祝オアシス再結成!!フジロックとオアシスそしてギャラガー兄弟の歴史を振り返る
- 2024/12/10 ● Column
我らがオアシス!フジロック’09以来、16年ぶりの再結成!!共に発表されたUK/アイルランドツアーは当然即日ソールドアウト!続けて発表された北南米ツアー、オーストラリアツアーも追加されたオーストラリア・メルボルンの1公演を除き、全てソールドアウト!「世界がオアシスを待っていたんだ!」そんな感動を覚えつつ、オーストラリアツアーが発表された時点で、ファンだけでなく音楽ファンなら薄々感じていたであろう、近々来る日本公演の発表。
そして、2024年11月22日(金)の早朝4時、バンドのオフィシャルSNSから発信された
People of Japan.
We haven’t forgotten you.
Oasis will see you next year.
日本のみんな
俺たちは君たちのことを忘れてないぜ
Oasisが来年会いに行くよ
というコメントと共に、遂に日本ツアーの概要が発表された!
気になる概要は 2024年10月25日(土)と26日(日)東京ドーム2DAYS!!言うまでもなく、単独としてはオアシス初のスタジアムライブであり、初の東京ドームライブである。チケットはチケットぴあの独占先行受付と一般販売、共に即完売!チケットぴあでのリセール(公式サイトの「最新情報」参照)もあるし、あくまでSNS上での噂レベルではあるが追加公演の話もあったりする。まだまだチケット争奪戦の熱はしばらく冷めなさそうだ。
しかし、まさかこの日が本当に訪れるとは・・・実際に発表されてもなお、にわかに信じがたい部分があった。ノエルが脱退表明した2009年。あの時からファンそれぞれの心の中には、将来的なオアシス再結成への賛否、否定的であっても拭いきれない期待感・・・様々な感情が存在していたように思う。
例えば、「きっとまた、すぐにノエル戻ってくるっしょ」とテンプレ的に楽観視してたファンもいれば、「(かつてのザ・ビートルズのように)神格化された絶対的存在として記憶に残っていて欲しい」という気持ちのファンもいたと想像できるように。
その後、ノエルとリアムがそれぞれの道を進んでいく中で、再結成に対する期待感も徐々に変わっていった。そんな過程を、過去のオアシス、ノエル、リアム(ビーディ・アイ、ソロ)、それぞれのライブをフジロックのステージを中心にして振り返っていきたい思う。
オアシス、日本で初の屋外ライブとなったフジロック初出演、そして解散前日本ラストライブ
1997年にフジロックの第1回が行われた頃、イギリスのブリットポップ・ムーブメントはとうに終焉を迎えていた。オアシスやブラー、パルプらを筆頭としたブリットポップに当時括られていたバンドたちは、それぞれの道を進んでいたわけだが、オアシスより一足お先にフジロックにヘッドライナーとして出演したのがブラー(1999年)で、その後に出演したのが2001年のオアシスだった。
OASIS | フジロック’01 7/27(金) GREEN STAGE
バンド結成10周年を迎えた2001年、初めてフジロックのヘッドライナーとして出演を果たしたオアシス。それは日本初の「野外でのオアシス」でもあるという意味でも、ファンにとっては特別なライブだった。伝説の1996年ネブワースでのライブと重ねて観たファンも決して少なくないと思う。この時のライブは、4thアルバム『Standing on the Shoulder of Giants』ワールドツアーの終盤に行われ、バンド過渡期に作られたこのアルバムがどのくらい定番曲にフィットするのか、もしく新しい変化をもたらすのか、そのあたりが注目ポイントだった。結論から言うと、新曲 “Fuckin’ in the Bushes” から “Go Let It Out” の流れが、そんな懸念を全て吹っ飛ばしていたような気がする。“Fuckin’〜” が持つ圧倒的なダイナミズムは、以後のオアシスライブのオープニングBGMとして最高の高揚感をもたらすようになったし、それを最初に生で体験できたあの瞬間は、オアシスのライブをもうワンランク上に押し上げた実感ももたらしていた。そこに安心安定のアンセムたちが加わり、そこからオアシスの新しい未来が見えた、そんな気がしたライブだった。
