• 週刊フジ 〜名場面編⑪〜


    MY BLOODY VALENTINE | FUJI ROCK FESTIVAL ’08

    Photo by Izumi Kumazawa

    Photo by Izumi Kumazawa

     フジロックのベストライヴはなんだろうと考えて浮かんでくるのは、98年のベックとか、98年のビョークとか、98年のミッシェル・ガン・エレファントであり、初めてフジロックにいったときの思い出は大きいのだなと改めて感じる。

     2000年からフジロック・エキスプレスのスタッフになって、ライヴ・レポートを書くようになる。レポートをする楽しみというのがあるから 15年も続けられたけれども、スタッフをやっていると時間は拘束されるので、自由にライヴを観ることができなくなり「みんなが絶賛した○○のライヴ」を実は観てなかったりする。

     そんな中、最高のライヴと自分がレポートを担当したライヴが合致したときの喜びは非常に大きいものだ。

     そういう意味ですぐに挙げられるのは、2008年のマイ・ブラッディ・ヴァレンタイン@グリーン・ステージだ。このときのライヴは、つまりは”You Made Me Realise”の20分以上続いたフィードバック・ノイズだった。寄せては返す波のようなギターのノイズは、もしかして終わらないのではないかと思わせ、そこから我々をどこかへ連れ去ってしまうのではないかという怖れと喜びが苗場に降ってきたのだった。リズムもメロディもコードもなく、もはや音楽でもないノイズが鳴り続き、宇宙空間に連れていかれたような感覚にさせる場所は、山と木々に囲まれた高原でなければならなかった。こうした奇跡に出会ったとき、心の底からフジロックのレポートができてよかったと思うのだ。

    当時のレポートはこちら
    MY BLOODY VALENTINE|FUJIROCK EXPRESS’08
    PHOTO|MY BLOODY VALENTINE|FUJIROCK EXPRESS’08

    Text by イケダノブユキ


    icon-weeklyfuji「週刊フジ」はフジロッカーズオルグのスタッフがそれぞれの観点で、フジロックへの思いを綴るコラムです。毎週水曜更新!一覧はこちら

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