうかがった際には、雨ならやめようぜ〜と言っても止むことが多いなあとおっしゃっていました。私個人としては、仲間が来る前に1人前乗りしていた2013年の前夜祭で演奏していたタートルアイランドで異常に盛り上がり、隣にいた外国からのオーディエンスに持ち上げられ前方へダイブしていき….。そして、携帯電話をポケットから落としました。次の日の朝イチに場内駐車場手前の交番に行き、遺失物届けをだした際に、“六日町にドコモショップがあるよ”と親切に教えていただきました。
9月
夜の木道亭の写真です。木道亭はボードウォーク(ホワイト入り口からフィールドオブヘブンへの道中)にあります。小さなステージですが、座って聴くとリラックスできますね。栗コーダーカルテットの演奏で酔いも手伝ってか気持ちよくなりボードウォークの脇で寝てしまった覚えがあります。昨年のNick Moonのライブでフィールドノートに情報を書き、その後の突撃インタビューをしました。時間もないことを言い訳に月並みなことしか聞けず、残りは拙い英語で雑談してしまいました..。そっちの方がNickさん興味持ってくれたみたいで…。インタビュアー失格です。
10月
9月の木道亭に引き続き、これもボードウォークの写真ですね。ホワイトの入り口から歩き、木道亭の手前あたりのでしょうか(初めの雨の写真の場所に近いかも)。撮影はおそらく10月のボードウォークキャンプの時のものかと思います。例年、ボランティアの方達、orgスタッフも参加しています。2ヶ月ちょっとで秋になりますね。紅葉がとっても綺麗。朝霧JAMの日程に印がついていますね。こちらも楽しみですね。
11月
こちらはドラゴンドラからの写真です。こちらも紅葉が綺麗です。Daydreaming・silent breezeに行く際には乗りますよね。向かい合うゴンドラの乗客が手を振りあったりしてとてもピースフル。個人的に暑い日中はday dreamingに行って、寝そべりながら遠くで鳴っているチルアウト系の音楽を聴くのが贅沢な時間だと思っています。以前、ゴンドラの頂上付近は霧がかかっていてたのですが、降りるとラピュタに降りたったかごとく霧が晴れてきました。そんな中、KENKOUのファルセットボイスが聴こえてきたのです。一緒にきていた友人は泣き出し…(マジで)。本人曰く、“言葉にならない”でした。別の年(16′)にEri ArakawaのDjも見たのですが、ガチガチのテクノでした。こちらはゆったりできずに昼間から踊ってしまいましたね…。美女がスンゲィ カッコ良い音楽流しよるぞ!と思いました。
12月
雪に埋もれたゴンちゃん。すいません、場所はわかりません。。どこでしょうか?入場ゲートからオアシスにいく手前かな?フジロックの森の理事をやられていたテッコさんは、苗場に冬に来ると景色が変わったところも楽しめるよと話されていました。そんな一コマ。
1月
こちらは苗場スキー場の名物ゲレンデ「大斜面です」。一瞬、越後湯沢かなと思いました。あってるかな。これも、テッコさんがお話しされていたように、時期によって苗場は変わるようです。キャンプサイトはこんなところかなとか考えるのも楽しんでみたいです。
2月
こちらはボードウォークからフィールド・オブ・ヘブンへの入り口ですね。夜は特に幻想的な雰囲気になります。写真には写っていませんがShinkilowの方達によるミラーボールも相まっていつも素晴らしい。小さくですがバニーもいます。フジロック最終日のヘブンの夕暮れ時はいつも良い雰囲気で、個人的にはフジの醍醐味だと思います。Kamashi WashingtonやThundercatなどは素晴らしかったようですし。Phil Lesh & The Terrapin family bandーグレイトフルデットのベーシストのバンドーも出演し、安定した演奏からゆったりとした気分になりました。もっと見ておけばよかったと後悔しています。
3月
きました。きましたよ。今はありませんが、オレンジコートです(現在はオレンジカフェ)!ワールドミュージックやJazzなど多岐にわたる音楽で皆を楽しませて来ました。私は夕方以降はオレンジコートとヘブンを行き来していると終わってしまうことが多かったです。オレンジコートには思い出深いライブがたくさんあって、皆が踊り狂ったNarasirato、モンゴルよりHuun Huur Tu、Booker.Tもよかったなあ(http://www.fujirockexpress.net/09/?p=12453)、そして一番の思い出はCongotronics vs Rockersです。アフリカのリズムにディアフーフのメンバーなども加わり、まさに地球のダンスミュージックでした。また、現在はカフェドパリで開催されているオールナイトフジも、以前はこちらで開催されていましたね。日高代表も電子瓦版でお話しされていますが、隣のヘブンと音が重なったりすることや、地面のぬかるみがひどいという理由で、現在はオレンジカフェになりました。
4月
これはところ天国の対岸の川辺でしょうか?オアシスの近くの橋?ゴンちゃんがたくさん居ます。ゴンちゃんって見ているとほんわかしますね。色々意見はあるでしょう。でも、たくさんのゴンちゃんは持って帰らなくても良いと思います。あまり取らないないでって話も聞きますし、なくなり過ぎって話も。欲しい方は、3日目の午後以降にゴンちゃんを一人だけご家族に迎えましょうか。それまでは、ゴンちゃんを引越しさせて遊んだりしませんか。例えば、色違いのゴンちゃんを並べてカップルにしたりとか。通りかかった別の人が、旦那ゴンちゃんの親を連れて来て同居させたり、そのあと親の色から生まれそうな色の子供ゴンちゃんが来たり。こんな楽しみ方、どうでしょう?