intro. Fuckin’ in the Bushes
01. Go Let It Out
02. Who Feels Love?
03. Columbia
04. Morning Glory
05. Supersonic
06. Fade Away
07. Acquiesce
08. Gas Panic!
09. Cigarettes & Alcohol
10. Step Out
11. Slide Away
12. Champagne Supernova
13. Don’t Look Back in Anger
14. Live Forever
15. I Am the Walrus (The Beatles cover)
OASIS | フジロック’09 7/24(金) GREEN STAGE
オアシス解散前、日本最後のライブとなったこの年のフジロックのステージは、7thアルバム『Dig Out Your Soul』を引っ提げたワールドツアーの一環として行われた。この頃になるとオアシスのバンド内のバランスは初期のノエル1トップ状態から変化し、ソングライティングに関してもメンバーそれぞれが曲を作るという、ある意味民主的なスタイルへと変容していった(全体のコントロールは引き続きノエルが行っていた)。そんな体制から生まれてきたサウンドは、オアシス的でありつつも、ノエル1トップ時代と比べたら”メンバーの個性”も明らかに見えるようになっていたと思う。ただ、ライブのセットリストはノエルの曲がほぼ大半を占めていて、「民主主義的に作られアルバム」と「ファンが期待するオアシス」とのギャップがそこにはあったような気がしていて、そこからバンド内に ”歪み” が生まれていたのも透けて見えてしまった。そう考えると、この”歪み”もまたバンドが解散の一因だったのかもしれない。
そんな微妙な時期にあった彼らだったが、ライブにおけるオアシスはオアシスだった。ノエルは40歳を超え、リアムも30代後半になり、ミュージシャンとしてもベテランの域に差し掛かり、バンドは熟練した雰囲気を醸し出す存在となっていた。リアムはもう若い頃のような歌声は出せなくなっていたけれど、精一杯にリアムのスタイルで歌い上げる彼のヴォーカルはそれでも最高で、 “Rock ‘n’ Roll Star”、“Morning Glory”、そして “Live Forever”と、どれも胸にくるものが間違いなくあった。
ライブのクライマックス、アコースティックで歌われた哀愁と荘厳さに溢れていた “Don’t Look Back In Anger”、そして雨粒と照明が反射してまさに曲名のような空間を作りあげた “Champagne Supernova” はこの日の個人的なハイライトだった。しかし、今思えば、そんな解放されていくような空気感もまた、来たるバンドの終焉を予期させるものだったのかもしれない。
intro. Fuckin’ in the Bushes
01. Rock ‘n’ Roll Star
02. Lyla
03. The Shock of the Lightning
04. Cigarettes & Alcohol
05. Roll With It
06. Waiting for the Rapture
07. The Masterplan
08. Songbird
09. Slide Away
10. Morning Glory
11. My Big Mouth
12. Half the World Away
13. I’m Outta Time
14. Wonderwall
15. Supersonic
16. Live Forever
17. Don’t Look Back in Anger (Acoustic ver.)
18. Champagne Supernova
19. I Am the Walrus (The Beatles cover)
深化を続けるノエルと、どん底から這い上がり大復活を遂げるリアム
バンド解散後、先に活動を始めたのはリアムの方だった。元オアシスメンバーのアンディ・ベル(Gt)、ゲム・アーチャー(Gt)、クリス・シャーロック(Dr)に加え、新たにベーシストとしてジェフ・ウートン(Ba/現ゴリラズ)を迎えて、新バンド、ビーディ・アイを結成し、2011年2月に1stアルバム『Different Gear, Still Speeding』をリリースした。一方のノエルは、リアムに遅れること約8ヶ月「ノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズ(以下NGHFB)」として、2011年10月にソロ1stアルバム『Noel Gallagher’s High Flying Birds』をリリース、ソロデビューを果たした。
