週刊フジ 〜名場面編⑫〜
- 2016/09/21 ● 週刊フジ
フジロック回想
私の場合、初年度の嵐のフジでも、苗場初開催でもなく、フジの歴史上、過渡的な場所だった豊洲開催が初体験。当時、ミッシェル・ガン・エレファントに超執心していたせいで、開催前日いてもたってもいられず、当時大阪で働いていた私は開催2日目に間に合うよう、市内の事務所に泊まりこみ始発の新幹線で東京へ向かったのでした。何故か中途半端に築地本願寺あたりでタクシーを降り、緊張のあまりタクシーの天井にしたたか頭を打ち、ほうほうの体で会場に。そしてマジで死人が出るんじゃないか?と思われたミッシェルのアクトを体験しました。でもそこで初めてADFとソウルセットが続けて出演していたことなどなど、洋邦混交フェスの素晴らしさに激しく感銘を受け、今に至ってしまいました。その後、大きな存在になった某バンドのK田氏と某H氏のライヴにげんなりしたことも今となっては、いい思い出です。
会場が苗場に移ってからは今じゃ禁止事項である、苗プリ前辺りの川で遊んでいたり…のんびりしていましたね。灼熱も土砂降りもさほど気にならないですが、5年前ぐらいか、越後湯沢まで降りるバス2時間待ち、降りた時点で夜中の3時、非常に申し訳ない気持ちで宿に電話して迎えに来てもらって、さらに1時間。でも宿に着くとその日のことを思い出して覚醒してしまうという、謎の現象が起こりました。それがフジロックなのかもしれません。因みにフジに行くようになって「待つ」ことに対する耐性は確実にアップしたと思います。でも街でラーメン屋の行列には並べません。なんなんでしょうね。
私の思うベストアクトは…多すぎますが、これも数年前、ホワイトのコリーヌ・ベイリー・レイのアクトでそれほど思い入れがあったわけでもないのに号泣していました。ホワイトは音で泣ける確率が高い。1年の毒が洗い流される気分です。
フジのご飯については「即エネルギーになってコスパが良い」という理由で1日中、豚丼を食べていた日が…。特に旨いというより、迷ってライブが見られないのが悔しいという残念な人間なのか、よほど見たいアクトが多かったのか、そのことはよく覚えています。食に執着がないのかもしれません。
Text by 石角友香
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