• フジロックを彩るアートの世界!〜Vol. 2ルーク編〜


    ─ 製作プロセスを教えてもらえますか?

    もちろん!先ずは自分の頭で描いていたデザインをスケッチする。完成した時立体的になるから、そのスケッチにどのような構造になるかをラフにメモする。そしてそのラフ案をもとにチームでコンセプトが固まったら、コンピューター上でそのスケッチに色付けて行くんだ。この色付けが僕の好きなプロセスだよ(笑)そして次にピーターが3Dソフトを使って、立体的に作品イメージを作る。数学者でもあるから、この部分はピーターに任せているんだ。ここまで出来上がったら大きさの設計をして、やっと3Dプリンタで生地の印刷をするんだよ。そしてピースごとに印刷された型を切り取り、一つ一つミシンで裁縫して行くんだ。そして仕上げに、送風機やライトを装着してやーっと完成!

    Photo by Riho Kamimura

    Photo by Riho Kamimura

    ─ 一つ一つハンドメイドだなんて驚きました!ルークさんの手がけるアートはとても大きなものが大きいですが、どうやって日本に持ってくるんですか?

    大体の毎年使う電飾、空気入れ、ポールなどは苗場に倉庫があって、そこに置いてるんだ。でもインフレータブルの本体は手荷物で運んでくよ(笑)

    ─ え?!信じられない!

    本当だよ!スーツケース3つにそれぞれ詰め込んで持っていくよ。空気入れれば飛べるかもね(笑)そして長いフライトから降りたら今度は地下鉄での移動。乗り換えが複雑だしかなり体力がいるからそりゃもう大変(笑)

    ─ それは一大事ですね(笑)あとルークさんのアートは夜も幻想的な雰囲気を醸し出していると思いますが、ライトも何か仕掛けがあるのでしょうか?

    Photo by Masami Munekawa

    Photo by Masami Munekawa

    ライトについては仲間のレックス・カズン(AKA Jnr Hacksaw)が担当しているんだ。朝霧JAM(以下、朝霧)に行ったことある?そこのメインステージの横に星がたくさん飾ってあってあると思うんだけど、次々と色が変わって行っているよね?その映像を見たレックスが「何か手伝えることはない?」って声をかけてくれたんだ。彼はエンジニアでアプリケーションを書いてたから、色が変わる法則などを独自のプログラミングで実は音楽の雰囲気に合わせて色が移り変わるように改良してくれたんだ!

    ─ 知らなかったです!面白いですね!

    一般的に色を変更するプログラミングは単純に、ある色から次の色という風に色を指定していくと思うんだけど、それだと作業に時間はかかるしつまらない。レックスはミュージシャンということもあって、曲の雰囲気に合わせて色にも動きを出そうと思ったんだ。例えばゆっくりとした曲には、色の変化がゆっくりと変わっていくけど、アップテンポの場合は速度を合わせて次々と色を変えていったりとか。これは決して既製品ではなく、ハンドメイドだからこそできることなんだ。

    ─ インフレータブル本体だけでなく、光作りまでハンドメイドなんて手間と愛情のこもった作品なんですね。

    多分ほとんどの人が、「既製品なんじゃないか?」って思ってると思う(笑)でも僕たちはそれぞれの領域のエキスパートたちで一つのチームを組んでハンドメイドにこだわりを持って作ってるんだ。
    これにも訳があってね、フェスティバルって色々な場面に出くわすでしょ?天気だってそう。雨、風、晴天、台風など予測できないことがたくさん。その上インフレータブルはとても繊細なものなんだよね。汚れてもアートとして遜色があるし、風が強い時はすぐにしまうなどの安全面も気を使わないといけない。だから全て自分たちの手で作って、作品を把握することで、リスクを最小限にできるようにコントロールしてるんだ。そういった意味でもフジロックと朝霧はとてもチャレンジングなんだよね。

    ─ 確かに。特にフジロックが行われる夏の期間は天気が不安定ですもんね。

    そうだね。グラストの場合は、雨が降ると地面が泥だらけになるってとこが心配なんだけど、フジロックはやっぱり天気が読めないからね。すごく晴れていたと思っていたら急に土砂降りでずぶ濡れになったとかよくあるからね(笑)

    ─ 朝霧には2012年から参加したと聞いてますが、きっかけは何でしたか?