そして迎えた翌年2012年のフジロック。なんと、別日ではあるがリアムとノエルが両組とも出演することになったのだ!リアムが初日グリーンのトリ前、ノエルは3日目のグリーンヘッドライナーとしての出演で、「もしかしたら・・・」なんて期待もファンの中に少なからずあっただろう。海外のメディアも「あのギャラガー兄弟が同じステージに!」なんて”煽り”を入れるほど、大きな盛り上がりを見せていた。結果的に何事もなかったが、それはそれでいちファンとして「2人がソロの道を進んでいる」という事実を受け入れる良い機会だったような気が個人的にはしている。
ちなみに、ノエルは一貫してオアシス再結成には否定的だったが、リアムの方はX(当時Twitter)やメディアのインタビューでオアシスの再結成に対し常に ”前のめり” だったことを付け加えておきたい。
BEADY EYE | フジロック’12 7/27(金) GREEN STAGE
ビーディ・アイは実質オアシスの延長線上のバンドで、周囲から期待されるのも「オアシス的なもの」だった。しかし、そんなある意味”呪縛”めいたものを吹き飛ばすようなデビューシングル “Bring the Light” は、今聴いても最高にロックンロールしていたし、多くのファンが瞬間的に「オアシスとか関係ないよ!リアム、やっぱ最高だ!」となっていたと思う。加えて、この日のステージで披露されたパフォーマンスも、リアムのヴォーカルの不調こそあったものの、それがそこまで悪い印象につながることはなかったし、むしろリアムのイメージするグルーヴのあるビーディ・アイの曲を感じられ、バンドの最終的な結末はさておき、その先に続くであろうリアムの未来を期待させるライブだった。
ちなみに、この頃からセットリストにポツポツとオアシスの曲は組み込まれていて、この日は “Rock ‘n’ Roll Star” と “Morning Glory” を演ったのだが、イントロが流れた時の爆発力はやはり次元が違っていて、ビーディ・アイ曲とのギャップを感じてしまったのも否めなかった。
とはいえ、すぐあとには15年ぶり再結成したザ・ストーン・ローゼズがヘッドライナーとして鎮座していたので、彼らへ繋がる流れを作ったという意味では、しっかりと役割は全うしていたと思う。
▼当時のライブレポートはこちら
https://fujirockexpress.net/12/11317.html
01. Four Letter Word
02. Beatles and Stones
03. Bring the Light
04. The World’s Not Set in Stone
05. Rock ‘n’ Roll Star (Oasis song)
06. The Roller
07. Standing on the Edge of the Noise
08. The Morning Son
09. Morning Glory (Oasis song)
10. Wigwam
11. Sons of the Stage (World of Twist cover)
NOEL GALLAGHER’S HIGH FLYING BIRDS | フジロック’12 7/29(日) GREEN STAGE
一方のノエルは、ソロ1stアルバムを引っ提げたツアーをアルバムリリース直後からスタートし、翌年1月には東京ドームシティホールで、同年5月には日本武道館含めた東名阪ツアーを行い、キックオフして間もないライブにも関わらずパフォーマンスの完成度は非常に高く、この日のグリーン・ステージでも安定感の高い演奏で観客を魅了していた。セットリストはソロ1stアルバムの曲が中心で、それら曲の大半がオアシス時代に書かれた曲ではあるものの、アルバム通してある世界観からは「ソングライター」としてのノエルの矜持が感じられた。単独の時と同じくNGHFBの曲の間にオアシスの曲(ノエル曰く「俺の曲」)も組み込まれた内容の中でも個人的に印象的だったのは、哀愁漂うサックスを活かした”ノエル・ギャラガー”の囁きブリティッシュ・ロック “The Death of You and Me” や、自らの作品で初めて意識的にダンスミュージックと向き合った “AKA… What a Life!” のように、全体的にオアシス色の強い曲の中にあっても、ソロだからこそ突き詰められたNGHFBの曲として存在感を放っていたこと。
そして、ラスト3曲 “Whatever” から “Little by Little”、そして “Don’t Look Back in Anger” という問答無用の「俺の曲」締め。オアシス解散の余韻と、ソロとしての新しい風が混じり合ったこのステージは、ノエルの新たな一歩となった。
▼当時のライブレポートはこちら
https://fujirockexpress.net/12/13562.html
01. (It’s Good) To Be Free (Oasis song)
