チケット残り僅か!ザ・ケミカル・ブラザーズの最新ライブの注目ポイント!
- 2024/01/23 ● from fujirockers.org
ザ・ケミカル・ブラザーズの約5年ぶりの来日公演となる『For that beautiful feeling tour 2024 LIVE IN TOKYO』が、2月1日(木)〜3日(土)の3日間(追加公演含む)東京ガーデンシアターにて開催される。
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https://smash-jpn.com/chemicalbrothers2024/
前作『No Geography』を引っ提げ出演した2019年のフジロックのあと、2020年10月に同会場で開催予定だった『NO GEOGRAPHY TOUR LIVE IN JAPAN』はCOVID-19パンデミックの影響により残念ながらキャンセルに。今回の来日は文字通りリベンジ公演となる。既に発表されていた2公演のチケットはソールドアウト、先日同会場での追加公演も発表されチケットをゲットできなかったファンにとっては、正真正銘これが最後のチャンスとなる。
本記事では、今回のライブの注目ポイントを紹介しつつ、2019年のフジロック、グリーン・ステージでのライブの模様を振り返りながら、既にチケット入手済みのファンにはライブに向けて思いを馳せてもらい、チケット未入手のファンにはチケットを購入するキッカケになれば幸いだ。
そんな今回の来日公演の注目ポイントとなるのは主に二つ。一つは「セットリスト」だ。『For that beautiful feeling tour』自体は昨年10月からスタートしており、既にセットリストは出回っているのだが、最後に行われたライブが2023年11月4日で、そこから約2ヶ月のブランクを挟んでツアーを再開するのが今回の東京公演ということもあり、もしかしたらセットリストをガラッと変えてくる可能性もある。
ただセットリストの基本軸が彼らの必殺アンセム集になるのは間違いないと思われるので、あとは昨年2023年9月にリリースされた最新アルバム『For That Beautiful Feeling』の曲がそこにどう挿入されてくるのか?さらには2019年のフジロックでも披露された『No Geography』からの楽曲がパンデミックを経てどんな成熟っぷりを魅せるのか?そして、それらがどんな化学変化を起こすのか?その辺がセットリストの注目ポイントになってくるとは思うのだが、彼らのライブでは曲を短くシームレスに繋いでいくパターンもあるので、想像できる組み合わせは無限大だ。
The Chemical Brothers “Live Again ft. Halo Maud”
注目ポイントのもう一つは「ステージ演出」。盟友アダム・スミスとマーカス・ライアルによる演出はどうアップデートされるのか?知っている人向けにも改めて書くが、彼らの演出の魅力は、「ケミカルの楽曲との調和であり、それを引き立たせる驚きの映像演出であること」が大前提としてある。しかし、それをもう少し分解してみると、より重要な要素が見えてくる。
それはケミカルの楽曲が持つ快楽性の助長だ。彼らの楽曲には「緊張と緩和」そして「抑制と解放」という2セット・4つの状態があって、それらがオーディエンスの身体の中でせめぎ合うことで、あの何とも言えない快楽が生まれてくる──そんな最高な体験は、ケミカルの楽曲と彼らの映像演出がセットになってこそ生まれ出るものだ。それほど、彼らの映像演出はオーディエンスの状態や感情をコントロールする重要な効果をもたらしている。
そんな、演者側のザ・ケミカル・ブラザーズと演出側のアダム・スミス&マーカス・ライアルによって実現した2019年のフジロック、グリーン・ステージのステージでの圧巻のライブの模様をレポートで振り返ってみよう。
THE CHEMICAL BROTHERS @ FRF’19 GREEN STAGE
ケミカルの底力をみせたステージ
今回のケミカル・ブラザーズは約1時間半の中に起伏あり、前後の曲に連関した繋がりありと巧みに構成されたものだった。
何度もフジロックに出ているので、「ケミカルってこんな感じでしょ」という先入観がお客さんたちの中にあるかもしれない。今回用意された映像や演出は、フジでは新しく披露されたものが主で、新鮮さを感じさせた。一方で、定番の曲を聴きたいというお客さんの希望にも応える、というのを同時に達成したライブだったと思う。
