• TAICOCLUB主催者インタビュー前編 今年はどうなる?8年目のタイコ


    衣替えも終わり、街で感じる暑さを週末への期待に変換しやすい季節になってきました。すでにいくつか伝え聞こえるフェスティバルのにぎわいもこれから徐々に大きくなっていきますが、今回はその中でも期待の高まるTAICOCLUBを、主催者であるこいのぼり株式会社の安澤太郎さんのインタビューとともにご紹介します。

    今年の新機軸と、そこに至るさまざまなアイディア

    ー今年ですが、例年の売れ行きと比べていかがでしょうか。TAICOCLUBって回を追うごとにハケていくのが速くなっているような…?

    Tanaka Makoto02
    安澤太郎(以下Y):早めに売り始めたこともあって例年より圧倒的にペースが速いですね。駐車券に関してもこれまでの1ヶ月くらい早く売れ切れたし。情報が何もアナウンスされていない状況でみんなが購入するっていうのは僕らとしてもすごく嬉しいことです。海外だと半年以上前から販売なんていうのは結構あるのですが、国内ではほとんどなくて。試みとしてはやってよかったと思います。

    ー早割第一弾だとホントすぐ売り切れますもんね。そんなTAICOCLUB、今年の取り組みについて伺います。何か新しい要素を盛り込む予定は?

    Y:金銭的にできるかどうかですが、ひとつはKURATAS呼びたいなって思っていたんです。すごく高い、めちゃくちゃ格好いいロボットがいたんですよ。実際乗れるたりするやつ。まあもちろん「野外で使いたくない」って(笑)

    ーあー雨とか降ったら…

    Y:そう、雨が降ったら完全にダメだし、土がつくのもダメで。

    Takuya Nagamine毎回ユニークなアーティストのセレクションと、映画『モテキ』でもフィーチャーされたような会場の雰囲気が織り成すタイコ。今年もさまざまな取り組みを検討したそうです。ロボットのほかには普段見かけないような種類やサイズの植物を集めてステージとは異なる空間を作ってみようとしたりということも検討されたそう。

    Y:あとは新しいものとしては会場にCoinyっていう、ケータイに挿してカード決済ができるっていうものを考えています。フェスだとお金持っていかないけれど、いいものがあれば奮発してもいいかなって人多分いると思うので、そういうことも整備できればと。

    インフラ面の整備という点では、先日発表された託児所にも注目。夜に主軸が置かれるフェスと子育てという壁に、今年は挑戦します。

    音楽面に込めた「次への期待」

    電気グルーヴにPolaris、Prefuse 73…今年もダンスミュージックやポストロックなど、旬のラインナップを取り揃えたタイコ。そのアーティスト面のお話に移ります。

    ―タイコらしさを保ちつつ毎年何かしらのトピックがあると思うんですが、安澤さんが今年のテイストに加えた異色のものがあれば教えてください。

    _YK19367_2Y:今年ちょっとチャレンジングなのはサンボマスター。あとは、多分これ知らないと思うんですけど、The Arcade FireとかBon Iverと一緒にやっているサックスの人でColin Stetsonという人がいて。その辺はちょっと今までと違う感じのテイストですね。

    ―ありがとうございます。では「これは見ておけ!」ってものも合わせて教えて下さい。

    Y:そうですね…Kishi Bashiさんのライブが素晴らしいものになると思います。ひとりで全部弾いて、ループさせてどんどん重ねていくみたいな感じなんですけど。ひとりのライブとしてはユニークで面白いと思うし、あと日系2世なんでそこの親近感なんかもあるかな。

    あとXXYYXX。若いのにサウンドはあの感じを出せる…っていうのはやっぱり注目でしょうね、きっと今後もっと成長していくアーティストだと思いますし。一昨年で言うToro Y Moiとかああいうアーティストに当たるんじゃないかなと思うんです。

    新しく出てきたアーティストとベテランとでうまく配分できるといいなっていうのはずっと思っているんですけど、特に若いアーティスト達の動きって気になるんですよね。この間Toro Y MoiをDaM-FunKがリミックスしましたが、彼らは以前会場で話していたりするのを僕は見ていて…そういう世代とかを超えて”近い”アーティスト同士があとあと一緒に何かやったりっていう展開もあるし。

    世代だけじゃなくて、国外のアーティストと国内のアーティストとでも何かやってくれると嬉しいなって思うんですけど、なかなかそこは…。

    ―難しい(笑)。前回のインタビューでおっしゃっていた「日本のアーティストを国外から”発見”されるようにしたい」という考えは今も?

