【フェスごはん】フジロック出店への道 ~第2弾:先輩出店者の体験談~
- 2015/03/04 ● from fujirockers.org
フジロックには毎年新規出店のお店が登場しますが、野外フェス、イヴェントに出店すること自体が初めてという店も少なくありません。そんなお店にとってフジロック出店は規模も環境も未知の世界。そこでフジロック出店への道第2弾では、先輩出店者の体験談をお送りします。
今回登場するのはオレンジコートに2年連続出店しているタイ料理のお店「アムリタ食堂」、昨年フェスごはんランキングで初出店1位を獲得した場外の「博多もつ鍋うみの」。野外ならではの大変さややりがいなど、お客さん側からは見えないフジロック出店の醍醐味をたっぷりと伺ってきました。
超多忙なフジロックを乗り切るのはチームワークと休憩時間
――フジロックに出店することになったきっかけを教えてください。
尾身:アムリタ食堂では普段から店内でライヴをやっているので、スタッフにも音楽イヴェントやフェスティヴァルが好きな人が多いんですね。フジロックはやはり大好きなフェスだったので、ずっと出店したい気持ちはあったのですが、規模が大きすぎて無理だと思っていたんです。けれどもスタッフのやりたいって気持ちが大きくて、挑戦することにしました。
――フジロックでの出店は通常の店舗と違いどのようなところに難しさがありますか。
尾身:土地があるだけで、一から自分たちで店内の配置も決めなくてはならないことです。東京のお店でシミュレーションもしたのですが、現場にいざいくと雨が降ってる最中に準備しなければならなかったり、ガスがでなかったり・・・野外なので急なハプニングが多かったです。
――想定していなかったことが起きてしまうんですよね。
尾身:店舗の後ろに資材等をおくバッグヤードがあるのですが、そこにもテントを張らなければならないことに到着してから気づきました。すのこもひいていなかったので、雨が降ると足元がどろどろで・・・。そんな風に1年目は知らないことだらけで特に大変で、その場その場で臨機応変に対応することが多々ありました。
――大体何食分ぐらいを想定して準備をしたのですか?
尾身:1品に対して400食分ぐらいですね。昨年はオレンジカレーとガパオ丼、マーマーっていうタイのインスタントラーメンを出していました。マーマーは向こうでなじみのある即席めんで、地元民ぽい感じのものなんですね。深夜とかに食べたくなる味なんじゃないかなと思って取り入れてみました。
――当日は何人ぐらいの方が働いていたのですか?
尾身:8人~9人ぐらい。一昨年は雨が降っていたのでお客様が少ない時間帯も結構あったのですが、昨年はほぼずっと天気がよかったので常に忙しかったです。休憩する時間も想定してこの人数だったのですが、スタッフ全員フル稼動という時間帯も結構ありました。
――奥にある会場は特に天候に左右されがちなんですよね。しっかりと休憩はとれましたか。
尾身:そうですね。事前に見たいアーティストのところにスタッフがそれぞれ丸をつけていて、その時間帯に休憩に出せるようにはしていましたが、混みだすと無理でしたね。宿泊も一昨年は全員民宿に泊まっていたのですが、やはり遠くて帰るのが大変で体力的にきつかったんです・・・。だから昨年は女子は苗場プリンスに宿泊することにしました。
――他のお店とかをまわったりできましたか?
尾身:場外のカドヤ横丁さんに行きましたが、雰囲気がすごくよかったです。実は私の友人があの店をたてたんですよ。開催前に「めっちゃすごいの建てるで~」とは言っていたのですが、予想以上でびっくりしました。あとはオアシスのラーメン屋の渡なべさんも美味しかったです。
――話を聞いていると過酷そうなフジロックの出店ですが、乗り切る秘訣を教えてください。
尾身:普段から一緒に働いているメンバーで参加したのですが、仲はよくてもいい意味で気を使うようにしていました。他のスタッフが疲れてそうだなって思ったら、忙しいときでも5分ぐらい休憩にいってもらったり。外の空気を吸うことがすごくリフレッシュになるんですよ。
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初出店:アムリタ食堂取材(FUJIROCK EXPRESS2013)
営業時間
平日ランチ 11:45~15:00(LO14:30)、ディナー17:00~23:00(LO22:20)
土曜ランチ 12:00~15:00(LO14:50)、ティータイム15:00~17:00、ディナー17:00~23:00(LO22:20)
日曜ランチ 12:00~15:00(LO14:50)、ティータイム15:00~17:00、ディナー17:00~22:30(LO21:50)
住所 : 東京都武蔵野市吉祥寺本町2丁目17-12 藤彩ビル1F
電話番号 : 0422-23-1112
http://cafeamrita.jp/
一番過酷なフジロックに挑戦してみたかった
――フジロックに出店することになったきっかけを教えてください。
有川:もともとフェスティヴァルへの出店に興味がありまして。フジロックに出演したことがあるアーティストの方がお店に来ることも多く、何度もお話を聞いていたんですね。規模も環境もフジロックが一番過酷だろうなっておもったのですが、だからこそそこに挑戦してみたいと思ったんです。
――出店してみて特に大変だったことはなんですか。
有川:仕込みと事前の準備です。計6000食分ぐらいを用意したのですが、フジロック当日の一週間前からお店を閉めてスタッフ総出で準備をしました。4人ぐらいでやっていたので結構きつかったですね。
――平行して作業されていたんですね。場外はほぼ24時間営業ですし大変そう・・・。寝る時間はありましたか。
有川:夜の混み具合が結構すごくて・・・。深夜に少し休んであとは場外がすいている昼間にしっかり休みました。けれども宿が離れたところにあったので、帰れないことも結構あったんですよ。
――期間中、想定していなかったことは起きましたか。
有川:スタッフの体調不良でしょうか。初日、2日目と天気がすごくよかったのですが、スープを煮込んでいる熱気も加わってテント内気温がすごくあがって・・・。だから何人か熱中症に近い症状がでてしまったんですよ。
――フジロックに出店することの魅力はどんなところにあると思いますか。
有川:出店されている方は「これはやっていい、やってはいけないって」いうように同じ条件じゃないですか。全ての店舗が同じスタートラインに立っているところが面白いと思いましたし新鮮でした。一番よかったのはお客さんがすごく近かったこと。美味しかったって感想をその場で聞けることが嬉しかったです。
――フジロックが終わってから実店舗にきてくれるお客さんも結構いるんじゃないですか。
有川:はい、そうなんですよ。フジロックのTシャツを着てきてくれる方もいて。フジロックのお客さんが打ち上げの場所に選んでくれたり、それはかなり嬉しかったです。出店したかいがあったなと思います。
▷博多もつ鍋うみの
関連記事 初出店:博多もつ鍋 うみの取材(FUJIROCK EXPRESS2014)
営業時間
18:00~00:00
火曜定休日
住所 : 東京都目黒区碑文谷1丁目14-13 小島ビル2F
電話番号 : 03-5721-2717
http://www.motsunabeumino.com/
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取材・文:菊入加奈子
撮影・協力:名塚麻貴
【フェスごはん】フジロック出店への道 ~第1弾:スケジュールと基礎知識編~
http://fujirockers.org/?p=8009
【フェスごはんマップ2014】
http://fujirockers.org/gohan/
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