Spirit of Festival
車椅子フジロッカーの声を聞いてきました
TKRさんにインタビューする際に、少々窮屈な気持ちというか、申し訳ない思いで「何にもお礼できるものはないんですがそれでもお話が聞きたいんです」というと、こんな話をしてくれました。
「フジロック現地でとある女の子に話しかけられたんですよ。『私の兄も毎年フジロックに行ってたんですが、事故で車椅子生活になってからは来れてないんです。フジは車椅子でも大丈夫ですか?』と訊かれて。この記事がそういう人たちを勇気づける何かの役に立つならうれしいですよ。確かに大変なことはいっぱいあるんだけど、自分の気持ち次第だと思うな。これ読んで、最初の一歩を踏み出すためのちょっとしたきっかけになったらいいですよね」
IBさんも、ご本人に特にメリットがあるとも思えないこのインタビューを快諾してくれました。お二人には本当に感謝です。ちなみにIBさんは、フジ現地では元クーパー・テンプル・クローズのメンバーと遭遇。「車椅子で移動している僕を見て『お前、カッコイイよ!』だって。外国人はいうことが違うなあ、って(笑)」ばったり出演者に会うことも多いフジロックらしいエピソードですよね。
IBさんは今年は二日行くつもりが土曜のチケットを手に入れられず、一日のみの参加になるそうです。現地でも会いたいですね。観たいアーティストを訊いてみると、ライ・クーダー、オホス・デ・ブルッホ、トニー・アレン、ピンク・フロイド、との答え。20代の若者とは思えぬ激シブ路線な気がしないでもないですが・・・・・・
ところで最後に、ちょっとしたあとがきモドキを。
このインタビューの後、ぼくをはじめとしたORGスタッフの間でも少し意識が変わったように思います。特にトイレの問題は響いてきたというか、ひたすら楽しいだけと思っていた三日間の裏には、ぼくらが気がつけないでいる諸問題もあることを痛感させられた。設置数の件にしても、マナーの問題にしても。やっぱ話してみなきゃわからん現場の声ってあるなぁ、とつくづく実感したもんです。
マナーの話をもうひとつだけすれば、グリーンステージには車椅子用のスペースが設けられていますが、そこが健常者でぎっしり占められている状況を見たことがあります。この件についてはSMASHの方とも話しましたが、「どんなときも使うなとはいわない。でも、車椅子の人を見かけたら最優先に譲ってあげてほしい」との答えでした。結局これも、ひとりひとりの意識の問題。規則で縛るほどのことじゃない、だからこそフジロックの根本である”助け合い”の気持ちだけで成立させなければ。助け合いはDIYとは矛盾しないと思います。
フジロックもついに10年目。嵐の天神山を経験した人もそうでない人も、ちょっとだけ“助け合うこと”を改めて意識してみませんか。
※公式ページにはお体の不自由な方への呼びかけが載っています。ぜひ一度目を通してください。
http://www.fujirockfestival.com/guide/faq.html
Text by ORG-joe
photo by ORG-satori, ORG-wacchy
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