    _YK19357_2Y:ありますね。海外のフェスをやっている知人などを通じて日本のアーティストを一枠どうにか作ってもらい僕らが勝手に、みたいなのを考えているんです(笑)。日本のアーティストが海外で、ってやっぱり本当に少ないじゃないですか。今年はコーチェラにスカパラ出ますけど。

    ―あとはグラストで浅草ジンタですか。スカパラや渋さ知らズといったワールドミュージック枠というか、海外フェスで日本がフィーチャーされるのは概ねそういったところになるんですかねー。ダンスミュージックやオルタナティブすぎるところにいったらいったで逆に日本では知名度がないとか。

    Y:国内にこんだけアーティストがいるのにどうして?っていうくらい、ないですからね。コーチェラとかフェスのラインナップって、ヘッドライナーはバンドロゴ、続く2番目から数組くらいは大きなテキスト、そして3番目以降は小さくみたいな書き方がありますよね。それでスカパラって1番小さいところで、それはつまり…っていうことですよね、向こう側の意識としたら。国内ならもっと大きいのに。

    ―そうですね。フジロックだったらグリーンステージでお昼どき、というかロゴで載っても、ですね。

    Y:すごく温度差があるし、向こうもまだそこまで重要視していない。そこを僕らとしてはせめて2段目ぐらいに入るとこにしたい。

    フェスティバルのブッキングはラクじゃない

    ―お話を戻します。アーティストといえば、Emeralds解散→元メンバーがソロで、というトピックもありましたね。

    Y:あ、Emeralds…はい(笑)。

    ―第1弾で発表した矢先、まさかの解散…こちらはもう心中お察ししますということしか申し上げられないんですけども(笑)あれはどういった…?

    Y:僕ら自身もちょっとイマイチ状況がわかってないっていうところがあるんですけど。まぁEmeraldsとしてオファーして、OKですよって話になってよかったねーっていう…僕ら的にもすごく達成感があったのに(笑)最後のアルバムが前回とだいぶ違うし、すれ違いがあったんでしょうか。まあまだ20代、よくある音楽性の違いみたいなところですかね…。結局日本で1回もやらずに終わったというのが残念ですが。というか僕らが1番残念(笑)。

    ―驚いたのは、そのままラインナップから名前が消えるだけじゃなくて、それぞれのソロがそのまま出るっていう。(※インタビュー後、マーク・マクガイアはレーベル契約解消によりキャンセルに…残念!)

    Y:不思議な感じですよね。普通に考えたらありえない感じはするんですけどね。ソロで出てくれってオファーしたらじゃあソロで、ってなった(笑)。

    ―そうやって声をかけるのもすごいなあと思いますが。

    Y:まあそこは…出演者を決めて情報を出す、そしてキャンセルって…僕ら主催者的にもすごく疲れるんです。フジロックのように枠が何百とあるわけじゃないから、自分たちで「これ呼びたい」っていうのがまずあって、そこから固めていくイメージなんです。それがキャンセルになると、イメージ的なマイナスは当然ですが、何より僕ら的に「あぁ…」って(笑)まあ結局フェスティバルはそういうのがちょこちょこある。病気なんかだと、自分が病気になって仕事できませんってありえるわけですけど。けどねー(笑)。Tanaka Makoto

    ―(笑)以前も「TAICOCLUBは敢えてバリエーションを出していきたい」とおっしゃられていましたね。Emeraldsの穴が空いても方向性で舵を切り直すような影響はそこまでなかった?

