Spirit of Festival
車椅子フジロッカーの声を聞いてきました

●CASE 2・トイレ問題
ちょっと訊きづらい話題ですが、避けては通れないのがトイレの問題。フジロックにはいちおう車椅子用トイレが設置されてはいるんですが、通常のトイレでさえも時に数不足が訴えられる中、はたして正直なところ現状で事足りているんでしょうか。
「今、僕が知る限りでは、入場ゲートを入ってすぐのところにしか車椅子用のトイレは設置されていないんですよ。そうなると奥の方で観たいライヴが続いてても、用を足そうとするたびに入り口付近まで戻ってこなくちゃいけなくて、かなり厳しい。去年はポーグスがすごく楽しみだったんですが結局観れなくて、実はトイレに行ってたら間に合わなくなっちゃったのが理由のひとつなんです」
ただでさえ移動が困難な車椅子でのフジロック参加で、確かに入り口まで戻らなきゃいけないという状況はキツイ。生理現象は我慢にも限界があるもんね。ホワイトやヘヴンなんかにもう1〜2コあるだけでだいぶ違うとは思うんだけど……費用や設置スペースなんかでそう簡単にはいかないのかな。(※筆者注・この原稿を書き上げた後に、本年度は車椅子トイレが橋の向こう側にも増設される予定らしいとの情報が飛び込んできました! やったぁ!!)
IBさんの言葉が印象的でした。「別に障害者に特権を与えろといってるわけじゃなくて、せめて平等に楽しめるだけの均等な設備だけ求めたい」。わざわざ山の中に車椅子で行こうと思うわけだから、それ相応の覚悟はもちろんしてる。だけど、もしも、普通にフジロックを過ごせるだけの最低限のインフラだけあれば、どんなにありがたいか。車椅子ユーザーというより、フジロックを100%楽しみたがっているイチ音楽ファンの切実な声のような気がしました。
一方のTKRさんは、フジロックよりもむしろ、室内イベントであるエレクトラグライドに遊びに行った時に苦言を呈せざるをえない経験をしたとのこと。
「トイレがものすごく混んで、身障者用トイレも健常者が使ってたんですよ。中には複数で入って全然出てこなくなっちゃう人たちもいてね、中で何をやってるのか知らないけど(笑)。結局身障者用トイレ自体が使用禁止になっちゃったりして、あれには困ったなあ。こっちはそのトイレじゃないと使えないから、スタッフの人に言ったんだけど、どうにもならなかった」
ちょっと考えれば誰でもわかる話ですが、片足のTKRさんが和式トイレでは完全にお手上げのように、基本的に車椅子の人は身体障害者用トイレしか使えないのです。なのにそこを占拠してしまうというのがそもそもいかがなものか。”ルール”ではなくあくまでも”マナー”の問題ですが、だからこそ、イベントに参加するみんなの意識に深く根付いてほしいものです。
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