フジロック直前!大将インタビュー(後編)「行ったらハマるだろう、絶対」
- 2018/07/21 ● Interview
さあ、いよいよ来週はもうフジロック本番! 大将インタビュー後編では、アンフェアグランドをはじめ、金曜限定のスペシャル企画など、今年初のネタがいろいろ登場します!
イギリスのグラストンバリー・フェスティバル(以下、グラスト)を経験してみて、アンフェアグランドがフジロックに来ることを知った時は、思わず大興奮。ロンドン・パラリンピック閉会式で圧巻のショーを披露したアート集団、ミュートイド・ウェイスト・カンパニーのチームが創り出す異空間は、必見です!グラストに興味がある人は、雰囲気を垣間見るチャンスですよ。
そして今年は、なんと、大将がフジロッカーの皆さんと交流する場を設けてくれます! 「俺も遊びに行くから来るかい?」とのお誘いをいただきましたーっ! 詳細はインタビューにて!
・フジロック直前!大将インタビュー(前編)「ボブ・ディランがフジロックを選んでくれたことに感謝」
見逃し厳禁!大人の遊園地「アンフェアグランド」
─ アンフェアグランドって、グラストでやっている規模のものを持ってくるのでしょうか?オレンジカフェに入るのかな、という素朴な疑問です。
可能な限り持ってくるんじゃないかな。だから、20トンのコンテナ2台。こういったことは、やっているスタッフたちにしかわからないからさ。基本的には全部持ってくるという発想だよ。
─ グラストでは、アンフェアグランドを含むエリア一帯は夜中から始まりますが、フジロックは昼間からやるのですよね?
昼ぐらいからやって、夜中の2時くらいまでかな。朝まではやらないよ。オールナイト・フジは今年はないから。あそこに行ったらハマるだろう、絶対。
─ 本当に異空間ですよね。グラストで、朝テントで目が覚めたら、昨晩アンフェアグランドに行った後、どうやって帰ってきたっけなって(笑)
だいたい、いつも場所が遠いんだよな。20年ぐらい前から。もう真夜中だから大変だよな、真っ暗闇でさ。帰って来れない奴、いっぱいいたもん、昔(笑)。
─ (笑)。日高さんがグラストに行って、初めてアンフェアグランドを観たとき、どう思いましたか?
いや、俺が行った時は、まだ今の形態になっていなかったよ。フジロックでパレス・オブ・ワンダーがあるじゃない。アンフェアグランドは、だいたいがあそこのスタッフなんだよ。サムっていうのが仕切っていてね。それで彼の方から俺に連絡があって「今年はグラストンバリーがない」と。土地を休ませなきゃいけなくてさ。農耕地だから、牛のためにね。だから、フジロックに行くなら今年しかないって。
スタッフが50人くらい、DJにパフォーマーもやってくるし、20トン以上の機材を船便で送る、という規模のことをやるとなると、準備に1ヵ月以上かかるわけだよ。ってことは、グラストンバリーが開催される年にやろうとしたら、日本に送れる時間なんかないんだよね。グラストンバリーが6月で、フジロックが7月だから。
じゃあ、今年やろう!ってことになったんだけど、問題はね、資金だったんだよ。もう尽きていたから。どうしようか色々考えて、ある日突然、パッと浮かんでね、こういう時はお酒を飲むっていいことだなと。ピーンと来たんだよ。湯沢・苗場でフジロック開催20回目だ、って。思ったら即行動だよ。それで地元の方に「一緒にやりましょう。協力してください。」とお願いをしだんだ。いくらかっていうのは言わないけど、まあ、相当級のお金だよ。いままで1円だって協賛金をお願いしたことはないから初めてだよ。そしたら、本当に気持ちよく出していただいて、すごく感謝している。それからアンフェアグランドが決まる前から、新潟県の協力があって鼓童の出演が決まってたんだよ。日本のパーカッションのグループね。すごいからさ、絶対観た方がいいよ、鼓童。
「そんなん無理ですよ」とか、俺ね、一番好きなんだよ
─ 日高さんがフジロックを作ったときから、ライブを観なくても、歩いているだけで楽しい場所を作っていくんだ、という考えがあると思うんですけど、今回グラストからアンフェアグランドが来ることで、「いるだけで楽しいフジロック」という理想には、どれくらい近づいているのでしょうか?
