僕たちにとって音楽フェスってなんだろう?-音楽フェスが地元にやってきた日-
- 2019/07/14 ● Interview
国内の代表的な音楽フェスの1つ、フジロック・フェスティバル(以下フジロック)が1997年に初開催されてから22年が経った。現在の苗場スキー場に場所を移してから21年目を迎える。今、国内各地では毎週のように音楽フェスが開催され、今や僕たちにとって当たり前のレジャーとしての選択肢の1つとなっている。
大人になってから「フジロック」を経験し始めた人と子供時代に経験し始めた人、まだ生まれてもいなかった人。それぞれの立場や、音楽ファンとそうでない人たちにとってのフジロック(音楽フェス)観を聞いていくことで、夏レジャーの選択肢の1つとしてのフジロックのあり方、そしてフジロックが持つ特異性を改めて考え見つけ出すことができるのではないかと考えた。
そこで今回、地元苗場で「幼少時代にフジロックがやってきて、その後の年月と共に自分自身も成長しながら今も地元で働いている」そんな方々にお話を聞きに伺ってきた。インタビューしてきたのは、現地にお住いで時々運営に関わっている金澤さん(33歳)と、運営に関わっていない矢萩さん(27歳)、りょうへいさん(25歳、後半から登場)の3人。
彼ら3人が開催地である地元新潟の人「内側の人間」であるしたら、インタビュアー側の僕たちはお客さんとして他県から参加する「外側の人間」だ。
インタビューは、ラフな座談会形式で「内側の人間(金澤さん、矢萩さん、りょうへいさん)」「外側の人間=オルグスタッフ(増田インタビュアー、若林、栗原)」それぞれの立場から語り合う形となった。
フジロックは「地元での夏祭り」に参加するようなものだった
インタビュー日:2019年5月19日
場所:苗場スキー場近くのとあるホテル
─ フジロックが苗場で初めて開催された時、地元にいましたか?
金澤:いましたよ。自分の実家が観光協会の会長で、その流れで物心ついた時からあるっていう感じです。
─ 音楽自体はずっと好きでしたか?
金澤:そこまでですかね。ハイスタとかは聞いてましたけど、洋楽も聴いてましたよ。音楽って好きじゃなきゃそんなに聞かないじゃないですか?
─ 確かに、聞かなかったですよね。この地域にCD店があるわけでもないですし。
金澤:レンタルもできないですし。
矢萩:ほとんど真逆ですね。うちも宿やっててお客さん入れてるんですけど、空いた時間とか自分で楽しみに(フジロックに)行きますね。
─ 入場券は自分で買われていますか?
金澤:いや、招待があって。
─ なるほど。東京に住まれている時もフジロックに来場していましたか?
矢萩:大学の時は、僕1年でやめてしまったんですけど。普通にフジロックがあるから帰ってきてたりはしました。
─ それはフジロックに行きたいからですか?
矢萩:はい、そうですね。
金澤:でもチケット買う?って言ったら買う?
─ 大体定価で買うと、早割で39,800円、一般で45,000円ですね。
矢萩:んー、どうですかね、、、。
─ 他のフェスに参加されたりしますか?
矢萩:僕ではないんですけど、他のフェスやってる時は、時期的に宿も合宿とかがあるので忙しくて行けないんですよね。けど、僕の地元の友達とかは、フジロックを知ってフェスが好きになって行ってたりする人もいますね。
─ 最初にフジロック起点で音楽フェスを知ったような形でしょうか?
矢萩:そうですね。
─ 入口が今のフジロック来場者と違うんですね。私たちはロック・イン・ジャパン・フェスティバル(以下RIJ)とかサマーソニック(以下サマソニ)とかの「音楽フェス」を体験して、それでは1番行きずらそうなイメージのフジロックに参加してみようという形もあります。アシスタントの栗原がその傾向に近いですね。ちなみにフジロックは未経験です。
金澤・矢萩:へぇ〜。
栗原:サマソニとかグリーンルーム・フェスティバル(以下グリーンルーム)とか行きますね。
─ それは自宅から近いからですか?
