• グラストンバリー・フェスティバルレポート 2013


    チケット発売開始から、僅か2時間足らずで完売。ヘッドライナーにはザ・ローリング・ストーンズが名を連ねた今年のグラストンバリー・フェスティバル(以下、グラスト)に行ってきました!

    フジロックのモデルとしても知られており、野外ロックフェスティバルとして世界最大級の規模を誇るグラストは、毎年出演者の豪華な顔ぶれが注目されている。今年は、当日のスペシャルゲストとしてTBAとなっている枠で、金曜一発目のアザーステージにビーディー・アイが登場したり、同日の夜には、トム・ヨークがシークレットでシャングリラにDJで登場するなど、日本では到底考えられないサプライズも。

    規模の大きさゆえに出演者ばかりが注目を浴びることが多くなってしまうが、このフェスティバルの魅力はそれだけではない。今年で4度目の参加となったグラストだが、またこの場所に戻って来たい───そう強く思う源は、何と言ってもここでしか味わえない雰囲気にある。そこで今回は、ライブ以外のグラストの魅力について紹介していきたいと思う。

    写真:宇宙大使スター

    写真:宇宙大使スター

    グラスト名物といえば、旗

    グラストにやってきたぞ!───これを大きく実感する瞬間は、何と言っても風になびく無数の旗を目にした時。各エリアによって、デザインや色が異なり、これを目にするだけで気分が高揚する。また、お客さんが持ってきている旗もグラスト名物だ。ライブの時だけでなく、会場を歩く時にも掲げている。オリジナルのデザインや、メッセージが書かれたもの、それに旗ではなくぬいぐるみだったり、中には下着を掲げている人まで。

    今年は偶然にも、赤い丸の中がユニオンジャックになっている日の丸を発見。早速持ち主のところへ行ってみると、期待通り日本からのお客さんだった。何でも10人で来ていて、ひとり1つ旗を作ってきたのだとか。準備の段階で、旗作りという大きな楽しみがあるのもグラストならでは。

    お客さんが持つ旗は、ライブの時にはテンションのバロメーターにもなり、ヘッドライナークラスになると、前方アリーナから後方まで、これでもか!というくらいの数の旗が揚がる。これぞグラストの光景、といった具合だ。旗を眺めていると、そこからフェスティバルを楽しむ意気込みが伝わってきて、見ている側も楽しくなってくる。

    会場の広さを実感できるパークの丘

    このマップが示すように、これだけ広い会場であるグラストを体験すると、フジロックでのレッドマーキーからオレンジコートの移動も不思議と近く感じてしまう。それほどまでに広い会場を一望できるのが、パークエリア後方に広がる丘。記念撮影スポットにもなっている「GLASTONBURY」の看板をはじめ、ハンモックもあったりと、昼寝や休憩にはもってこいの人気チルアウトエリア。

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    そんなパークに、圧巻の景色を望むことができるリボンタワーがある。いわゆる展望台のようなものだ。塔を登りきった先で目にする光景には、思わずため息が出てしまう。ピラミッドを始め、遠くのステージまで確認できるのだが、中でもびっくりするのは至るところに広がるキャンプサイトの広さ。会場内の半分は占めていそうな小さく並んだ無数のテントを上から眺めていると、これだけの人が集まってきているのか、と改めて規模の大きさを感じる。ちなみにこのリボンタワー、行列ができていないところを見たことがないけれど、並ぶ価値は大いにある。

    アート作品のようなお店が並ぶマーケットで買い物三昧

    320_cp公式発表で今年は約18万もの人が訪れたグラストでは、飲食をはじめとするお店の数も相当なもの。数えたわけではないが、優に数百はあるのではないだろうか。看板やデコレーションに凝っているお店も多く、まるでアート作品を見ているよう。フェスティバルを賑やかにしてくれる大きな要素のひとつだ。

    ここには、1日買い物をして過ごせてしまうほど様々なジャンルのお店がある。まず、フェスティバル気分を存分に味わうなら、フェイスペインティングや仮装用のかぶりものを売るお店へ。アクセサリーや帽子といった小物や服関係は特に充実していて、イギリスらしくヴィンテージ服のお店も数多く立ち並ぶ。変わったところでは、歴代のレアなグラストTシャツ(古着)専門店まで。夜は朝霧ジャムのように寒くなるけど、アウターや大判ストールを扱うお店も多いので安心だ。他には、本屋にレコード屋、ポスター専門店、ポストカード店、実用的なところでいくとキャンプ用品店も。ここは、テントに寝袋、エアベッドに椅子、それにペグや懐中電灯、ケトルといった小物類も充実している。

    最終日にはセールを始めるところも多く、フェスティバル中に使うものでない場合は日曜日がお買い得。チャリティショップのオックスファムでは全品5ポンドセールが始まり、なんと革ジャンまで5ポンドに。とにかくお店の数が多いので、フェスティバルではなくマーケットに遊びに来た、という感覚を味わうこともできる。

    グラスト飯、実はそれほどまずくない?

