• フジロック20th完全勝利宣言!!大森靖子×あたそ フジロック最強ガールズ対談【前編】


    今年20周年のアニバーサリーイヤーを迎え、大きな興奮と歓喜の渦の中でその幕を下ろしたFUJI ROCK FESTIVAL ’16。歴史と記憶に残り続けるであろうその記念すべき年に、RED MARQUEEへの出演を果たしガーリーな甘美さと毒と鋭さと圧倒的な爆発力で会場を沸かせた大森靖子と、Twitterでの音楽&“非モテ”ツイートで絶大な人気を集めFujirock Expressライターとしても活躍する謎多き女“あたそ”によるフジロック・ガールズ対談が実現。2人に出演者・観客側の視点から思い出深い2016年のフジロックを振り返ってもらいつつ、印象に残った出来事、フェスならではの楽しかった体験などを語り合ってもらった。その話は、大森靖子自身のフェスへの向き合い方を紐解くにつれ、“あの”出来事の裏側、その想いへも迫ることになった。さらには、リリースされたばかりのニューシングルから昨今のフェス文化の話題までと話はあらぬ方向へと展開し…!? 他では読めないパワフルな“新世代ガールズ”の邂逅を前・中・後編の3部でお届けする。

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    フジロックは一番ちゃんと音楽自体を聴いてくれている感じがして

    ─ 仮面をつけていて素顔の見えない方がいますが、初顔合わせですかね。

    大森:今日はありがとうございます!
    あたそ:いやいやとんでもない! 何をおっしゃいますか~~全然そんな!!! いやいやいやいや~!

    ─ (笑)。2人はTwitter上で絡んだことはあるんですか?

    大森:絡んだことはないと思います(笑)。
    あたそ:ないですねー!
    大森:ないですよね。一方的に見てます。

    ─ 大森さんはあたそさんの存在を知っていましたか?

    大森:はい、知ってます。見てます、有名じゃないですか。
    あたそ:いや全然全然全然!!! ありがとうございます! やだ~嬉しいです~。共通の知り合いは多いですよね。
    大森:たぶんそうだと思います。
    あたそ:この対談前に大内雷電さん(Ba./夏の魔物/科楽特奏隊/(M)otocompo/ex.大森靖子&THEピンクトカレフ/ex.太平洋不知火楽団)に相談しちゃいました。
    大森:あ! 大内さん知ってるんだね。相談って何でですか!?
    あたそ:「今日大丈夫かな~…」と思って、すごい心配で! こんなよく分かんない、どこの馬の骨か分からないような人間が大丈夫かな…って(苦笑)。
    大森:全然大丈夫ですよ(笑)。うふふふふ、よく喋る。すごい、あのまんま(Twitterでの投稿)のリズムで喋るんですね(笑)。
    あたそ:あはははは! すいません。

    ─ 「!!!!!」の羅列が見えますもんね。

    大森:うん、見える。ほんと(笑)。

    ─ そんなTwitterで大人気のあたそさんですが、“Fujirock Express”というフジロックの速報レポをアップしてるファンサイトがあるんですけど、2014年、大森さんがフジロックに初出演された年に彼女がライターとして参加していて。

    大森:あの、大内くんが写真に出ていたやつですよね。

    大森靖子顔ジャケTで参加 | FUJIROCK EXPRESS '14

    あたそ:ああ! そうだよ!
    大森:まるでファンのように(笑)。「サクラやんけ!」とか思って(笑)。

    ─ 大内さん、普通に1ファンのように取材されてましたね…。その現場にいたあたそさんが先日Twitterでフォロワー数7万人を突破されました。

    大森:ふふふ、すごい、超楽しい。フォロワーがだいたい私と一緒ぐらいいるんです。7~8万とかって絶妙に誰もいないんですよ、私とあたそさんぐらいで。スゴくないですか私たち(笑)。
    あたそ:いないですね、確かに(笑)。

    ─ さらなる上を目指す注目株ですね(笑)。

    大森:そう! 上がってきましょ!
    あたそ:上がっていきましょうよ~。
    大森:あたそさんは上がってドコへ行く? 分からない??
    あたそ:そう!! 行方不明!! 行方不明!!!!

    02-2801─ (笑)。お互い発信力がとてもありますよね。

    大森:あたそさん強いですよね。
    あたそ:いや~ないな~。意味ないですよ~あんなの。
    大森:あはははは!

    ─ ネガティヴ全開(笑)。それでは、まず、今や国内だけでも多くのフェスが乱立する中で、2人が元々フジロックに抱いていたイメージはどんなものでしたか?