栗原:まぁ、近場ですね。
─ フジロックにこれまで行かなかったのはなぜ?
栗原:まず遠い。お金がかかる。かなぁ。あと過酷そうってのはありますね。キャンプしなきゃ行けないとか。まぁホテル泊まればいいんですけど。宿が取れないとか。そういうイメージが先行してたんで。行こうとはならなかったですね。
─ 仕事とか好きとか抜きにしたら、選択肢として音楽フェスやフジロックって現れますか?
金澤:もっと簡単な、GOOUT CAMP JAMBOREE(以下ゴーアウト)とか、グリーンルームもそうですけど、フジロックはそこそこ気合い入れていかないと。ちょっと軽い気持ちでは行けないですよね。けど、僕ら自分の家があるじゃないですか。だから、フジロックやってもフラッと帰ってこれるし。キャンプを張る朝霧JAMより全然楽ですよね。(朝霧JAMは)述べ2週間くらい居ますけど、こっち(フジロック)のが楽ですもん。そういうこと考えると、キャンプとか嫌いじゃないですけど、好んでやろうと思わない自分がいる。
─ それは理由の1つとして家に帰れるからであって、栗原さんのサマソニとかグリーンルームに行く理由は、家に帰れるからという点もありますよね。
栗原:そうです(笑)。その日のうちに行って帰ってこれるから…。
矢萩:やっぱり山とか自然が常にある場所なんで、それを求めに行く必要がないって言うか…。都会の人とかってそう言う環境がないから「自然に触れたい」「キャンプしたい」とかそう言うので来る人が多いと思う。僕らは本当にすぐ山だし…。
金澤:「川、最高!」とか、これっぽっちも思わない(笑)。
一同:笑。
1997年初年度、フジロックが来ると分かった時地元では…
─ ちなみに初年度のフジロックはどうでしたか?フジロックが苗場に来ることを初めて知って、地元の方の立場として「へぇーそういうものが開催されるんだ?」という感覚でしたか?
金澤:いや、それこそ来る時に、まず「反対」から始まるわけじゃ無いですか。それは、やっぱりどうなるかわからないから。基本、その当時ってそれなりにみんな本業で儲かってるんですよね。学生もそのタイミングで(合宿とか)いっぱい入ってるし。って言うのが最初ですよね。だから、その「フジロックがどういうものかがわからない」って言う感覚がありましたよね。
─ 例えば、黒船感のような、よくわからないものが来るみたいな感じですかね。親御さんとかはどうでしたか?何か言われたりしましたか?
金澤:いや、特に何かしちゃダメとかは無いですけど、ただまぁ「そういうのがあるから、おばあちゃん家でも行ってたら?」とか。本当に疎開みたいな(笑)。今考えるとそこまで、絶対こんなの来ちゃだめ。みたいな反対はなかったですね。
─ それで、お父さんが(観光協会の)会長で、フジロック始まって、人がたくさんやって来て、地元は恩恵を受けた部分はありますか?
金澤:受けましたねー。それプラス、一緒に作り上げていくことで信頼関係も生まれました。僕らにとってのフジロックって、ただのロックフェスじゃ無いですよね。それこそ苗場と一緒に作り上げたものというか。その形を日高さんが作り上げてくれたので愛着もあるし、なくてはならないものになっているし、自分たちにとってスペシャルなものって事なのかな。
─ スペシャルなものって意味合いって、単純に人が来てお金を落とすって意味と、精神的な自分たちのアイデンティティとしてのスペシャル感の2つがありますよね。
金澤:はい。
─ どちらが強かったでしょうか?
金澤:アイデンティティじゃ無いですかね。やっぱりお祭りですよね。当然儲かるし、ありがたいことはありがたいですよ。20年間フルフルで入っているわけじゃ無いですか。けど、その間に20年の歴史を感じてきてますね。例えば、それまではフジロックでお客さんを取ってこなかったけど、それが取るようになったりして、みんなの意識が変わってきたりとかもありますね。
─ フジロックはこのまま続くと思いますか?このままあって欲しいと思いますか?
