「今年は連休が少ない！」　なんて話をよく聞きます。その貴重な連休が先日にありましたが、みなさんはどう過ごしましたか？ フジロックの用意、予行練習のキャンプ、いやいやここは体力温存で終始就寝・・・どう過ごすかは人それぞれだとは思いますが、フジロック前の休日は、フジロッカーにとってちょっと意味のある休日ですよね。僕たちは高橋浩司(HARISS ex.PEALOUT)さんを誘って、今年フジロックに出店する東京のごはん屋さんをめぐる冒険を行いました。

実はこの方、PEALOUTのドラマーとして5回のフジロック出演歴があり、お客さんとしても97年の富士天神山から毎年のように会場へ足を運ぶ生粋のフジロッカー。さらに言うと、「当日の動きは、ごはん、ライヴ、ごはん、ごはん、ライヴ、ごはん。くらいの割合（笑）」「ライブのタイムテーブルより、ごはんMAPの方がぐちゃぐちゃになるよ」というほどのフェスごはん好き。これはオルグが誇るフジメシ企画にお誘いしない手はないでしょう！ということで、そのレポートをどうぞ！

当日、茹だるような暑さの中、着いた高円寺。梅雨だというのが嘘のようなピーカンお天気に恵まれ、大汗をかきながら、それはまさに真夏の苗場を歩くように最初のお店に到着しました。

11:00

JR高円寺駅から新高円寺駅に向かって、アーケード街を抜けてもうちょっと。そうすると白い陽気な建物が見えてきます。それがテキーラハウス。

おやおや高橋さん。一店目からそんなに食べて大丈夫ですか？　と思わせる食べっぷり。そんな心配も杞憂に終わることは、このとき僕たちは誰も想像してませんでした。

さて、ここでごはん大好き高橋さんにフジメシの思いでなどを聞いてみることに。すると、なんと去年のフジロックで食べたごはんをまとめてきてくれていたのです！「でも、これで全部じゃないんだよね。自分の記録用にごはんの写真は撮るんだけど、後で見てみたら空容器が写ってるのがいくつかあって。撮るの忘れて食べちゃった（笑）さすがに器だけじゃ何食べたか思い出せなかった〜」…容器、全部一緒ですからねぇ。それにしても、メニュー名と店舗名まで覚えているのが素晴らしい。オルグのフジメシュラン企画に参加して欲しいくらいです。フジロック開催中もtwitterなどでリアルタイムにごはんを更新する高橋さん。当日、チェックしておけば食を楽しむ高橋さんに会えるかも！？そんなごはんの王様、高橋さんとめぐる冒険はまだまだ続きます。

食べたもの＝
タコス各種(スープ、ドリンク付き)
アボカドタコライス(スープ、ドリンク付き)

15:00

高円寺から中央線で少し下って到着、ここは荻窪。駅前の商店街をちょっと歩いて見つけました！何人のフジロッカーの頬を落とさせたのか、ワールドレストランで売られているスイーツでおなじみのル・ジャルダン・ゴロワ。

買ったもの＝
チーズケーキ（梨、ブルーベリー、アップルシナモン、赤い果実）
エッフェル生シュークリーム
生ハムと半熟玉子のジュレ
プティタルト（洋なし、いちご、フルーツMIX、桃と木苺）
シューケット

16:00

ル・ジャルダン・ゴロワでたくさん買ったスイーツ。すぐには食さないのです。今回の冒険の中では異色店舗、そしてストーンドサークルに出店が決まっている笹塚ボウルで一汗、否！一戦交えてから、そして、その勝者が先にスイーツを選べるというガチンコバトルが開催されたのです！！

「ボーリングなんて、何年ぶりかわからないよ」と高橋さん。「そんな事言ったって容赦はしませんよ」とオルグスタッフ。最初は自信なさげだった高橋さんですが……

このレベルの低い戦いっ！（笑）　いやいや、いいんです。結果じゃない、経過です。一緒に汗を流した高橋さんとオルグスタッフは、もう初対面とは思えないほど、打ち解け合っていたのです。

