機能性タオルはフジロッカーの味方か?タオル徹底比較!
- 2018/05/04 ● from fujirockers.org
毎年、お天気が気になるフジロック。晴れたら、汗もかくし日焼けも気になります。雨なら、濡れた髪もテントも早く乾かしたい。もちろん荷物は少なくしたいし見た目はオシャレに!そんなワガママなフジロッカーズの為に、ぶっちゃけどんなタオルが優秀なのか、主婦歴10年のスタッフが厳しい目で検証してみました。
タオルといえば昨今、様々な仕様のものが販売されています。厚めのふかふかのホテル仕様のタオル、もちろん筆者は大好きです。ふっくらと繊維の開いたタオルに顔を埋める気持ち良さときたら!でもそこはフジロック、リュクスな感動は諦めて現実的に検証しましょう。
筆者は常日頃、手ぬぐいとガーゼを愛してやまないので、自信を持ってオススメしたいのですが、ここは山のプロにも聞いて見ようと、好日山荘グランフロント店に売れ筋をお聞きしました。
店員の方「売れ筋はそれぞれですね。登山に持っていかれる方はコンパクトを優先されます。そこは反比例するのですが、乾きやすさでいうと薄い方が、乾きが早く、厚い方が拭き心地はいいけど乾きにくいです。」
と、身も蓋もないアドバイスにくじけそうに…。気を取り直して、取り扱い商品の特徴を教えてもらいました。
#1 PackTowl
アウトドア用のタオルではパックタオルが人気だそうです。サイズや色の種類も豊富で、タオルの自重の2倍から10倍の水を吸収するラインナップが揃っていました。
■店員さんオススメのシリーズは”パーソナル”。
フリースのような肉厚でモフっとした柔らかな肌触りが特徴です。好日山荘さんが取り扱っている高機能タオルの中で、一番タオルに近くふんわりしていました。
吸水性:自重の4倍の水を吸収
重さ:サイズ25×35cmのフェースタオルで20g(サイズ展開あり)
衛生面:抗菌性で衛生面でも○
参考価格:1,400円
商品ページはこちらから
■PackTowlのシリーズ中最も軽い”ウルトラライト”もオススメ
こちらもオススメされました。薄くてコシと張りのある滑らかな手触りが特徴で、タオルというよりメガネ拭きのような素材感です。とにかく薄くて、こんなので吸水してくれるの?という素人考えが頭をよぎります。しかし、その高めの価格とテクノロジーは比例するのか、というか手ぬぐいと比較検証したいという思いで、今回筆者も購入してみました。
吸水性:自重の4倍の水を吸収
重さ:サイズ25×35cmのフェースタオルで13g(サイズ展開あり)
衛生面:抗菌加工なし
参考価格:2,160円
商品ページはこちらから
#2 NANOTOWEL®
水拭きしただけで、髪の毛の1/7,500という細さのナノ繊維が皮膚の凸凹に入り込んで汚れや皮脂を取り除き、風呂に入ったかのようなさっぱり感が得られるという優れもの。ブンブン振り回したあと首に巻くと接触冷感機能により、冷んやりするそうです。
タオル本来の目的である「水分を吸収する」という機能をどこかに置き忘れてきたのか、とツッコミたくなりますが、市販の汗拭きシートはゴミになりますし、汗かいた後に水拭きでさっぱり出来るのはポイント高いです。暑さ対策にも1枚は持っていると便利なのでは?