    300_cakeグラストのご飯がけっこう酷いという話はよく耳にするが、全てがそうとは限らない。もちろん、日本人の口に合わないものが少なくないのは事実であるし、ましてフジロックのクオリティの高さに慣れていれば、自然と味には厳しくなってしまう。

    ご飯を買うにもひと冒険のグラストで比較的外れが少ない気がするのは、フィッシュアンドチップスやピザ、イングリッシュブレックファースト(専門店なので1日中販売)、ケバブ、ジャークチキンあたりだろうか。野菜不足が気になる場合は、フルーツサラダバーでドリンクを飲んだり、ビーガンのお店に行くという手もある。

    甘いものなら、ファーマーズマーケットを訪れるのもおすすめ。コーヒーケーキを試してみると、まずまずの味。友人はキャラメルタルトを大絶賛していた。イギリスということもあり、クリームティのお店もちらほらあるので、小腹がすいたらスコーンという選択も。また、冷たいデザートなら是非ヤオバリーのオーガニックアイスクリームを。リピートしてしまう間違いない美味しさだ。

    失敗を避けるべく、人気のお店を見極める例としては、ご飯の時間帯を外した時でも行列ができているかどうか。ちなみに、ジャパニーズフードという言葉についつい安心してしまうと大後悔することになる可能性が高い。思い出作りとして敢えてチャレンジしてみるのも面白いかもしれないが…。

    何人に出会える?各所で出没する数々のパフォーマー

    320_pf-laお祭り気分を一層盛り上げてくれるのが、昼夜問わず至るところで出没するパフォーマーたち。経験上ではシアター&サーカス周辺で遭遇率が高いが、いつ、どこで出会えるかはタイミング次第。ロボットのパフォーマーが珍しかったので調子に乗って近づいてみると目から水鉄砲の攻撃を受ける始末。でも、そんな洗礼を受けてこそグラストに来たかいがあるというもの。会場を歩けばとにかく面白いことに出会えるのも、大きな魅力なのである。

    バンクシーのグラフィティを探す!

    世界的なグラフィティ・アーティストで知られるバンクシーもグラストを訪れているようで、毎年会場のどこかに作品を残している。残念ながら自ら発見したことはなく、後日インターネットや雑誌で知るばかり。一度でいいから、見つけてしまった喜びを噛みしめたいものだ。彼の作品がどこかに紛れていないだろうか、そんなワクワクした気持ちで過ごすことができるグラストは、やはり最高。いつか、フジロックでも…。

    ミュートイド・ウェイスト・カンパニー

    320_bezヘッドライナーが終わっても、もちろんお祭りは朝まで続く。会場の南東部の角には、フジロックのパレス・オブ・ワンダーよりさらにぶっ飛んだ、夜がメインのエリアが固まっている。狭い敷地にクラブやバーが立ち並ぶシャングリラ、コモン、アンフェアグラウンド、ブロック9だ。それぞれ独特の雰囲気を持つ建物の中にクラブがあったりと、異空間体験を存分に味わえるのだが、あまりに人気のため、夜22時からこのエリア一帯の入場口は1ヶ所に規制される。ピーク時には2時間待ちにまでなることもあるのだとか。

    フジロッカーとして特に注目したいのは、アンフェアグラウンド。ここは、フジロックのパレス・オブ・ワンダーを創り出しているミュートイド・ウェイスト・カンパニーのアートが詰まった空間だ。悪夢の中に引きずりこまれてしまいそうな怪しいムードを醸し出すオブジェを始め、フジロックで見たままのゴブラーやクラックヘッズのサイドショーを目にして、改めてフジロックとの繋がりを実感。

    彼らはここ以外に、アーケイディアの巨大なクモの形をしたステージも手掛けている。クモの体の中がステージになっており、今年はファットボーイ・スリムなどの大御所DJたちがプレイした。そして、今年のグラストにおいて彼らの代表作と言えるのが、不死鳥だ。ザ・ローリング・ストーンズの演奏時、ピラミッドの屋根に現れた火を吹く巨大な不死鳥。まるで、ストーンズを祝福するかのような迫力ある見事な演出だった。

    以上、長くなってしまったけれど、グラストの魅力は、豪華なラインナップ以外───特にアートやパフォーマンス───にもある、ということを少しでも知ってもらえたら幸いだ。4度目の参加にして改めて、フジロックがグラストをモデルにしている、ということ強く感じた。規模は異なるけれど、来てくれたお客さんを楽しませる、というエンターテイメント精神の部分では、大きく共通しているからだ。それが顕著に現れているのが、パレス・オブ・ワンダーであったり、ストーンド・サークルのある奥地エリア。グラストを体験することで、今後のフジロックがどう進化していくのか、ますます楽しみになってきた。

    写真:宇宙大使スター、近藤英梨子
    文:近藤英梨子

    ※姉妹サイトSMASHING MAGのグラスト記事はこちら

     

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