まだまだ、道は遠い。これ以上場所を作るっていうのも難しいしね。もし場所を作るとしたら今のキャンプサイトとは別のゴルフ場とかをぶっ壊してやるしかないわけ。そうすると、そのエリアお客さんも歩く距離が長くなっちゃう。でも、またいつの日かできればと思ってるよ。
─ まだまだ、遊び場というのは増やしていきたいのですね
それはもう、夢は絶対に終わらないって!音楽を聴いていると時とか、お酒を飲んでいる時、映画を見たり本を読んだりしている時なんかに、どっかで「あっ!」って。こんなのできないかな? と思いつく。そしたら即行動だから(笑)。
で、まあ、無理を通すという。「そんなん無理ですよ」とか、俺ね、一番好きなんだよ、その言葉。「無理ですよ」って。みんなが賛成、賛成っていうと、やる気なくなっちゃうんだよな。
今年もさ、思いついたことがあって。俺の愛犬で、どん吉っていうのがいるんだけど。会場にある、どん吉パークにカフェがあるんだ、「Cafe Don」っていう。そこをもうちょっと広げようと思ってる。こうしたいっていうイメージがあってさ、ゴッホの「夜のカフェ」っていう絵があるんだよ、綺麗なの。黄色いランプがあって、外にテーブルが並んでて。そんな風にできないかなと。
まあ完璧には無理だとは思うけど。それで、そこにバンドを入れちゃおうって。アコースティックセットだけどね。プリンスホテルのすぐ裏側だから、あんまり大きなは音は出したくないんだ。
金・土・日の3日間やるよ。金曜日はコロンビアのバンドで、RANCHO APARTE。土曜日がアメリカのカントリーロックWESTERN CARAVAN。そして日曜の夜が、アイルランドのHOTHOUSE FLOWERS。ドラム入れて、ドンタカ、ドンタカはやらないよ。アコースティックにプラス、パーカッション、みたいな感じで。30分くらいかな。夜の11時15分くらいから12時くらいまでの間にやろうと思ってる。
「俺も遊びに行くから来るかい?」 ─ 大将からのお誘い
今年はお客さんと話そうと思ってるんだ。3日間ね。俺、今までお客さんとダイレクトに接するような場は持ってなかったわけ。初めてだよね、そういう機会を作るのは。まあ、カフェ店内にどれくらい人が入るかわかんないけど、スタンディングだと40人くらいかな。ただ、必ず行くという保証はできないよ。当日の運営のことがあるからさ。ちょうどその時間に何か対応しなきゃけない場合もあるからね。
カフェに来てくれたら一緒に酒を飲もうと思ってる。だから、来ない?質問あったら答えてやっぞ、っていう。ヘッドライナーが終わった後、良かったらCafe Donに来てくれよな。キャンプサイトのところから入れるから行けばわかるよ。(※入場には関してはPYRAMID GARDEN STAGEに準じます)
その代わり、飲み物は自分で払ってね。食べ物も色々あるんだけど、今年考えたのがフレンチスタイルのメニュー。フランスの労働者クラス、いわゆるお金のない人たちが晩御飯の前に食べるものがあって。「ワン・オムレツ」といって、1つの卵で作るオムレツ。今回は、そこにパセリみたいなのをのっけて、黄色に緑で。そして、グラスワイン─普通フランスだったら白なんだけど─それを赤か白か選べるようにするよ。そういうセットで、軽く食べれるようにしようかなと。一つ一つ手作りだから数量限定になるよ。
俺はだいたい夜12時以降じゃないと酒飲まないんだよ、フジロックの時は。もう問題はないな、OK、というまでね。それで、ホテルに帰ってからしか飲まないんだ。会場の本部にある俺の部屋にはバーを作ってあるんだけど、それは俺が飲む用じゃないんだよ。国内外問わずお客さんが多くて、エージェントやミュージシャンが訪ねてくるから、じゃあ、お酒どうぞって。
どん吉弁当、始めます!
