Boardwalk Don’t Run Vol.39 体験レポート
- 2012/06/13 ● Report
今年も早いもので、もう一年の折り返し地点に突入です。
全国津々浦々、たくさんのイベントが行われていた、去る6月2日〜3日。苗場では、今年に入ってから初めて(通算39回目)のボードウォーク・キャンプ「Boardwalk Don’t Run Vol.39」が行われました。
2002年から設置を開始したこのボードウォーク。正式名称は、「苗場インデペンデンス・ボードウォーク」って言うんです。‘自立して’歩くことのできる道。子どもでも、車椅子の人でも、自由に歩けることを目的としています。
地元の方々とフジロッカーのみなさんが自分たちの手で作り上げ守っているこの木道は、「音楽と自然を自由に楽しみ、出演者、来場者、スタッフ全員で創りあげていくフェスティバル」というフジロックの理念を体現しているものではないでしょうか。
昨冬の大雪で、例年以上にダメージを受けたボードウォークの修復作業は想像以上の経験でした。
その様子をみなさんにお届けします。
この時期の苗場に訪れたことのない筆者。まず、ボードウォーク(以下BW)作業の集合場所である、ホワイト・ステージの広場にステージやお客さんがいない景色に驚きを隠せませんでした。
なんにもない!!!冷静に考えれば、フジロックがここで開催されるのは年に3日間だけですもんね。あの景色が日常じゃないことを痛感します。早く7月にならないかなー。
みなさん、まずはこれを見てください。大雪の影響で壊れてしまったBWです。
見るも無残な光景。これをフジロック開催までに修復するために、この日はBWの骨組みとなる木を運ぶことからスタート。
全長4メートルもある材木を、壊れている地点まで運びます。
よし、いくぞ!てな感じに気合をいれて、いざ出発かと思いきや、これとっても重くて、私、持てませんでした・・・情けない・・・ 15キロくらいの重さだと思うのですが、みなさん軽々と運んでました。肩にのっけて運ばないと身体を壊すので、初めて参加される方は周りのボランティアの方に持ち方を聞いてください。とても親切に教えてくださいます。
BWの上をこれからBWになる木を持って運びます。そして、修復地点に到着すると、地元の方が運んだ木を組んでくださっています。
また、木を運ぶのと同時に、地面がやわらかい土なので基礎の土台となる石材を運びます。これほどの大規模改修は近年でも稀だそうです。
建設スタートから約10年という歴史を感じずにはいられません。
この石も重くて・・・ こちらの新潟県から参加している男性(フジロックには2001年からずっと通っているそうで、今年はノエル・ギャラガーが楽しみだそうです。)は、軽々と持っていました。すごいです、ベテランのフジロッカー。BW後から筋肉痛の筆者は、体を鍛えなければと思いました。
古い板と新しい板の張替えも行なっていますよ。去年のフジロックで足場となってくれた板が役目を終える瞬間に立ち会えます。なんと感動的。
そして、この古い板を運び出します。釘が出ている板もあるので注意が必要です。軍手をすることをくれぐれも忘れないようにしてください。
さすがベテランの方は、ワイルド。板を複数枚一度に運んでいます。(写真:BWキャンプ隊長)
で、こんなにたくさんの板を運び終えました。
ここまでの様子を見て、BWイコール、たいへんな重労働という印象を持った方、それだけではありませんので御安心を。BWは1人1人が自分の出来ることをやるというのがモットーなので、子どもでも全然大丈夫ですよ。
これは、新しい板に釘を打っているところ。コツコツと森の中に響くトンカチ音はとても心地いいものでした。
見事に生まれ変わったBW。とても綺麗です。この上を歩くことに躊躇してしまいますね。こんな感じで二日間はあっという間に過ぎてしまいました。
BWの修復に初めて参加しましたが、今まで、フジロックの期間中に何気なく歩んでいた道に地元の方やボランティアの方がこれほどまでに携わっていること、そして、みなさんがフジロックに対して熱い想いを持っているということを知ることが出来ました。これから、BWを歩くときは1歩1歩を踏みしめながら歩きたいと思います。
フジロックの際には他のフェスにない楽しいルートとなる、BW。
みなさんもこのBW作業を体験したら、また違った視点でフジロックを楽しめるんじゃないでしょうか。
そして、ここからはBWに来ないと観ることの出来ない苗場の風景をご紹介します。
去年から始まった、「フジロックの森」プロジェクトで記念植樹をした場所。フジロック開催中は「NGOビレッジ」の裏手にあたる場所です。
これ何処だかわかります?アヴァロンの丘の上からステージを見下ろした景色です。ロープウェイがステージになっていたんですね。日高さんの頭の中はどうなっているんでしょうか・・・こんなところをステージにしようなんて思い付きません。
こちらは、ところ天国。なんということでしょう、橋が架かっていないんです!橋もこれから架けるんですね。
オレンジ・コートにはサッカーゴールがある・・・
最後にグリーン・ステージ。2ヶ月後にストーン・ローゼズやレディオヘッドがここで演奏するんですね。もう、ドキドキしてきました。
こんな感じで、現地に行くとフジロック開催中には見ることの出来ない景色が広がっていますよ。そしてなによりも、フジロックは大自然の中でゼロから作り上げていくフェスティバルなんだな、ということをしみじみ感じました。
この2日間の作業を終えてもまだまだ修復が必要な箇所が多く、これからのBWは多くの人手が必要だそうです。ですので、この記事を読んで、第40回、第41回のボードウォーク・キャンプに参加してみようと思ってくださる方がいましたら幸いです。
今後の予定は下記の通りとなっております。
■Boardwalk Don’t Run Vol.40 with 100万人のキャンドルナイト
2012年6月23日(土)、24日(日)2日間
内容(予定):補修作業など
■Boardwalk Don’t Run Vol.41 with Special Live
2012年7月14日(土)、15日(日)、16日(祝)3日間
内容:補修作業、最終チェックなど
そして最後に、BWキャンプ隊長から耳寄りなお知らせがあります。
Boardwalk Don’t Run Vol.41が開催される2012年7月15日(日)の夜、苗場でスペシャル・ライヴ開催決定!お楽しみに!!!
【泉邦宏ソロライヴ in 苗場食堂/ボードウォーク】
日時:2012年7月15日(日)よる8:00~
場所:苗場食堂(旧火打ヒュッテ)正面玄関前・野外ステージ
新潟県南魚沼郡湯沢町三国「苗場スキー場」内
※ 雨天の場合は「苗場食堂」屋内で開催します
出演:泉邦宏(as,ss,うた,g,三線,ふえ,perc,トリさん,etc)
■泉邦宏さん(ex.渋さ知らズ、ジャンベフラワーズ、IMO)は、ソロでの全国演奏ツアーや藤井郷子オーケストラや立花泰彦さんや鈴木常吉さんとのデュオなどでも知られております素晴らしい音楽家(マルチプレーヤー)であります。
皆様是非お誘い合わせのうえご来場くださいませ。
泉邦宏/キタカラ通信
http://blog.livedoor.jp/izumix555/
最新作「うた」
http://askatasuna.shop-pro.jp/?pid=24800630
文章&写真 小川 泰明