吸水性:吸水率の記載なし
重さ:サイズ38×85cmで40g(サイズ展開あり)
衛生面:抗菌加工なし
参考価格:3,000円
#3 SUPER LIGHT TOWEL
乾いた状態だとスウェードやシルクのような、しっとりとした手触りです。最初下ろした時、めちゃくちゃ色落ちしたので5回、洗いを繰り返しました。水分を吸収するとヌメッとした感触。首に巻くのは個人的にやや躊躇されます。でも、絞ればほぼドライな状態になるという謳い文句が強気です。
吸水性:自重の3倍の水を吸収
重さ:サイズ40×80cmで44g
衛生面:抗菌・防カビ加工あり。◎
参考価格:1,400円
#4 今治まきたおる(ガーゼ)
5年使っているけど全然ヘタレない!と横で別の店員さんが力説しておられました。日本が誇るタオルブランド、タオルといえば今治です。こちらオシャレなカラーラインナップで、ガーゼ素材の軽さと肌触りの良さから、マフラーがわりに日焼け予防にと使い勝手も良いです。ガーゼは空気をふくむので、肌寒い時首に巻くと暖かいですよ。
またこちらのタオルは木綿100%ながら消臭機能を持つ糸で織られており、アンモニアなどを素早く大量に消臭するそうです。ジャパニーズテクノロジーおそるべし。
吸水性:不明
重さ:サイズ32×136cmで58.5g
衛生面:耐久性に優れた消臭機能あり。◎
参考価格:1,300円
ここからは、主婦目線でオススメしたいタオルです。
#5 手ぬぐい
手ぬぐいには木綿晒し生地に直接プリントされたものと、注染という染色技術で染められた2種類に分けられます。プリント手ぬぐいは、表面に印刷したもので裏側の色が薄くなっています。一方注染手ぬぐいは、表裏両側から染料を注ぎ生地を通して染めているので、裏表同じ色をしています。
プリント手ぬぐいはものによりますが、インクが繊維に張り付いている感じで、肌触りは断然注染手ぬぐいの方がいいです。
吸水性:不明
重さ:サイズ36×90cmで約35g
衛生面:抗菌加工なし
参考価格:1,500円
#6 バックガーゼタオル
ガーゼ面とパイル面を同時に織りながら一体化させているタオルです。ネットで検索してみると色々見つかると思います。通気性のいいガーゼの利点とパイル地の持つ素早い吸水性の2つの長所が、心地よさを生みます。
(以下、私物)
吸水性:不明
重さ:サイズ34×90cmで約77.5g
衛生面:抗菌加工なし
参考価格:580円
#7麻タオル
麻は繊維の中心が空洞になっている為、一般的に木綿より吸水性・速乾性に優れていると言われています。またその構造上汚れが染み込みにくいので、汚れが落ちやすくなっています。天然繊維の中で最も丈夫ながら、使い込むほどに柔らかな風合いに。一流ホテルのリネンに麻が使われるように、高価でもあります。
ただ今回は手持ちの麻タオルがなかったので、検証には100円ショップで購入した浴槽タオルを代用します(この落差よ)。
(以下、私物)
吸水性:不明
重さ:サイズ21×80cmで約68g
衛生面:抗菌加工なし
参考価格:100円
吸水性と速乾性を検証!
それでは吸水性と速乾性を検証してみます。NANOTOWEL®に関しては吸水タオルではない為、代わりに一般的なパイルタオルを項目に入れることにします。
【吸水性 】
吸水時の重さは、それぞれタオルを水に十分浸してから、二つ折りで2分間持ち上げて水切りしたものを計測しました。
吸水性の1位は、自重の5倍を保水した今治まきたおる(ガーゼ)でした。トップ3が木綿素材なのは意外でしたね。吸水性をうたっているパックタオル ウルトラライトも4位ながらも、ほぼ同率。木綿素材ながらも最下位は手ぬぐいでした、無念。
【速乾性】
洗濯機でそれぞれ20秒脱水後、ハンガーにかけ等間隔に並べて部屋干ししました。条件は室温25℃、湿度30%です。
手ぬぐい名誉挽回、ダントツの1位です!2時間でほぼ乾いていました。2位のスーパーライトタオル、3位の今治まきたおる(ガーゼ)も、手ぬぐいが乾いた時点でほぼ乾いていました。麻のタオルも、スーパーライトタオルに並ぶ勢いです。これ、もしかしたら麻がガーゼ素材であれば上位に食い込んできたのかもしれません。それに比べてループタオルはゆっくり乾いています。そりゃ部屋干しすると雑菌が増えるわけです。
まとめ
検証を終えて、機能性タオルについて見えてきたことは、吸水率3倍や4倍程度の買うぐらいなら手頃な値段のガーゼタオルを買った方が良いということ。でも、薄くて軽くかさばらないのは魅力的です。スーパーライトタオルのように絞ればほぼドライな状態になるものは買いでしょう。吸水率10倍というのであれば価格高めであっても、テント内の結露を吸収させたり、雨の中テントを立てたり片付けたりする際に便利だと思います。
首に巻いて汗を拭いたり、日除けや防寒対策には、木綿のガーゼ素材が吸水性・速乾性・コスパ面でもオススメです。そして手ぬぐいの、吸水性の低さをカバーする速乾性とかさばらない軽量さも、個人的にオススメします!
何はともあれ、フジロックに何を持っていくか考えるのは楽しい時間ですね。たかがタオル、されどタオル。今回の結果が絶対的ではないので、参考程度にご覧いただければと思います。
文・写真:岡部智子