フェスデートに恋愛・結婚、話はあらぬ方向へ!?大森靖子×あたそ フジロック最強ガールズ対談【後編】
- 2016/09/12 ● Interview
20周年という大きな節目に数々の伝説を残したFUJI ROCK FESTIVAL ’16。その中でも全身全霊のライヴ・パフォーマンスで観客のみならずミュージシャンからも多くの称賛を集めた大森靖子と、悩める女子たちの共感を得てTwitterフォロワー数7万人超えの非モテ系ライターあたそによるフジロック・ガールズ対談の後編。大森靖子の3作リリースに負けじと3部構成となった最終章は、みんな気になる“フェスデート”事情について歯に衣着せぬ2人にぶつけてみた。今年の夏も様々な土地でアツく繰り広げられたであろう音楽フェスの新事情に、多くの支持を集める恋愛仕置人な2人は何を思うのか!? ニューシングルの話も交えながら話はどんどんエスカレートし、自身の恋愛&結婚話まで…!? その動向から目が離せない“絶対最強女子”な2人によるセキララ制御不能なぶっちゃけガールズ・トークをお楽しみあれ。
フェスでSEXする興奮は分かる。夏の幻みたいなの、“いいなぁ”って
─ それでは少し話を変えて「デートの場としてのフジロック、フェス」というのはどうでしょう? フジロックは過去に女王蜂や多くのミュージシャンが楽曲提供した映画『モテキ』(2011年/監督・大根仁)の舞台になっていて、作品中でもフジロックデートみたいな描写があったんですけど、最近出会いの場としてのフェスっていうのがすごく…
大森:えーそうなんですか!?
─ そうなんですよ。僕らが知ら…
大森:我々の知らない…ですか(笑)!?
あたそ:我々の知らないところでって(笑)??
─ ……3人まとめた言い方してすいません…。フェス隆盛の時代に入って、別にそこまでベッタリ“音楽好き”というわけではない人もフェスに来て飲んで楽しむっていう。ゴリゴリに音楽カルチャーに飲まれるわけではなく、ある種そういうのを取っ払った感覚でイベントとしての場を楽しむというか。
大森:そんなことに(笑)。確かに今は女性誌にもそういうアウトドアの特集とか、オススメのフェスファッションってたくさん載っていますよね。
あたそ:ありますね! 一番パリピが「ウェーイ!」でEDM系のULTRA JAPANとかもありますよね。今年はdeadmau5とか出るんです。ドゥッドゥッ…(何故か口真似)
大森:EDM系ってデートで行っても会話聞こえなくないですか(笑)?
あたそ:あ、確かに。
─ 逆に近付いて会話するから…とか。それよりお酒飲んで暴れる…?
あたそ:暴れるところですか(笑)?
大森:踊って…あ! 「踊ろうよBaby 一緒に抜け出そうよ」的な感じ!?
あたそ:それだーーー!!!!!!
大森:どう? どう? どう…!?
(皆でゆっくりavex関係者の方を見る)
美マネ:何で3人でこっち見んの!?
大森・あたそ:あはははは!!!
─ すいません…。そちら側を「け…経験者…?」って雰囲気で見ちゃいましたけど。
大森:誰が経験者なの(笑)!?
美マネ:そんなことしてないですけど(笑)!?
─ えっと(笑)、SHISHAMOの「君と夏フェス」というフェスでのデートを描いた曲が人気にもなりました。2人はそういう甘酸っぱいようなフェスでのデートはどうですか? 憧れじゃないですけど、してみたいとかって思います?
あたそ:「君と夏フェス」ありましたね~。
SHISHAMO 「君と夏フェス」
大森:フェスデートはしたくないですけど、昨年のフジロックSEXのくだりは大好きです!
美マネ:あははは!!!
あたそ:あれー!!! あった!!!!! 広告代理店のね、35歳くらいの人のやつ(笑)。
大森:釣りだったとしても大好きです。
─ あ、うん、そっか、そっちですか(笑)。2015年に広告代理店勤務を名乗る女性が“フジロック3日間で5人の男とSEXした”とTwitterに投稿して炎上騒ぎになったやつですね。当時、一部の男たちは「フェスには夢がある」「エロい」「混ぜてほしかった」「これぞロック」「“セックス・ドラッグ・ロックンロール”を地で行ってる(ドラッグは無関係)」「音楽フェスは元々~」などと盛り上がったんですけど、「やめてほしい」「ミュージシャンや音楽ファンに失礼」「汚い」「わざわざ言う意味が分からない」「自己顕示欲強すぎ」など賛否両論に。
あたそ:ありましたね!
大森:あれはすごく好きでした。
─ 彼女に好感を持ったということ?
