週刊フジ 〜初フジロック編④〜
- 2016/11/17 ● 週刊フジ
2008年 アンダーワールド
初めてフジロックに行ったのが2008年の2日目。ホワイトステージのトリのシンプルプランを見終わった後で疲れがピークに達し、キャンプサイトへ戻る途中にグリーンステージの手前で少し休憩しようと思ったが、そのまま寝落ちしてしまった。
どれくらい眠っていたのだろう。目が覚めると心地よい電子音が聴こえ、夜の森と空を照らす無数のライト、ステージ前では巨大な風船と一緒にオーディエンスが飛び跳ね、観客に負けじとカール・ハイドも踊っているのが見える。さっきまで泥のように寝ていた友人もいつの間にか体を揺らしているのだ。
ステージも終盤に差し掛かり「Rez」、「Cowgirl」と続き「Born Slippy .NUXX」で会場の一体感は更に増していく。お馴染みのカールダンスもますます激しくなっていき、「Jumbo」ではまるで宙に浮いているような錯覚に陥ってしまった。その夜私が苗場で見た幻想的な光景は、少しの間それが夢か現実か分からなくなったほど衝撃的だった。
Text by Takanobu Shiga
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