• 【フェスごはん】場外エリアの新名所!?立ち呑みのカドヤ本店に行ってきました


    今年の場外エリアに突如登場した立ち呑み屋「カドヤ」。キャンプサイトへの帰り道、赤ちょうちんの灯りと焼き鳥の煙に誘われ一杯だけ…、なんて前夜祭から常連になってしまった人もいたのでは? “三度の飯より飯が好き”のフェスごはんチームもそのひとり。フジロックが終わってからというもの、カドヤのあの雰囲気を思い出しては恋しくてたまらず、カドヤ本店のある京都まで取材をしてきました。

    そのカドヤを切り盛りしているのが「むちゃくちゃなんだけどついていきたくなる」とスタッフが語ってしまうほどの名物店主・上村愛一朗さん。フジロックへの想い、京都にある本店のこと、早くも来年の展望など、カドヤ、そして店主の魅力がたっぷり詰まったインタビューとなりました。そして記事の後半には嬉しいお誘いもあるのでお見逃しなく!

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    カドヤのせいで帰れない寝られない

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    ─フジロックおつかれさまでした。フジ史上初の“立ち呑み”スタイルが好評だったように思います。初出店だった昨年は、通常のお店と同じようなテントでの出店でしたが、なぜ今回から立ち呑みに?

    愛一朗:実は昨年の時点でカドヤ本店と同じように、立ち呑み屋で出店したいと申し込んでいたんです。けれども初年度は出店管理の方から様子を見させてほしいと要望があり、通常のテントの形式で出店しました。

    ─以前、出店管理の方に話を伺ったとき、立ち呑みだとお客さんの回転率が悪く赤字になるのでは…、という心配をされていました。けれども蓋を開けてれば大成功!と言ってよい結果だったのではないでしょうか。

    昨年のカドヤ出店時の様子。通常のテント形式の出店だった。

    昨年のカドヤ出店時の様子。
    通常のテント形式の出店だった。

    愛一朗:そうですね。お客さんの反応もすごく良かったです。赤提灯の人を吸い寄せる力はすごい!やっぱり立ち呑み形式の屋台とテントだと全然雰囲気が違いますよね。ここまで自分たちがやりたいことをやらせてくれるイベントやフェスはそうそうないので、本当にありがたいです。

    出店管理の方がおっしゃるとおり、回転率も心配していたのですが、みなさん順番に頼んでくれましたし、テイクアウト用の列も作ったので特に問題はなかったです。あと、建物に窓を作ったのですが、そこからオーダーしてくれる人もいました。フジロック期間中の常連さんもできて、朝会場に向かう前に来て、キャンプサイトや宿に帰るときも寄ってくれたりして。それがすごく嬉しかったですね。

    フジロックのカドヤ横丁内に作られた窓。ここから注文することも可能だ。

    フジロックのカドヤ横丁内に作られた窓。
    ここから注文することも可能だ。

    ─今年は場外の雰囲気や人の流れが変わったように感じました。以前はパレスで少し遊んでそのまま宿やテントへ帰っていましたが、場外に立ち呑みができたおかげでもう一杯呑んでからっていう人が多かったと思います。

    愛一朗:フジロックのお客さんはお酒が好きな人が多いですよね。昨年は場外自体は夜中は静まっていたのですが、今年は全体的ににぎやかで楽しかったです。24時間営業しているものだから朝方の5時6時が1番ひどいことになっていました。帰れないし寝られなくてふらふらになる人もいて…。「カドヤのせいで」って今年何度もいわれました(笑)。

    広々とした立ち飲みスペース。フジロックの苗場支店は京都本店の3倍ぐらいの大きさがある。

    広々とした立ち飲みスペース。
    フジロックの苗場支店は京都本店の3倍ぐらいの大きさがある。

    ─ダメな酔っ払い(褒め言葉)が集まっていますね。カドヤは場外の新たな名所になるのではと思っています。

    愛一朗:こうやって人が集まって、カドヤに来ている人同士が仲良くなっているのが嬉しいです。フジロックに行っているというだけで共通意識が生まれるし、それで酔っ払いってなると大抵友達になってしまう。で、次の日一緒にどこか行ったりとか。あとフジロック開催前にオルグの記事(「第一条件は“フジロック愛”、フェスごはん出店管理本部の村田さんにインタビュー」)に越後湯沢駅から苗場まで走ったことが書かれていて、お客さんから「マラソンマンって誰ですか~?」ってよく聞かれましたね(笑)。

    出店準備は木を切るところから始めます

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    ─4日間、96時間ぶっ続けでの営業でしたが、場内に入ったり、ほかのお店のものを食べる余裕ってありました?