それからね、今、うちのスタッフがどん吉弁当をやろうって考えているんだ。一日50食しか作れないんだけど。どん吉の顔が入っていてさ、すげー可愛いんだ。あとTシャツも新しいのを作ったよ。俺のデザインで、すごく変なの(笑)。「SUNNY DAY FUJI ROCK FESTIVAL」って、意味わかるよね。晴れた日のフジロックフェスティバル。そこに、どん吉と、どん吉の嫁さん“なな”が傘をさしてるんだ。雨がたくさん降ってて、もうみじめで、「なにがSUNNY DAYだよー!」って(笑)。で、空には実は太陽が出てるわけよ。舌を出して「誰が晴れるかー!」って(笑)。そんなジョークのTシャツも作ったよ。
2、3分観て、すぐに出演交渉した「INTERACTIVO」
─ 今年のフジロックは「キューバ」もキーワードかと思いますが、日高さんが現地で見つけてきたバンドについて、改めて聞かせてください
今年の最初のインタビューでも少し話したけれど、キューバに行ってきて、そこで選んだINTERACTIVOっていうハンドはぜひ観て欲しい。金曜の22:40から苗場食堂、日曜の14:10からヘブンでやるよ。アルバム「Que Lindo Es El Amo」も出て、すっごくいいから聴いてみてね。
キューバの音楽っていうのは、サルサとかルンバっていう、いわゆるアフロキューバンっていうイメージがあるんだけど、それだけじゃないんだよ。ものすごくしっかりしたジャズバンドだし、ファンキーだし、ラッピーだし。女性シンガー2人がいて、女性ひとりがフィドルっていういわゆるバイオリンだよね、メンバーは総勢13人。
キューバで2、3分くらい観て、それですぐに出演交渉したよ。彼らは実は3つのグループにも分かれるんだ。そのうちの2つのグループも出演してもらうよ。ひとつはね、ジャズ。ROBERTO CARCASSES TRIOっていう名義でやる。ものすごいキーボードだよ、INTERACTIVOではピアノをやっていて、ジャズミュージシャンというのもあるし。土曜の14:30からカフェ・ド・パリでやるから。
で、もう一つが、いわゆるトラディショナル。こっちはCUBANA FIESTAという名義。君たちのお父さんやお母さんだったら知っている昭和歌謡につながる「♪ベサメム~チョ~」とかさ、「♪カンタラメ~ラ~」っていうね。1950年代から60年代にヒットして日本の昭和歌謡に影響を与えた音楽だよ。スペイン系のメロディと、カリブのリズムが一緒になったものなんだ。土曜の21:00からアバロン、日曜の深夜3:15からクリスタルパレスでやるからぜひこれも観て欲しい。
土産話に乗ってってよ、自転車タクシー「フジ・ミニキャブ」
これも前のインタビューでちょっと話したけど。バカなことを思いついてさ。キューバで乗った自転車タクシーね。キューバに行った時に、偶然、2日間つづけて同じ運転手で、すごく気が合ってさ。そのまま酒飲みに行ったんだよ。仕事をほっぽらかして酒飲んで、夜になって、そこで「お前、フジロックに来ない?」って言ってら、「ええー!?」って驚いてた。
キューバっていう国は、一昨年オバマが握手するまでは、カストロ政権の1959年の政変からずーっとアメリカと縁を切っていたわけだ。1962年のキューバ危機もあって第三次世界大戦が始まるんじゃないかって。非常に軍隊色も強いし。だから国民が国の外に出るのを嫌うのよ、資本主義国家に亡命するから。だけど、いまや方針を変えているんだよね。
今年の北朝鮮を見ればわかるだろ。もうあんなことやっていたんじゃ国が成り立たんと。要するに、軍備にばっかりお金がかかっちゃうから。外貨がないから、経済国家にしたいと。そのためには軍備費を抑えて、もっと国を開くんだと。まあ、どこまで開くかわかんないよね、北朝鮮だから。それで、キューバもそうだったんだよ。
そういう国って他にもあるわけ。ベトナムとかね。ベトナム戦争が終わって、今やもう観光地じゃん。だって昔は仏印(ふついん)って言っていたんだから。仏印っていうのは、フランス領土インドシナ。だから、ハノイとかほとんどフランスの建物なんだよ。だからまあ、ロマンティックでもあるわけだよね。中身を知らなければ。キューバもそうなんだよ。ハバナも。何十年間は英語圏だったから英語も通じるところは通じるし。そういうこともあって、自転車タクシーの運転手は、キューバから出られるかなって心配していたよ。
自転車はさ、今、日本で作っているからね。スピーカーも付けてるんだよ。運転手にセレクトしてもらって色んな音を流すんだ。ルートはようやく決まったよ。お客さんが通る道でやるのは人がたくさんいて難しいから、スタッフ用の導線を使うことにしたよ。キャンプサイトの入口あたりからレッドマーキーまで。それでワンコイン100円。2人乗れて荷物も乗せられるよ。楽しいよ!めっちゃくちゃ。面白いから今年のフジロックの土産話にぜひ乗ってもらいたいね。時間は不確定だけど金曜日からやるよ。運転手は日本語しゃべれないけど、ミニキャブ楽しんでよ。
─ ぜひ乗ってみます! 何人ぐらい運転手の方はいるのですか?
