• Why BoardWalkCamp? ぼくらがボードウォークキャンプに行く理由


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    フジロッカーズオルグのSNSをフォローしてくれている方は定期的に見聞きするであろう「ボードウォークキャンプ」というイベントについて、みなさんはどれくらいご存知でしょうか。

    フジロックの森を繋いでいくボードウォーク。フジロックの森プロジェクトを中心に、地元の方々とボランティア参加者による修繕を繰り返しながら作られている。

    フジロックの森を繋いでいくボードウォーク。フジロックの森プロジェクトを中心に、地元の方々とボランティア参加者による修繕を繰り返しながら作られている。

    フジロックの森の、あのボードウォークを修繕する活動に参加しながらキャンプするやつでしょ?くらいな感じで横目に見てくれている方も多いと思います。その通り、ボードウォークキャンプ(以下BWC)は自然を慈しみながらフジロック会場の一部を作り上げることに参加できる、とても清々しいイベントです。

    5/20~21に開催された第72回の今回は過去最高の140人超が参加。恒例の記念撮影。

    5/20~21に開催された第72回の今回は過去最高の140人超が参加。恒例の記念撮影。

    なんだかとってもクリーンなイベントですね、もしかして意識が高そうな人が行くやつ?なんて思ったあなたに筆者はちょっとだけご紹介したいのです。「楽しいこととおいしいものとおトクなことが何より大好き!」といういやしい気持ちにまみれて生きている私のような人間が、何度も行きたくなるその理由を。5月に行われた第27回も大満喫してきたので、その時の様子を交えつつほんのちょっとその魅力をおすそ分けしたいと思います。

    自由なキャンプ。連泊できてしかもタダ!

    オアシスエリアの好きな場所にテントが建てられる。

    オアシスエリアの好きな場所にテントが建てられる。

    まずは何はともあれこれにつきます。昨今のアウトドアブームによってキャンプの敷居もちょっと高くなったというか、予約を取るのが大変だったり、費用も結構かさんだり、滞在中はキャンプ場の決めたルールでガチガチに縛られたり…ということが少なくなくなりました。頑張って予約を取った人気キャンプ場に行ってみたら辟易した…という経験が筆者にもあります。それに相反するのがBWC。申し込みこそ必要ですが、何ヶ月も前から予約する争奪戦はないし、決められた区画もない。金曜夕方から日曜の昼まで最大2日半ほど滞在できて費用は無料。そして(節度は必要ですが)音出し禁止ルールや就寝時間の強制なんてもちろんなし!

    テント間はゆったりしているし、設備が最低限で灯りが少ないから、星も綺麗に見える。

    テント間はゆったりしているし、設備が最低限で灯りが少ないから、星も綺麗に見える。

    フェス参加を発端に、気付けばゆるっと十数年くらいキャンプ歴のある筆者基準で、これらが叶うキャンプ場ってけっこうレアかなと思います。そんなわけで、自由度の高いキャンプをしたい人にはとてもおすすめ。商業的なキャンプ場ではないので炊事場も無く、トイレなども最低限なので、慣れない方には不便なところがあるかもしれませんが、その代償に味わえる自由さを楽しみながら、関係者さんたちの焚火トークに混ざって貴重な話を聞いたり、フジロック友達ができたり、なんていう体験もできるかもしれません。

    苗場食堂前では地元の方やスタッフさんが集まって飲んでいることが多いので、思い切って参加してみると面白い話が聞けるかも。

    苗場食堂前では地元の方やスタッフさんが集まって飲んでいることが多いので、思い切って参加してみると面白い話が聞けるかも。

    いつもと違うフジロックの会場の景色に興奮

    グリーンステージ後方の景色。

    グリーンステージ後方の景色。

    取材やキャンプで何度もフジロック期間中以外の苗場を訪れていても、毎度新鮮に感動してしまう、ステージもお店もない会場の景色。BWCは春先や紅葉の時期など年に4回ほど開催されていますが、いつ来ても魅力的な表情を見せてくれます。5月の今回は天気も良く、新緑まっさかり。どこもかしこもこれでもかと青々していて「グリーンステージもキッズランドも何もないと意外と狭いんだなあ。」なんて思いながら散歩するのがなんと気持ちいいことか。

