• 帰って来た4年ぶりの朝霧JAM 2022!【会場レポート】


    台風や新型コロナウィルスの影響で、予定していた20周年の節目も迎えられぬまま、2019年から開催が見送られていた朝霧JAM。それでも前を向き、プレイベントであるKeep on ASAGIRI JAMMIN’が1月16日に行われ、未来への希望を繋ぎました。そこから時を経て、晩秋の候、10月8日(土)〜9日(日)に4年ぶりに開催!今年の締め括りの師走を前に、写真とともに2022年の朝霧JAMを振り返ります。

    コロナ禍では初めての朝霧JAM ウィズコロナでのフェス様式

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    これぞ朝霧JAMのフォトスポット。富士山の大パノラマにたくさんのテントが、RAINBOW STAGE前の広大な草原を彩っていた。きっとお気に入りスポットにしている方も多いのだろう。写真撮影の順番待ちが出来ていた。

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    4年ぶりの開催ではあるものの、新型コロナウィルスは今もなお進行中。マスク着用で声出しはせず、手を振ったり、拍手や手拍子と、〝心の声〟で出演者と共鳴するオーディエンス。人と人との間隔を空けて、ウィズコロナの対応策でライブを聴くというスタイルで楽しんでいた。朝霧JAMが最後に開催された2018年には、今回のような新様式でのライブなど想像できただろうか。この時世に、ふとそんな事を思う。

    ステージが見渡せるキャンプサイトAは、今年も富士山が迎えてくれた

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    朝霧JAMと言えば、キャンプインフェス。RAINBOW STAGE前のキャンプサイトA、MOON SHINE STAGE方面に広がるキャンプサイトB、そして広大なふもとっぱらと、朝霧JAMはキャンプサイトがとにかく広い。それぞれの仲間と、料理を作ったり、ゆったり飲んで夜を明かしたり。テントがみんな違うように、各々でキャンプを楽しんでいる様子が伺えた。リピーターはもちろん、今回が初参戦という声も聞いた。

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    RAINBOW STAGE付近にて、夕方から焚き火が始まるのも朝霧ならではの光景。日が暮れるにつれて気温が下がり、暖かさと焚き火の灯りに、自然と人が集まっていた。

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    2日目の朝には朝霧JAM実行委員長の秋鹿博さんの挨拶があり、ラジオ体操が開催された。大人数でのラジオ体操も普段は出来ないので、これも楽しいイベントのひとつだ。早朝の富士山を展望台で眺めていたら、秋鹿委員長も来ていて、「富士山、良いでしょう。」と声をかけてくれ、笑顔で眺めた。

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    タイムテーブルや時間の流れに任せて、2ステージの間を往復したり、キャンプで寛いだり。地元富士宮の食材を活かしたフードも楽しみのひとつだ。写真以外にも、高原のシチューやカレーなどがあり、雨や気温で冷えた体を温めてくれた。それから、どこからともなく舞い上がってくるシャボン玉。この風景は、朝霧JAMの代名詞と言っても良いだろう。

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    朝霧JAMと言えば、やはり富士山も代表格だ。その壮大さは、天気の変化とともに表情が変わり、その都度私たちを魅了した。初日の開演当初は、曇りでよく見えなかったが、夜になると月に照らされ、幻想的に映し出されていた。

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    2日目の早朝、感嘆のため息が漏れるほどの朝焼けに出会えた。日の出から30分ほど経つと、富士山の端から太陽が顔を出す。あっという間に変化していく富士山の表情を見逃すまいと、たくさんの人がカメラに納めていた。(本音を言うと、感動以上に厳しい寒さに負けそうだった…)

    大きなタコが〝おいで〟と歓迎。
    ワークショップ、DJブースと自由に楽しむキャンプサイトB

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    2日目の天気予報は、午後から雨。午後になると、ぱらぱらと雨が降り出した。それから弱まることはなく、夕方にかけて本降りに。気温もどんどん下がっていき、身が縮まるような冷さが堪えた。ふと会場を見ると、レインウェアやポンチョの花が咲き、暗い雨空に彩りが添えられていた。寒さで少し下がったテンションも、暖かいフードと防寒着でリカバリー。野外フェスはどんなに快晴でも、急な天気の変化が訪れる事もある。マストアイテムの雨具や防寒具で対応すれば、「これはこれで良い!」と、その時の天候や状況に順応して、むしろ楽しくなる。それは、フェスの醍醐味とも言える。

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    4年ぶりの朝霧JAMはコロナの影響もあり、KIDS LANDのスタッフが例年よりも少ないと聞いた。しかし、今年はFUJI ROCKから、強力な助っ人が来てくれたそう。男性4人のプレーリーダーの応援で、例年には無かった新しい遊び場が提供されていた。詳しくは[4年ぶりの開催への思い 朝霧JAMS’インタビュー KIDS LAND編]の記事にて。