運転手は2人、自転車は1台。それで交代でやってもらうよ。ハバナの街の中では、いつも一人一台でやっているからさ、2人で交代だから楽ちんだよね。金もらおうかな、あいつらから。そしたら搾取って言われるな(笑)。
「これは絶対聴いて欲しい」 ─ ヴァイナルをグリーンステージの大音響で
実はさっき決まったばかりのスペシャル企画。金曜だけなんだけどさ、ヴァイナルで音楽を聴こう!っていう企画をやるよ。ヴァイナルっていうのはレコード盤っていう意味ね。場所はグリーンステージでMONGOL800の20分くらい前から。
新しい装置が本当にめちゃくちゃいいんだよ。レーザーターンテーブルといって、レコード盤を針ではなくレーザーで音情報を読み取って原音に限りなく近い音を鳴らすんだ。俺はね、デジタルだけっつうのは嫌いなんだよ。これで聴くと、あたたかい音が出るわけ。それに臨場感が出るんだよ。
このスペシャル企画を金曜だけやるから、ぜひ楽しんで。絶対聴いた方がいいよ。あの大音響で、ヴァイナルのあたたかい音をね。まるでそこで人が歌っているように聴こえるから。もちろん、画も出す。画といっても、今からだと様々な申請が間に合わないから別のものを考えている。楽曲は、今、俺が選んでる。4曲くらいしか流さないけど、これは絶対聴いて欲しい。
─ これをフジロックでも、というアイデアはもともとあったのですか?
レーザーターンテーブルを制作しているエルプって会社が、普段はライブハウスを借りて何年か前からやっているんだけど、こんなに大きなステージではやったことないだろうね。
もちろん清志郎くんの「田舎へ行こう」も流すよ、これはヴァイナルではなくCDだけどね。だって、テーマソングだろう。
湯沢・苗場での開催20回を迎えて思うこと
─ 最後になりますが、初回は天神山でやって、次は豊洲になり、そして、苗場に移りましたが、苗場で20年続けてきた思いがあれば聞かせてください
ぜんっぜん、ない! いつも言うけど。俺ね、終わったことは忘れてしまうんだよな。反省事項は覚えているよ。だけど、何回やったからどうのとかは無い。例えば、小学校の時のことなんて、あんまり覚えていないもんね。
記憶力がないんじゃなくて。多分、人よりも記憶力はいい方だと思うんだよ。何年も前あの時は、こういう服装で、こんなこと言ったよね、とか。すると、みんなびっくりするもん。「なんでそんなこと覚えているんですか?」って。俺は自分がそうだから、みんな同じように覚えていると思ってたんだけど。違うんだよな。
何でだろうって、いろいろ考えてたけど人から言われてわかったんだ。「日高さんは画家です」と。画家の目、だって。例えば、山下清さんっているじゃない。あの人は20~30分景色を見て帰っちゃうんだって。家に帰ってから20~30分見た景色を絵にして。たしかにその場所で絵を描く人もいると思うけど多くの画家は家に帰ってから描いているじゃない。自分のアトリエに入ってから。
だから俺、絵で覚えてんのよ。その時の風景を。だから、何を着ていて、どういうことを話して、俺が何を感じたかっていうのを覚えているわけ。全然話がずれたけどな(笑)。とにかく、苗場で20回目だから特別何か思うってないのよ、本当に。学ぶことはあるよ。そういうとかっこいいけど(笑)。いや、学ぶことは本当にあるんだよ、失敗が多いからね。成功したことっていうのは、そんなに覚えていないんだ。
人から「これ楽しかったんですよ」って言われると、もちろん嬉しいよ。フジロックを通じて(俺とは知り合わなかったけども)そこで知り合って結婚したとか、友達がいっぱいできたとか聞くとね。フジロックに来てくれた人の中に、若くして亡くなった人もいるわけ。俺は、会ったこともない、話したこともないんだけど、家族から、実は…って手紙が届いて。「今年もチケットとキャンプ券を買いました。四十九日が終わりますので、お墓の中にチケットとキャンプ券を入れてあげようと思います。」って言われると、何つうんだろうな、もう落ち込みに等しいような。辛いっていうかさ。まだ若いんだよね、30代でさ。病気だったからしょうがねえんだけどさ。だからそういう悲しさっていうのかな、なんか、せっかく知り合ったのに、別れなきゃいけないというのは辛いよな。