大森:ああいう場所でSEXする興奮は分かります。出会いの場にするのは分からない。
─ たぶん彼女はその場で出会った人とだと思いますよ、あれ。
大森:うん。でもその場で別れるんですよね? それってもう出会いじゃないじゃないですか? もう終わりじゃないですか? 幻みたいなものじゃないですか(笑)?
あたそ:あはははははは!
大森:フジロックという幻。うふふふ。
─ (笑)。出会いというより、その場の一瞬の、食物摂ったみたいな感じに近いと。
あたそ:食物摂った(笑)。
大森:そういうね、夏の幻みたいなの、“いいなぁ”って。あれ好きですね。
─ 経験してみたいってことですか?
大森:複数とヤりたいとかはないです。むしろ嫌い。それに外だし…外でするのは別に好きじゃないかな。楽屋が欲しい。
あたそ:楽屋が欲しい!?
─ 突然普通のインドアな話に(笑)。別にフェスではなくてってことですね。
大森:いやフェスの楽屋がいいです。楽屋があって、隣に誰かいてとかがいいです。
─ フェスの楽屋!? それ相当限られた人しか許されないシチュエーションです(笑)。
大森:そういう気持ちは分かります(笑)。でもフェスSEXはいいよね!
あたそ:いいよね(笑)!?
─ フジロックだとテントもありますね。
大森:うーん…でもテント…テントねぇ…ボコボコですからねぇ。
あたそ:テント…どうするんですかね!? 痛い…。
大森:痛いよね…(笑)。
あたそ:私、テントとか全然分かんないですけど、狭いし。
大森:うん。痛そうって…ハードだな。
あたそ:うん。頑張ってるなって。
─ 努力家だと(笑)。2人とも行為どうこうよりもまず環境を気にするんですね。
大森・あたそ:あははは!!!
─ シチュエーションというか、場が。やはり環境が重要と…勉強になります。一旦その話は置いておいて(苦笑)、あたそさんはフェスデート的なものはどうですか?
あたそ:フェスでデートしたことないんですけど、でもなんか…私たぶん喧嘩しちゃいそうな気がするんですよね?
─ 喧嘩しちゃう? 音楽の嗜好とか?
あたそ:私の酒癖が悪すぎて。
大森:あはははは!
─ 全然音楽関係ない(笑)。
あたそ:そう(笑)。あと、観るものが分かれるときとかってどうするのかなって思います。
大森:そうですよね。普通だいたい分かれますもんね。フジロックとか特に。
あたそ:分かれますよねぇ!
─ 例えば、2人は恋人とフェスに来て観るものが別だったらどうします? 別行動? 一緒に行く?
大森:私はそこまでこだわって観たいものも特にないので全然付いていってOKです。でも疲れたら行かないです。疲れたら休む(笑)。
─ 付いていくとこまでは付いていくよと。
大森:全然大丈夫です。
─ あたそさんはどうします?
あたそ:私、分かれます全然。普通に。「じゃあね!」つって、そういう感じです(笑)。そこまでね、全然合わせません、人に。
─ あとで合流と(笑)。もう言い方がフェスでモテそうな女子と真逆っぽいですね。あたそさんはTwitter上で“非モテ”ツイートされててすごく人気で。
あたそ:あはははは! はい、言われますね(笑)。
─ 最近では恋愛相談のコラムとかやってて悩める女子たちの相談に乗ってますよね。
─ 非モテ代表…タイトルが全人類を代表して…みたいな感じですね…。
大森:恋愛相談コラムやってるんですか(笑)!?
あたそ:めっちゃウケません!!!?
大森:何の…!? 何のせいで…誰のせいでそんなことに(笑)!?
─ まず誰もが疑問に思うのが非モテなのに恋愛相談乗ってるんですよ。あと、相談に乗りながらNow Playingでレディオヘッドの「Creep」聴くのはヤメて。
あたそ:なんかね…恋愛相談コラムの依頼来てすごくビックリしてます。
大森:ヤバいですね(笑)。
美マネ:面白い!
大森:そういえば松居大悟監督(脚本演出家/映画監督/俳優。大森靖子やクリープハイプなどのMVを手がける。大森靖子の楽曲を題材にした映画『ワンダフルワールドエンド』〈2015年〉を制作)も童貞なのに恋愛相談やってたでしょ? 「バカじゃねーの!?」と思ったもん(笑)。
あたそ:だははは! 下から目線で言えることもあるんじゃないかなって感じでやってます(笑)。
フェスに行って出演者のバンドマンにフラれました
─ 大森さんは恋愛相談に乗ったり?
大森:自分のファンクラブイベントとかでは結構やってますよね。恋愛の酷いエピソード訊いて。
あたそ:先日も確か、ファンクラブ限定で。
大森:はい。毎月やってるやつで。でも「これは恋愛っていうか?」みたいなのが来るんです。「それ以前に人として…」みたいなのが来るんで(笑)。普通の恋愛相談は受けたことないかもしれない、ふふふ(笑)。それにしてもフェスデート…想像つかなすぎて分かんないかもしれない。
あたそ:うん…。あ、私、以前とあるフェスに行って出演者のバンドマンにフラれました。
大森:えっ!? フェスで告白したんですか!?