金澤:あってほしいとは思います。ただ、続くかどうかはわからない。
─ 「あって当たり前のもの」ではないんだよってことですかね?続くかどうかはわからないけど、儲けとかじゃなくて、心の中としてはあってほしいと。
金澤:そうですね。
「スキーの苗場」から「フジロックの苗場」へ
金澤:これまで苗場って、やっぱりスキー場のイメージしかなかったんですけど、最近は「苗場出身なんですよ」って言うと、「あ、フジロックの」って言ってくれる人も増えてきたかな。
─ そこに対して、フジロックとスキーシーズン以外に何か恩恵ってありますか?
金澤:例えばボードウォークとか。フジロックがなかったらボードウォークないでしょうし。今はそれがまだ観光資源に結びついてないので。その辺はこれからなんでしょうけど。けど、極論ですけどなかったらなかったで、まぁそれまでなんですよ。たまたまあったから今みんなこうなっている。
─ まぁ上積みがあったってだけですよね、なかったらスキー場があって合宿のお客さんが来て、回せてたってのが、プラスの何かができたという形でしょうか。
金澤:まぁ一応うちらのスタンスってか、中心にいる人物としては、フジロックが無いとどうにもなんないとかではなくて、当然いい関係、距離感を保ちつつお互い成長していくのがベストだなとは思います。
─ 宿の方とか地元の方には招待券で来るとかあるんですけど、知ってる方で地元の人でお金を払って来てる方って聞いたことありますか?
矢萩:全然いますよ。
─ そのお友達が自分でチケットを買う理由って、何なんでしょうか?
矢萩:それこそアーティスト見たいっていう人もいれば、お祭りとして参加してる人もいますし。
─ 地元の祭りに行く感覚ですか?
矢萩:そうっすね、帰りたければ帰れるし。この辺て車ないと生活できないんで、だいたいみんな車で来て、日帰りで帰ったりする人たちも多いっすね。
金澤:キャンプまでしてって友達はなかなかいないっすね。ゼロではないっすけど。
─ どっぷりフェスの魅力にハマってしまう人もいますか?例えば、サマソニも行ってみようとか、RIJも行ってみようとか、それ以外も行ってみようとか。
矢萩:でも、それこそ、僕の同級生、苗場で商売やってるんですけど、”どっぷり”ですね(笑)。けど、そいつは「フェス」っていうよりかは「音楽」がめちゃめちゃ好き。そのアーティストの追っかけじゃないですけどサマソニ行ったり。
─ フェスに出演する時に?そのフェスに参加する?
矢萩:ステージが何個かあって、1日でいろんな人を見るのが好きみたい。
─ では、競合商品が海外旅行だって考えた時に、同じくらいお金がかかり、場合によってはロンドンとかニューヨークだって行けると思いますし、そうした時に大半の来ている人たちは旅行で来ているのではという感覚もありますか?
金澤:あると思います。海外旅行みたいな。グラスト行けないけどフジロックだったら、みたいな。
─ 海外旅行に行く気持ちと似てるっていうのが、すごい納得感がありますね。気合い入れる、モチベーションを半年くらい前から作ってのような。
金澤:これだけのお金払うからこれだけ楽しまなきゃ行けないっていうのが、お客さんのスタイルじゃないですか。でも、自分は一度もそれを経験したことないんですよね。けど、こんだけお客さんに来て喜んでもらえるのを見ていると、要は運営サイド、地元サイドとして、このお客さんのために毎年色々考えて変えてきましたよね。例えば、ボードウォークだったり、インフラとかも10年前と今とじゃ全然違いますしね。あとは、タクシーがつける場所とかバスが着く場所とか、ちっちゃいところだけど色々変えたりとか、いろんな会議してますね。
─ まさにそのレジャー的な感覚ってどうなんでしょうか。関東圏の僕らは旅行的感覚が強くて、地元の人たちは「地元の祭り」に行く感覚が比較的強いと。じゃあ、その中間地点の人とかってどういう感覚なんでしょうね。
金澤:群馬とかでも結構多いですよ。そっちの方のお客さんも。それこそ水上とか。
─ この辺からサマソニとかRIJとか行ってる人っていますか?