    きっかけはグラストでのある人との出会いだった。さっきも話したけど、僕たちはグラストのある一角でポールにランタンを飾ったり、モニュメントをポールに立てたりしてたんだけど、ジョン・ヘルマと言って当時はスマッシュUKにいた人が僕たちの作品を見て「面白いことやってるね」と声をかけてくれたんだ。そのとき彼と意気投合して、スマッシュに紹介してくれたんだ。そして先ずは朝霧で「何か面白いことやってみてよ」ってことになって会場のアートを担当することになったんだ。そこから「次はフジロック、次は朝霧の全体を」と話が繋がっていった感じかな。

    ─ 初めての日本での活動だったかと思いますが、人々の反応はどうでしたか?

    とっても楽しんでくれてると感じてるよ。僕らのアートとセルフィーしているところを見たりすると嬉しくなるよ。あと日本で仕事をさせてもらってとても感心しているところは、僕らの作品を大切に扱ってくれるところ。UKの場合、作品がすぐ手に届くところにあるとすぐに飛び込んだり、酔っ払ってパンチしたりして作品と触れ合ってるんだ(笑)時には作品を壊しちゃうこともあったしね(笑)だけど朝霧のキャンプサイトの周りを色とりどりのコーンのようなインフレータブルで囲ってるんだけど、壊されることも汚されることもなく、すごくアートに友好的に触れ合ってくれてる感じがするんだ。

    Photo by Shinya Arimoto, Courtesy of LIM PRESS.

    Photo by Shinya Arimoto, Courtesy of LIM PRESS.

    ─ 文化の差が作品との距離感に影響してますね。

    まさにそうだね。時には「なんで壊されてないんだろう?」って思っちゃうよ(笑)そう言ったこともあって、フジロックと朝霧はとても好きで、良い仕事をしたいと思えるんだ。日高さんとも何度も会ったことがあるんだけど、彼は音楽だけじゃなくてアートなど、他のことにもすごく興味関心を持ってくれている。それにとても柔軟だし、決断も素晴らしんだ。誰に対しても歓迎の気持ちでいてくれることは嬉しいことだよ。だから何回でもフジロックに帰ってきたいと思えるんだ。他のフェスティバルは仕事の依頼があった時は全てメールなどで、効率重視で進めることが多いんだけどスマッシュは家族みたいにチームとして動いているから、お互いに信頼しているし、フジロックで再会できることを楽しみにそれぞれ仕事をしているんだ。もう16年くらい仕事をしているから「人生の一部」と言ってもいいよね?(笑)

    ─ もちろん!

    インフレータブルを始めてから半分以上はフジロックに関わってることになるんだもんね。今年もフジロックに新しいものを日本に持っていくから楽しみにしててね。

    Photo by Riho Kamimura

    Photo by Riho Kamimura

    ─ 楽しみですね!それでは最後にフジロッカーたちにメッセージをお願いします!

    今絶賛改良中なんだけど、新しいインフレータブルをフジロックでお披露目するのでお楽しみに!
    KEEP ON ROCKING!! We love you, Fuji Rock! From Luke


    ルークさん率いるDesigns in Airの作品は職人たちが丹精込めて作ったハンドメイド作品ばかり。仕事場には過去のフジロックの作品やその他の作品も大切に保管されており、アートに対する愛情の深さを感じました。みんなが帰って来たくなるフジロックの暖かい雰囲気はゴードンさんやルークさんのようなアーティストたちが重要な役割を果たしているといっても過言ではないと思います! 今年はぜひフジロックを彩る数々のアートにもたくさん触れてフジロックを過ごしてみてくださいね!

    Interview & Text by Masako Yoshioka

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