17:30

場所は変わって、イングリッシュガーデンが気持ち良い新宿のとあるビルの屋上。その場所で広げる、ル・ジャルダン・ゴロワのスイーツと当日取材前にスタッフが買ってきたルヴァンのパン(メランジェ、チーズコンプレ、プチパイ。実はこれも「フジロックで売ってるパンが食べたいな」という高橋さんからのリクエスト)。気分はもう英国貴族さながらです。

「移動距離があって、まるでフジを歩いているようだね」と高橋さん。この日の移動距離はかなりのもので、天候も真夏そのものでした。フジロックの予行練習にはぴったりだったかもしれません。そして夕方になり、暑さも少しやわらいできて、たまに吹く風に夏の訪れを感じつつ、やっぱりフジロックを意識してしまう僕たちなのです。

18:30

山手線でやってきたのはビールの街、恵比寿。ここにもフジロックおなじみのお店があるんです。その名もキッチン・ソルナ・カフェ。恵比寿の南に位置する飲食店街の一角にあります。

食べたもの＝
季節の野菜のグラダパダーノ和え
オリジナルカレー
インディアン焼パスタ　With　温たま

ほんのちょっと前にスイーツをたんまり食べたばかりなのに、高橋さんの食欲は計り知れないものでした。食べている時の高橋さんは本当に嬉しそうで、見ているこちらが楽しくなるほど。「(会場では)遠いなぁと思ってもそのごはんが食べたいと思ったら行ってしまうんだよね。出店舗と出演アーティストってお客さんを楽しませるっていう意味では同じだと思うんだ。僕は毎年必ず全エリアで食べるようにしているよ」と高橋さん。

高橋さんが今まで食べたフェスごはんの中で一番心に残っているものはなんですか？　「１回目(97年)の時に食べたタイラーメンが忘れられないんだ。あの時はみんな知っているとおり、嵐だったんだけど、そんな状況で食べたからか、今までに食べたタイラーメンの中で一番おいしかったなぁ。ああやって雨だったりすると、『この1食に救われた！』っていうことあるよね」「最近では、苗場食堂の野菜が好き。フェスで新鮮な野菜が食べられるってなかなか無いよね」フェスごはんをこよなく愛する高橋さんらしい回答、ありがとうございます！

もちろん音楽がメインのフジロックではありますが、疲れたお客さんを癒し、「食」をテーマに楽しませるのがフェスごはん。フジロックに出しているお店は、バラエティーに富んでいて、レベルが本当に高いのです。興味がある人はもちろん初めてフジロックに来る人はちょっと騙されたと思って、先日公開されたごはんMAPを見てみてください。そして少しだけ時間使って、ごはん探訪してみてください。新しいフジロックの楽しみ方がきっと発見できると思いますよ。

最後に僕たちと高橋さんは、フジ当日、場内の笹塚ボウルで再戦を誓い、別れたのでした。

高橋浩司
Koji Takahashi

1994年PEALOUT結成、1999年リーバイスニューステージ、2000年前夜祭、レッドマーキー、2002年レッドマーキー、2003年ホワイトステージと4度のフジロック出演、11年間の活動を経て、2005年レッドマーキーをラストライヴにPEALOUT解散。
2005年、PENPALSのハヤシムネマサ、ヒライヨシトと共にREVERSLOW始動。
と同時にHARISS結成。
2006年REVERSLOW脱退、以後HARISSの活動に専念。
2012年、PEALOUT時代の盟友、近藤智洋と共にThe Everything Breaks結成。
サポートや、DJ、雑誌連載等、幅広く、ポップにラウドに活動中。
毎年、ごはんMAPをがっつりプリントして苗場に通うフェスごはん好き。

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■BLOG：
高橋浩司blog “カッちゃんヒガシ日記”

文・マルヤマリョウヘイ
写真・輪千希美