音楽とクラフトビールを掛け合わせるクラフトビアマーケット、代表田中氏にインタビュー!
- 2019/07/23 ● Interview
フジロック会場内には、お酒を扱うお店はたくさんある。僕はクラフトビールが好きで、数年前からオレンジカフェに出店しているクラフトビアマーケットが一押しだ。去年までのラインナップを眺めていたり、ホームページを見ているとなにやら自社企画のフェスやサーキットイベントを行なっている情報を発見!ますます興味が湧き、いったいどんな人がどんな想いで音楽とビールに接しているのか気になりインタビューを行った。当日、質問に答えてくれたのは、クラフトビアマーケットの代表である田中さん。彼の並々ならぬ行動力を聞かせてもらった。
─ 企画イベント(CRAFTROCK FESTIVAL)を開催されていますよね。個人的に絶妙に刺さるメンツばかりだなぁと感じます。音楽方面にも明るいのかなという印象を受けたのですが、ライブイベントにも力を入れている理由はなんでしょう。
CRAFTROCK FESTIVAL (以下、クラフトロック) は2014年からスタートしていて、今年はCraftrock Circuit(以下、サーキット)としてサーキットイベントに形を変えました。フェスの方は2014.15.16と開催しました。音楽に力を入れているのは、もともと僕個人が音楽好きというのもあります。自分で飲食店をやろうと思ったのも『1日中好きな音楽を聴きながら好きな仕事が出来たらいいな』という想いからでした。そこから経験を積んでいくうちにクラフトビールと出会いました。
ビアフェスっていうのはよくあると思うんです、ただ、音楽とビールを楽しめるイベントっていうのは少ないと思っていて。野外イベントでまさにフジロックでクラフトビールだらけ!みたいなイベントをやりたいな。と思っていました。
─ そこからどのようにフジロックの出店に至りましたか?
クラフトロックを始めた頃にフジロックで通訳をやっている方と吉祥寺のビアバーで知り合いました。そのあと、翌年の2015年にフジロックへいった際に、スマッシュの小川さんを紹介して頂いたんです。そこで、「クラフトロック、面白そうなイベントだね」って結構気にしていただけて、フジロック後に翌年のクラフトロックにご協力いただくお願いをしたんです。快く受けていただき、会場探しやブッキングといった企画制作に入っていただいて、イベント当日に野外でのクラフトビールのブースを見ていただいたんです。そしたら「ぜひフジロックでも」というお話になり2017年から出店をさせて頂くようになりました。
─ なるほど、いろいろ繫がりの末に現在の出店に至ったわけですね。野外音楽フェスで提供する際に、銘柄を選定する基準はありますか?
ありますね。音楽とつながりのあるブルワリー(ビール醸造所)さんだったりとか、開催中炎天下になることもあるじゃないですか、なのでスッキリ飲めるようなセッションIPAを用意したり、今年はセゾンとかも用意します。
─ セゾンというのはどういったビールですか?
セゾンってベルギービールの伝統的なスタイルで、農作業中の休憩の為のビールですね。軽やかで飲みやすく、爽やかな香りがあるのが特徴です。あとは、海外の人も多いと思うので、ニーズに合うように海外のビールも多く入れています。
─ ますます楽しみになってきました。今年は20タップですか?20タップ3日間分となると、想像を絶する量になりそうですね…。
そう、かなり出ますよ。3日間で約5000リットル、1万杯ほどですね。
─ 1万杯!?単純計算で1日辺り3000杯以上。凄い数と対応力。さすがその辺りは慣れていらっしゃるわけですね。では続いてですが、フジロックのお客さんがよりクラフトビールを楽しめる為の提案などはありますか?
そうですね。色々なスタイルのビールを用意しているので、小さいサイズで何種類か飲んでいただけたら嬉しいですね。なので、まずは軽めのビールからしっかりめのビールに。といった流れを作って頂ければと思います。スタッフに言ってくれればアドバイスも出来ます。それと、テイスティングもビアバーだと普通に対応するので、お店でもそうですがフジロックの出店の際も出来ます。そこは気軽に言っていただければ極力対応しますよ。
─ お、これは有益な情報。試飲出来るのは知らない人多いと思います。
少し勇気を出して、「テイスティングさせて」と言って頂ければと思います。
─ ありがとうございます。続いて、クラフトビアマーケットのこれからについて、田中さんの想いや考えはありますか?
実は、今年の9月にブリューパブっていう業態のお店を日本橋に出します。ブリューパブっていうのは、お店で醸造してそこに併設された店舗のことで、結構大きくて席は150席ぐらい用意します。で、実はそのお店なんですが、お店の中で音楽ライブを楽しめるようにしています。クラフトロックブリューイングっていうビールメーカーのブリューパブになります。お店の名前もCRAFTROCK BREWPUB & LIVEっていう名前で、クラフトロックと関連づけています。
─ 音楽とビールの掛け合わせですね。好きですねぇ(笑)。
そう、音楽が好きなんですよ(笑)。ミュージシャンをサポートすることをブランドのコンセプトとして掲げていて、ミュージシャンの方達とのコラボのビールなどはわかりやすいですが、ライブハウスより気軽にライブを楽しめる場所を作りたくて。色々な活動で新しく音楽を知れる機会が増やせたら嬉しいです。
─ これはイベントの機会がかなり増えそうですね。
そうですね。スタッフもバンドマンを採用しようと思っていて、スタッフのスタジオ練習代は福利厚生でブリュワリーが全て負担しようと思っています。
─ 涙が出そうです。
ははは(笑)。サーキットイベントやったりとか、フェスをやっていく中でそれに賛同してもらえているミュージシャンの方も多くて、ぜひ出演したいって仰ってくれていたりしていて、お店での第一弾のライブも決まっていますし、Joy Oppositesとのコラボビールも決まっています。メンバーのアダムがめちゃくちゃクラフトビール好きで、サーキットの時にオファーをして出演してもらって、そこからよく飲みにいくようになって「ビール作りましょう!」という流れでした。
─ 田中さんの面白いことをやっていきたいという気持ちの原動力ってなんでしょう。
うーん、まだ全然先だと思うんですけど、いずれはフジロックみたいな大型野外フェスをやってみたい気持ちからですね。いつかはやりたいです。クラフトビールがたくさん飲めるロックフェスがあったら素敵だな。というのは常々思っています。
─ ありがとうございます。それでは最後にこの記事を読んでくれている方々にメッセージをお願いします。
せっかくフジロックにきたら、全部のエリアを見て周ったら面白いと思います。一番奥地のオレンジカフェにクラフトビールを飲めるところがある。って覚えてもらえたら嬉しいです。クラフトビール好きな人は、毎日必ず来てくださいね!
フジロック開催の直前でしたが、快くインタビューに答えて頂いた田中さんに感謝。情熱というのは人によってや内容で大きかったり小さかったり誰しもが持っているものだと思う。その情熱に向き合い、楽しい方向に、そしてより良い方向に舵を取れるっていうのはなかなかできる事ではない。好きな音楽を盛り上げる。好きなビールを盛り上げる。それにはたくさんの苦労と努力と一歩ずつ積み上げてきた想いの数が存在するだろう。これからもクラフトビアマーケットの挑戦が楽しみだ。
取材・文章・撮影:Taio Konishi