湯沢町のふるさと納税返礼品に、フジロックの森・オリジナルボックスティッシュが登場!
- 2022/12/22 ● from fujirockers.org, Interview
─ 湯沢町とフジロック。コロナを乗り越えるために
石飛 「コロナ禍での開催は3回跨いでいますね。やれなかった1回も含めて。2020年6月にテレビ会議で町長や役場のみなさんに今年は断念せざるを得ないですとお伝えしたのが、昨日のように鮮明に覚えてます。」
町長 「あの時石飛さんが泣いたのを、今でもずっと覚えていますよ。断腸の思いだったと思います。今から2年半前ですよね、あの時はやむを得ないと。ワクチンがまだ出ていない。例えば町全体、全国を含めて、外国からもプレーヤーも来れない。泣きましたね。私もそうだったんですよ。それぐらいコロナが大変恐ろしいものだったんだと、あの時は思いました。」
石飛 「思い出したら、また泣きそうになっちゃいますね。なにせマスクも容易に手に入らない。ワクチンも出来ていない。もう、太刀打ち出来ない2020年。そこから様々な関係者と協議して、感染対策のことは行政からの指導以上に禁酒などの制限も設けてですね、本当に来てくれた方には申し訳ないけれど、2021年は「がんじがらめのフジロック」でやりすぎたかなと反省してます。今にして思えばね。難しいですね。」
─ 1年あけての開催。その決断の裏側は
町長 「開催について、いかがか、と声が多く聞こえました。そういう状況の中、ワクチン接種が始まったということで、開催するにあたってスマッシュ、町、県、駅、交通関係者も含めて、何度も話し合いをしていました。あの状況の中しっかりと感染防止対策をしてやろうと、しかもかなりの人数制限をしていましたよね? イベントとして、収支を度外視していたと思いますが、あの状況の中でフジロックという世界的なイベントを開催出来たのは、しっかりと感染防止対策をすれば、やれるよ、ということを示した事になるし、何よりもフジロックを愛する人たちが、自分達のフジロックを守ろうというその思い、これが4者、5者一体になったからこそ出来たのではないかな、と思っています。みんなの勝利だと思っていて、それが今年の開催69,000人に繋がった。まだまだ少ないけれど、私も今年2回行きましたが、地元の人がとにかく喜んで、一緒になって盛り上げていたのを見ました。来年はもっと、今後の状況がどうなるかわかりませんが、無事開催をして、またお客さんにお越しいただけるようになればなと思っています。」
石飛 「21年のフジ開催前、ちょうどロック・イン・ジャパン・フェスティバルが中止発表した頃に、町長指揮のもと、地元の観光従事者中心にワクチンの職域接種を行なってフジに備えるというニュースをNHKで見たとき、また涙がでました。」
町長 「職域接種ということで、町が通常に行うワクチン接種とは別に、各事業者でできるようになったんですが、なんとか接種をする事が、町の事業の再開に繋がるという思いが自分自身ありました。また、ワクチンを打っているから安心してお迎えできますよ、とアピールできたのではないかと思っています。」
石飛 「あの時は本当に孤軍奮闘というか、ほかのフェスが続々と中止になる中にあって、力強く応援して下さったというか、三位一体で成功させたいという思いをお互い肌に感じながら邁進しましたね。改めてありがとうございました。」
町長 「そう言っていただけると大変嬉しいです。体制を整えるために急でしたが職員を異動させて進めました。職員が本当に頑張ってくれたんですよ。職員の頑張りがないと、いくら号令かけたってだめですから。職員に感謝しています。」
石飛 「我々もそう言った意味では出演者、スタッフ、お客さん、全ての方々に感謝しています。全員で勝ち取った開催でしたから。」
─ 湯沢町にとってフジロックとは
町長 「20数回とやっている中で、フジロックが湯沢で育っている。自分自身がフジロックに参加して、プレーヤーもそうですし、地元にとっても、湯沢町になくてはならないものになっているんですよね。経済もそうです。ピークでは13万5000人も来る訳で、経済効果も抜群にあります。同時にやはりフジロックを愛している姿を見ているから、自分自身もファンになります。真剣になればなるほど、先ほど石飛さんが泣きそうになったというのを見ると、命がけで取り組んでいる人たちがいるんだなと。日高さんも直接電話くれて、こうこうするから協力して下さいと言っていただける。そういうものを町長という立場で見ていて、フジロックが湯沢になくてはならないものです。ずっと続けてもらいたい、こういうふうに思いますね。」
石飛 「もう感謝、感謝、感謝ですね。フェスティバルはお祭りですから、主催者や観客だけでは成立しないわけで、住民そして行政とも連携して地域に密着していなければならない。」
─ 二人からフジロッカーへメッセージ
町長 「いつもフジロックを愛して頂き、心から感謝申し上げます。フジロックを楽しんで頂くだけではなくて、豊かな自然にさらに喜んで頂き、引き続きフジロックを愛し、湯沢を愛し、お越し頂ければと思います。」
石飛 「コロナで観光の町、湯沢町も大変な状況がまだまだ続いていると思います。それに限らずよく聞く事が、小さな民宿が廃業したとか、経済的にも大変な状況にあると聞いています。一例ですが、お客さんが泊まる場所を一つ確保するためにも、ふるさと納税という制度に協力して頂いて、湯沢町を一緒に盛り立てて頂きたいなと思います。是非今回の取組みに参加してください。」
町長 「フジロックのファンの皆さんに、今はコロナ禍ですけれども、また是非お越しいただければと思います。ふるさと納税でフジロックをご利用頂ければと思います。」
石飛 「お正月明けたら開催発表していきます。ふるさと納税に縁が遠い方も、まずはチケットを買って湯沢町に行ってフジロックに参加する事が、湯沢町との愛を深める第一歩ですから、よろしくお願いします。」
実際に当時を思い返し、涙ぐむ両氏を見て、筆者も目頭が熱くなりました。さまざまな葛藤、戦いがあったことが容易に想像できます。毎年、ただいま!おかえり!とあの地を踏む。フジロック開催の3日間を三が日と呼ぶ。それは、湯沢をふるさとだと思っているから。そんな中、発表されたふるさと納税の返礼品の取り組み。僕たちフジロッカーが、フジロックのために、湯沢町のためにできることを考える一つのきっかけになりますように。
Photo, Interview & Text by Fujirockers.org