02. Mucky Fingers (Oasis song)
03. Everybody’s on the Run
04. Dream On
05. If I Had a Gun…
06. The Good Rebel
07. The Death of You and Me
08. Freaky Teeth
09. Supersonic (Oasis song)
10. (I Wanna Live in a Dream in My) Record
11. AKA… What a Life!
12. Talk Tonight (Oasis song)
13. Soldier Boys and Jesus Freaks
14. AKA… Broken Arrow
15. Half the World Away (Oasis song)
16. (Stranded On) The Wrong Beach
17. Let the Lord Shine a Light on Me
18. Whatever (Oasis song)
19. Little by Little (Oasis song)
20. Don’t Look Back in Anger (Oasis song)
NOEL GALLAGHER’S HIGH FLYING BIRDS | フジロック’15 7/26(日) GREEN STAGE
この年の2月にリリースされたソロ2ndアルバム『Chasing Yesterday』は、アモルファス・アンドロジナス(エレクトロユニット、フューチャー・サウンド・オブ・ロンドンの別名義)とのコラボレーションアルバムということもあり、ジャズやR&B的要素が組み込まれたノエルの新しい扉が開かれた実験的でありノエルらしさもしっかりと残した作品であった。そんな本作を引っ提げ出演したこの年のフジロックは、2012年の時と同じくソロ曲とオアシス曲をバランスよく配置したセットリストだったが、2ndアルバムからの曲に顕著なノエルの明らかな変化が際立っていたように思う。ノエルらしい最高なメロディが軸になりつつ間奏でブチ込まれるクールなギターソロやジャジーなサックスソロが強烈な印象を残す “Riverman” や、ラテンなリズムとブルージーなフレーズを鳴らす “The Mexican” なんかはその際たる例ではないだろうか。惜しむらくは、同じ日ノエルの3つ前のスロットに出演していたジョニー・マーがギターソロで参加した “Ballad of the Mighty I” での共演が観られなかったことだが、まぁそれは贅沢すぎだったか。
着実に深化を遂げていくノエルのソロとしてのソングライティング。おそらくファンは少なからず感じているのではないだろうか、「オアシス再結成も観たいけれど・・・ノエルのソロのその先が見たい」と。
▼当時のライブレポートはこちら
https://fujirockexpress.net/15/p_6295.html
01. Everybody’s on the Run
02. Lock All the Doors
03. In the Heat of the Moment
04. Fade Away (Oasis song)
05. Riverman
06. The Death of You and Me
07. You Know We Can’t Go Back
08. Champagne Supernova (Oasis song)
09. Dream On
10. Talk Tonight (Oasis song)
11. Whatever (Oasis song)
12. The Mexican
13. If I Had a Gun…
14. Digsy’s Dinner (Oasis song)
15. Half the World Away (Oasis song)
16. The Masterplan (Oasis song)
17. AKA… What a Life!
18. Don’t Look Back in Anger (Oasis song)
LIAM GALLAGHER | 2023/08/22(火) 豊洲ピット
ノエルがソロとして着実に前進していく一方で、リアムは2014年にビーディ・アイを解散し、プライベートでのゴタゴタなどもあり、どん底に落ちていった。そこから新しいパートナーの助けや、新たな仲間たちとの出会いもあり復活への道を進んでいく(この辺の話は、映画『Liam Gallagher : As It Was』で深く語られているのでぜひ観てほしい)。その証明となったのが、前年にリリースされたソロ3rdアルバム『C’MON YOU KNOW』とこのアルバムを引っ提げたワールドツアーの各公演であり、ここ日本ではサマーソニック2023と『SUMMER SONIC EXTRA』として行われた豊洲ピット(キャパ3000人!)のライブだった、と言っても過言ではないだろう。この日のライブを一言で言うなら「ロックンローラーとして、ソロとして、バンドとして最高になる」。オアシス曲の引き立て役の域から抜け出せなかったビーディ・アイ時代。しかし、この日のライブにも象徴されるように、リアムのソロ曲は “引き立て役” の域を飛び出し、逆にオアシスの曲をエンパワーする存在になっていた。
ソロデビュー曲でありヘヴィーでダイナミックな王道UKロックナンバー“Wall Of Glass”、最高にスリリングながらも「Hey!」の掛け声で一気にオーディエンスを巻き込んでいくパワフルなグラムロックな “Shockwave”、そしてケミカル・ブラザーズ風なビードイントロから始まった “Better Days” というこの抑揚のある流れは特に秀逸で、この時点でオアシスの曲と比べること自体が馬鹿馬鹿しくなるほどだ。
