• 15周年に向けて。朝霧JAMを継承するのはあなた


    ライヴ以外にもある朝霧JAMの楽しみ方

    昨年同様、オートキャンプが可能な「ふもとっぱら」では、フジロックでもお馴染みのキャンドル装飾がつくり出す幻想的な空間のもとで、アーティストの演奏がなくても朝霧JAMを満喫した人がいたことも忘れてはいけません。フェスティバルといえば大きいステージでのライヴについつい目が行きがちですが、朝霧JAMはライヴを一本も観なくても楽しめます。キャンプ、ご飯、富士山、仲間との語らい…。むしろ観ない方が朝霧JAMらしさを味わえたりするのかもしれません(今回、マグとオルグではライヴ以外の朝霧ジャムの醍醐味をまとめております)

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    朝霧といえばキャンプ料理!という人も多いかと思います。あちらこちらのテントで丹誠込められたキャンプ飯がつくられており、会場の奥に進めば進むほど、美味しそうな匂いがするのはみなさんもご存知ですよね。でも、実際のところ近隣の住人さんたちがどんな料理をつくっているのかはわからなかったりします…。そんな、みなさんの知りたいけれどわからなかった朝霧JAMのキャンプ飯事情を調べてきました。


    朝霧高原にたくさんの笑顔の花が咲く

    アーティスト、ご飯ときたら…次は朝霧JAMの主役であるお客さんです。今年もたくさんの笑顔が朝霧JAMに彩りを与えてくれました。取材させていただいた方のなかで一番印象に残っているのは、会場の最奥地にあるCARNIVAL STARで会った68歳のおばあちゃん。地元の方かと思いきや、なんと名古屋からやってきたそうです。朝霧の雰囲気に魅了され、今や家族の恒例行事になっており、今年で三回目とのこと。CARNIVAL STARでおばあちゃんが自分の孫と遊具で遊んでいる姿は、見ているこちらがあたたかな気持ちになりました。そして、それは朝霧JAMが文化として幅広い年齢層に受け入れられているということを実感する瞬間でもありました。

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    同じく、CARNIVAL STARで開催初年度から朝霧JAMをつくり上げてきた装飾スタッフの方にも、お話を聞くことができました。子どもたちが遊べる遊具や朝と夜で別の表情をみせる装飾など、ひとつの集落が突然現れたかのようなCARNIVAL STARですが、ここを制作しているのはフジロックでもみなさんが必ず写真を撮るであろう、あの入場ゲートをつくっているスタッフなのです。

    スタッフの方がおっしゃっていたのは「朝霧JAMがフジロック同様、日本のなかでひとつの文化として定着したことがとても嬉しい」ということでした。今年で14年目を迎える朝霧JAMですが、スタッフの方も14年の間にいろいろな出来事があったそうです(結婚、子どもが生まれたこと、仲間との別れなど…)。それでもここまで続けてこられたのは、長い年月を経ても朝霧JAMには開催初年度と変わらない、もっと言ってしまえば第一回フジロックと同じ精神がちゃんと息づいているから。そして、それを次の世代にしっかりと繋げていって、何年も、何十年も、続いていくフェスティバルにしていきたいという素敵な夢を語ってくださいました。

    taio006日本では音楽フェスティバルというとアーティストのライヴが複数のステージで行なわれることと認識されがちですが、本来のフェスティバルというものは「祭」であり、音楽は「祭」を盛り上げるための一要素でしかありません。グラストンバリー・フェスティバルをはじめとする世界最大規模のフェスティバルでは会場に映画館やサーカス場、スケートボード場、カジノ、結婚式場…となんでもあります(逆の言い方をすれば、ないものがないのです)。それが良いとか悪いとかではなく、ただ、ライヴを観るためだけにフェスティバルに行く訳ではないのです。もちろん、朝霧JAMやフジロックに集まる多くのお客さんは音楽が大好きですから、ラインナップで行くか行かないかを判断するかもしれません。ですが、 朝霧JAMが独特な雰囲気を持つのは、お客さんも出演者も主催者も「ライヴ、ライヴ、ライヴ」していないからではないでしょうか(チケットがラインナップ発表前に売り切れることからもそれはわかりますよね)。ここに再び戻ってきたい、来年もまた来ようと思うのは、世界広しと言えども朝霧にしか醸し出せない空気に私たちが魅了されているからこそ。

    
今年も開催県内や首都圏などから集まった1万人以上の方がそれぞれの朝霧JAMを過ごし、心をリフレッシュさせ、また明日からの毎日を頑張ろうというエネルギーをたっぷりと充電しました。この朝霧で感じたこと、知ったこと、経験したことを普段の生活のなかで生かしていくことで、日本のフェスティバル文化というものが地道ではありながらもしっかりと継承されていくのだと思います。お客さんひとりひとりが朝霧JAMというフェスティバルを継承している当事者なのです。

    さあ、来年はいよいよ15周年という節目の年を迎える朝霧JAM。来年はどんなキャンプ飯をつくりましょうか?誰と行きましょうか?どんなアーティストのライヴが観られるのでしょうか?想像するだけでワクワクしてきませんか?

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    Smashing Mag 取材チーム
    森リョータ、西野太生輝、鈴木悠太郎、宮腰まみこ、小西泰央、アリモトシンヤ、三浦孝文、山本希海、東いずみ

    フジロッカーズ・オルグ 取材チーム
    森空、佐俣美幸、菊入加奈子、小川泰明


    写真(上から):アリモトシンヤ、小西泰央 二ページ目 菊入加奈子、アリモトシンヤ、小西泰央、鈴木悠太郎/文:小川泰明

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