• 何も分からないけど「開催する前提で動き始めた」:いたみこやいけフェスGREEN JAM実行委員代表大原智インタビュー


    小さい頃から遊んでいる地元の公園で、ロックフェスがあったら…フジロックに行った経験があるなら、こんな思いを抱いたことが一度はあるだろう。
    そんな「夢」を伊丹市で実現させたのが、いたみこやいけフェスGREENJAM実行委員代表の大原智だ。
    予算はもちろん、公園使用の申請も分からないなか文字通り「手探り」ではじめた企画が、地元の商店街やクリエイターを巻き込んで街ぐるみのイベントに成長した背景とはどのようなものだったのだろうか。
    9月28日(日) に実施されるいたみこやいけフェスGREEN JAMの舞台裏について、話を聞いた。

    いたみこやいけフェスGREEN JAM実行委員代表大原智インタビュー

    —まずはグリーンジャムを立ち上げる経緯について教えていただきたいのですが。

    とりあえずコンセプトとかを抜きにしてですけど、昆陽池で音楽フェスをやるっていうのが僕らの世代の夢だったんですね。何年も前から仲間内の飲み会とかでずっと言ってたことで。
    昆陽池は自分たちも子供の頃からよく遊んでた場所なんですけど、あの環境や風景が自分たちが考えている野外フェスのイメージにドンピシャで。
    公園の使用についての交渉は簡単じゃなかったんですけど、もし昆陽池でできないなら中止するつもりでした。昆陽池公園でフェスをやるっていうのが大事なことなので。

    —それまでフェスにはけっこう行ってたんですか?

    そうですね。フジとかサマソニとか。あと関西だとラッシュボールとかカミングコーベとか。そういうなかで、野外ロックコンサートというよりかは音楽とか緑とか環境とかマーケットとか、空気感を体験するフェスをやりたいなと。あと武庫之荘フリーダムっていうイベントに影響を受けたのがあります。何をやってるでもないけど、ゆったりしたいい空間だなと。

    —それで実際に動き出したきっかけは?

    きっかけはないというか、はじまらないからですね(笑)
    「やりたいやりたい」って言い続けてるけど、全然動き出さない。そもそもやり方がわからないんですよね。まずお金がないし、昆陽池をどうやったら使えるかもわからない。壁がありすぎて手の付け方がわからなかったんです。
    それで「とりあえず何もわからんけど、開催するっていう体裁でスタートしてみよう。動き出せばはじまるんじゃないか」と今年の3月〜4月に企画会議をはじめたんです。

    いたみこやいけフェスGREEN JAM実行委員代表大原智インタビュー

    —じゃあ、9月に開催ってけっこう急展開ですよね?

    そうですね。とにかく時間がない(笑)

    —企画はその後スムーズに進んだんですか?

    おもしろがってくれそうな人に声をかけて、実行委員会の原型がほぼできあがって、それで最初の1ヶ月は「どうやったらできると思う?」って話ばっかりでした。
    で、フェスをプラスに感じる人や団体や地域があれば、少し道が開けるんじゃないかっていう話になって。それで市議会議員さんやいろんな人にそんな話をして。

    —それからは周囲の大人や先輩達がアイデアや知恵を貸してくれた?

    最近「伊丹はオモロい」って言われたり、自分たちで言ったりしてるんですけど、盛り上がってるイベントとかって中心市街地のものが多いんですね。それで「他の地域も含めて伊丹じゃないのか」っていうのがあって。って、まぁこれは後付けなんですけどね(笑)。
    ただ話してみると他の人たちも同じように思ってたみたいで、中心市街地外の活性という意味で通じるものがあって。いい意味でカウンターというか、そういうのになればいいなと。
    それで助成金について教えてもらったり。助成金については諦めかけてたんですね。だってぽっと出の僕らが申請しても通らないじゃないですか?だから募金や協賛を募ってやるしかないと思いかけたところで伊丹商店連合会が窓口になって頂けるという話をご提案頂いて。

    いたみこやいけフェスGREEN JAM実行委員代表大原智インタビュー

    —それで一気に計画が進んだんですね。

    ただ、助成金についてはイベント開催のためのお金じゃなくて、ふるさとのための青年育成のためのお金なんで、そういう進め方をしないといけないなと。それを意識して進めるようになりましたね。
    実は、お金の目処がたったところまでは皆の気持ちが共有できたけど、それまで「楽しいな。やろうやろう!」ってなってたのが、急に堅くなってしまったんですよ。
    たとえばフライヤーのデザインも、普段カッコいいデザインをしてる伊丹出身のデザイナーにお願いしたんですが、明らかに「自由に創作してない」デザインになってしまって(笑)
    何も決まってない時の方が盛り上がってたよな、なんか違うって。おやおやと思いましたね。
    自由さがないというか、見えない囲いのなかでやらされてる感じが出てきて。
    ただ、そこで助成金の使用価値がみえたんです。
    実行委員の皆には「自由にやって貰う」「自由に地元で遊び場をつくって貰う」っていう。
    市とか県とか、難しい話の窓口は僕がやるから好き勝手言うてって感じにして、
    そこから空気が変わったんですよね。
    皆、まちなかバルとかオトラクとか郷町屋台村っていうイベントを見てて、それが公共の場で遊ぶイメージになってる。せっかく僕らが集まってやろうというのに同じイメージでやっても意味がないと思ったんですよね。
    やりたいことを自由に全部出した後で、後は僕が行政などの窓口に交渉しにいくというスタイルにして、そこからまた楽しくなってきました。

    —手応えはどうですか?

