XLAND FESTIVAL 当日レポート
- 2012/09/11 ● Report
先日、fujirockers.orgでプロモーターインタビューをした『XLAND FESTIVAL』に行ってきましたので、その様子をお伝えします。イベント当日は晴れたり、豪雨が降ったりと、例年のフジロックを彷彿とさせる天気でしたが、野外ならではの音楽体験が出来るのはやはり格別でした。
都内から1時間ほど電車にゆられて到着したのは、会場の最寄り駅である相模湖駅。駅を降りるとバス停に並んでいるお客さんがたくさんいました。バスを待つ感じは、越後湯沢とそっくりで思わずニヤリとしてしまいます。この時は天気も良くて、後で豪雨がくるなんて夢にも思ってなかったのですが…。
バスに10分ほど乗り、会場の『さがみ湖リゾートプレジャーフォレスト』まで少し歩きます。バス停から坂を登っていくうちに、ダンス・ミュージックのビートが聴こえてきて、すごくテンションが上がりました。歩いて会場に向かう時に、日常から非日常に変わっていく感じを味わえるのは、野外イベントならでは、ですよね。
入場ゲートをくぐると、XLANDのシンボル的なモニュメントである、巨大なミラーボールのピラミッドがあります。夜になるとミラーボールは昼間とは違う顔をみせ、より一段と光り輝き、思わず立ち止まって写真撮影をしているお客さんの姿がたくさん見受けられました。
昼頃に会場に到着すると、大粒の雨がポツポツと…。それまで晴れていたのですが、お客さんは雨具を着たり、スタッフの方は大急ぎでスピーカーに防水カバーをつけたりと、わずか数分で会場が様変わり。普段からクラブで遊んでいるパーティー・ピープルから、ゴアテックスを着た野外フェスティバル慣れしている人までと、XLANDはクラブ・ミュージックを軸にしたラインナップですが、さまざまなお客さんが来ていました。
メインステージの『PLEASURE STAGE』では、トクマルシューゴが大雨の降る中でライヴをスタート。MCでは「僕も頑張るので、雨がすごいですけど、みなさんも楽しんでください」とお客さんの心配をしながらも、自然とこちらの身体が踊りだしてしまうような熱のこもった演奏を聴かせてくれました。天気も次第に回復し、終盤で披露されたBUGGLESの「Video Killed the Radio Star」のカヴァーの際には、雲ひとつない空模様となっており、とてもドラマチックなライヴでした。終演後、たくさんの笑顔が溢れていたのが忘れられません。
メインステージの後方エリアでは、シートやタープを広げてピクニックをしているかのような家族連れのお客さんがあちらこちらに。夏休み最後の週末をフェスティバルで過ごせるなんて幸せなことですよね。
家族で来ても楽しめるように、授乳スペースや遊びのスペースなどがしっかり完備され、常に子どもたちが楽しそうにキッズエリアで遊んでいました。
たくさん踊って疲れると、何よりも大切になってくるが栄養補給!ということで、メインステージの隣にはBBQエリアもあり、食欲を刺激する香ばしいにおいがしていましたよ(笑)。
今年のXLANDは「eastaudio SOUNDSYSTEM」にサウンドプロデュースをしてもらっており、音は折り紙つき。前方エリアでは重厚な音圧を感じることが出来ました。特にウルリッヒ・シュナウスのノイズ音と重低音の効いたサウンドシステムの相性は抜群でしたよ。しかし、ステージ間の距離が近いので、他のステージの音が聴こえたのが少し気になりました。
奥地にあるステージ、その名も『FOREST STAGE』では、全国津々浦々フェスティバルがあるなかで、ここだけにしか出せない雰囲気というものが醸し出されていました。タープや装飾品など、随所にそのこだわりが見られ、お客さんの真上にはミラーボールがあり、インタビューでヒトミさんが語っていた「クラブの感じ」がちゃんと聴覚的にも、視覚的にも表現されていました。
イチオシのアーティストとして名前が上がっていたRUB U TAGのライヴは途中から雨足が強くなったのですが、天候などはお構いなしの攻撃的なDJプレイをみせ、海外アーティストの格の違いを見せつけてくれました。
数回の豪雨がありましたが、綺麗な月が見えるころには、装飾物がキラキラと光りだし、とても幻想的な空間になっていました。そんな中で行われたXLANDのヘッドライナー、フレンドリー・ファイアーズのライヴはロック・バンドでありながらも、グルーヴのあるサウンドでお客さんを踊らせ続け、新人バンドの枠から頭一つ抜け出ているアーティストであることを証明するものとなっていました。
実際に行ってみると、クラブが好きなお客さんをメインターゲットとしながらも、家族がピクニックに行くような感覚で気軽にいけるフェスティバルとしての面もありました。今年で2年目となる、まだまだ発展段階にあるフェスティバルですので、今後どのように『XLAND FESTIVAL』が変わっていくのか、とても楽しみです。
文章&写真 小川 泰明