• 大将インタビュー 番外編 ~ 風営法のダンス規制について ~


    フジロックまで残すところ、あと数日! 来週の今頃はもう苗場ですね! 今週末は持ち物準備のラストスパートといったところでしょうか。フジロックの大きな楽しみのひとつと言えば、大自然の中で大好きな音楽を聴きながら踊ること。フジロッカーにとってはごくごく当たり前の、この「踊る」ということについて、皆さんご存知の通り、現在の風営法では規制がされております。この事実に耳を疑った人も少なくないはず。この風営法の改正を求める署名運動は、日高さんも呼びかけ人のひとりとして名前を挙げています。そこで、インタビューの番外編として、このことについても話を聞いてきました。

    インタビューをお届けする前に、まずはお知らせがあります。

    この署名に同意いただける方に、是非フジロックに持ってきてもらいたいものがあります。それは、風営法の規制対象から「ダンス」を削除する旨の署名用紙。1枚に5名分を記入できるので、苗場に足を運べない仲間の分も書いて持ってきていただければと思います。もちろん当日その場でも署名することができます(詳しくは記事の最後で)。

    それでは、日高さんインタビュー 番外編をどうぞ。


    ━ 日高さんも署名の呼びかけ人になっている、風営法からのダンス項目の削除について話をうかがいたいのですが。

     

    この風営法の件は、10何年前くらいに東京でも取取り締まりをやったんだよね。麻布界隈で。後でクラブからその話を聞いて、あったまに来たんだ。それで、じゃ、イベントやってやる! ってことで、「東京ポリスステイト」っていうタイトルつけてやったんだよ。かなりヤバイ表現だったんだけどさ。東京はおまわりの国だ、っていうね。

    それで風営法はどういうものかっていうと、まず、戦後の法律が変わるまでは売春を国が認めてたわけだ。でも、戦後の昭和20年代になってそれが変わったんだ。おかしいってね。俺に言わせりゃ、おかしいどころかひどい話だよ。それで、女性解放っていう背景があり、売春防止のこともあって風営法ができたんだ。その風営法の中の項目のひとつに、飲み屋で踊っちゃいけないっていう内容のものがあるんだよ。それはなぜか?  お酒を飲んでいるところで男女が踊ると、そこで話がまとまるっていうんだよな。でもこれは昭和2、30年代の話だよ。

    別に警察もクラブをやっつけようとしているわけじゃないんだと思うけど、結果的にそうなってくるんだよね。あんなに男と女が踊っていて、何かいかがわしい商売があるかもしれない、って目で見るのが警察だからね。それで時々、風営法をひっぱり出してきて取り締まっているんだよ。いわゆる権力ってやつだね。例えば、六本木界隈のクラブ付近で覚せい剤やマリファナが見つかるケースが多くなると、もう面倒くさいから風営法の項目を使って一気に周辺のクラブを取り締まったりするんだよ。

    お酒を出して踊れるお店を出す時って、許可がいるんだよ。面積とかの条件も決まっていて。それを小さいクラブが満たそうとしたらすごくお金がかかってしまう。今、大阪で取り締まりをやられているのは、みんな小さいクラブだよね。多分アメリカ村が少し荒れていたから、一気に取り締まれ、ってなったんだろうね。見た目はみんな同じに見えてしまうから。

    俺は元々、権力側が勝手にそういったことをやるのが本質的に嫌いなんだ。クラブっていうところは、ただ飲んで踊る場所じゃない。いわゆる創造の場所でもあるんだよね。あんまり使いたくない言葉だけど、カルチャーっていうかね。ライティングの技術やアートワークだったり、そして音楽が進化していくところ。だから今の警察は、そういうことを理解せずに、はっきり言って時代遅れのものを持ち込んできてるわけ。いつの時代だって新しいムーブメントって必要なんだよ。それを全部潰しても構わん、って古い法律をひっぱり出してくることに俺は大反対なんだ。

    だから風営法のダンス項目を削除する署名運動の話を大阪から聞いた時は、やっていこうぜ、って。この前もあるメディアのインタビューを受けたんだけど、「これから先、クラブとしてはどういうことをやっていけばいいですか?」って質問があってね。俺はこういう性格だから、「クラブ活動をしましょう」って答えたよ。

    要は、踊ってお酒を楽しむ場所があるというのは当たり前。だからクラブがあるのも当たり前なんだっていう前提が俺にはあるから。フェスティバルもその中の一つだし。もし、これ以上弾圧に等しいことをやるなら、俺も考えるよ。キャンペーンもやるだろうし、会社の仕事の一環としてやると思う。違うだろう、って。

     

    以上でインタビューは終わりです。大将節の効いた力強いコメントですね。署名運動の呼びかけ人となっていることが納得できる話を聞くことができました。記事の始めでお伝えした通り、今回フジロック会場にて、この署名用紙を集めます!

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    ■署名用紙のダウンロード:こちらです(PDFファイル)

    ■集める場所:フジロッカーズ・ラウンジ(オアシスエリア) ※旧ネットカフェの場所

    フジロッカーズラウンジ内に、「東北ライブハウス大作戦」「Let’s DANCE署名推進委員会」の2ブースが出展します。どちらのブースでも署名用紙を受け付けます。もちろん、その場で署名することもできます。

    【東北ライブハウス大作戦ブースの紹介】
    ブースでは、チャリティーGOODS/チャリティーCDの販売、募金活動を行っているほか、FRF’12に出演するACIDMANやASPARAGUS、後藤正文、チャットモンチー、THE BACK HORN、FRONTIER BACKYARD、locofrankや、FRF’12出演者以外にもたくさんの賛同アーティストのコメントの掲示をしています。
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    Let’s DANCE署名推進委員会は、8月末までに10万人の自筆署名を目指しています。7月21日現在、約2万2,000人分が集まっています。

    風営法でダンスは規制するべきじゃない! というフジロッカーの皆さま、今年のフジロックは署名用紙を持って苗場に集合でお願いします!

     

    写真:藤井大輔
    文:近藤英梨子

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