金澤:こいつ(矢萩さん)の同級生。
矢萩:地元にいますよ。苗場に。
─ 結構いますか?
金澤:ちょっと呼んでみるか。りょうへいってワードを忘れてたよ(笑)。
矢萩:一番熱く語れるんじゃないですかね。
金澤:うちらは染まりすぎてる(笑)。
─ ガッチガチですもんね(笑)。
〜金澤さん、りょうへいさんに電話。数十分後、りょうへいさん(25歳、地元苗場で飲食店勤務)到着。
フジロックきっかけでレッチリを知ったりょうへいさんの音楽観炸裂
─ 音楽に触れたきっかけってなんだったんですか?
りょうへい:それこそフジロックじゃないですか。
─ そこから音楽好きになったってことですか?
りょうへい:ですね。僕、一番初め覚えているのは、13年前(2006年)レッチリが来た時あるじゃないですか。あの時にはフジロックの存在は知ってて、当時小学生だったんですけど、なんとなーく行ってて。その時にレッチリを観て、「かっこいい音楽」ってこういうことなんだな!っていうのを感じたんですよね。
─ サッカーなんだろうなって思ってたらメッシ見ちゃったみたいな(笑)。
りょうへい:そういうことです(笑)。
─ 一番最高の物から触れてしまったと!
金澤:いいの来たでしょ?
─ 面白い!この入り口の人は初めて会いました(笑)。基本的に僕と若林、栗原は関東の生まれで、音楽が好きでフェスってあるんだっていう気持ちで参加しているので。
りょうへい:みんなはそんな感じじゃないんですか?
─ 僕らは、地元で好きなアーティストが観れるなら行って、「フェス楽しいな」ってなるのはありますけど。りょうへいさんは、地元で招待券もらったからって理由でふらっと行ったらレッチリに出会ってしまったわけで。
りょうへい:それがこうじて、1度解散する前の東京ドームも参加して、「あ、これだ」って。この辺の特殊性もあるとは思うんですけど。確かに実際僕らの先輩後輩含めても、じゃあフジロック発信ですごい音楽が好きな人がいるかと言われたら、そんなに多くは無いんですよね。
─ なるほど。
りょうへい:みなさんはどういう流れですか?会社に入ってって感じなんですか?音楽を知るきっかけは。
─ 僕は、小中の担任がめちゃくちゃ音楽好きで。授業中に世の中にはローリング・ストーンズやビートルズっていうものがあって、こういう音楽が一番すごいと刷り込まれ続けていて、担任の先生が「じゃあ見に行くか?」とストーンズのライブに連れて行ってくれたんですよ。高校進学のお祝いに(笑)。チケットは自腹で先生が引率してくれて。
りょうへい:すげぇな。
─ ただ、書店もないくらいあまりにも田舎すぎて情報が全くないので、リアルタイムの音楽を知らないんですよ(笑)。それで、クラスで1番好きな子が自己紹介で「オアシスが好き」だと言っていたのを聞いて、「オアシスってバンドを聴けばこの人と話ができる!」と買いに行きました(笑)。そこでオアシスに衝撃を受けて音楽に夢中になるんですけど・・・。
りょうへい:ほぼなんか、『スクール・オブ・ロック』の世界。
栗原:僕も学校の先生だったかもしんないっす。
りょうへい:学校の先生発信て結構あるんですね。
栗原:ギターやってて、中学の先生が洋楽めっちゃ教えてくれてみたいな感じですね。
りょうへい:楽器発信もあるのか。先生の好きな音楽と。
栗原:大人から教えてもらいましたよね。しかし、何も知らずにフジロックに行くりょうへいさんって…。
─ 地元の祭り行ってレッチリを見るってやばい(笑)。
りょうへい:そのきっかけで知ったからこそ、2年前にもっと知ってればなとかっていう感じあるじゃないですか。
─ そこから音楽にのめり込んだんですか?