    大森:音楽通の人が「楽しいよ」って言ってるんで楽しいんだろうなと。2012年かな? 確かめっちゃ行きたい年があって“フジロック超行きてぇ!”って思ったときがありました(笑)。周りから「絶対行った方がいいよぉ!」みたいなノリですごく誘われて、行きたくなったんですけどチケットが売り切れてて。買えないとめちゃくちゃ行きたくなるじゃないですか? あんまりフェスとか行きたいみたいな気持ちはなかったんですけど、みんな誘ってくるし、もうチケット買えないし「はぁぁぁぁ~行きたい行きたい…」ってすごくなってて。“どうにかして行けないかな”と思ってた(笑)。

    ─ 最初はお客さんとして行ってみたかったと。あたそさんはどうでした?

    あたそ:私はその頃学生だったんです。だからテストとカブってて行けないなぁって。フジロックってなんかもう夏フェスの王者じゃないですか?

    ─ 王者(笑)。

    あたそ:一番有名だし。
    大森:フジヤマですから。
    あたそ:そうですよね(笑)。“いつか行きたいな”とずっと思っていましたね。
    大森:初参加はいつなんですか?
    あたそ:実は、大森さんが初出演された2014年のときなんです。
    大森:そうなんですか! 意外と最近なんですね!

    ─ 大森さんは2014年以前でROOKIE A GO-GOに出ようとされたことはあるんですか?

    大森:ルーキーは出てないんですが、たぶん1回くらいは応募したことはあると思います。
    あたそ:ああ、そうなんですね。

    ─ 2014年のGYPSY AVALONでフジロック初ライヴですね。

    大森靖子 | FUJIROCK EXPRESS '14

    大森:アイドル(コショージメグミ)勝手に出すみたいな(笑)。
    あたそ:うふふふ、面白かったです。

    ─ 炊飯器も登場して。

    大森:そう! ご飯高いじゃないですか。お米炊いてあげようと思って。
    あたそ:お米(笑)。
    大森:美味しい国産の、新潟のお米をと思って(笑)。

    ─ ちゃんと新潟のお米だったんですか(笑)?

    大森:はい。ドン・キホーテ中野店で買った新潟のお米。
    あたそ:ふふふ!!!

    ─ 大森さんはそれまで大小様々なフェスやイベントに出演されてきて、実際フジロックという現場に立ってみていかがでしたか。

    大森:あ、もう、フジロックが一番楽しかったです!
    あたそ:おおう!
    大森:その…最初はフェスにはホントは出たくなかったんですよ。「何で野外でライヴしなきゃいけないんだろ…」ってなんか…(笑)。
    あたそ:あはははは!
    大森:お陽様の下にわざわざ出て? みたいな(笑)。ライヴハウスですら“ハコがウチに来ねーかな?”くらいに思っているのに、あんな陽の当たる場所で恥ずかしいよ~って。しかも私は基本弾き語りだったから、音もバンドに比べれば小ちゃいし。“みんな渋さ知らズとか観ればいいんだよ!”とか思ってて(笑)。踊れるみたいな音楽じゃないし。今もそうですけど、1人で聴き込むみたいなライヴをやっていたから。わざわざフェスに来て“誰が観たいんだろう?”と思って(笑)。
    あたそ:だいぶネガティヴですね(笑)。

    03-0108─ 2014年って大森さんがメジャーデビューした年でもうかなり注目されてて…

    大森:最初は“誰が観たい…?”って思ってました。2012年にも夏の魔物に出たりしてたんですが、本格的に大きなフェスに出始めたのが2014年頃で。その年に最初に出たフェスがARABAKI ROCK FESTだったんです。その出演時間が21時40分~22時20分までで、前の年に騒音問題があったらしくて「22時からはドラムの音出さないでください」って言われて(笑)。でも、カーネーションとのコラボ(カーネーション×大森靖子×田辺秀伸)で出るってことになってるから“ドラムの音を出さない…とは…?”と思って。
    あたそ:(笑)。
    大森:「ああ、どうしよう? やっぱり私が売れてないからこんなことになるのかな?」ってもうどんどんそういう方向になっていっちゃって「ああ…」みたいな(笑)。それにキャンプしてる人だけが観られるステージみたいな所だったんで、それも「ああ、私がやっぱり売れてないから…」みたいな。

