『JACK WHITE -JAPAN TOUR 2025-』@豊洲PIT 2025/03/17 ライヴレポート「Rock Lover待望の世界的ギタリストが日本へ帰ってきた」
- 2025/03/30 ● Report
この日をどれほど待ち望んだことだろう。ライヴハウスでジャック・ホワイトを見られるという、千載一遇の好機に喜びを噛みしめながら入場すると、既に幅広い年齢層の客で埋まっている。ジャックは国内外問わず超一流のギタリストとして名高い。本人を模倣してブルーのジャケットを羽織る者もいれば、ツアーTシャツとデニムの王道スタイルで参加する外国人観光客など、一人一人のコーディネートがカラフルで非常に興味深かった。
18時半にオープニングアクトのつしまみれが登場。“人間放棄”や“SHOW YOU MY SOY SAUCE”などパンクな楽曲を披露し、フロアをあたためていく。彼女たちのパフォーマンスとお酒の相性が良く、レモンサワーを追加注文してしまった。
“Intro Jam”が流れると、会場内にどよめきが起こる。ターコイズブルーにタランチュラ(蜘蛛)が描かれたド派手なジャケットを身に纏ったジャックが登場するや否や、ファンの目が燦然と輝きだす。今ツアーは会場によってセットリストが異なるので、レア曲が登場する可能性も十分にあり得る。誰もが期待に胸を膨らませていたことだろう。開幕を告げる1曲目は、昨年リリースした新アルバム『No Name』より“Old Scratch Blues”。ギターソロから始まり、ベース、ドラム…音が徐々に重なっていくことで、ボルテージが上がっていく。続いて披露したのは、五臓六腑に染み渡る重低音が特徴的なハードロック“That’s How I’m Feeling”。ジャックのシャウトが響き渡ると、観客も拳を突き上げ呼応する。今回は新しい曲を中心に攻めていくセトリなのだろうか?と考えていると、その期待は良い意味で裏切られることとなった。3曲目に飛び出したのはまさかの“Icky Thump”!!ザ・ホワイト・ストライプスが2007年に発表した代表曲の1つだ。こんな序盤に披露するとは誰が予想できただろう。「La la la la la la~」の部分では、たまらず近くにいた外国人客と肩を組んで熱唱した。ジャックが軽やかに動き回ってギターをかき鳴らす姿は、さながら天使のようにみえた。
どうやら今回のライヴは、ジャックが今まで携わってきたバンドのすべてを織り交ぜたセットリストとなっているらしい。「これぞ、ガレージロック!」ともいうべき初期作『De Stijl』収録曲の“You’re Pretty Good Looking (For a Girl)”、オルタナティブやインディー的要素が強いザ・ラカンターズの“Broken Boy Soldier”、“Steady, As She Goes”。サイケデリックな楽曲展開が心地よいザ・デッド・ウェザーの“I Cut Like a Buffalo”。1997年の活動開始から、2025年現在のソロ活動に至るまでの軌跡を辿っているかのようだ。ラストに披露されたのは、グラミー賞で最優秀ロック・ソング賞を受賞したことでも有名な “Seven Nation Army”。ホワイト・ストライプスの名刺ともいうべき楽曲。ジャックと共に大合唱したこの時、会場にいた全てのファンに仲間意識を覚えていたのは私だけではなかったはずだ。こうして、大熱狂の初単独来日ツアーは幕を閉じた。ちなみに、今ツアーのプレイリストがSpotifyなどのサブスクリプションで公開されているので、是非聴いていただきたい。
余談であるが、3月15日(土)に行われた東京公演初日、Pearl Jamのエディ・ヴェダーが出演するという驚愕のイベントが発生した。アンコールに登場したヴェダーは、ニール・ヤングの“Rockin’ in the Free World”をジャックとパフォーマンスしたという。当日のライヴに参加していた貴方は幸運の持ち主だ!実は、ヴェダーがシカゴ・カブスのファンであることからMLB開幕戦のために来日していたらしい。3月18日(火)にはドジャース対カブスの試合をビル・マーレイとともに観戦しているジャックの姿も目撃されている。
Text by YAMAZAKI YUIKA
Photo by David James Swanson(https://jackwhiteiii.com/live-photos/)
JACK WHITE -JAPAN TOUR 2025-
2025年3月17日(月)豊洲PIT
<セットリスト>
Intro Jam
Old Scratch Blues
That’s How I’m Feeling
Icky Thump (The White Stripes song)
You’re Pretty Good Looking (For a Girl) (The White Stripes song)
It’s Rough on Rats (If You’re Asking)
Baby Blue (Gene Vincent & His Blue Caps cover)
Hotel Yorba (The White Stripes song)
Love Interruption
Broken Boy Soldier (The Raconteurs song)
Cannon (The White Stripes song)
What’s the Rumpus?
The Black Bat Licorice
High Ball Stepper
I Cut Like a Buffalo (The Dead Weather song)
Freedom at 21
Fell in Love With a Girl (The White Stripes song)
(EN)
Encore Jam
Steady, As She Goes (The Raconteurs song)
The Hardest Button to Button (The White Stripes song)
Underground
Archbishop Harold Holmes
Seven Nation Army (The White Stripes song)