    おかげさまで思ったよりいろいろと許可を頂いています。とりあえず1回やってみましょうかという。先輩方が後ろ盾になってくれているから実現出来てる話ですけどね。

    —なるほど。じゃあ次はフェスのことについて教えてください。まずブッキングについて。

    当然かっこいいと思うバンドやアーティストさんにお願いしました。
    動き出すのが遅かったのもあって苦労しましたけど、ジャムやインストと歌ものがいいバランスであって、自信をもってお届けできるいい音楽が集まったと思います。

    メインの音楽ステージはGreenステージとJAMステージの2つ
    最初JAMステージはつくるつもりなかったんですよね。それでもつくった一番大きい理由は、溺れたエビの検死報告書とかフジや他のフェスに出るような市外からお客さんが見に来るようなバンドやアーティストと、地元でやってるミュージシャンをミックスするのが理想型だったからです。もうひとつは問い合わせが凄かったっていうのがあります。枠数の問題で残念ながら全てに応えることはできなかったんですけど。
    同じGreenステージに出てもらおうかとも思ったんですけど、たとえばしっかりしたバンドの音とアコースティックな柔らかい響きとか音のきこえ方というか見え方というか、イメージがしっくりこなかったんですよね。最終的にはどちらのステージも本当にいいと思える人がブッキングできたと思ってます。昆陽池でやってるイメージに合うっていうのが絶対なんですけど。

    いたみこやいけフェスGREEN JAM実行委員代表大原智インタビュー

    —マーケットや屋台も力を入れてますよね

    はい。音楽イベントに屋台があるっていうんじゃなくて、同じくらいの比重で考えてます。市民ステージなんかも含めて、会場のイメージは最初からありました。

    —苦労した点とかってありますか?

    公園内のけっこう広いエリアを会場として使わせてもらうんですけど、芝生の方で音を出すことに関してはかなり難しかったです。実は20年前にジャズフェスがあったらしいんですけど、騒音が理由で終わってしまったそうなんです。それで市としては簡単に許可は出せない。ただ絶対に聞く耳を持たないっていうわけじゃなくて、もちろん僕たちもそういった事情もわかるので、話を重ねて最終的に周辺住民の自治体の皆さんに了承頂けるなら開催決定という状況にまできたんです。自治会役員の方に機会というか場をつくってもらって、資料をつくって説明させてもらいました。

    —そんな大人っぽい交渉できるんですね。

    できますよ!どういう意味ですか(笑)

    いたみこやいけフェスGREEN JAM実行委員代表大原智インタビュー

    —伊丹が好きだからするっていうのはあるんですか?

    ああ、そうかもしれない。うん、それはありますね。
    たとえばですけど、めっちゃ好きな女の子がいて、その子はいつも同じ人たちと遊んでいる。するとだんだんその人たちのカラーになっていくじゃないですか?で、「僕やったらもっとおもしろくできんのになあ」とか「こんな感じで楽しませるな」とか(笑)。

    —なんとなくわかるような(笑)

    僕バリバリのバンドマン思考やし、市内でやってるいろんなイベントに関してちょっと引いた目で見てたところはあったんです。でも一度中に入ってみようと思って入ったら、やっぱすごいんですよね。スタッフのテンションのあげ方や運営の仕方、マーケティングというか見せ方とか、どうやったら意図が伝わるかとか会議の仕方とか。そういうことは本当によく勉強させてもらいました。

    —そして次は自分たちが楽しませる番だと。今後も続けていくんですか?

    うん。続けていきたいですね。続けていくうちにもっともっと熱い気持ちが出てくるかもしれないですね。まだやってないっていうか「やる!」って言ってる段階なんで偉そうなことはいえないですけど…
    まぁ今日話したことは、「そんなに本気で思ってないです」って書いといてください(笑)。
    「遊びたいだけです!」って(笑)。

    取材・文 : 永井純一・永田夏来
    写真 : 永井純一
    ビジュアルデザイン : Peephole artwork office


    イベント名称:いたみこやいけフェス GREEN JAM
    WEBサイト:http://itamigreenjam.wix.com/2014
    開催期間:2014年 9月 28日(日) 10:00〜17:00

    開催地:伊丹・昆陽池公園 (〒664-0015 兵庫県伊丹市昆陽池3丁目)
    入場料:無料

    出演者:
    溺れたエビの検死報告書/岩瀬敬吾(ex 19 ジューク)/psybava/LOOP POOL/ゴールデンローファーズ/
    nayuta/ツキサケ/バーカーズ/堀翔一(aqulia)/RYO FUJIMOTO/おがわてつや/
    今村モータース/OOH/Purplize/SHU-G/SPI-K/BESSHON/Mt.top/ユミコフ (ゆるまみ商会)/
    Guru Usopachino(ヒゲサイ)/Norifumi Iwasaki/NK NAGOYA/OKA-G/JOJI/SDOW/KOTERA

    Twitter:https://twitter.com/ItamiGreenJam
    Facebook:https://www.facebook.com/itami.greenjam

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