あたそ:告白しました。フラれました。その人は元々親交があって、そこで曖昧にせず「ちゃんとフラれよう!」と思って行ってフラれて帰ってきました。以上です。
─ ある種の決意を持って告白したってことですよね?
あたそ:そうですそうです。住んでる場所も違うし全然会えない人なんで、もうこの日しかないなと思って、言ってフラれて帰ってきました。
大森:“この日に”って。なんか恋って感じで楽しそう…。いいな。
あたそ:っていうことがありましたね~(笑)。
大森:元々関係値があってってことは…ガチフラれなんですね。
あたそ:そうなんですよ…! ガチフラれなんですよ!!!
大森:あたそさんくらいの人気とネームバリューがあれば仕事の関係者とかもイケそうじゃないですか?
あたそ:え!? 関係者は嫌ですよ…。それに人気じゃないですよ全然!
─ いろいろ出会いはありそうな…。
大森:あたそさんがツイートしてくれることで宣伝にもなるんで、そうやって近付いてくる人も絶対にいるはずなんですよ。
あたそ:そういうもんですかね…? でもあんまり分かんないです。そんなに気にしなくて。
─ 大森さん、それ恋愛じゃない。政略的な何かですね。
大森:そこから仲良くなれる人もいるはずなんですよ。お客さんとして好きなバンドマンに告白したら可能性がゼロに近いかもしれないけど、関係者として知り合いになって、関係を築いてから告白した方が可能性が高い。この先は関係者ヅラして行った方がいい。
あたそ:ア、アドバイスきた…っ!!? ありがとうございます(笑)。
─ 大森さんは男にフラれた女友達に対して、どういう言葉をかけたりします?
大森:ウチに飯とか食いにこさせたり(笑)。
あたそ:やーだ! 男前ですね! 手料理振る舞って?
大森:割と手料理やってるんです、これが。
あたそ:ステキー! 何を作ったり?
大森:何作っただろう? ふふふ、普通のご飯ですよ、煮物とかそういう。
あたそ:いいじゃないですか! 落ち着く味! 振る舞われたいです…。あ、でも、失恋は年単位で昔の話なんでもう別に大丈夫です。はい、もう傷は癒えました。もう大丈夫です。
大森:あはははは!
ライヴ観て“カッコいい”みたいなのはない、自分の方がカッコいいと思うから
─ 世間で通説のように言われる「バンドマンはクソ」みたいな感じにはならなかったんですか?
あたそ:あ、でも、その人すごくて。30歳前後、フリーター、実家暮らしでセフレがいるって言われたことがあります。で、酒癖がスゴい悪くて1回裁判沙汰に巻き込まれそうになったりとかって聞きました。
大森:割と典型的なダメバンドマン!
あたそ:そうなんですよ。あ!(手を叩く) その人にできたカノジョもアパレル系らしいって聞いて…「マジかよ!! そこかーーー!!!!!」ってちょっとショック受けましたね。ふははははははは!
大森:うわーーー!!!
─ でも、当時はその人を好きになったんですね。
あたそ:そ~ね~(笑)。やだやだ~!
大森:それってライヴ姿マジックなんですか? それとも知り合いで喋ってて好きになったんですか?
あたそ:話しててです! 全然ライヴは別に…。
大森:ライヴは関係ないんだ!
あたそ:全然関係ないです!
─ 大森さんは同業というかライヴしてる男の人を見て恋心的なものを抱いたりしたことはあったんですか?
大森:そういう姿を見てはほぼないです。ライヴ観て“カッコいい”みたいなのは。
あたそ:3割増しって言いますけど。ね?
大森:自分の方がカッコいいと思うから。
あたそ:あーーーー! やだ!! いいですね~!!!
大森:基本的にアーティストとしての自己評価は超高いんですけど、女性的な自己評価は超低く生きてきてしまったので。そこに関しては自分はA.T.フィールド超超作ってるんです(笑)。昔は「ここのA.T.フィールド壊してきてくれた人、全許容!」みたいなことをしてたら酷い目に遭い続けてきました。
あたそ:(笑)。
大森:「好き」って言われたら「はい、じゃあ分かりました」みたいな、「さよなら」って言われたら「はい、分かりました」みたいな。全部「はい、分かりました」しか言ってないような(笑)。
─ すべてを受け入れてる…。
大森:基本的に恋愛において「はい、分かりました」しか言ってないですね。お金をたくさん払いました…。物販のお金とかいっぱい取られましたね…。(遠い目)
あたそ:お金を…たくさん…払いました…!?
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