次世代の子どもたちにロックよ、届け!九州発祥のロックイヴェント「ROCKS-The Kids Are Alright-」とは。
- 2019/05/09 ● Interview
かつて「めんたいロック」や「九州パンク」などのキーワードで賑わっていた福岡。街には楽器を持った若者たちの活気で満ちあふれ、日本のリヴァプールと称されることもあった。今日本で活躍していて、この福岡でのシーンの影響を受けているバンドも少なくはないだろう。
「そんな時代を体感した僕は今の福岡の音楽シーンの現状に少し物足りなさを感じています」
と主催者の一人で現実行委員長である大石氏は語る。さらに、
「少しでもこの福岡の街を音楽を通じて盛り上げたい。次世代を担う子どもたちに夢を与え、一人でも多くの人が音楽に、ロックバンドに興味を持ってほしい。そう強く思ったのをきっかけに福岡という土地から発信し、若い世代にバイタリティーを持ってもらえる活動をしていこうと決意しました」
そうして有志のもと、
・大石智弘氏
(代表・実行委員長/インポートセレクトショップ 「RADIO7(レディオセブン)」 オーナー)
・村山 知弘氏
(代表補佐・舞台に関する事全般、ライブ制作、PAオペレートなど/ライブサウンドエンジニア KHC.ltd 代表)
・小手川亮司氏
(運営補佐・スポンサーケア/イベント運営業務)
・中山 優作氏
(運営制作/イベント運営業務 株式会社 STEAM WORK 代表)
の4人が集まり、実行委員会が立ち上がり、「ROCKS-The Kids Are Alright-」が始まったのだ。
※()内は、ROCKSでの立場/本業を記しています。
本記事では、ROCKS実行委員会に行ったメールインタビューの内容と、当日出演したThe Birthday、SCREAMING FAT RAT、BRAHMAN、LEARNERSのライブ写真を掲載する。
─ ROCKS ‐The Kids Are Alright‐はズバリどんなイベントですか?
一言で言うならば、「ROCKをストレートに伝える、感じてもらう」イベントです。
─ 立ち上げメンバーはどのようにして集まったんですか?
実行委員代表の大石さんの指名により集まったメンバーです。大石さんの中でこの人たちとやりたいみたいなものがあったみたいです。
─ 立ち上げ当時はどのようにして始まったんですか?
まずは居酒屋での飲み会からでした(笑)。メンバーの中で「ああしたい、こうしたい」みたいな意見交換から始まり具体的な部分はみんなで考えながら詰めていきました。みんなメインでの仕事を持っていて忙しいので、飲み会のあとはLINEグループ作ってその中でやりとりをやりつつ、月イチ(イベント近くなると2回のときも)で居酒屋に集まるという感じでした。
─ その居酒屋会議ではどのような意見が出たんですか?
「ここの部分は大丈夫か?」という細かい確認作業の繰り返しでした。結果大丈夫じゃないところもありましたけど(笑)。
─ 立ち上げてからイベント敢行まで、弊害などはありましたか?
弊害みたいなものは無かったと思っています。何か問題があると、「これどうしよう?」って考えるし、考えて解決すればもう前の問題とか忘れちゃうし(笑)。目の前に壁みたいなものは、いっぱいあったと思いますが、今となっては、いろんな問題を乗り越えられたのでスキルアップしたような気分です(笑)。
─ 子どもたちが主役ということですが、会場や運営で、どんな配慮をしましたか?
保護者同伴という制約付きですが、小学生以下の入場を無料にしました。
─ 今回のラインナップはどのような経緯で決まりましたか?
今回、出演してもらった各バンドとも長いお付き合いをさせてもらっていて、このイベントの企画を立ち上げると同時に、一番最初にオファーをしたいと考えたバンドの皆様になります。
─ 今回のラインナップ決定の裏話がありましたら、教えてください。
今回のラインナップから出演順番で最後の最後まで悩みましたが、The Birthdayのチバユウスケ氏の「年功序列順でいうと俺たちが一番最初だろ」という一言で、最終的にこの出演順に決まりました。
1.The Birthday
2.SCREAMING FAT RAT
3.BRAHMAN
4.LEARNERS
─ イベントを開催するにあたり、フジロックなどの大型フェスティバルを参考にした点はありますか?
フジロックは、ラインナップに関わらずフジロックが大好きなフジロッカー達が、毎年遠方から仕事を休んで集まってくる場所だと思います。天候などで過酷な時もお客さんがそれも含めて楽しんでいるくらい居心地のいい遊び場であるフェス。抽象的な言い方ですが、このイベントもいつかそうなるようにしていきたいと思っています。
─ フジロックもキーワードとして「子ども」が楽しむ、というものがあると思います。キッズランドがその象徴だと思うのですが、それについてはどう思いますか?
子どもたちが安心して遊べて、親同士もコミュニケーションが取れる素敵な場所だと思います。そして、東北の震災で被災した土地で使えなくなったものを有効利用して作った遊具など、魅力がいっぱいです。キッズランドには、ほど遠いかもしれませんが、子どもも大人も安心できる遊び場を作っていきたいです。
─ ROCKS ‐The Kids Are Alright‐を終えてどう感じていますか? また、今後どうしていきたいですか?
まだまだ立ち上げたばかりのイベントだし、運営などをプロのイベンターさんに手伝ってもらってるわけでもないので、反省点も多数あります。その反省点を来年につないでいけたらと思っています。
【The Birthday】
【SCREAMING FAT RAT】
【BRAHMAN】
【LEARNERS】
このラインナップを見てもライブ写真を見てもわかる通り、子どもたちが主役と言っても決して中途半端なものではなく、そこには本物のロックンロールが鳴り響いたに違いない。やれ危険だ、子どもには早いなどという意見ももちろんあるとは思うが、むしろこうした経験こそが今私たちに足りていないことではないのかとも思う。賛否両論があったことだろう。実行委員たちは相当なプレッシャーを感じていたことだろう。それらをはねのけ、実際にイヴェントを敢行したことで、子どもたちはどんなこと思ったのか。また同席した親たちは何を思うのか。特別な感情を抱き、興奮していたのではないか。ロックがお手本になるとは思わないが、衝動を感じることはできたはずだ。こうした経験を経て育つ次世代が将来の日本のロックを担って行くことを強く願う。
Text by 紙吉音吉
Photo by suguta
「ROCKS-The Kids Are Alright-」
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