NEAL FRANCIS 初の単独来日公演目前!あのグルーヴを再びここ日本で!
- 2025/04/20 ● from fujirockers.org, News
ニール・フランシスがフジロック’23来、約2年弱ぶりに帰還。待ちわびたぞ!今も脳裏に浮かび上がるは、フィールド・オブ・ヘブンに集った聴衆を終始魅了したあのステージ。ニールとバンドが醸成した「ヘブンを文字通りヘブンたらしめるグルーヴ」をいつまででも浴びていたくなるような至福の時間を堪能させてもらった。満を持して果たされる東京と大阪での初単独来日公演を目前に、あらためてニール・フランシスが何者であるかとともに、来たるライヴがなぜ必見なのかを記したい。

NEAL FRANCIS | FUJI ROCK FESTIVAL ’23 | Photo By リン(YLC Photograpghy)
Who is Neal Francis!?
ニール・フランシスは、アメリカはイリノイ州のオークパーク出身にしてシカゴを拠点に活動するシンガーソングライターだ。フジロック’23では、ヘブン公演の前日に木道亭に設けられた「森のピアノ」にサプライズで登場。抜群の腕前を披露し、居合わせた幸運なオーディエンスを唸らせたという一流ピアニストとしての顔も持つ。10代の頃からブルーズに惹かれ、シカゴのクラブでかのマディ・ウォーターズの長男であるマッド・モーガンフィールド(Mud Morganfield)などのブルーズマンの傍らで演奏し腕を磨いてきた。2012年にインストゥルメンタル・ファンク・バンドのザ・ハード(The Heard)に加入し、メインソングライターに抜擢されるも、大酒飲みかつドラッグ癖がたたり3年後の2015年にバンドをクビになってしまう。若くして過度のアルコール・ドラッグ中毒の苦難に見舞われるも乗り越えソロ活動を決断。2019年にそんな紆余曲折の人生が色濃く表現されたデビューアルバム『Changes』をリリースした。本作はBBC Radio 6からニール自身が敬愛してやまないニューオーリンズミュージックの伝説「アラン・トゥーサンの再来」とまで称され、世界各地のメディアが大絶賛。KEXPやKCRWなどの全米各地のラジオ局で最優秀アルバムに選ばれた。ソロデビューし立てにして輝きを放つニールがフジロック’20で初来日にして苗場の地を踏みしめるはずだったが、COVID-19のパンデミックによりキャンセルに。2020年にATOレコードと契約し、コロナ禍のロックダウン中にバンド仲間とシカゴの教会内に作ったスタジオで2枚目のアルバム『In Plain Sight』の制作を開始し、2021年に完成させた。名ギタリスト、デレク・トラックスのスライドギターがフィーチャーされたファーストシングル“Can’t Stop the Rain”はデビュー週にアダルト・オルタナティブ・ラジオ局で最も人気のある曲となり、アメリカーナチャートでも26週間もの間ランクインを果たす。前作を超える評価を受け長いカナダや全米各地のツアーを経て、フジロック’23で念願の初来日にして初演を圧倒的なパフォーマンスで魅せたのだ。
NEAL FRANCIS | FUJIROCK EXPRESS ’23
https://fujirockexpress.net/23/p_1688.html
Where Neal Francis is coming from!?
ニールの音楽的ルーツはどこから来たのだろうか?彼の音楽を一聴して感じるのは、サウンド面だと60年代後半から70年代の往年のファンク、ソウル、R&B、ゴスペル、ロック、跳ねるピアノや味わい深い声といったプレイヤー面はやはりアラン・トゥーサンの影響が大きい。だが、もちろんそれだけではない。先月、満を持してリリースされた最新作『RETURN TO ZERO』では、ニール節は効かせつつもダンスミュージックに大接近し、収録曲の“Can’t Get Enough”は残念ながら今年3月に亡くなったロイ・エアーズからの影響を公言している。ヒップホップのサンプルから元ネタとして70年代のディスコミュージックを知ったというから、ヒップホップを通過した自由なミックス感こそニールが奏でる温故知新な音楽の源なのかもしれない。かの「チェス・レコード(Chess Records)」のジャズ部門「カデット(Cadet)」(元「アーゴ(ARGO)」)のアーティスト勢やカーティス・メイフィールドにも言及し、シカゴルーツであることは常に明確にし、その根っこを更に掘り下げていっているようにも見て取れる。これまでは大好きなアナログ機材にこだわって音作りをしてきたようだが、今後はコンピューターを取り入れることにも意欲的なようだし、まだまだ音楽の旅の途上ということなのだろう。ニールの幅広い影響源を知る上でドンピシャのネタがある。ニール自身がキュレートしたSpotifyのプレイリスト『Where I’m Coming From』だ。トータルで600曲以上、約47時間もの再生時間という大ボリュームだが、ニールを起点として音楽の大海原に泳ぎ出すのに最高の代物。来たるライヴを楽しんだ後にでもぜひチェックしていただきたい。
『Return To Zero』
『Where I’m Coming From』
Going to be the best live show ever!?
ニール・フランシスは何と言ってもライヴだ。ヘブンのパフォーマンスを目撃した人誰ならしもがうなずいてくれることだろう。来週に迫った単独来日公演が必見必聴である単純明快な理由はこれに尽きる。解き放たれたかのように鍵盤を叩き、貴公子のごとく優雅に金髪を振り乱すニール。極上の調べを奏でつつも前のめり突っ走りがちなニールを、がっちりと確実に支えつつ自由自在にセッションに突入できるバンド勢の匠なミュージシャンシップも相当なものだ。そして、ニール自身も述べている通り、ライヴでは同じ曲でも表現としてはまったくの別物と化す。まだライヴを体験したことがない人うってつけの盤がある。地元シカゴのタリア・ホール(Thalia Hall)で2023年3月25日に録音されたライヴアルバム『Francis Comes Alive』だ。オリジナルアルバム3枚も最高だが、私はまずこれを推す。フジロックでのバックはギター、ベース、ドラムというコンパクトなバンド編成だったが、ここではホーン隊揃っているのもたまらない。音源よりもグルーヴと熱量が各段にパンプアップされた“She’s Winner”を聴いてみてほしい。グルーヴに思わず身体が動き出してしまうこと請け合いだ。アレック・バジー(Alec Basse)が監督を務めた同ライヴのフィルムもYouTubeにアップされているのでこちらもぜひ。オーディエンスとバンドとの間の熱い交歓…こんなのを見てしまえば来週のライヴ、もう行くしかないでしょう。これをここ日本で、集まったみんなでやるんだ!
Neal Francis – Francis Comes Alive: The Movie
『Francis Comes Alive(Deluxe Edition)』
【Neal Francis Japan Tour 2025】
◼︎東京
2025/04/24 (Thu) SHIBUYA CLUB QUATTRO
OPEN 19:00 START 20:00
スタンディング
前売り:¥7,500 ドリンク代別
◼︎大阪
2025/04/25 (Fri) Shangri-La
OPEN 19:00 START 20:00
スタンディング
前売り:¥7,500 ドリンク代別
チケット情報はこちらから
https://smash-jpn.com/live/?id=4366
Text by 三浦孝文