• 週刊フジ 〜初フジロック編③〜


    何も分からなくても、何もなくても、身体ひとつあればフジロックは楽しめるんだと気がついた。

    Photo by アリモトシンヤ

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    僕が初めてフジロックに行くことになったのは2012年。レディオヘッドやザ・ストーン・ローゼズがヘッドライナーを務めた年だった。当時仲良くなった人たちが、毎年フジロックで楽しそうにしている様子をツイッターで見ていて、「これはいよいよ行ってみるしかない」と思ったのがきっかけだ。

    行くと決まったら、まずは準備。当時、音楽フェスというものに行ったことがなく、普段聴く音楽といえばもっぱらアニメソングにJ-POPだった僕にとっては、ラインナップを見ても大半が知らない名前ばかりだった。ヘッドライナーのバンド名すら聞いたことがない。いろいろと借りてきて、聴いてはみたものの、ピンとこない。僕は早々に予習を諦め、持って行く物の準備に切り替えた。

    常連フジロッカーの友人にたくさんアドバイスをもらったが、フジロックに過酷なイメージを持っていた僕は、天候や食事のことなど、心配事ばかりが頭から離れなかった。しかも、超がつくほどの雨男だから、「豪雨でテントから出られなくなるかもしれない」と心配になり、結局10日分の着替えと、モバイルバッテリー10個、それに大量の食料と水を90ℓのボストンバッグ一杯に詰め込んで苗場に向かった。

    右も左もわからないままで参加した、初めてのフジロック。初日最初に聴いたトロージャンズはちっとも知らなかったけども陽気で楽しく、さくらぐみのピザには毎日お世話になって、散々心配していた天候もまさかの全日晴れで、結局、リュックから雨具を出すことはなかった。いや、最終日のレディオヘッドの後、一瞬雨が降ったときにちょっとだけ出した。あの時、周りのみんなが一斉に雨具をかぶると、突然景色がカラフルになって、ただ雨が降っただけなのに感動したことを覚えている。

    終わってみれば、現地で買ったりしたTシャツのおかげで着替えは半分以下で足りたし、ひたすら食べて回るのに夢中でどっさり持って行った食料にはひとつも手を付けなかったし、出演者の予習もしなかったけれど何を聴いても新しい発見しかなくて楽しかった。何も分からなくても、何もなくても、身体ひとつあればフジロックは楽しめるんだと気がついた。

    今年でフジロック5年生になる。毎年ボストンバッグに何を詰めるかは悩むけれど、もう心配することはなくなった。

    Text by SM


    icon-weeklyfuji「週刊フジ」はフジロッカーズオルグのスタッフがそれぞれの観点で、フジロックへの思いを綴るコラムです。毎週水曜更新!一覧はこちら

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