• 【Glastonbury Festival】2022年の様子をグラスト現地からレポート&11月販売スタートのチケット入手方法も!


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    Glastonbury Festival(以下、グラスト)はフジロックのモデルになったフェスティバルで、フジロッカーズオルグのボスである花房さんが80年代から参加し続け、様々な場所で情報発信しているので、オルグ読者であればその存在を知っている人も多いだろう。この記事を読んでいる方の中には、実際に現地に行った方もいるだろうし、コロナ禍前には「一生に一度は行ってみたい」と思っていたという方もいるかもしれない。

    そんなグラストに、2022年6月末、日本から参加してきた。今回はオルグチームに同行する形で取材をさせてもらうことになったわけだが、個人的な目的は大きく二つ。「世界最大級のフェスティバルがコロナ禍を経てどんな変化があったのかを知ること」。そして、もうひとつは「さらに上がってしまった日本からの参加のハードルを少しでも下げること」だ。

    「コロナ禍での変化」に関しては、現地で感じたことを1週間にわたり音声で記録し、ポッドキャストにて公開することにした。会場に到着する前からレコーダーを回し始めたが、空港を出てからは、今生きている世界がコロナ禍だということをほとんど感じることはなく、2週間の滞在が過ぎていったというのが正直な感想だ。イギリスへの入国自体もワクチン摂取証明書や陰性証明書の提出もなくなったタイミングだったが、念のため持参したワクチン摂取証明書を提示するシーンは一度もなかった。(ちなみにその二ヶ月前にコーチェラ取材で訪れたアメリカでは何度かそのシーンはあった)そんな拍子抜けするような状況だったが、入国当日ちょうどロンドンの地下鉄が大規模なストライキをやっていたので、レディングという街から電車でグラストに向かうことにした。道中も満員電車で誰一人マスクもしていない。「この国のコロナは終わったんだな」というセリフが音声にも残っていて、自分の発言ながら生々しかった。

    いざ会場に到着すると、エントランスの壁には直前にバンクシーによって描かれたグラフィックがお出迎え。二人の旗を持った男が戦っている絵だが、それぞれの旗にはピースマークとハートマーク。平和と愛が戦っている。今この瞬間にも近くの国で戦争が起こっているということを思い出して、何とも言えない気持ちになる。ぼーっとその絵を眺めていたら女性が話しかけてきた。熱中症予防のため、ボランティアスタッフとして水を配っているという。ちなみに、グラストでは数年前からペットボトルの使用が禁止されているため、渡されるのは缶の水。「そういえばそうだったな」と少しずつ3年前の記憶を思い出しながら、ゲートをくぐる。ここでは来場者や関係者などあわせて二十万とも言われる人が野外のテントで寝泊りし、思い思いの週末を過ごす。前夜祭だけでなく、水曜日の前々夜祭からどこも人とテントで埋め尽くされている。

    予報とは裏腹に雨が降らずに本番を迎え、金曜の朝一は何の予告もなくウクライナのゼレンスキー大統領が動画メッセージを寄せたかと思えば、そのままリバティーンズが演奏をはじめる。初老の男性がクラウドサーフする姿がモニターに抜かれると、割れんばかりの歓声が上がり、声出しなしのライブに慣れてしまっている日本人としては喜び半分、驚き半分。ステージをいくつか回るとそんなことにもすぐ慣れてくる。数千のライブが行われると言われているが、ステージ間が遠いので1日に観られるライブ10程度。今年はいつもより意識して、自分の好みのライブだけを見るのではなく、様々なステージで色んな国籍やジャンルのパフォーマンスを観るようにした。例年そうなのだが、ステージから発されるメッセージは文字通り“多種多様”で、環境活動家のグレタ・トゥンベリさんがメインステージから環境保護を訴えたかと思えば、ちょうどフェスが開催されたタイミングでアメリカ最高裁が下した、人工中絶に関する判断に多くのアーティストが声を上げる。グラスト初出演となったオリビア・ロドリゴもその一人で、グラストの常連・リリー・アレンとコラボし、中指を立てて「F**K YOU」を大合唱。急遽アナウンスされるサプライズアクトも桁違いで、ジャック・ホワイトがパーク・ステージ(メインでもサブでもないステージ)に登場したかと思えば、ヘッドライナーのポール・マッカートニーのステージには、デイヴ・グロールとブルース・スプリングスティーンが登場。ブルース・スプリングスティーンはビートルズの楽曲「I Wanna Be Your Man」を歌い、たった2曲でステージを去る。もちろんこんなことはグラストで起きている一端に過ぎず、会場のありとあらゆる場所で色んなことが同時多発的に繰り広げられる。小1時間話したくらいで、すべてが伝わるとは到底思わないが、現地の臨場感や雰囲気、そしてこのフェスティバルが持っている強烈なパワーを感じてもらえたら本望だ。

    Podcast

    前編:#141 グラスト’22現地レポ【前編】3年前と何も変わってないのが一番の発見/不便をどう楽しむかは人生に通じる – Festival Junkie Podcast

    後編:#142 グラスト’22現地レポ【後編】ゼレンスキーのスピーチで開幕/最前列でKikagaku Moyo/人工中絶に関する最高裁の判断に中指を – Festival Junkie Podcast

    <前編トピック>
    -まずは会場に向かう電車で収録
    -英国のCovid-19はもう終わった?
    -行きは電車派?コーチ(バス)派?
    -3年ぶりのエントランス収録
    -数年前からペットボトル禁止に
    -気をつけるべきは花粉症!?
    -タイヤ付きの鞄が大活躍!
    -不便をどう楽しむか
    -水曜日は特に何もないけど至福…
    -そして前々夜祭なのに人が多い
    -前夜祭はシークレットライブも
    -恒例の主催者カラオケも
    -ノッティングヒルカーニバルとコラボ
    -週末は雨予報なのにまだ耐えてる(祈)

    <後編トピック>
    -フェスの幕開けはゼレンスキーから
    -初日のトリはビリー・アイリッシュ
    -深夜にウクライナのアーティストが登場
    -土曜は朝から幾何学模様(最前列にて)
    -ライブ直後にインタビューも
    -圧巻のオリビア・ロドリゴ×リリー・アレン
    -人工中絶に関する最高裁の判断に中指を
    -環境活動家・グレタさんがメインステージに
    -シークレットにジャック・ホワイト登場!
    -土曜のトリはポール・マッカートニー
    -最終日はケンドリック・ラマーで締め

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