かと思えば、次だ!って先のことをもう考え出すから。だからさ、感慨っていうのがないんだよ。本当に。10回だ、20回だからって何かを思うことは全然ない。若い時にもさ、自分の年齢覚えてなかったもんね。「いくつだっけー?」って思って。これ本当の話なんだけど、夜中に車を運転していてさ、停められたんだよね。で、免許証を出すじゃない。「いくつですか?」っていうから「19歳です」って。そしたら、「あんた24歳じゃない!」って(笑)。だから、フジロックの回数とかも、そのくらいのものでしかないんだよ。
─ なるほど。天神山、豊洲、そして苗場に移った時、その先ずっと苗場で続けていこうという思いはありましたか?
ない。まあ、1年やって、それから考えようって。山間の場所だから保守的だよね。だから、最初に苗場の人にはキツイことしか言わなかったよ、説明会で。「あなたたちが思っている、ロックな人間がたくさん来ます」って。「髪の毛染めています、入れ墨です、鼻ピアスをしています。」とかさ(笑)。だって、いいことは言えないじゃん。何があるかわかんねえんだから。それで、運営側ではウェブサイトで、これで上手くいかなかったら、後はないかもしれんぞ、絶対ゴミ出すな!っていう声かけはやったよね。
それで、1年目が終わって。冬の間はスキーで儲かっているけど、バブルがはじけた時だったから、スキーのお客さんもだんだん減ってくる時期でもあった。それと当時、スキーのお客さん態度がめちゃめちゃ悪かったんだって。ケンカはする、コンビニで盗む。もちろん全員じゃないよ。あとは、ホテル代がないから車でエンジンかけたまま寝て救助活動になったり。要するに排気でやられたり。
だから、それから見れば100倍違いますと、フジロックのお客さんは。1年目終わった後に言われたもん。「すごいですよ。国道で自分たちのゴミじゃない、人のゴミを拾って歩いているんですよ。」って。だから、じゃあ来年も開催できるかなって思ったよ。
その前の豊洲に残ろうっていう話もあったんだよ。ミュージシャンはね、夜になるとさ、レインボーブリッジが見えて「いいな」って。「いいな、じゃねーよ!」って思ったけど。俺さ、3~4日くらい会場でキャンプしてるのね。豊洲で。今みたいになる前だよ。その時は排気ガスだらけ。そこで飯作って食ってんだから。うまい飯もまずく感じるし、とにかく匂いもくさい。要するにもう不健全なところに3泊4日いたからね。
─ 苗場で20年続けてきて、フェスティバルという文化がお客さんに根付いてきたなというのは、感じていますか?
そりゃあもう十分感じてるよ。フジロックができたばかりの当初はなかったけど、やっぱり苗場に移ってからかな。苗場でお客さんの態度が良くなってきて。それはいいことなんだけど、最初の頃はタイムテーブル見て、自分が知っている人しか観に行かないお客さんが多くて。だから苦情くるよね。時間がかぶって観に行けないの、どうのこうの。「知るか―!!!」って言ってたよ(笑)
─ 最初は、そういう苦情もわりとあったんですか?
あった、あった。「なんでこんなことするんですか? ステージなんて一個でいいじゃないですか。」って。違うんだって。だから、そう言われたら、もっと作ってやる!って、ボコボコボコと増やしたわけ。言われなかったら、2つか3つで終わったてたかもしれないけど(笑)。
以上、フジロック直前!大将インタビュー(後編)でした!