    ホワイトでアレがはじまっちゃう~といつも小走りで通り抜けている道。

    ホワイトでアレがはじまっちゃう~といつも小走りで通り抜けている道。

    普段は人通りが激しくて横目に見るだけの、グリーン〜キッズランド間の道にある、野性味あるゴンちゃん群と写真を撮ったり、そんなことをしながらフジロックに思いを馳せてワクワクする時間は、当たり前だけど会期中は味わうことが出来ないとっておきの時間です。

    密なゴンちゃんスポットではしゃぐ大きいおともだち。

    密なゴンちゃんスポットではしゃぐ大きいおともだち。

    そして、ところ天国の川に辿り着いたら、ついついいつも通りに靴を脱ぎ始めてしまう衝動に共感してほしいのです。

    即席ゴンちゃん

    即席ゴンちゃん

    運動不足解消&フジ本番前の体ならしにもってこい

    新しい板を張っているところ。ところでこのつなぎ再販してほしい。

    新しい板を張っているところ。ところでこのつなぎ再販してほしい。

    散歩して楽しんだのは束の間、BWC参加の最大の意義であるボードウォーク修繕作業はなかなかの重労働でもあります。ここでとっても現実的な話をしていきますが、このときは5月、フジロックまであと2ヶ月もない段階。「フジロックまでに◯kg痩せる!」とか、「フジロックまでに腹筋割ってやるんだから!!」とかいう宣言が、この界隈のそこらじゅうから聞こえている時期です。筆者もまさに年末年始を経て戻らなくなったゆるふわボディにカツを入れている真っ最中だったりしますが、そんなときこそBWC!(某エステみたいなひびき。)

    廃材運搬リレーの図。

    廃材運搬リレーの図。

    主に行われるのは、古くなったボードウォークの廃材を運び、板に残っている釘を抜く処理作業。タイミングによっては新しい板を設置することもあります。それぞれが適材適所で動ける配慮もあるので、ハードワークばかりではありませんが、ごっつい板を担いで何往復もするのはかなりキツいし、現場間をちょこちょこ移動しているだけでもあっという間に日常生活では稼げない運動量になっていたりします。

    切られた丸太をみんなで動かす男性陣。苗場の御柱祭と呼びたい。

    切られた丸太をみんなで動かす男性陣。苗場の御柱祭と呼びたい。

    子供たちや力仕事が難しい人には、廃材に残った釘をバールのようなもので抜く作業を任されることが多いのですが、これもなかなか力とコツがいります。

    軍手はマスト、服はつなぎがベスト。お手本のようなスタイルで頑張っていてかわいい。

    軍手はマスト、服はつなぎがベスト。お手本のようなスタイルで頑張っていてかわいい。

    ちょっと地味な作業に没頭してスポッと抜けたときの爽快な感じ、運動不足解消とともにストレス解消もできている自分がいました。

    マイ工具を持った猛者があらわれた!

    マイ工具を持った猛者があらわれた!

    苦戦しているとどこからともなく手を貸してくれる猛者がやってきたりするのもフジロックっぽくていいなあと感じる瞬間。

    「自分のことは自分で」「助け合い・譲り合い」「自然を敬う」というフジロックの三原則を感じる場面が多々ある。

    「自分のことは自分で」「助け合い・譲り合い」「自然を敬う」というフジロックの三原則を感じる場面が多々ある。

    そもそもフジロックって、砂嵐舞う灼熱の下や、笑えないレベルの暴風雨の中、あっちこっちのステージを行ったり来たりして、ざらに1日30000歩は歩いていたりするスーパーハードモードな催しなわけで。十数年足を運んで慣れてはいても、行く前の体力的な気がかりは年々大きくなるわけで。冗談抜きで体作りは超重要項目です。そんななか事前に会場を練り歩ける機会は体ならしにもってこい。体力がもつかちょっと怖い中年の仲間たちや初参加で不安な人にとって絶好のトレーニングイベントとも言えるのがBWCなのです。