ビートルズがオリジナルであり、それをカヴァーしたジュニア・パーカーが歌う“Tomorrow Never Knows”の「surrender to the void」という箇所がループされるのが定番のオープニングだ。それから“Go”でケミカルの音が始まった。スクリーンに映しだされるものは比較的実写が多く、人が何かのメイク、もしくはコスプレをして何か寓意的な――演技や踊り――人の動きが印象に残る。“Eve Of Destruction”では戦隊特撮モノのパロディがスクリーンに映される。中盤の“Hold Tight Fujirock”では、グラストンバリーのときは“Hold Tight Glasto”と呼ばれるパートだったけど、ちゃんとフジロック仕様になっていた。
前半で特筆すべきところは、“Swoon”からリズムが“Star Guitar”のものに変化して、“Star Guitar”になるのかなと思いきや、リズムは“Star Guitar”のままで、バーナード・サムナーの声が聴こえてくる。ニューオーダーの“Temptation”だ。そして溜めに溜めて“Star Guitar”に入っていったときのグリーンステージを埋め尽くした2〜3万人の歓声や揚げられた腕の多さは壮観だった。“Hey Boy, Hey Girl”での「Here we go!」の合唱もお約束だ。
スクリーン演出だけでなく、PAブースの前あたりで大量の紙吹雪が舞い、大量のボールが客席に投げ入れられ、巨大なロボットのおもちゃが2体ステージに現れたり次から次へといろんなものが現れる。
そして終盤にかけての定番曲の畳みかけ。“Dig Your Own Hole”から“Galvanize”、“Song To The Siren”、“C-H-E-M-I-C-A-L”、“Leave Home”ときて、最後は“Block Rockin’ Beats”で締めくくった。どれもシームレスでつながっていく。そしてスクリーンには「LOVE IS ALL」の文字が。近作から始まり初期に戻るキャリアを俯瞰した選曲であった。いろんなジャンルで呼びたくなるけど、ケミカル・ブラザーズはケミカル・ブラザーズであるという、ロックでもあり、テクノでもあり、サイケデリックでもあり、ヒップホップでもあるというケミカルの底力をみせてくれたのだ。
Photo by MITCH IKEDA
Text by イケダノブユキ
▼記事本文はこちら
http://fujirockexpress.net/19/p_1707
ちなみに最新アルバム『For That Beautiful Feeling』は、昨年10月に彼らの30年のキャリアを包括した著書『Paused in Cosmic Reflection』と連動しており、地下室でのDJ活動時代から今の彼らの音楽を形成するまでの進化を記録したものになっている。
本書は彼らの豊富な逸話や、数多くの未公開写真、そしてノエル・ギャラガーやベック、ミシェル・ゴンドリー、演出を務めているアダム・スミスらケミカルの二人と深く関わりを持ったメンバーのインタビューを中心に構成されていて、昔のケミカルから現在のケミカルを改めて知るいい著書になっていると好評だ。
残念ながら日本語翻訳版は発売されていないため、洋書のみのリリースではあるが、英語が読める方もそうで無い方も、これを読んでからライブに臨むと、また違うものが見えてくるかもしれない。
» 『Paused in Cosmic Reflection』の購入はこちら(ハードカバー/Kindle版/Android版)
Text by 若林 修平
THE CHEMICAL BROTHERS
For that beautiful feeling tour
2024 LIVE IN TOKYO
公演情報
2024/02/01(木)東京ガーデンシアター(追加公演)
OPEN 18:00 / START 19:30
アリーナスタンディング ¥17,500
スタンドS席 ¥17,500
スタンドA席 ¥14,500
イープラス / チケットぴあ / ローチケ / 楽天チケット
2024/02/02(金)東京ガーデンシアター
OPEN 18:00 / START 19:30
アリーナスタンディング ¥17,500
スタンドS席 ¥17,500
スタンドA席 ¥14,500
THANK YOU! SOLD OUT!
2024/02/03(土)東京ガーデンシアター
OPEN 16:30 / START 18:00
アリーナスタンディング¥17,500
スタンドS席 ¥17,500
スタンドA席 ¥14,500
THANK YOU! SOLD OUT!