    7月20日(月)京都出発。カドヤ横丁の資材が山のように積まれたトラック。

    7月20日(月)京都出発。
    カドヤ横丁の資材が山のように積まれたトラック。

    愛一朗:場内に入る余裕はなかったですね…。でも隣のホットドッグとうみのさんは食べたのですが、両方ともすごく美味しかったです。フジロックが終わってから東京に行く機会があって、うみのの本店にも行ってきたんですよ。

    ─今年の場外は特にいい店が揃っていて、左からカドヤ、schmatz、うみのがあって、フェスごはんランキングの上位にはいった店が並んでいました。開催期間中ちゃんと休めましたか?

    愛一朗:僕は基本的にずっとお店で焼き鳥を焼いていました。いないときは寝てるとき…という感じで(笑)。ほかのスタッフはキャンプサイトで寝たのですが、僕は1日1時間ぐらいしか休憩がとれなかったのでお店の裏で寝ていました。けれど、気持ちが上がっているので不思議と大丈夫でした。

    1,000個もの燻製卵を燻している様子。

    1,000個もの燻製卵を燻している様子。

    ─めちゃくちゃタフですね…。設営もほかのお店よりも大変そうでしたが、いつから苗場入りしたのですか。

    愛一朗:月曜日に苗場に着いたのですが、水曜日の夜に完成してかなりギリギリでした。建物は1週間かけて京都で作ったのをパーツごとにバラして、2トントラックで運んで、現地でそれを組めばいいという感じにしました。フジロックのあとに、ほかのイベントに何度か出店したのですが、組み立ても結構早くなって、今では1日でできるようになりました。ただ、イベントにあわせて作りを変えているので、出店準備は木を切るところから始めるんですよ。

    前夜祭3日前となる7月21日(月)の場外エリア。何もない状態からの設営がはじまる。

    前夜祭3日前となる7月21日(月)の場外エリア。
    何もない状態からの設営がはじまる。

    ─3日前に会場入りする出店者はカドヤか場内の石釜ピザ屋ぐらいだと聞いたことがあります。仕込みはどれぐらいの量を何日ぐらいかけて作ったのですか?

    愛一朗:焼き鳥は1万2,000本ぐらい…。卵は1,000個ぐらいですね。生卵からゆでて、タレにつけてそのあと燻製にして作るんです。焼き鳥は7月にはいってから、少しずつ作って冷凍したのですが、そのほかは3日ぐらいかけて仕込みました。

    また来年もいろいろ改良したい。同じものをだすのがイヤなんです

    京都のカドヤ本店。住宅街ではあるが隣はゲストハウス、近くに船岡温泉もあり京都観光の拠点におススメ。

    京都のカドヤ本店。住宅街ではあるが隣はゲストハウス、近くに船岡温泉もあり京都観光の拠点におススメ。

     

    ─フジロックでは24時間営業の立ち呑み屋として出店していましたが、普段はどんな形でお店をだしているのでしょうか。

    愛一朗:今年の4月まで夜に立ち呑み屋として営業していたのですが、今はちょっと営業形態を変えて昼にたこやき屋をやっています。たまにイベント的に夜営業をしているのですが、今後、夜の営業はもう少し広い場所に移転しようかなぁと考えています。今は立ち呑み仕様ですが、昼間はカウンターをとっぱらって、いすとテーブルが置けるような作りになっていて、近所の子供たちもよく食べにきますし、駄菓子も売ってますよ。

    ─店内構成が自由自在に変えられるんですね。フジロックでも、建物に窓がついていたり本格的な作りでした。どうやってその技術を習得したのでしょうか。

    インタビューを受ける愛一郎さん。

    インタビューを受ける愛一郎さん。

    愛一朗:「月光荘」という京都、那覇にあるゲストハウスで働いていたんです。そこでは自分たちで家を作るったり修理するのですが、那覇で働いたときにほぼ全部イチから作ったんです。ちなみに京都店はこのお店の隣なんですよ。あとは昔大工の手伝いをやっていたこともあって、そういうところから学びました。自分たちで作ると自由に店が変更できるそれが面白いですね。

    ─フジロックのときの店内の絵はどなたが描いたのですか?

