秋のドラゴンドラ 絶景紅葉狩り
- 2020/12/10 ● Report
去る10月24日から25日にかけて、フジロックではないシーズンの苗場に初めて行って来ました。きっかけとなった今回が初参加のボードウォークキャンプも、フジロッカーたるもの1年に1度は苗場の地を踏まねばとの想いからの参加です。大阪から始発の新幹線に乗り込み、東京到着後はFUJIROCKERS.ORG主宰の花房氏率いるフジロッカーズ・バー関係の仲間たちに車でピックアップしてもらって向かった苗場。約1年強ぶりとなる苗場への道中は、ワクワク感とともに心なしか緊張も。フジロックではない苗場にはどんな世界が広がっているのか?などとあれこれ思い巡らせながら、車内に流れるクルセイダーズによる”Stomp And Buck Dance”の小気味いいビートに揺られていました。
ようやく乗れたドラゴンドラ
今回で65回目を迎えるボードウォークキャンプ、D-Kデジタル掛け軸 with 神雅氣-shinki-によるスペシャルライヴや、みどり橋の竣工式といったイベントの詳細レポートは別の記事に譲るとして、今回の苗場旅における最も思い出深い出来事はドラゴンドラにようやく乗れたということ。「ドラゴンドラからの絶景も、山頂でのデイ・ドリーミング&サイレント・ブリーズはまさに天空のオアシスで最高だよ!」と仲間たちからしきりにおすすめされていて、心底「乗ってみたい!行ってみたい!」と思っていた念願がようやく叶いました。しかも、秋の紅葉という絶好のシーズンです。実際に乗ってみて…ドラゴンドラからの絶景は本当に最高でした。本記事ではドラゴンドラ初体験記をお送りいたします。
※今年の秋のドラゴンドラは、2020年11月3日をもって営業終了しています。
チケット売り場が分からなくて慌てる
フジロックでしか苗場を訪れたことがない人ならではのことではないでしょうか。私も同行した写真家も、これまでドラゴンドラに乗った経験がなかったこともあり、レッドマーキー近くにチケット売り場があるものと思い込んでいました。秋のドラゴンドラは、入場制限でお昼過ぎには受付を終了することがあるから朝一から並んだ方が良いと耳にしていたので、朝6時過ぎくらいに宿を出発しました。途中で偶然通りがかった仲間の車に乗せてもらって例の場所に着いたもののどこにもないわけですよ、チケット売り場が。そこで、乗り場まで行ったら売っているのではと山麓駅まで歩いて登っていったところ、「ここでは買えないですよ。ここから20分程度下ったところの駐車場スペースにあるシュネーという場所で購入できます」と言われ、慌てて引き返すことに。今振り返ると、確認不足なだけの何ともお馬鹿な話ですが、少しでもお役に立てればと思い記しておきます。ドラゴンドラのチケット売り場は、シュネーの中に徒歩で観光に来た人向けと、シュネーの外に車で来た人向けの二つが設けられていて、それぞれの列の最後尾に並んでチケットを購入することになります。ドライブスルーでチケット購入後はドラゴンドラ山麓駅付近の駐車場まで直接行くことが可能です。
「8時15分にチケット売り場はオープンしますので、もうしばらくお待ちください」とのこと。我々の前に並んでいるのは2組しかいない。慌てる必要はまったくなかったわけです。チケット売り場オープン後はシャトルバス乗り場の列が一気に埋まっていったので、慌てる必要はないとはいえ、8時前にはシュネーに着かれていることをおすすめします。
乗り込み山頂を目指す。視界に広がるこの絶景!