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    MOON SHINE STAGEは、ステージの屋根でタコの装飾が風に揺られているのが印象的。眺めていると、日々の忙しさを忘れさせてくれるようだ。他にも、通路には黄色と緑色でとうもろこしをイメージさせるような大きな装飾も出迎えてくれた。

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    ステージの両サイドには飲食ブースや物販ブースが軒を連ね、ポイ(ジャグリング)やアクセサリーのワークショップも開催されており、ライブの合間に楽しむことが出来た。MOON SHINE STAGEのフォトスポットも人気エリアで、後ろには大きなタコも風に靡いてゆるくポージングしていた(かな?)。

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    キャンプサイトBでは、サイト内で火を使って煮炊きできるのが特徴。DJブースから流れてくるサウンドをBGMに、キャンプで寛ぐのもいいし、アルコールを片手に踊ってもいい。そして、朝霧の夜が更けていった。

    シャボン玉、キッズ、ウエディング…朝霧で出会ったスマイルコレクション

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    RAINBOW STAGE周辺で、ライブ中や夕暮れ時などに舞い上がるシャボン玉。2日目の朝も、眩しい太陽に向かうように飛んでいた。実はこの方、シャボン玉オヤジさんが飛ばしてくれていたのだった。オヤジさんは朝霧JAMに10回以上来ていて、2018年の朝霧JAMアフタームービーにもシャボン玉が映っていたのだが、非公認なんだそう。それでも、朝霧JAMの雰囲気とシャボン玉がとても合っていて、皆さんの心では、その存在は認めてくれているはず。ホワイトボードにメッセージをお願いすると、「みんな〝し泡せ〟!」と書いてくれた。医療従事者への応援として、無料で〝し泡せ届け隊〟としても活躍されているシャボン玉オヤジさんに、こちらからも感謝の気持ちを飛ばしたいと思う。

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    富士山の景色、キャンプ、フォトスポット、ライブ…思い思いに。朝霧の会場では、笑顔が笑顔を呼んでいた。

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    朝霧JAMで、ウェディングフォト撮影に遭遇!聞けばお二人は、これから入籍されるそう。写真家によりフォトスポット撮影が出来るという企画があると知り、朝霧JAMが好きなお二人は、ウェディングドレスを持参して来られたそう。撮影の合間に、こちらでも一枚。どうぞ、末長くお幸せに♡

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    わんちゃんと共に過ごせるのも、朝霧JAMの魅力のひとつ。朝霧Dogコレクション。

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    NPO法人gentle oneが運営するドッグラン「どん吉パーク」(キャンプサイトB)は、わんちゃんものびのびと遊べる空間だ。「ウンチポイポイ」というゲーム(写真手前)もあり、子どもたちが楽しんでいた。ステージからのサウンドが風に乗って聴こえてきて、ライブエリアとは違う、のんびりとした心地よさだ。

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    KIDS LANDでは、朝霧高原で作られた牛乳が味わえるキャンペーンが行われていた。1日3回、先着50名だったが(200円以上の支援金を協力する)、その数を超える程の待ち人数!美味しい牛乳は、ちびっこにも大人にも大人気で、KIDS LANDは大賑わい。

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    牛乳の他にもKIDS LANDでは、フラッグに思いを書いたり、積み木で遊んだり、本門寺重須孝行太鼓保存会の演奏もあり盛りだくさん。さらに2日目には、ケロポンズも登場!子ども達も一緒に踊って、とてもいい雰囲気。

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    こちらのメッセージは、1月16日のプレイベントの際に、アーティストの方々から書いていただいたのだそう。手書きの心温まるメッセージが、たくさんのお客さんを迎えてくれた。

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    ふもとっぱらではオートキャンプを楽しみつつ、ステージに移動する際には、片道約10分のシャトルバスに乗って会場へ。こちらでも、朝焼けの富士山が綺麗に見えたそう。ふもとっぱらの朝焼けも、ぜひ見てみたい。

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    会場にて、フジロックでもお馴染みのデビルマンに遭遇!グッズを選んでいるオフ中にお声をかけてしまったが、すぐにポージングという迅速な対応。キンミヤ焼酎を携帯されていたので思わず聞いてしまうと、100均で買ったポーチが、キンミヤのサイズにちょうどいいんだ、と笑って話してくれた。