    愛一朗:このお店の壁面の絵や看板を手がけた友人が描いてくれました。どのような絵にするか二人で相談して決めたのですが、壁があってそこでストップというようにならないようにしたいねと話していて、横丁のように奥に続くような絵にしました。来年は、看板やドアなどの建具をつけて、もっと雰囲気を出したいですね。

    カドヤ苗場支店の壁画。奥までずっとお店が続くような横丁をイメージして描かれた。

    カドヤ苗場支店の壁画。奥までずっとお店が続くような横丁をイメージして描かれた。

    ─設営がさらに大変に…(笑)。フジロックのときにあるスタッフさんが愛一郎さんのことを「むちゃくちゃなんだけどついていきたくなる」とおっしゃっていたのですが、その気持ちがわかる気がします。そのほか来年の構想などはありますか?

    愛一朗:また来年もいろいろ改良してやっていきたいですね。同じものをだすのがイヤなんです。やりたいことはいっぱいあるんですけど、例えば出店枠をもうひとつ借りて、路地とか作ったら面白いですよね。細かい装飾など、もっと作り込んでいきたいです。

    ─フジロック自体も毎年新しいステージ作ったり、お客さんを驚かせたり楽しませることに重点を置いているところがあって、そういう面で通じる部分があるなと。フジロックのお客さんはお店によく来ますか?

    愛一朗:ちょこちょこ来てくれますね。この間のイベントのときも来てくれて嬉しかったです。フジロックよりも焼き鳥の種類が全然多いので、ぜひ本店に食べにきてほしいですよね。うちはレバーが評判がよくて、できることなら内臓系の串もフジロックに出したいのですが、その日に捌かないといいものは出せないんですよ。

    取材日は運よく立ち呑みデーで焼き鳥を食べることができた。珍しい部位も用意されており特に松葉が美味しかった。

    取材日は運よく立ち呑みデーで焼き鳥を食べることができた。珍しい部位も用意されており特に松葉が美味しかった。

    ─カドヤが関西フジロッカーズの聖地のような場所になったらいいですね。ゲストハウスもすぐ隣なので、首都圏の人も観光ついでに寄るのもいいと思います。

    愛一朗:すぐ近くに船岡温泉という銭湯があるんですが、そこが文化遺産になっていてすごく有名で、関西の銭湯ランキングの1位らしいんですよ。そこに行くついでに…って考えてくれれば。

    ─憧れのカドヤ本店に行き、船岡温泉に入って、月光荘で寝るってコースはたまりませんね。最後にフジロッカーのみなさんにメッセージをお願いします。

    愛一朗:今年来てくれたお客さんが喜んでくれて、本当に嬉しかったし感謝しています。来年はもっと面白いことをするので楽しみにしていてください!

    取材・文:菊入加奈子
    撮影:名塚麻貴

    kadoya0305カドヤ
    住所:京都府京都市北区紫野南舟岡町73-18
    アクセス:地下鉄烏丸線 鞍馬口駅よりタクシーで5分
         京都市バス 建勲神社前バス停前より徒歩5分
    電話:090-5294-4378
    https://www.facebook.com/kadoya.tachinomi
    https://twitter.com/kyotokadoya


    「フジロック忘年会@京都カドヤ」開催のお知らせ

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    呑兵衛フジロッカーズのみなさま、早速京都のカドヤ本店に行きたくなってしまったのではないでしょうか。そこで嬉しいお誘いがございます!「フジロック忘年会@京都カドヤ」が開催されることが決定しました。朝まで呑むもよし!月光荘に泊まるもよし!船岡温泉でひとっ風呂も浴びれます。何も心配することはございません。関西の方はもちろん、首都圏のみなさまもぜひご参加くださいませ。思いっきり呑んだくれましょう。

    日時:2014年12月13日(土)19:00~
    参加費:4000円(予定)※現在詳細調整中
    会場:カドヤ別館・カルチェラタン(京都府 京都市北区紫野北舟岡町13-30
    ハッシュタグ:#frfbounenkai

    「フジロック忘年会@京都カドヤ」詳細ページ:
    https://atnd.org/events/59004

    ※詳細は随時上記のページにてアップされます。こまめにご確認を!

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