極め付けはソロ屈指のバラードアンセム “Once” だ。この曲に対してリアムが「数年に一度、もしくは生涯に一度だけ出会えるような楽曲だ」と言っているように、まるで彼の人生を歌っているような歌詞(そこにはノエルの姿も当然見え隠れする)と、最高にエモーショナルな泣きのメロディとが相まって、長くノエルの姿を追ってきた身としてはグッとくるものがあった。
“Once” が終わると怒涛のオアシスラッシュに突入するのだが、この曲の余韻は確実にずっと残っていて、それはノエルがオアシスと別軸でレベルを上げてきた感覚に似ていて、冒頭にも書いた「ロックンローラーとして、ソロとして、バンドとして最高になる」と言う言葉に繋がっていった。
▼当時のライブレポートはこちら
https://limpress.com/report/12640
intro. Fuckin’ in the Bushes (Oasis song)
01. Morning Glory (Oasis song)
02. Rock ‘n’ Roll Star (Oasis song)
03. Wall of Glass
04. Shockwave
05. Better Days
06. Stand by Me (Oasis song)
07. Roll It Over (Oasis song)
08. Slide Away (Oasis song)
09. More Power
10. Diamond in the Dark
11. The River
12. Once
13. Cigarettes & Alcohol (Oasis song)
14. Roll With It (Oasis song)
15. Wonderwall (Oasis song)
16. Champagne Supernova (Oasis song)
17. Live Forever (Oasis song)
18. Are You Experienced? (The Jimi Hendrix Experience cover)
NOEL GALLAGHER’S HIGH FLYING BIRDS | フジロック’24 7/28(日) GREEN STAGE
リアムがソロとして「最高」になった裏で、ノエルは引き続き、我が道を突き進んでいた。それは2015年以降にリリースした2作のアルバム『Who Built The Moon?』と『Council Skies』のコントラストがまさに象徴的。前者ではいわゆるノエルらしさだったりオアシスっぽさから逸脱し、自らのクリエイティブを爆発させた前衛的な作品で、後者は前作から一転して「原点回帰」をテーマにNGHFBで展開してきたオーセンティックでクラシカルな曲からグルーヴィーでダンサブルな曲まで網羅した作品になっている。そんなプロセスを経て、昨年末に開催された日本単独ツアーと今年のフジロックでは、いずれもNGHFB最新アルバムから1stアルバム、そしてオアシスへと遡っていくようなセットリストになっていて、今思えば『Council Skies』で掲げた「原点回帰」も、このセットリストもオアシス再結成ありきだったのか・・・なんて推測してしまうが、それはさておき今年のフジロックのライブはどうだったのか。
結論から先に言うと、過去2回のフジロックでのライブと比べて、今回が一番ソロの世界観としてまとまっていたし、ノエルのソングライターとしての何度目かの成熟っぷりも十二分に味わえたし、筆者的にとっては文句のつけどころのないライブだった。
中でもラスト2曲は圧巻の一言に尽きた。アンコール2曲めに披露された “Live Forever” は、このツアーから新しいアコースティックアレンジへの変化を遂げ、幻想的な雰囲気を作り上げるアンビエントなバックサウンドと美しいコーラスが相まって、まるで緩やかに飛翔していくような美しさのある “Live Forever” で、その感動的体験に自然と涙が流れてきた。
そんな余韻が残る中で始まったラストの曲は “Don’t Look Back In Anger”。ホーン隊が加わりパッと開けていくような明るい雰囲気のアレンジは、前曲のアンビエントで荘厳なアレンジとの間にコントラストを生み出し、グリーン・ステージでは収まらんばかりの祝祭感に溢れていた。
▼当時のライブレポートはこちら
https://fujirockexpress.net/24/p_851.html
01. Pretty Boy
02. Council Skies
03. We’re Gonna Get There In The End
04. Open the Door, See What You Find
05. You Know We Can’t Go Back
06. We’re On Our Way Now
07. In the Heat Of The Moment
08. If I Had A Gun…
09. AKA… What a Life!
10. Dead In The Water
11. Going Nowhere (Oasis song)
12. Talk Tonight (Oasis song)
13. Whatever (Oasis song)
14. Half The World Away (Oasis song)
15. The Masterplan (Oasis song)
16. Little By Little (Oasis song)
17. Love Will Tear Us Apart (Joy Division
18. Stand by Me (Oasis song)
19. Live Forever (Oasis song)
20. Don’t Look Back in Anger (Oasis song)
何故今、オアシスが再結成するのか?