    若大将のラストステージを見届けたい…世代を越えたオーディエンス

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    2022年の朝霧JAMは、久しぶりの開催と、年内でライブ活動終了を宣言している加山雄三のラストステージでもあり、メモリアルイヤーと言ってもおかしくはないだろう。彼のラストステージを見届けたいと、世代を越えたお客さん達が、転換を終えてサウンドチェック中のステージ前で待機していた。そんな中、ステージ前で若大将の顔がプリントされたタオルを持つ男性が。他の人は持っていないデザインなので、お話を聞いてみることにした。平成生まれのキャンプYoutuber坂井春道さんは、世代ではないけれど、今回の朝霧JAMが若大将の最後のステージだと知って、何かしたいと思ったのだそう。そして、自分でデザインして作ったタオルを持参して、ステージ最前列でライブを楽しんでいた。

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    坂井さんだけでなく、リアルタイムで世代ではない年齢の方たちも、若大将のTHE LAST SHOW Tシャツを着用したりと、会場内は若大将で盛り上がっていた。

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    2022年朝霧JAM、最後のレポートは、この方。年内でコンサート活動終了を宣言していた若大将こと、加山雄三だ。朝霧JAMが20周年を迎える予定だった2020年から出演依頼をしており、4年ぶりの朝霧JAMでついに実現することになったのだ。2022年9月9日、東京国際フォーラムで、最後のホールコンサートが行われたが、最後の野外フェスとして、選んだ場所が朝霧JAMとなった。ライブの中盤には大きめの雨粒が降り、気温もだいぶ下がったが、オーディエンスの熱気は冷めなかった。ラストステージを見届けたい。曲間の静けさから、そんな雰囲気が伝わって来るようだった。若大将ラストステージ、最後のMCが、とても心に響いた。一部ではあるが、皆さんにもお届けしたいと思う。

    「こんな幸せを僕は与えられて、最高にありがたいなと思うよ。でね、そういう幸せを与えてくれたみんなにプレゼントがあるのね。言葉のプレゼント。『人生の三感王』ってのがあるんだよ。俺、いつもそれを考えてるんだ。
    『感心、感動、感謝』
    この三つをね、いつも心に持ってるの。そうするとね、とっても幸せになるんだよ。良くないことがあった時は自分のせいなんだ。だけど、良いことがあった時は全部「お陰さまで」って、そういう気持ちになって生きるっていう、そうだよね。」

    若大将が話を結ぶと、どこからともなく、拍手が起こった。そして、ラストナンバー「海 その愛」が始まると、オーディエンスの手がゆっくりと上がり、左右に揺れて、雨も纏いながら、まるで〝凪〟のように、曲に寄り添っていた。若大将がステージを去った後も流れていたアウトロは、ラストステージを締め括るように、こころなしかボリュームが大きくなっているように感じた。人生の先輩から頂いた言葉のプレゼント。会場で聞いていた人だけでなく、この記事を読んだ方も、ぜひ受け取って貰えたら。『人生の三感王』を。

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    今回ご紹介出来なかった写真はSNSでも公開していますので、こちらも是非ご覧ください。

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    #朝霧JAM from:@fujirockers_org

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    あっという間の2日間。ステージからキャンプサイトと会場内は広く、各エリアでは、継続するキャンペーンや今年初めて取り組んだ事など、新旧のイベントが行われていました。今までの積み重ねに加えて新しいものを取り入れ、より良いものを次の世代に繋いでいく。それは、これからの朝霧JAMの意思の現れではないでしょうか。取材している相手の向こうには楽しく遊ぶ子ども達が見え、その先には富士山が大きく広がっていて…と、会場全体の良い雰囲気が、朝霧JAMを作っている。実際に参加してそう感じました。リピーターが多い朝霧で初めての方も多く、筆者も実は初参戦でした。自分の拠点(テント)を構えつつも、他のキャンプサイトに遊びに行き、皆さんのキャンプを遠目で眺めては、良い雰囲気をこっそりもらっていました。しかし、台風もコロナも、これで終わりとなった訳ではありません。自然の事象には抗えないのも事実。それでも、会場内でのたくさんの笑顔、メッセージから垣間見えた様々なエピソード、JAMS’の活動…これからも朝霧JAMがあり続けて欲しいという思いが、言わずとも伝わってきました。「朝霧は、本当にいいところなんですよ。キャンプも良いし、食べ物も本当に美味しい。また来て下さいね。」何度も参加している地元の方が、帰る際に話してくれました。プレイベントを経てようやく開催となった今年は、未来への希望をしっかりと繫いで、そして幕を閉じました。

    番外編!Messagefor 朝霧JAM2022 4年ぶりの開催に、思いを綴る

    久しぶりの朝霧!テンションが上がっているのは筆者だけじゃないはず!そう信じて、2日間に渡って、皆さんの朝霧JAMへの思いをメッセージボードに書いてもらいました。

     

    次ページへ:番外編!Messagefor 朝霧JAM2022 4年ぶりの開催に、思いを綴る

     

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