    ─ 最初からそこまで自分を追い込む(笑)。

    大森:自分だけのステージだったら全然人数少なくてもいいんですけど、そのときはバンドメンバーがいるので。他のメンバーはいつもたくさんのお客さんの前でやってる人たちなので申し訳なくなっちゃって。「人集められないから申し訳ないな~」ってなっちゃって。結構それがハシりになり「とにかく人を集めなければならない!」みたいな、もう意地みたいなものがスゴく生まれて。
    あたそ:おおお。
    大森:とにかく「話題になって人を集めてやる!」みたいな。その次が北海道のJOIN ALIVEだったんです。めちゃめちゃいいライヴできたんですけど、人が少なくて。当時一番人気急上昇中だったKANA-BOONとカブってたんです(笑)。みんなスイカのタオルかぶってて「うわー人気だ! すごい! KANA-BOON人気だ!」って。
    あたそ:あはははは! 分かる(笑)! スイカ!

    ─ 最初の頃のフェス体験としてはちょっと悔しい経験があったんですね。

    大森:はい。なので、とにかくもう意地でも人を集めることを何かしらやらなきゃいけないっていう感じになっていっちゃって。しかも、ほんとはフェスに出たくないのに出るからには…みたいな気持ちが「どうせ出るんだったら観てもらわないと」みたいな、“もったいない症候群”のような感じでどんどん暴走していく(笑)。

    ─ 暴走していく(笑)。それは、普段の大森さんのライヴとフェスではちょっとモードが違うということですか?

    大森:そうですね。やっぱり「この人たち全員、このフェスを喰う!」ってつもりでやっているんで違いますね。初出演のフジロックが夏の魔物の後だったんですよ。もう帰ってすぐぐらいのスケジュールで。夏の魔物が一連の流れで話題になっちゃったので、私…。
    あたそ:ああああー!
    大森:“失った何かを取り戻さなければ!”と思って(笑)。
    あたそ:アレがその年だったんですね!
    大森:はい(笑)。とにかく「いろいろするぞ!」っていうのと「フジロックで一番になろう」っていうのを心がけてやりました。そんな中でも、フジロックは一番ちゃんと音楽自体を聴いてくれている感じがして。そう、フジロックと、もう1つはTOKYO IDOL FESTIVAL(TIF)でしたね。自分の思う“音楽を聴く”というのをちゃんとやってくれているって感じたのが。他のフェスは“フェスを楽しんでる”っていう印象です。

    TOKYO IDOL FESTIVAL 2013 大森靖子 @Zepp Tokyo

    ─ なるほど。フジロックもTIFもお客さんがフェスをワイワイ楽しんでるという雰囲気はありますけど、実際ステージに向かうとその印象とは…

    大森:違いましたね。お客さんがその音楽に合わせて自分の踊りたいように踊っている…っていうか、自分の踊りをちゃんと踊っている感じがして。他は形式があるというか、フェスのノリが“こうやってやる”みたいなのを楽しみに来てるっていう感じがあります。
    あたそ:なるほどなぁ。
    大森:TIFはコールとかがあるように思えて意外にそこまでではなくて。アイドルのファンって…あの方たちはアイドルが歌っていれば何でも聴いてくれるので。
    あたそ:あはははは!
    大森:だから、意外とアイドルファンの方は音楽的な幅はめちゃめちゃ広いんですよ。私が弾き語りで出て行ったときに「これは静かにすることが一番盛り上がるんだ」ってスッと感じて黙っていてくれている“盛り上がり”みたいなのをすごく感じて。「あ、この人たちすごい!」と思いました。

    ─ もう適応能力が(笑)。反応スピードもすごい。

    大森:そうそう(笑)! そのやりとりのスピード感みたいなのを感じれたのがやっぱりフジロックとTIFだったんですね。だから“好き”って思いました、フジロック出て。

    ─ あたそさんはいろんなフェスを観られてるんですか?

    04-0112あたそ:そうですね。SUMMER SONICとかROCK IN JAPAN FESTIVALも行きましたし。あと私、ハードコアがすごく好きで、福島の方にオノフェスっていうすっごい小ちゃいフェスがあって行きました。公園で観客が100人ぐらいしかいないダラッダラのフェス(笑)。
    大森:たまにそういうフェスありますよね(笑)。「フェスだろうか…?」みたいな。
    あたそ:「ビアガーデンで演奏されてる…?」みたいな。ありますよね。そういうのとか行きますね!
    大森:でも、ああいうのは変な熱気みたいなものが生まれるんですよね。集まってくる人も含め、その土地のノリみたいなものが色濃いから。それが結構面白かったりしますね。

    ─ むしろ連帯感があったり。あたそさんはフジロックと他のフェスの違い、観客側から観て何か感じるものはありますか?

