• 雪のフジロックの森を歩く スノーシューツアー体験してみた


    フジロック開催期間中に会場内を歩いていると、よく思うことがある。雪が積もったらこの光景はどうなるのだろう、銀世界のフジロックの森ってどんな風景なんだろう。その思いを実現させるべく、雪の季節に苗場へと出かけ、スノーシューツアー体験をしてみた。約1年前の2022年3月。その際の光景を納めた写真と昨年のフジロック開催時の写真を交えてレポートします。スノーシューツアーは新潟県南魚沼をベースに、山のツアー等を行っているオフィスチッカの飯田 千香子さん(チッカさん)に案内してもらった。

    フジロック会場奥地にて

    フジロック会場奥地にて

    まずはじめに、雪のフジロックの森を歩くために、とても大切な装備がある。スノーシュー(西洋かんじき)と呼ばれるもの。これは、ブーツやスノーシューズに簡単に取り付けることができ、金属製の歯が底についているため、雪に沈み込まずに歩行することが可能となる。今回はチッカさんにご用意いただいたものを着用した。

    スノーシュー

    スノーシュー

    スノーシューを両足に装着するとこのようにしっかりと雪の上を歩くことができる。

    出発!はたして会場はどうなっているのか!?

    出発の時刻は午前9時半過ぎ。フジロックの入場ゲートが設置されているあたりから歩き始めた。3月下旬の晴れた日。濡れても大丈夫な暖かめな服装の上に、ナイロン製のマウンテンパーカーを身につけて、ちょうどよく過ごしやすい気候だった。

    入場ゲート付近

    入場ゲート付近

    ゲート付近は一面の雪。鉄塔が目印だ。ここを進み、橋を渡るとOASIS付近となるが、真っ白な空間に苗場食堂の屋根がちょっと見えてきた。苗場食堂桟敷は看板と周囲の柵がかろうじて見えていた。

    OASIS付近と苗場食堂

    OASIS付近と苗場食堂

    苗場食堂桟敷付近

    苗場食堂桟敷付近

    苗場食堂桟敷付近(2022年フジロック開催時)

    苗場食堂桟敷付近(2022年フジロック開催時)

    GREEN STAGE付近はどうなっていたかというと、なんと雪景色の中に建造物があった。どうやら映画の撮影地として使用した後だったようだ。そのためGREEN STAGE付近の光景の写真を今回はご紹介できず、残念ではあるが、2022年12月に公開となった映画「ラーゲリより愛を込めて(瀬々敬久監督作品)」のエンドロールで苗場の地名を見ることができた際には無性に嬉しく感じた。

    ゴンちゃんを探しに

    散策も楽しいのだが、会場内に点在しているゴンちゃんがずっと気になっていた。しかし雪に埋もれていて、なかなか見つけることができない。GREEN STAGEの入り口付近をスコップで掘ってみるものの、ゴンちゃんに遭遇することは叶わずだった。続いてみどり橋付近でもゴンちゃんを探し、やっと掘り当てることができたのだ。それでも全体を掘り出すことは難しく、掘りおこせたのは一部のみ。積雪の多さを思い知らされた。

    みどり橋付近

    みどり橋付近

    雪に埋もれたゴンちゃん

    雪に埋もれたゴンちゃん

    ゴンちゃん(2022年フジロック開催時)

    ゴンちゃん(2022年フジロック開催時)

    KIDS LAND付近を抜けてBOARD WALK方面へ

    KIDS LAND付近に向かって進んで行くと、左手側に流れている浅貝川の水面に近づける。夏は植物が茂っているため川は遠く感じるが、雪が積もっているため植物をかき分けずにすみ、かなり水面近くまで行くことができた。そして、WHITE STAGEの会場も一面の雪、ステージの右手側に見える鉄塔は、雪の中でも存在感を放っている。

    KIDS LAND付近

    KIDS LAND付近

    浅貝川 KIDS LAND付近

    浅貝川 KIDS LAND付近

    WHITE STAGE付近

    WHITE STAGE付近

    WHITE STAGE付近(2022年フジロック開催時)

    WHITE STAGE付近(2022年フジロック開催時)

    BOARD WALKは、木立の中のひっそりとした道になっていた。スノーモービルが通るルートにもなっているようで、轍が目印となって、とても道がわかりやすい。

    BOARD WALK付近

    BOARD WALK付近

    BOARD WALK(2022年フジロック開催時)

    BOARD WALK(2022年フジロック開催時)

    ここを歩いて行くと左側に木道亭があらわれる。木の看板がちょこんと顔を出していた。2022年の夏のフジロックでは看板がなくなり、下記の写真のような装飾が施された光景が広がっていたので、雪に埋もれる看板を目にすることができたのは貴重な機会だった。

    木道亭の看板

    木道亭の看板

    木道亭付近

    木道亭付近

    木道亭付近(2022年フジロック開催時)

    木道亭付近(2022年フジロック開催時)

    奥地へORANGE CAFEとGypsy Avalon

    森の中をさらに進んでいくと、ぱっとひらけた空間に行きつく。会場奥地へ到着だ。時刻は12時、川の近くに雪のテーブルを作りランチタイムとなった。お弁当はチッカさんにご用意いただいた、地元レストランの手作りのもので、美味しく優しいお味にほっと一息。手書きのメニューもとても素敵だった。

    会場奥地

    会場奥地

    会場奥地(2022年フジロック開催時)

    会場奥地(2022年フジロック開催時)

    昼食 お弁当と手書きメニュー

    昼食 お弁当と手書きメニュー

    昼食 おにぎり(鮭・塩わかめ)

    昼食 おにぎり(鮭・塩わかめ)

    昼食後は、FIELD OF HEAVEN・AVALON FIELDを抜けて

    奥地から道筋を折り返し、自然観察もしながら歩いて行く。夏には気がつかなかった植物などを、今回知ることができたのはとても興味深かった。夏との違いは浅貝川の水の色の違いでも感じる。とても澄んでいて綺麗だった。

    森の中

    森の中

    森の中(2022年フジロック開催時)

    森の中(2022年フジロック開催時)

    木に絡むツルアジサイ

    木に絡むツルアジサイ

    浅貝川 ところ天国方面

    浅貝川 ところ天国方面

    浅貝川 ところ天国方面(2022年フジロック開催時)

    浅貝川 ところ天国方面(2022年フジロック開催時)

    浅貝川 みどり橋付近

    浅貝川 みどり橋付近

    終わりに

    スタート地点に戻って来ると時刻は14時半近くだった。思えば5時間近くの体験だったが、充実感の方が大きく、アドレナリンが出ているのか、疲れはさほど感じない。最後には猿を見かけることもできた。目が合うと襲ってくることもあるそうなので、遠巻きにしたが、野生の動物に遭遇できるのも含め、とても満足感があった。
    スノーシューツアーは、知っている場所の知らない姿を目にすることができる喜び、さらに川べりなど、いつもは近寄ることができない場所まで行くことができる充実感があり、貴重な体験だった。

    夏の苗場を知るフジロッカーにはぜひ、体験をしてみていただきたい。そして冬の苗場のアクティビティのひとつとして全力でおすすめしたい。

    スタート地点付近のゴンちゃん

    スタート地点付近のゴンちゃん

    猿

    オフィスチッカ
    https://www.officechicka.net
    ※ガイドツアーページはこちら

    Text by HARA MASAMI
    Photo by HARA MASAMI、白井絢香

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