りょうへい:そこからですかね。でもそのあとはCMの曲いいなってなったら、これ誰だろうって調べたり。それでエルヴィス・プレスリーまで聞き始めて。
─ 今はインターネットやサブスクリプションでも音楽が聴けて、アマゾンで買えるじゃ無いですか。今だとそんなサービスからアーティストを知って、知識が増えていくなかでフジロックって楽しいかもと思いました?
りょうへい:それは前から思ってて。普通に小学生時代はチケットなしで入れたんで。夏休みにやる事もないし行こうかつって。よくわかんないけど行ってました。
─ 2006年にレッチリを見て衝撃を受けた後はフジロックに参加する度に新しい音楽を発見するということが続いたんですか?
りょうへい:毎年それはあると思います。なんかこの人名前は聞いたことあるけど1曲も聴いたことないな、よし、じゃあちょっと行ってみるかって行ったら「なんてこった!この人はすごいじゃないか」っていうのが、やっぱり毎年ありますね。
─ 音楽のチェックから入る僕たちとは逆の入り口ですね…。
りょうへい:この人出演するから、行ってみようかって感じですか?
若林:先にアーティストの情報を追っかけてるんですよ。フジロック出る出ない関係なしに。例えば、今年だったらシーア。それを元々聴いて知っていて「あ、フジロックに出るんだ、じゃあ観ようかな」って感じです。
─ 他のフェスへも参加し始めたんですか?
りょうへい:行きますよ!サマソニと、Hostess Club Weekenderと。あとは朝霧JAM。
─ フジロック以外のフェスだとアーティストありきで行く感じなんですか?
りょうへい:そうですね。
─ 今、新しいアーティストってどうやって見つけてますか?
りょうへい: 最近はSNSがほとんどですかね。あとはフジロックの機会にラインナップを見て、「このアーティスト気になるな」っていうのを調べて、っていう感じですかね。
─ 1番好きな音楽ジャンルなんですか?
りょうへい:もちろんロックですよ。
─ 好きなアーティストやアルバムは?。
りょうへい:これは難しいですね。1番好きって言われると、TOP50出せって言われたら出せますけど。1個だけと言われたら。
若林:じゃあ2つ。
りょうへい:2つか〜。ちょっと質問を変えて、今後一生この人しか聞いちゃいけないとなったら…。
─ 無人島に3枚みたいな。じゃあ、無心島にアルバムを3枚持って行けるとしたら何を持って行きますか?
りょうへい:ベストアルバムもOKですか?
─ OKです。
りょうへい:永遠に聞いてられるやつかな。ビートルズはもちろん入ってるんですけど。オアシスとビートルズ…あとはミューズかなぁ。これ、3つ目は永遠に決められない(笑)。
増田:ガチな人だ(笑)。
若林:こんな時代において、稀有ですね。
金澤:ね、すごいキャラでしょ(笑)。
りょうへい:僕ここ2年くらいいれますよ(笑)。
一同:笑。
インタビューを終えて
今回、実際に苗場で少年時代を過ごし、フジロックと共に人生を成長していった方々にお話を聞いて、フジロックが単なる「特別な空間」としての夏フェスというだけではなく、「地元の夏祭り」としての側面もあることがわかった。加えて、地元でのフジロックがきっかけで「音楽」という文化に目覚めた人のお話も今回聞くことができ、それも含めて、苗場の人たちのフジロックとの向き合い方には様々な側面があるということも知ることができた。
とはいえ、今回知ることができたのは、おそらくそのごく一部だろう。地元には地元ならではのフジロック観がもっと潜んでいるのではないか?と妄想すると、より苗場の人たちに興味が湧いてくる。そして、そんな見方を持って今年のフジロックに臨んだら、きっと新しい発見があるに違いないだろう。
Interview & Text by 増田ダイスケ
Interview support by 若林修平、栗原幸平
Photo by 白井絢香