    あたそ:フジロックは…まぁ普通にハードですよね、やっぱり。アウトドア感が強いっていうのと、自由度が一番高い気がします。他のフェスだと“これがダメ”とか“アレがダメ”とか注意項目が多いし。あと、大森さんも先ほどおっしゃってましたけど、楽しみ方っていうのが結構決まってるっていうか。なんか3パターンくらいしかないような感じがするんですけど、フジロックは奥に行けばいろんなことができたりとか楽しみ方っていうのが決まってなくて、ほんとに自分の工夫や決め方次第でいろんなことができるなっていうのは感じてました。川もそうですしバーべキューするとことかあるし、あとポールダンスもね、ありますよね(笑)。

    奥地で繰り広げられる魅惑のショー・タイム | FUJIROCK EXPRESS '16

    ─ 大森さんは2014年の出演後はフジロックの会場を観られたんですか?

    大森:それが2014年も今年も全然観てないんです…。あのときもすごく忙しかったよね?
    マネージャー(美マネ):そうですね、メジャーデビューしてスケジュールがかなりカツカツだったりして。
    大森:「次の日の移動どうしよう…」みたいな状況だった。「どうやったらここに行けるの?」みたいな。

    ─ “ヘリ飛ばすか”みたいな話になってたということですね(笑)。自分が出ているフェス自体はあまり観られないことが多いんですか?

    大森:そうですね。あんまり時間的にもそこまで余裕はないですね。自分のステージをどう使うかで下見もかねて観てたりとかはありますけど。どうしても気になる人とかだけは頑張って…って感じですね。逆に、妊娠中は友達が出ているフェスに行ったりとかしてゆっくり観られました。

    ─ なるほど。もしかしたら今年念願のフジロック初出演を果たしたMOROHAのライヴを大森さん観たのかなぁってちょっと思ってたんですけど。

    大森:そう、観れなかった。すごく近しいところにいるんですけど、MOROHAのライヴ自体1回くらいしか観たことないんです。でも私、MOROHA結構好きで、彼らっぽい曲作ろうと思って「Over The Party」って曲作ったりとか。
    あたそ:そうなんですね!

    ─ 「Over The Party」のそんな制作秘話が!

    大森:うふふふ。MOROHAと話したのも1回くらいかな? 私、人と喋るまで3年くらいかかるタイプなんで(笑)。弾き語りで1人で閉ざして入っていくんで。最近は向こうから挨拶してくれたりするんで、そんなことないんですけど(笑)。
    あたそ:あははは!
    大森:もうだって最初はみんな塊で、仲間がいて、バンドメンバーがいてとかじゃないですか? 私、弾き語りだし、だいたい3時間とか4時間とかライヴ時間まで1人なんですよ。

    ─ 高円寺の無力無善寺でライヴしていた頃や、映画『サマーセール』(2012年/監督・岩淵弘樹/音楽×映画をテーマにした映画祭“MOOSIC LAB”での主演作品)のイベントなどの頃もストイックな印象がありました。

    大森:ストイックというか、私は私でみんなを怖がってたんですけど、弾き語りで大きい音出してる私のライヴの感じを見たらもう完全に怖い人だと思われてました。人とこんな風に喋ったりする機会もなかったし、キャラも分かられてない状態でライヴはあの怖さなんで、たぶん(笑)。
    あたそ:怖さっていうか、大きな音ですよね(笑)。確かに1人だと「1人でいたい人なのかな?」とか「ライヴ前に集中する人なんだ」みたいに思われてそうですよね。
    大森:そう。でも私はライヴ前、10秒前くらいまで全然他のことしてるんで。集中とかいらない。サーッって出ていける(笑)。

    ─ それもすごい(笑)。あたそさんは今日実際お会いしたわけですが、大森さんに対する元々のイメージはどんな感じでしたか?

    あたそ:結構難しい人かなと思ってて(笑)。
    大森:へ!? そうですか!? 最近もですか!?
    あたそ:思ってましたよー!!
    大森:うそー!! え、もう難しい人のイメージ消えてると思ってた(笑)!
    あたそ:えへへへへ! でも、すごく気さくに話してくれるし、印象がすごく変わりました。なんか嬉しいです。
    大森:あははは! マジか! まだだった…頑張ろっ(笑)。
    あたそ:あと“小ちゃい!”と思いました。
    大森:それ、めっちゃ言われます! 「YouTubeより小ちゃいです!」ってよく言われる(笑)。“YouTubeより小さいとは!?”と思います。「画面自体小ちゃいですよね!?」って(笑)。

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