2009年の解散から15年が経ち、完全に独走モードに入ったリアムとノエル。リアムに関しては独走モードに入っても、なおオアシス再結成を望んでいて、ネブワースライブ25周年記念の際もリアムはしきりに「ネブワースでライブやろうぜ」的な誘いと言う名の”煽り”をノエルに向けてしていたが、ノエルは『Council Skies』制作真っ只中だったし、その言葉を柳のようにしなやかに交わしていた。
ノエルがソロとして着実に深化をし続ける姿を体現し、リアムもロックシンガーとして大復活を遂げた。そんな事実を目の当たりにして、自分の中では正直「オアシスを再びやる必然性」が見当たらなかった。それはふたりが「独走モード」ならぬ「独創モード」に突入し、互いにソロ最高地点に達していた中、オアシスに立ち帰る意味が見い出せなかったからだ。それは『Definitely Maybe』30周年の今年になっても変わらなかった。
しかし、裏では風向きが変わっていたということだろうか。現時点でオアシス再結成の理由は2人の口から語られてはいないので、これはあくまで憶測に過ぎないが、「最愛の母親ペギーの存在」そして「オアシスデビュー30周年という区切りの年」(あとはノエルの離婚慰謝料16億円問題も・・・)、これらが少なからず再結成の理由に関係しているのではないだろうか。オアシスの再結成云々はさておき、いつまでもウジウジ兄弟喧嘩してる息子たちを心配する母親としてのペギーの気持ち、そして80歳を超えていつ何が起きてもおかしくない年齢であることを考えると”親孝行”するならいつなのか・・・(30周年の)今でしょう!そういうことなんじゃないかと思うのだ。
それに加えて、再結成発表と同時に発表された二人のツーショット写真の中には自然な笑顔(!)を浮かべたカットもあった。ファンとしてこんなのを見せられたら、オアシス再結成に対する賛否の議論なんてもはやどうでもいい!彼らが「オアシスを再びやる意味がある」と思ったからこの日が来た!それでいいのだ!
最後に蛇足ではあるが、実際にやるかどうかは完全無視して、日本公演でのセットリストをてんこ盛りバージョンで予想して終わりにしたいと思う。「自分が聴きたいオアシスの曲」はファンそれぞれの心の中にきっとあるはず。それをセットリストに組み込み妄想しながら、来るその日を待とう!
text by 若林修平
intro. Fuckin’ In the Bushes
01. Rock ‘n’ Roll Star
02. Morning Glory
03. Lyla
04. Acquiesce
05. My Big Mouth
06. Supersonic
07. Cigarettes & Alcohol
08. Digsy’s Dinner
09. Stay Young
10. Gas Panic!
11. Slide Away
12. The Importance of Being Idle
13. The Meaning of Soul
14. Stop Crying Your Heart Out
15. Who Feels Love?
16. Little James
17. The Shock of the Lightning
18. I’m Outta Time
19. Songbird
20. Once (Liam Gallagher song)
21. Rockin’ Chair
22. Talk Tonight
23. Cast No Shadow
24. Half The World Away
25. Listen Up
26. Don’t Go Away
27. Stand by Me
28. Lord Don’t Slow Me Down
29. The Masterplan
30. Wonderwall
31. Let There Be Love
── EN1 ──
32. Married with Children
33. All Around the World
34. Don’t Stop…
35. Stop the Clocks (Noel Gallagher’s High Flying Birds song)
36. Little By Little
── EN2 ──
37. Don’t Look Back In Anger
38. Live Forever
39. Champagne Supernova
40. I Am the Walrus (The Beatles cover)
Spotify
Apple Music
公演概要
Oasis Live ’25
2025年10月25日(土) 東京ドーム 開場15:30 / 開演18:00 SOLDOUT
2025年10月26日(日) 東京ドーム 開場15:00 / 開演17:30 SOLDOUT
お問い合わせ: LIVENATION.CO.JP
企画・制作・招聘:ライブネーション・ジャパン合同会社
協力:ソニー・ミュージックレーベルズ