シャトルバスに乗り込んだ途端に一気にテンションが上がっていく我々。乗り場に着くなり、乗り場横にあった木製のオブジェなど、目に入るドラゴンドラ的な物体をパシャパシャと写真に収めていきました。乗り場で並んで順番待ちしている時の、あのワクワク感。初体験や新しい行動は人生を豊かにしてくれます。
乗り込んだが最後、360度の視界に広がる絶景、ジェットコースターのようなアップダウンの激しい約25分間のスリルに息を吞みました。最初の絶景ポイントは14号柱付近。清津川(きよつがわ)へ向けての大迫力の急勾配から広がる、紅葉で彩られた雄大な渓谷は必見です。お次は22号柱付近で確認できる、二居湖(ふたいこ)の濃いエメラルドグリーンの輝き。天候や水量などによって七色に変化するそうです。自然が偶然創り出した奇跡。畏敬の念を禁じえないほどの美しさでした。
山頂にて小休止。ほっこりスポットが満載
山頂に降り立ち、乗り場の出口を出るとビューっと全身を吹き抜ける風。少々肌寒いなと感じた瞬間に漂ってきた香ばしい珈琲の香りに、フードトラックの装いが可愛らしいM’sカフェの方へと引き寄せられていきました。他にもフジロックでお馴染みのもち豚串をはじめ、焼きいもに焼き団子と、アツアツでよだれの出そうな匂いに満ちている雪国食堂、中央に焚き火台が設置された丸テーブルがあって、きのこ汁など暖かい料理を提供して山頂の気温に冷えた身体を内外からじんわりと温めてくれるレストランアルムと、ほっこりとさせてくれるスポットが満載です。見晴らしの良い屋外のオープン席に座って、もち豚串と珈琲を両手にしばしの小休止と、何たる幸せな時間。今回は時間がなくてパスしましたが、ドラゴンドラ出口には無料貸し出しのボールやバトミントン、フリスビーといった遊具があったり、レンタル電動アシスト自転車やカート、3人乗りの大型バギーのメガバギーで田代高原を疾走して満喫できたりとお楽しみだらけです。山頂で過ごすあまりの心地よさに後ろ髪を引かれながら、復路のドラゴンドラに乗り込みました。
復路、趣を次々と変えてくる山々
乗り込んでしばらくしたら、第3の絶景ポイントの31号柱付近に差し掛かります。山々の起伏がドラゴンの背中のよう。少し時間が経過してことで、山麓側の山々に陽が当たり、燃えるような美しさが目に飛び込んで来ます。往きと同じとは思えない絶景が次々に広がっていきます。自然が織りなす芸術に勝るものなしと心底圧倒されました。帰りは、二人して景色に見とれてワーワー騒いでいるうちに山麓駅に到着。見ると、乗り場に向かってずらっと長蛇の列が。午前10時前でこの状況です。朝一からチケット売り場に並んで大正解でした。
参加して自ら楽しみを発見していくのがフジロッカー
チケット売り場が分からない事件からはじまったドラゴンドラ初体験珍道中、いかがだったでしょうか。よく分からないけど現場に行ってみて、そして実際にやってみる。人と触れ合いながら。自分の身を投じて参加するからこそ学びがあるし、楽しみがあります。みどり橋の竣工式で大将こと、日高正博氏の言葉通り「バスで行って、終わった、はい帰る」という便利な観光ものではなく、参加し自ら発見していくのが苗場の楽しみ方です。ボードウォークキャンプはそれを存分に味わわせてくれる絶好の機会でした。そして、豊かな苗場の大自然も。今回訪れたのは秋でしたが、春だと桜が、冬は雪山と、自然の様々な顔を拝めることでしょう。初日の夜に見上げた満点の星々も筆舌に尽くしがたい感動がありました。フジロックではない苗場を体感することで、「なぜフジロックなのか?」の問いと、フジロックに対する愛がより深まった気がします。ぜひ、あなたならではのお楽しみを発見しに苗場に出かけてみませんか。
Photo by Daichi Takatsu
Text by Takafumi Miura
関連リンク
●フジロックの森プロジェクト
https://www.fujirockersforest.com/
●苗場観光協会
http://www.naeba.gr.jp/
タウンガイド:http://www.naeba.gr.jp/townguide/
御宿案内:http://www.naeba.gr.jp/stayguide/
スキープラン:http://www.naeba.gr.jp/plan/