Fujirockers News !!
今週もすっぱ抜きをお届け!
The Cureがフジに決定! という一報を聞いた時、驚きと喜びで口が塞がらなかった。活動歴通算27年という長いキャリアの中でたった1度しか来日公演が無い。しかも初来日からもう既に20年も時が過ぎ去っているという異色のバンドである。熱烈なファンは涙を流して喜ぶこと必至だ。そして80年代を知らない世代にとってはニュー・ロマンティックなんて言葉は聞き慣れない死語同然だし、ロバート・スミスのあの爆発したような髪型さえも衝撃だ。2007年の夏、若者達は彼等の伝説やその存在の凄さを全く知らない状態でThe Cureを知る事となる。
最近じわじわと人気の出てきたTHE HORRORSだって、あのゴスなルックスを見れば彼等の影響が大きいのも一目瞭然だ。今までもこの先も、彼等の様にカルト的に切望されるバンドはいないと断言できる。彼等はその才能を発揮するにはあまりにも早過ぎた。時代が彼等についてくるまで辛抱強く待つしか術がなかった。現役で活躍していることが奇跡的でもあるし、必然的でもあるのだ。
彼等の代表曲「BOYS DON’T CRY」をリアルタイムで聞いていた若者達はBOYから大人へと成長して、あの煌めくようなギターと何度も繰り返されるフレーズを心の奥底へ青春の思い出の断片と共に葬り去ってしまってはいないだろうか? まるでこの世は絶望で埋め尽くされている。そんな思い込みと、恥ずかしいような蒼い記憶を鮮明に蘇らせてくれるに違いない。このステージは言うまでもなく、ロック史上に残る伝説のステージになるであろう。この時ばかりは涙を流したってロバート・スミスは許してくれるに違いない。

【コメントせずにはいられない! フォトグラファー・org-izumikuma】
The Cureは1984年秋に一度だけ来日公演をしている。シンプルでダークな初期の音、そして1983年発売のヒットシングル「ラブキャッツ」の超ポップで超不気味なプロモビデオが大好きだった私は絶対見逃すなっ! と来日公演に行ったのだが、ライブ自体はあまり満足行くものでなかったと記憶する。どうやらバンド内での人間関係があまり良い状態でなかったらしい。しかし、この来日公演の翌年に出したアルバム「ザ・ヘッド・オン・ザ・ドアー」がアメリカでもヒットし、バンドもめでたく持ち直し、The Cureはどんどんビッグになり、再来日公演もしてくれないくらいビッグになってしまった。何年か前、というか何年も前に「何故ザ・キュアーは来日してくれないのか?」と音楽関係者に聞いたところ、「バンドが望むハコの規模と見込める集客のバランスがとれなくて呼べない」と言っていた。そりゃそうだ。だって欧米ではスタジアムクラスでコンサートを行う位ビッグになってしまったのだから。そして、日本の熱烈なThe Cureファンは「日本でもう見られない」ので海外へ行くしかなくなってしまっていたのだ。そんな「日本ではもう見られない」The Cureが今年のフジロックに出ると聞き、ややうろたえ気味な私です。いや、悪い意味でなく、どのようなライブを見せてくれるか期待が大きすぎて。実は今更ながら「セブンティーン・セコンズ」あたりの曲を大音量で聞いてみたい…などとも思ってしまう、昔のファンな私です(苦笑)。
text by org-sumire, org-izumikuma
photo by org-izumikuma
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