    Y:そうですね。穴は空きましたが、トータルとして楽しめるものがあればっていうのは変わりません。20組から1つ欠けるっていうのは、20分の1…5%か、やっぱり大きいですけど(笑)その5%は追々埋められばいいかなっていうのもあるので。そこまでそれに対して大きな転換するってことは特には考えていません。

    色々あるんですね…フェスティバルをつくるというのは、やはり大変なことだとインタビューをしてみて改めて思います。そういった複雑さはアーティストに限らずのようで…

    ―そういえば、飲食情報とかどのように決めているんですか。店舗のピックアップも自分たちで?

    Y:まずは応募を募り、そこから選んでいくという形ですね。基本的に自分たちで選びます。

    ―そこら辺の決め手っていうのは何でしょう。ジャンルとかも考えて?

    Y:ある程度のバランスは…例えば麺ばっかりとかありますしね(笑)。あとはこれまでの実績とかも加味しつつ選んでいるんですけども。本当はもっと色々自分たちでその辺の店に行って「出てください!」って言いたいけど、お店も車の有無とか色々事情があって難しくて。あとは営業許可の問題ですね、長野ってこのあたりが厳しいんです。これによってできるところとそうじゃないところが出てくる。

    ―都道府県ごとにルールって違うものですか?

    Y:そう、県ごとの保健所のルールがある。「この県だと車じゃなくてもいいけど、この県はNG」って。あと、保健所の人が結構ゆるかったりそうじゃなかったりっていうのもやっぱりありますよ(笑)。ああいうところって4月に配置換えとかでいきなり人が変わり事情も全然違って…とかで結構読めない。去年だったか一昨年だったか、春になってから「え、そんなに厳しくなんの?!」みたいなことありましたよ(笑)。新担当が「じゃぁ今度ぜんぶ調べにいく!」といきなり言い出すみたいな。

    ―それはそれは…。長野が厳しいとなると、次は違う場所で開催をって検討…ってあります?

    _YK19371_2Y:うーん…。ちょっと話は変わるんですが、ときどき昼開催もいいかなって考えたりするんです。僕ら的には夜の感じが好きですが、お客さんの需要としてなんとなくそういう人増えてきていると思うし。 それで、昼間だともっとほかの場所を探せる。

    ただこれまであの自然を使ったところでやってきているので、もし変えるとしたらやっぱりもっと面白いところというか、なんかないと面白くないですよね。そこを探すのがなかなか難しいです。

    ―あとは今の会場を管理されている方たちと築いた関係もありますもんね。

    Y:そう。向こうとしても楽しみにしてくれているんで、なかなかこう…「じゃ!」ていうのもね(笑)。心情的にもそれはやっぱりありますよ。行くと必ず会えるおばさんがいて、下見とかで僕らが行くと本当にあたたかく迎えてくれる。

    ―以前話していた、去年あげたTシャツ着ているおばちゃんですね(笑)。グッときますよね。帰るときに野沢菜とか持たされるとか(笑)。

    Y:みんなで並んで「また来てねえー!」みたいな(笑)それ見ちゃうと、なかなか離れがたいものがありますね。

     

    ここで前編は終了。後編はタイコのユニークな側面のひとつであるPRの部分や、安澤さんのフェスティバル観などにお話を進めます。

    冒頭でも話に出ていたように、TAICOCLUBの売れ行きは今年も好調で、先日当日券販売がない旨ニュースがありました。チケットは絶対に前売りでゲットして、6月のはじまりを長野で迎えましょう!

    Text : 本人(@biftech

    ■TAICOCLUB ’13
    公式サイト
    Facebook公式ページ

    ■INFO
    2013年6月1日(土)、6月2日(日)
    会場:長野県 木曽郡木祖村 こだまの森
    出演:
    cero
    クラムボン
    Clark
    Clin Stetson
    電気グルーヴ
    DIAMOND VERSION+Atsuhiro Ito
    EYヨ(BOREDOMS)
    JETS(Jimmy Edgar+Travis Stewart a.k.a. machinedrum)
    Kishi Bashi
    クボタタケシ
    Machinedrum
    Magda
    MOODMAN
    Mark McGuire
    NicK The Record
    of Montreal
    Polaris
    Prefuse 73
    Ricardo Villalobos
    ROVO
    サンボマスター
    Steve Hauschildt
    Tycho
    XXYYXX
    在日ファンク
    Zip
    料金:前売12,000円

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