5月
Gypsy Avalonです。こちらではアトミックカフェや色々なライブをやります。お子さんも一緒に楽しめるスペースにもなっていると思います。昨年と一昨年と同様に、今年もケロポンズ出ますよ〜。個人的には金曜日のアトミックカフェに出演するトークライブおよび沖縄のグループの演奏を見ていただきたいし、デニー知事がデニムを履いて出てきて、玉城デニムですってボケをかまさないかな、スベらないかな、と沖縄県民としてヒッソリ楽しみにしています。また、久保田リョウヘイによるハンドパンの演奏も楽しみです。
6月
言わずもがなフジロックのメインステージ グリーンステージです。始まりはいつも忌野清志郎の“田舎へ行こう!〜Going up the country~”です。この写真を見ると20周年で見た16′ボアダムスを思い出します(http://fujirockexpress.net/16/p_1136)。1日目の一番初めに出てきて、天候はもう少し曇っていたんですけど、色々なものを楽器にして、儀式のような厳かさもあるライブでした。私、鳥肌立ちっぱなしでした。
昨年はNERD,ケンドリック・ラマー、そしてボブ・ディランと多岐に富んでいましたね。今年のラインナップもChemical Brothers、SIAそして、The Cureと楽しみです。Chemical Brothersは前回の出演(’11)も素晴らしかったんですが(http://fujirockexpress.net/11/6139.html)、グラストンバリーでのライブは演出が凝っていてすごかったようですね。また、’13のThe Cureも見たのですが、たまたま通りかかった時にサイコキャンディーというアルバムに入っているOne hundred yearsが始まりました。イントロの葬送曲を思い起こさせる独特のドラムラインと歌詞から、人間のもつ寂しさを感じて….って何言ってんだろう(苦笑)。
7月
こちらもグリーンステージ。夕暮れ時、綺麗なんですよね…。昨年のボブディランは夕方の時間帯で、夕日が綺麗でした。最後のコードが流れたときに、“風に吹かれて”だ〜!!となりました。もう。言葉になりませんでした。
8月
続いて夜のグリーンステージ。初めに書いたナイン・インチ・ネイルズでは大雨がライブを演出していました。私は、モッシュピットにいたのですが、彼らの代表曲とも言える”head like a hole”に合わせてビショビショに濡れたスーツで頭をグイグイ振っている男性が私の横にいました。話しかけたら、“どうしても見たくて…、仕事が終わらなくて…着替える時間がもったいなくて”と。奥さんとお子さんは後ろで待っているとのこと。なんて素晴らしいんだアンタ!家族も最高ではないか!と叫んだ私。昨年のKendrick Lamerも台風の影響ですごかった。始まりの曲だったD.A.M.Nからの”DNA”を少し離れたところで聴きながら、低音のベース音からラップの炸裂する箇所で、照明が赤く点滅してI’d rather to die than to listen to you (お前の話を聞くなら死ぬほうがマシ)と一瞬聞こえてきました。その時、“皆、あなたのステージを死ぬ思いをしながら聴き入っていますよ”と思いました。
さてさて、最後に気になるのは来年の7月にはフジロックマークがないことです。オリンピックがあるから無理なのかなと思いつつ、開催すると日高代表は発言しています(http://fujirockers.org/?p=13981)。どうでしょう。あると良いな。うん。酒飲みながら音楽聴いて、キャンプしたいよ。私はオルグに入る前まで、出演アーティストのチェックを余りしませんでした、通りかかったステージで出会う音楽が良かったりするので。カレンダーを家に職場に貼って眺めながら、来年もどんな音楽に出会えるのか、どんなハプニングに見舞われるのか、楽しみにしておきましょう。カレンダーはOfficialグッズ売り場(場外)、オフィシャルショップ岩盤 GAN-BAN、ところ天国、越後湯沢駅などで購入できますよ〜!!また、カレンダーにはカラフルなゴンちゃんやフジロックロゴマークのシールなどがおまけでついています。どうやって使うかはアナタ次第です!
最後に、もうひとつきになる点がありますね。このカレンダー、なぜ来年の8月までページがあるのでしょう。製作を担当した「フジロックの森プロジェクト実行委員会」ボードウォーク・キャンプの松岡隊長に質問してみました。「それは、紙が余ったからサービスです!なんていうのは冗談で、「製作の都合上」なぜか14ヵ月間になってしまったのです。スキーツアーのCMじゃないですが『みんな、オリンピックのせいだ』ということなんです」と、意味深な回答でした。ふふ、こんなミステリアスなカレンダー、他にはありませんね。