    新しいボードウォークの香りが清々しすぎて、この香りのお香が販売されたら即買う。

    新しいボードウォークの香りが清々しすぎて、この香りのお香が販売されたら即買う。

    ひとしきり汗をかいた後に歩く、張りたてのボードウォークの特別感は最高ですよ。

    おいしいごはんと温泉がふるまわれて、タダっていうかもはやプラス

    本番中には絶対見られない閑散とした苗場食堂。

    本番中には絶対見られない閑散とした苗場食堂。

    そしてせっかく消費したカロリーは、振る舞われるお昼ごはんですぐに補っていきましょう。地元の食材を使った苗場食堂番外編スペシャルメニューともいえるヘルシーなごはんたちを目の前にすると、普段糖質オフしてることとかは完全に記憶から消して「ごはんちょっと多めでお願いします!!」と口走っている自分がいます。いいの、運動したから。

    今年もとろろめし食べるの楽しみだなあ。

    今年もとろろめし食べるの楽しみだなあ。

    山菜をふんだんに使った炊き込みごはんとお漬物とけんちん汁のセットは定番で、BWCの労働とセットでしか味わえない特別な美味さがあります。地の味、自然の風味をもってして、人の手で丁寧に作られたごはんは、何度いただいても身に染みる味でほっこりするんですよね。

    ほっとするごはんオブザイヤーをあげたい。

    ほっとするごはんオブザイヤーをあげたい。

    午後の作業がなく、この後開催されるイベントにも参加しない場合は、昼ごはんを食べて落ち着いたら、配布された入浴優待券を持って雪ささの湯へ。会場から程近くてフジロック中は大混雑している雪ささの湯も、BWCの参加者がちらほらいる程度で、ゆったりとほどよい温度のカフェオレ色の温泉を楽しめます。疲れと日常の面倒なことはこれで綺麗さっぱり。

    通常の入浴代は1000円です。ありがたすぎる…。

    通常の入浴代は1000円です。ありがたすぎる…。

    大自然の中の非日常体験で徹底的に癒されよう

    午前中だけでも十分すぎるくらい体を動かし、自然に癒された後ではありますが、午後には普段なかなか体験できないようなワークショップが開催されていました。今回行われたひとつは、環境省の方々による「ルーペを使って自然を観察するツアー」。フジロックの関係クレジットに「環境省」があるのが数年前に話題になったりしていましたが、それはなぜかと言うと、この場所が環境省が定める「国立公園」だからなんですね。

    グリーンステージの中心で草を愛でる

    グリーンステージの中心で草を愛でる

    「地元の観光資産をより大切にしていきたい。」と語っていたガイドのみなさんが用意してくれた小型ルーペをスマホのカメラに設置して、グリーンステージあたりの草を観察したり、キッズランド脇の木の枝を這う虫を撮影したりしている光景は、はたから見るとなかなかシュールで笑ってしまいました。とは言え、植物を愛でるっていいですね…と朝ドラを見ながら振り返っています。

    植物を拡大して見るなんて、日常にはなかなかない体験。

    植物を拡大して見るなんて、日常にはなかなかない体験。

    一方ではバードウォッチングの先生を招いて森を歩くツアーも行われていました。筆者のような都会で疲れた人間に向けて、癒しの非日常体験をこれでもかと畳みかけてくるBWC。お疲れ気味のあなた…そこのあなたですよ…これを見て癒されたなら次回は現地へいかがですか…?

    トリさんがいたのでしょうか。先生が無邪気でキュン。

    トリさんがいたのでしょうか。先生が無邪気でキュン。

    今回はなかったけれど、参加者特典のプレゼントが振る舞われることもあります。自由なキャンプ、普段は見られないフジロック会場ツアー、大自然と隣り合わせの非日常体験、苗食スペシャルごはんに極めつけは温泉(ここまで大体タダ)、そして夜は星を見ながら焚火を囲んで乾杯!これが私がBWCにいく理由です。

    大満足でまったり焚火にあたる至福のとき。

    大満足でまったり焚火にあたる至福のとき。

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    次回は7/1〜2の日程で予約受付中。なにやら今回だけの特別なパーティーもあるという噂です。ゴンちゃんも待ってるよ。

    ■ フジロックの森
    https://www.fujirockersforest.com/
    https://twitter.com/fujirocknomori
    https://www.instagram.com/fujirockersforest/
    https://www.facebook.com/fujirockersforest/

    Text by 東いずみ
    Photo by HARA MASAMI、Fujirockers Org

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