インタビューに出てきた今年の楽しみ方をまとめると、金曜の朝イチはグリーンステージに集合! レコードの良い音を大音響で楽しむ、キューバ仕込みのフジ・ミニキャブに乗って土産話を増やす、キューバのバンドで踊る(気に入ったらアルバムを買う)、アンフェアグランドの世界にハマる、ヘッドライナーの後はどん吉パークのカフェで大将と乾杯! そして日曜の夜は、ボブ・ディランだヨ、全員集合! といったところでしょうか。今年も思う存分、待ちに待った年に一度のお祭りを楽しみましょう!
フジロックアフターパーティ決定!
大将より、「俺も行くから、一緒にギネスを飲もう!」とのことです!
~FUJI ROCK AFTER PARTY~
HOTHOUSE FLOWERS 来日公演 2018
special guest:WESTERN CARAVAN
開催日:2018/7/31(火)18:00 open/19:00 start
会場:渋谷クラブクアトロ
チケット:前売 ¥7,000 / 当日 ¥7,500(整理番号付、ドリンク別)
※当日入場口にてドリンク代600円いただきます。
驚愕!三大特典付き!
1. 来場者全員にフジロックのロゴ+2バンド名入りのスペシャル・トートバッグ をプレゼント!
2. フジロックと各バンドの特製Tシャツを抽選で30名様にプレゼント!
3. 楽しいおつまみをご用意!ご自由にどうぞ!酒が進む!
ご予約・お問合せ:プランクトン 03-3498-2881 http://www.plankton.co.jp/Hothouse/ 、渋谷クラブクアトロ 03-3477-8750
大将のおすすめイベント!
『Peter Barakan’s LIVE MAGIC!』
開催日:2018年10月20日(土)・21日(日)
場所:恵比寿ガーデンプレイス ザ・ガーデンホール&ザ・ガーデンルーム
https://www.livemagic.jp
大将から、コメントもいただきました。
「俺と仲がよくて、本当に音楽の趣味のいいピーター・バラカンという人がいて、彼がプロデュースしているLIVE MAGIC!というイベントがあるので、面白いからぜひ遊びに行ってみて。
メインのアクトがジョン・クリアリーっていうミュージシャンで、俺の大好きなタイプなんだ。ニューオーリンズ出身で、ピアノを弾くシンガー。ニューオーリンズは大好きなところで、俺もニューオーリンズのフェスティバルには何回も行っているよ。アメリカを車で横断したりして。ニューオーリンズはアメリカの音楽のメルティング・ポットなんだよ。
ジャズ、ブルース、ロックンロール、それからケイジャン。ケイジャンっていうのは、カントリー風なんだけど、歌詞がフランス語。で、ザディーゴっていう、まあ、R&Bで、洗濯版を使って「ジャーツカチャカチャカ、ジャーツカチャカチャカ」っていう。これはニューオーリンズの音楽の話ね。音楽の聖地みたいなもんだよ、俺にとっては。ネビル・ブラザーズの出身地でもあるしね。ニューオーリンズ出身のジョン・クリアリーはぜひ観てもらいたいな。」
フジロックは西日本豪雨で被災された方も支援します
先日、オフィシャルHPのニュースでも発表がありましたが、フジロックでは、東日本大震災の支援に加え、西日本豪雨についても支援します。フジロッカーとして各自できることで協力していきたいですね。
大将より、支援プロジェクトの案内とコメントが届いています。
■被災地支援プロジェクト【Benefit for NIPPON】
平成30年7月豪雨により、亡くなられた方々のご冥福をお祈りしますとともに、ご遺族の皆様、被災された皆様には、心よりお見舞い申し上げます。
また、現地でヴォランティア活動に参加されている皆様、現地復興に向けて日夜励んでおられる皆様に感謝いたします。
今年もフジロックでは、会場内でBenefit for NIPPONの義援金箱を設置しています。
今までは東日本大震災への復興支援だったけど、豪雨震災の件もあって今回は両方の被災者支援に向けた義援金を受け付けます。
募金してくれた方にはステッカーをプレゼント(数量限定)するので、来場する皆さんも可能な範囲でかまわないから協力してもらえるとありがたいです。
現時点で豪雨震災への送金先は決まっていないけど、決まったらオフィシャルホームページで発表します。
Interview & Text by Eriko Kondo
Photo by Masahiro Saito